残照亭の日日

残り少ない日々、自分の日常や古い話などを時々書きます。
故「藤沢周平」のファン。思い出の作品などを書いてます。

それでも~「恋」は「恋~」💕

2024-10-13 | 日記

「いつかふたりになるためのひとり いつかひとりになるためのふたり」浅井和代 歌

 

過日、高齢者施設ボランティア訪問のとき、少し離れて一人車いすのご婦人

出待ちの私、傍近くに寄って、「大丈夫ですか」と声をかけた

婦「ぇぇ・・大丈夫よ」と、「少しね、耳がね~」

高座の邪魔にならないように、雑談

"95歳、息子夫婦は遠くにいるので、孫もひ孫にもなかなか会いない"

"主人がね~、20年前に先逝って、あら、10年だったかしら"と憂えある笑み

"若い頃のことは覚えているのよ、でも朝ごはんに何食べたか・・ねぇ"

"主人とは、当時は珍しいけど、恋愛結婚だったのよ"

そうして、ご主人が亡くなる前、話せてる時に口ずさんだ短歌を、忘れられない・・と

"・・・一人になってしまったわ"と、寂しそうに・・・

 

きっと、いい夫婦だったのだろうな

山あり谷ありの、人生で有ったろうと思う

が、別れの前に短歌を口づさみ、寂しく別れがたい気持ちを伝えるなんて

とてもとても、凡人のわたしには真似できない事である

高齢者施設には、様々な人生がギュッと・・・在る

 

「いつかふたりになるためのひとり いつかひとりになるためのふたり」

(調べてみたら、全てひらがなで読まれた短歌であった)