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『子守唄』 カーリン・イェルハルドセン(著),木村由利子(翻訳)

2024年09月04日 19時39分43秒 | ■読書
スウェーデンの作家カーリン・イェルハルドセンの長篇ミステリ作品『子守唄(原題:Vyssan lull)』を読みました。
カーリン・イェルハルドセンの作品は6年前に読んだ『パパ、ママ、あたし』以来なので久し振りですね。

-----story-------------
眠るようにベッドに横たわる母と二人の幼い子ども。
だが喉の傷と大量の血が、彼らが殺されたことを物語っていた。
母親は結婚してスウェーデンにやってきたフィリピン女性。
夫とは別れ、女手ひとつで子どもたちを育てていた。
捜査線上に浮かんだ、被害者と親しかったらしい謎の男性。
一家が住む高級アパートを買ったのはその男なのか? 
ハンマルビー署、ショーベリ警視以下捜査陣は、衝撃の事実にたどりつく。
好評シリーズ第3弾。
訳者あとがき=木村由利子
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2010年(平成22年)に刊行された作品……ショーベリ警視シリーズの第3作です。

ベッドの上に横たわる母と二人のかわいらしい幼い子ども……まるで安らかに眠っているような微笑ましい光景、、、

だがよく見るとぱっくり開いた喉笛の傷とこびりついた大量の血が彼らが無残にも殺されたことを物語っていた……母親はスウェーデンにやってきて結婚したフィリピン人女性キャスリーン・ラーション。

夫クリステルとは別居し、女手ひとつで2人の子どもを育てていた…… だが彼らが住んでいたのは、かなりの高級アパート、、、

別れた夫からの援助はなかった……キャスリーンがやっている清掃の仕事では、いくら割がよくても、こんなところに住めるはずがない。

彼女の周囲に元夫以外の男性の存在が浮かぶ……アパートを買ったのはその男なのか? やがてハンマルビー署のショーベリ警視以下捜査陣は、衝撃の事実にたどりつく……。

メインとなる殺人事件を軸に物語は進むのですが、ところどころに何者かに監禁されていると思われる男性の視点、幸せそうな夫婦と隣家の子どものエピソードが挿入され、これらがどう繋がっていくのか興味を持って読み進めました……またメインの殺人事件だけでなく、ショーベリ警視の知られざる過去、家族の秘密や誤解から不仲になっている2人の刑事ペトラ・ウェストマンとジャマール・ハマドの関係、そして、突然行方不明となった警部エイナール・エリクソンのこと、、、

ハンマルビー署の刑事たちの事情が少しずつ明かされつつ、一部のことは殺人事件にも繋がっていきます……なかなか衝撃的な展開でしたねー 面白かったです。

本シリーズは8作目で完結しているらしいのですが……翻訳されているのは3作目まで、残念だなぁ。

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