イギリスの作家「ジム・ケリー」の長篇ミステリ作品『逆さの骨(原題:The Moon Tunnel)』を読みました。
『水時計』に続き、「ジム・ケリー」の作品です。
-----story-------------
かつて捕虜収容所だった発掘現場で奇妙な骸骨が発見された。
その男は脱出用と思われるトンネルを収容所に向かって這い進んでいたうえ、額を拳銃で打ち抜かれていたのだ。
脱走兵にしては謎めいた殺害状況に、新聞記者「ドライデン」は調査を開始する。
だが数日後、同じ現場で新たな死体を発見し……。
過去と現在を繋ぐ謎の連鎖と緻密に張られた伏線が魅せる、英国本格ミステリの精華。
解説=「酒井貞道」
*第5位『2015本格ミステリ・ベスト10』海外ランキング
-----------------------
2005年(平成17年)に発表された作品で、沼沢地帯の都市・イーリーを舞台にして、週間新聞『クロウ』の記者「フィリップ・ドライデン」が探偵役となり活躍するシリーズの第3作です。
イタリア人の考古学者「アゼーリョ・ヴァルジミーリ」が指揮する遺跡発掘現場で、地下道が発見され、その中から男の骸骨が発見された… そこは、第二次世界大戦時に捕虜収容所があった場所だったことから、遺体は収容所からの脱走を試みた敵国兵士のものと考えられた、、、
地下道自体も、脱走目的で掘られただろうと推測されたが遺体には謎があった… 彼は地下道を収容所の中に向かっている最中に、額を拳銃で撃ち抜かれて殺されていたのだ。
しかも、遺体が握りしめていた防水布の袋からは、真珠のネックレスと銀の燭台が出てくる… 彼はいったい誰なのか!? 当時何があったのか!? 興味を惹かれた週間新聞『クロウ』の記者「フィリップ・ドライデン」は、警察とは別個に、ジャーナリストとして捜査を開始する、、、
捕虜収容所に囚われていたのは、ドイツ人捕虜やイタリア人捕虜であったが、このうちイタリア人たちは、戦後、少なくない者が周辺地域に住み着き、コミュニティを形成した… 現在、そこでは、捕虜の子どもたちの世代が中高年を迎えており、「ドライデン」は、彼らから当時の情報を集めようとする。
一方、調査の過程で、1944年に沼沢地の外れにあるオスミントン屋敷に泥棒が入り、使用人が殺されて美術品が盗まれていたことが判明する… 当時、まず犯人として疑われたのはイタリア人捕虜たちであった、、、
「ドライデン」は、真珠のネックレスや銀の燭台は、その屋敷からの盗品ではないかと考えて、当時のイタリア人捕虜たちが事件の鍵を握っているに違いないと確信を深めていく… ごみ処理場からと思われる有毒な霧の発生、ごみ処理場で毒殺された三頭の犬の発見、発掘現場での夜盗団、老婦人の公営アパート強制退去、そして発掘現場での新たな殺人事件 等々、「ドライデン」は、イーリーで発生する様々な事件の取材に携わりながら謎めいた事件の真相に近づいていく……。
メインの事件と繋がる事件や全く無関係の事件… 記者として、様々な事件に関わりつつ、入院中の妻「ローラ」や義父との対応、お抱えタクシー運転手「ホルト」の体調不良の介抱など、「ドライデン」の周囲にはいろんなことが発生します、、、
プライベートな部分も含め、「ドライデン」の生活がしっかり描かれており、シリーズ作品としての愉しさもしっかり織り込んでありましたね… 今回は、逮捕されたごみ処理場の所有者「マー・トランチ」の愛犬「ブーディッカ」の勇気ある行動も印象的でした。
以下、主な登場人物です。
「フィリップ・ドライデン」
週刊新聞「クロウ」の上級記者
「ローラ・ドライデン」
ドライデンの妻
「ハンフリー・H・ホルト」
ドライデンのお抱えタクシー運転手
「ロジャー・スタットン」
ドライデンの叔父
「セプタマス・ヘンリー・キュー」
週刊新聞「クロウ」の編集長
「ビル・ブラッケン」
週刊新聞「クロウ」の編集主任
「ゲーリー・バイモア」
ドライデンの同僚
「アゼーリョ・ヴァルジミーリ」
考古学教授
「ルイーズ・ボーモント」
ヴァルジミーリの妻。医者
「ジョシュ」
発掘作業員
「ジェーン」
発掘作業員。女子学生
「セラフィーノ・アマティスタ」
イタリア人捕虜。故人
「トーマス・オールダー」
葬儀屋
「マー・トランチ」
ごみ処理場の所有者
「ラッセル・フリン」
ドライデンの情報提供者
「ペペ・ローマ」
<イル・ジャルディーノ>の店主
「マルコ・ローマ」
ペペの父親。故人
「ジェローム・ローマ」
ペペの兄
「ローマン・カサルテッリ」
イタリア人捕虜の会代表
「ヴィー・ヒルゲイ」
ヒルゲイ一族の生き残り
「S・V・マン」
東ケンブリッジ博物館学芸員助手
「ボブ・キャヴェンディッシュ-スミス」
部長刑事
『水時計』に続き、「ジム・ケリー」の作品です。
-----story-------------
かつて捕虜収容所だった発掘現場で奇妙な骸骨が発見された。
その男は脱出用と思われるトンネルを収容所に向かって這い進んでいたうえ、額を拳銃で打ち抜かれていたのだ。
脱走兵にしては謎めいた殺害状況に、新聞記者「ドライデン」は調査を開始する。
だが数日後、同じ現場で新たな死体を発見し……。
過去と現在を繋ぐ謎の連鎖と緻密に張られた伏線が魅せる、英国本格ミステリの精華。
解説=「酒井貞道」
*第5位『2015本格ミステリ・ベスト10』海外ランキング
-----------------------
2005年(平成17年)に発表された作品で、沼沢地帯の都市・イーリーを舞台にして、週間新聞『クロウ』の記者「フィリップ・ドライデン」が探偵役となり活躍するシリーズの第3作です。
イタリア人の考古学者「アゼーリョ・ヴァルジミーリ」が指揮する遺跡発掘現場で、地下道が発見され、その中から男の骸骨が発見された… そこは、第二次世界大戦時に捕虜収容所があった場所だったことから、遺体は収容所からの脱走を試みた敵国兵士のものと考えられた、、、
地下道自体も、脱走目的で掘られただろうと推測されたが遺体には謎があった… 彼は地下道を収容所の中に向かっている最中に、額を拳銃で撃ち抜かれて殺されていたのだ。
しかも、遺体が握りしめていた防水布の袋からは、真珠のネックレスと銀の燭台が出てくる… 彼はいったい誰なのか!? 当時何があったのか!? 興味を惹かれた週間新聞『クロウ』の記者「フィリップ・ドライデン」は、警察とは別個に、ジャーナリストとして捜査を開始する、、、
捕虜収容所に囚われていたのは、ドイツ人捕虜やイタリア人捕虜であったが、このうちイタリア人たちは、戦後、少なくない者が周辺地域に住み着き、コミュニティを形成した… 現在、そこでは、捕虜の子どもたちの世代が中高年を迎えており、「ドライデン」は、彼らから当時の情報を集めようとする。
一方、調査の過程で、1944年に沼沢地の外れにあるオスミントン屋敷に泥棒が入り、使用人が殺されて美術品が盗まれていたことが判明する… 当時、まず犯人として疑われたのはイタリア人捕虜たちであった、、、
「ドライデン」は、真珠のネックレスや銀の燭台は、その屋敷からの盗品ではないかと考えて、当時のイタリア人捕虜たちが事件の鍵を握っているに違いないと確信を深めていく… ごみ処理場からと思われる有毒な霧の発生、ごみ処理場で毒殺された三頭の犬の発見、発掘現場での夜盗団、老婦人の公営アパート強制退去、そして発掘現場での新たな殺人事件 等々、「ドライデン」は、イーリーで発生する様々な事件の取材に携わりながら謎めいた事件の真相に近づいていく……。
メインの事件と繋がる事件や全く無関係の事件… 記者として、様々な事件に関わりつつ、入院中の妻「ローラ」や義父との対応、お抱えタクシー運転手「ホルト」の体調不良の介抱など、「ドライデン」の周囲にはいろんなことが発生します、、、
プライベートな部分も含め、「ドライデン」の生活がしっかり描かれており、シリーズ作品としての愉しさもしっかり織り込んでありましたね… 今回は、逮捕されたごみ処理場の所有者「マー・トランチ」の愛犬「ブーディッカ」の勇気ある行動も印象的でした。
以下、主な登場人物です。
「フィリップ・ドライデン」
週刊新聞「クロウ」の上級記者
「ローラ・ドライデン」
ドライデンの妻
「ハンフリー・H・ホルト」
ドライデンのお抱えタクシー運転手
「ロジャー・スタットン」
ドライデンの叔父
「セプタマス・ヘンリー・キュー」
週刊新聞「クロウ」の編集長
「ビル・ブラッケン」
週刊新聞「クロウ」の編集主任
「ゲーリー・バイモア」
ドライデンの同僚
「アゼーリョ・ヴァルジミーリ」
考古学教授
「ルイーズ・ボーモント」
ヴァルジミーリの妻。医者
「ジョシュ」
発掘作業員
「ジェーン」
発掘作業員。女子学生
「セラフィーノ・アマティスタ」
イタリア人捕虜。故人
「トーマス・オールダー」
葬儀屋
「マー・トランチ」
ごみ処理場の所有者
「ラッセル・フリン」
ドライデンの情報提供者
「ペペ・ローマ」
<イル・ジャルディーノ>の店主
「マルコ・ローマ」
ペペの父親。故人
「ジェローム・ローマ」
ペペの兄
「ローマン・カサルテッリ」
イタリア人捕虜の会代表
「ヴィー・ヒルゲイ」
ヒルゲイ一族の生き残り
「S・V・マン」
東ケンブリッジ博物館学芸員助手
「ボブ・キャヴェンディッシュ-スミス」
部長刑事
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます