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「親譲りの無鉄砲で小供の時から損ばかりしている。
小学校に居る時分学校の二階から飛び降りて
一週間程腰を抜かした事がある。
なぜそんな無闇をしたと聞く人があるかも知れぬ。
別段深い理由でもない。
新築の二階から首を出していたら、同級生の一人が冗談に、
いくら威張っても、そこから飛び降りる事は出来まい。
弱虫やーい。と囃したからである。
小使に負ぶさって帰って来た時、
おやじが大きな眼をして
二階位から飛び降りて腰を抜かす奴があるかと云ったから、
この次は抜かさずに飛んで見せますと答えた。」
本当に文章がリズミカルで、小気味よいですね。
百年も前の文章ですが、松山を訪れたことで
中学時代に読んだ「坊ちゃん」
もう一度読んでみようかなと思いました。
この有名な冒頭の書き出し
「坊ちゃん」と親父の関係を想像してみました
親譲りの無鉄砲
二階位から飛び降りて腰を抜かす奴があるか
この次は抜かさずに飛んで見せます
親父は自分に似たこの息子が本当は「可愛くて」「可愛くて」
仕方がなかったが 明治男の特性で表現が逆になる
「坊ちゃん」も本当の親父の気持ちをわかっていたのではと
こんなことを思いながら45年ぶりに読んでみます。
2007年3月25日
笠原 道夫
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