「いつかふたりになるためのひとり いつかひとりになるためのふたり」浅井和代 歌
過日、高齢者施設ボランティア訪問のとき、少し離れて一人車いすのご婦人
出待ちの私、傍近くに寄って、「大丈夫ですか」と声をかけた
婦「ぇぇ・・大丈夫よ」と、「少しね、耳がね~」
高座の邪魔にならないように、雑談
"95歳、息子夫婦は遠くにいるので、孫もひ孫にもなかなか会いない"
"主人がね~、20年前に先逝って、あら、10年だったかしら"と憂えある笑み
"若い頃のことは覚えているのよ、でも朝ごはんに何食べたか・・ねぇ"
"主人とは、当時は珍しいけど、恋愛結婚だったのよ"
そうして、ご主人が亡くなる前、話せてる時に口ずさんだ短歌を、忘れられない・・と
"・・・一人になってしまったわ"と、寂しそうに・・・
きっと、いい夫婦だったのだろうな
山あり谷ありの、人生で有ったろうと思う
が、別れの前に短歌を口づさみ、寂しく別れがたい気持ちを伝えるなんて
とてもとても、凡人のわたしには真似できない事である
高齢者施設には、様々な人生がギュッと・・・在る
「いつかふたりになるためのひとり いつかひとりになるためのふたり」
(調べてみたら、全てひらがなで読まれた短歌であった)