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『隠れ菊〈上〉〈下〉』 連城三紀彦

2021年10月15日 22時05分00秒 | ■読書
「連城三紀彦」の長篇作品『隠れ菊』を読みました。


夜よ鼠たちのために運命の八分休符黄昏のベルリンに続き、「連城三紀彦」の作品です。

-----story-------------
〈上〉
浜名湖畔の料亭に嫁いだ「通子(みちこ)」
ある日、夫の指示で会った女に「ご主人をいただきにきました」と言われ、平凡な女の日々は一変、妻の座と店の運命を賭けた闘いが始まる。
「柴田錬三郎賞」受賞作。

〈下〉
莫大な借金を抱えて新しい店を始めた「通子」
夫を奪いにきた女と商売の面ではパートナーとなり、複雑な心境のまま世間の荒波に飛び込んでいく。
女の表も裏も書き尽くした傑作長編。
(解説/「池上冬樹」
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1994年(平成6年)4月1日から1995年(平成7年)3月31日まで『静岡新聞』で連載され、第9回「柴田錬三郎賞」を受賞し、『ゆずれない夜』『あなたには渡さない』のタイトルで何度もテレビドラマ化されている作品です。

 ■波の崖
 ■近い別れ
 ■負け戦
 ■うすぎぬの海
 ■一花繚乱
 ■春の嵐
 ■鬼の情
 ■潮の余白
 ■解説 池上冬樹


浜名湖畔の料亭・花ずみの跡取りと結婚した「通子」… 名女将と評判の姑が亡くなりまもなく一年になる日、「通子」は夫の「旬平」の指示で一人の女と会う、、、

女は「通子」に言った―「ご主人をいただきにきました」… とりだした離婚届には、すでに「旬平」の署名が。

この日から、平凡な主婦だった「通子」の日常は一変、妻の座と店の運命を賭けた闘いが始まった……。

莫大な借金を背負って新しい花ずみを始めた「通子」… 夫を奪いにきた女「多衣」と商売の面ではパートナーとなり、複雑な心境のまま世間の荒波に飛びこんでゆく、、、

従業員の裏切り、痴話喧嘩の果ての殺人未遂と、数々の災難におそわれながら、「通子」は自らの奥に秘めていた花を咲かせてゆくが、突然の政治スキャンダルに飲みこまれ……。


普通の主婦が老舗料亭の女将になり、板前の主人や浮気相手の造り酒屋の女社長、幼馴染の会社社長などと荒波に飲まれながら、波乱万丈な人生を力強く、逞しく切り拓き生きていく… そんな物語なのですが、、、

登場人物たちの恋愛観… それも、かなりドロドロした恋愛観が理解できなかったし、「通子」自らもフライングと自嘲する稚拙な判断に何でっ!? と感じる部分が多く、作品に入り込めなかったですね。

特に終盤のマスコミ対応については、想像力を働かせて、ちょっと考えれば、自分や仲間にとって不幸な展開になることはわかるはずなのにねー まぁ、それでも、その禍を転じて福と為すわけだから、長い目で見れば判断は間違っていない ってことになるんでしょうが、、、

やはり、気持ちが理解できないし、感情がシンクロできないんですよね… ドラマだと、これくらい分かりやすい方が良いのかな? ドラマ向けの内容かもしれませんね。


以下、主な登場人物です。

「上島通子」
 主婦。旧姓立石。

「上島旬平」
 通子の夫。料亭「花ずみ」の板長。

「矢萩多衣」
 旬平の愛人。金沢の酒蔵「矢萩商店」の社長。

「上島キク」
 旬平の母。故人。「花ずみ」の名女将。

「上島儀平」
 旬平の父。故人。

「上島優美」
 通子の娘。高校生。

「上島一希」
 通子の息子。中学生。

「笠井芯太郎」
 通子の兄の友人。建設会社の社長。

「堀口八重」
 「花ずみ」の女将。

「前田秀次」
 「勝浪」の板前。「花ずみ」の元板長。

「矢場耕一」
 「花ずみ」の板前。

「立石啓介」
 通子の兄。

「立石佐知子」
 啓介の妻。

「野沢伸五」
 大手繊維会社社長。かつての「花ずみ」の得意客。

「大角六扇」
 日本画の大家。

「吉岡鶴代」
 儀平の愛人。

「吉岡純代」
 鶴代の娘。優美のクラスメート。

「大瀬健策」
 「勝浪」の主。

「秋葉謙三」
 「小松食堂」の主。

「秋葉安代」
 秋葉謙三の妻。

「山下剛ノ介」
 キクと関係があった国会議員。


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