フランスの作家ピエール・ルメートルの長篇ミステリ作品『監禁面接(原題:Cadres noirs)』を読みました。
『傷だらけのカミーユ』、『わが母なるロージー』に続き、ピエール・ルメートルの作品です。
-----story-------------
『その女アレックス』の鬼才ルメートル、最新作。
徹夜必至。一気読み保証。
どんづまり人生の一発逆転にかける失業者アラン、57歳。
愛する妻と娘たちのため、知力と根性とプライドをかけた大博打に挑む!
鬼才のノンストップ再就職サスペンス!
リストラで職を追われたアラン、失業4年目。
再就職のエントリーをくりかえすも年齢がネックとなり、今は倉庫でのバイトで糊口をしのいでいた。
だが遂に朗報が届いた。
一流企業の最終試験に残ったというのだ。だが最終試験の内容は異様なものだった。
〈就職先企業の重役会議を襲撃し、重役たちを監禁、尋問せよ〉
重役たちの危機管理能力と、採用候補者の力量の双方を同時に査定するというのだ。
アランは企業人としての経験と、同じく人生どんづまりの仲間たちも総動員し、就職先企業の徹底調査を開始した。
そしてその日がやってきた。
テロリストを演じる役者たちと他の就職希望者とともに、アランは重役室を襲撃する!
だが、ここまでで物語はまだ3分の1。
「そのまえ」「そのとき」「そのあと」の三部構成を操って名手はアランと読者を翻弄する。
残酷描写を封印、ルメートルが知的たくらみと皮肉なブラック・ユーモアを満載して送るノンストップ再就職サスペンス!
解説・諸田玲子
-----------------------
2010年(平成22年)に刊行された、『死のドレスを花婿に』に続く2作目のノンシリーズ長篇作品です。
アラン・デランブルは57歳、安定した仕事を失って4年、職探しに奔走して物流会社のアルバイトにありついたものの、トラブルを起こしてそれすら失いかねない… 訴訟沙汰にもなっていて、人生最大の窮地に陥っている、、、
共稼ぎの妻ニコルと独立した娘マチルドとリュシーという愛する家族のためにも、金が要る、仕事が欲しい、プライドも保ちたい… そんな彼が、BLCコンサルティングが企画した大手企業エクシャル・ヨーロッパの人材採用試験の最終候補に残ったことから、予想外の事態に巻きこまれてゆく。
実は、最終試験は、武装グループに重役会議を襲撃させて、重役たちの反応から的確な人物評価を導くという奇想天外なもの… 悩みぬいた末、アランは涙ぐましい準備をかさね、偽物の武装グループをあやつって芝居を粛々と遂行すべく試験にのぞもうとするのだが…… 。
『第1部 そのまえ』と『第3部 そのあと』をアランが語り、『第2部 そのとき』は人質拘束RPGを進行するダヴィッド・フォンタナが語るという構成になっており、読後に振り返ったとき、これがなかなかに効果的だったことに気付かされましたね… 『第1部 そのまえ』は、リストラされアルバイトも暴力事件で解雇、損害賠償訴訟を起こされたアランの焦燥が中心で、やや沈滞気味な展開ですが、『第2部 そのとき』からは一気にスピード感が加速、、、
2転3転する展開に、着地点が全く見えないサスペンスが連続… この辺りは、ピエール・ルメートルらしい展開でした。
短気で、つい手が出てしまうアランは、感情移入しにくい性格なのですが… 同世代なことや、家族を大切に思う気持ち等、環境面で共感できる部分が多く、自分の姿を投影しながら、そして、いつの間にか応援しながら読んでましたね、、、
こんな状況に陥ったら、自分ならどう行動するだろう? 考えさせられながら、そして、意外な展開を愉しませてもらいながら読みました。
エネルギッシュで、個人で大企業に立ち向かうアランの挑戦… 結末は、現実感がなく、やや物足りなさを感じましたが、何だかページを捲る手を止められない、そんな魅力がありました、、、
映画にすると面白そうですねー 残酷描写を封印した、ノンストップ再就職サスペンスでした。
『傷だらけのカミーユ』、『わが母なるロージー』に続き、ピエール・ルメートルの作品です。
-----story-------------
『その女アレックス』の鬼才ルメートル、最新作。
徹夜必至。一気読み保証。
どんづまり人生の一発逆転にかける失業者アラン、57歳。
愛する妻と娘たちのため、知力と根性とプライドをかけた大博打に挑む!
鬼才のノンストップ再就職サスペンス!
リストラで職を追われたアラン、失業4年目。
再就職のエントリーをくりかえすも年齢がネックとなり、今は倉庫でのバイトで糊口をしのいでいた。
だが遂に朗報が届いた。
一流企業の最終試験に残ったというのだ。だが最終試験の内容は異様なものだった。
〈就職先企業の重役会議を襲撃し、重役たちを監禁、尋問せよ〉
重役たちの危機管理能力と、採用候補者の力量の双方を同時に査定するというのだ。
アランは企業人としての経験と、同じく人生どんづまりの仲間たちも総動員し、就職先企業の徹底調査を開始した。
そしてその日がやってきた。
テロリストを演じる役者たちと他の就職希望者とともに、アランは重役室を襲撃する!
だが、ここまでで物語はまだ3分の1。
「そのまえ」「そのとき」「そのあと」の三部構成を操って名手はアランと読者を翻弄する。
残酷描写を封印、ルメートルが知的たくらみと皮肉なブラック・ユーモアを満載して送るノンストップ再就職サスペンス!
解説・諸田玲子
-----------------------
2010年(平成22年)に刊行された、『死のドレスを花婿に』に続く2作目のノンシリーズ長篇作品です。
アラン・デランブルは57歳、安定した仕事を失って4年、職探しに奔走して物流会社のアルバイトにありついたものの、トラブルを起こしてそれすら失いかねない… 訴訟沙汰にもなっていて、人生最大の窮地に陥っている、、、
共稼ぎの妻ニコルと独立した娘マチルドとリュシーという愛する家族のためにも、金が要る、仕事が欲しい、プライドも保ちたい… そんな彼が、BLCコンサルティングが企画した大手企業エクシャル・ヨーロッパの人材採用試験の最終候補に残ったことから、予想外の事態に巻きこまれてゆく。
実は、最終試験は、武装グループに重役会議を襲撃させて、重役たちの反応から的確な人物評価を導くという奇想天外なもの… 悩みぬいた末、アランは涙ぐましい準備をかさね、偽物の武装グループをあやつって芝居を粛々と遂行すべく試験にのぞもうとするのだが…… 。
『第1部 そのまえ』と『第3部 そのあと』をアランが語り、『第2部 そのとき』は人質拘束RPGを進行するダヴィッド・フォンタナが語るという構成になっており、読後に振り返ったとき、これがなかなかに効果的だったことに気付かされましたね… 『第1部 そのまえ』は、リストラされアルバイトも暴力事件で解雇、損害賠償訴訟を起こされたアランの焦燥が中心で、やや沈滞気味な展開ですが、『第2部 そのとき』からは一気にスピード感が加速、、、
2転3転する展開に、着地点が全く見えないサスペンスが連続… この辺りは、ピエール・ルメートルらしい展開でした。
短気で、つい手が出てしまうアランは、感情移入しにくい性格なのですが… 同世代なことや、家族を大切に思う気持ち等、環境面で共感できる部分が多く、自分の姿を投影しながら、そして、いつの間にか応援しながら読んでましたね、、、
こんな状況に陥ったら、自分ならどう行動するだろう? 考えさせられながら、そして、意外な展開を愉しませてもらいながら読みました。
エネルギッシュで、個人で大企業に立ち向かうアランの挑戦… 結末は、現実感がなく、やや物足りなさを感じましたが、何だかページを捲る手を止められない、そんな魅力がありました、、、
映画にすると面白そうですねー 残酷描写を封印した、ノンストップ再就職サスペンスでした。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます