「藤沢周平」の長篇時代小説『闇の歯車』を読みました。
『初つばめ 「松平定知の藤沢周平をよむ」選』に続き、「藤沢周平」の作品です。
-----story-------------
江戸市井の人たちの数奇な人生を描いたサスペンス時代長篇。
「藤沢周平」のストーリーテラーとしての力量が発揮された傑作。
深川にある赤ちょうちんの飲み屋「おかめ」の常連である「佐之助」(博打にはまり賭場で人を刺し、いまは恐喝働きの生活をおくる)、「清十郎」(不倫関係から駆け落ちした病身の妻と、人目を忍んで暮らす浪人)、「弥十」(若い頃人を刺したが、いまは楽隠居暮らし)、「仙太郎」(賭場に借りがあるうえに年上の女おきぬと別れたい、若者)。
この四人の一人に、愛想のいい商家の旦那ふうの「伊兵衛」が、大金強盗の押し込みを働く企てをもちかける。
たがいの身の上を知らない同士の四人が、百両の金にひかれて、闇の方向へ、その歯車をみずから回す決断をくだすーー。
(解説・「湯川豊」)
時代劇専門チャンネルにて、映像化決定!
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1976年(昭和51年)に講談社発行の小説誌『別冊小説現代』の新秋号に『狐はたそがれに踊る』というタイトルで掲載された作品… 単行本化された際に『闇の歯車』と改題されたようですね。
■誘う男
■酒亭おかめ
■押し込み
■ちぎれた鎖
■解説 藤沢ハードボイルドの世界 湯川豊
暑い夜だった… 川端にひっそりとある赤提灯「おかめ」で、互いに話すこともなく黙々と盃を重ねる4人の常連… 30過ぎで労咳に臥せる妻を持つ脱藩侍「清十郎」と、博打で身を誤って人を刺し、暗黒街の汚れ仕事を強いられる危険なにおいの遊び人「佐之助」、前科者で白髪の隠居「弥十」と愛人との関係を清算したくて悩んでいる商家の若旦那「仙太郎」、、、
この4人のもとを福々しい笑顔を浮かべ押し込み強盗にしたたかに誘う謎の男「伊兵衛」が現れる… 決行は人足が途絶える逢魔が刻、、、
そして、それぞれに関わる女達… 誰が操るのか、皮肉なさだめに人を引き込む闇の歯車が回る――押し込み強盗をはかった男達と、それぞれに関わる女達の数奇な人生を描いたサスペンス時代長編。
江戸を舞台にしたクライム・サスペンスでしたね… 面白かった! 後ろ暗いところから更に落ちていく人、普通の生活から落ちていく人、それにまつわる女たちの数奇な人生、、、
ちょっとした歯車の行き違いで運命を異にする登場人物… その一人ひとりの生き方や境遇、そして「おかめ」通う理由等が丁寧に描かれており、それぞれの人物に気持ちを重ね合わせながら読むことができました。
押し込み強盗は成功したものの、その後のちょっとした歯車の狂いから、犯罪を犯した5人のうち4人には哀しい結末が待っていましたが… 「佐之助」と「おくみ」については、2人で真っすぐに生きていこうとする、希望が見えるエンディングだったので救われましたね、、、
でも、「おかめ」のおやじがイチバン存在感があったかも… 夢と破滅が、酷薄な運命観に支配された息づまるサスペンスでした。
『初つばめ 「松平定知の藤沢周平をよむ」選』に続き、「藤沢周平」の作品です。
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江戸市井の人たちの数奇な人生を描いたサスペンス時代長篇。
「藤沢周平」のストーリーテラーとしての力量が発揮された傑作。
深川にある赤ちょうちんの飲み屋「おかめ」の常連である「佐之助」(博打にはまり賭場で人を刺し、いまは恐喝働きの生活をおくる)、「清十郎」(不倫関係から駆け落ちした病身の妻と、人目を忍んで暮らす浪人)、「弥十」(若い頃人を刺したが、いまは楽隠居暮らし)、「仙太郎」(賭場に借りがあるうえに年上の女おきぬと別れたい、若者)。
この四人の一人に、愛想のいい商家の旦那ふうの「伊兵衛」が、大金強盗の押し込みを働く企てをもちかける。
たがいの身の上を知らない同士の四人が、百両の金にひかれて、闇の方向へ、その歯車をみずから回す決断をくだすーー。
(解説・「湯川豊」)
時代劇専門チャンネルにて、映像化決定!
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1976年(昭和51年)に講談社発行の小説誌『別冊小説現代』の新秋号に『狐はたそがれに踊る』というタイトルで掲載された作品… 単行本化された際に『闇の歯車』と改題されたようですね。
■誘う男
■酒亭おかめ
■押し込み
■ちぎれた鎖
■解説 藤沢ハードボイルドの世界 湯川豊
暑い夜だった… 川端にひっそりとある赤提灯「おかめ」で、互いに話すこともなく黙々と盃を重ねる4人の常連… 30過ぎで労咳に臥せる妻を持つ脱藩侍「清十郎」と、博打で身を誤って人を刺し、暗黒街の汚れ仕事を強いられる危険なにおいの遊び人「佐之助」、前科者で白髪の隠居「弥十」と愛人との関係を清算したくて悩んでいる商家の若旦那「仙太郎」、、、
この4人のもとを福々しい笑顔を浮かべ押し込み強盗にしたたかに誘う謎の男「伊兵衛」が現れる… 決行は人足が途絶える逢魔が刻、、、
そして、それぞれに関わる女達… 誰が操るのか、皮肉なさだめに人を引き込む闇の歯車が回る――押し込み強盗をはかった男達と、それぞれに関わる女達の数奇な人生を描いたサスペンス時代長編。
江戸を舞台にしたクライム・サスペンスでしたね… 面白かった! 後ろ暗いところから更に落ちていく人、普通の生活から落ちていく人、それにまつわる女たちの数奇な人生、、、
ちょっとした歯車の行き違いで運命を異にする登場人物… その一人ひとりの生き方や境遇、そして「おかめ」通う理由等が丁寧に描かれており、それぞれの人物に気持ちを重ね合わせながら読むことができました。
押し込み強盗は成功したものの、その後のちょっとした歯車の狂いから、犯罪を犯した5人のうち4人には哀しい結末が待っていましたが… 「佐之助」と「おくみ」については、2人で真っすぐに生きていこうとする、希望が見えるエンディングだったので救われましたね、、、
でも、「おかめ」のおやじがイチバン存在感があったかも… 夢と破滅が、酷薄な運命観に支配された息づまるサスペンスでした。
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