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『椎名誠 超常小説ベストセレクション』 椎名誠

2020年01月10日 22時39分00秒 | ■読書
「椎名誠」のSF短篇集(超常小説集?)『椎名誠 超常小説ベストセレクション』を読みました。


孫物語に続き「椎名誠」作品です。

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「シーナワールド」全開の「超常小説」ベストセレクション!

“お召し送り”に選ばれた妻……三ヵ月も毎日降り続ける雨……とにかく異常に大量発生した蚊……“盆戻り”で家に帰ってきた亡き母との対面……さまざまな専門家たちがなにかの理由で集められた収容所で、太軸二段式十字ドライバーを片手に脱獄をはかろうとする男……。
過去30年にわたって発表された小説の中から著者自らが厳選。
SF、ファンタジーの枠に収まりきらない“不思議世界の物語19編を濃密収録したベスト版!
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1981年(昭和56年)から2010年(平成22年)に発表された、幻想的で摩訶不思議な物語19篇が収録されています、、、

SFやファンタジーの枠を突き抜けているからか… 「椎名誠」は超常小説と定義しているようですね。

 ■いそしぎ
 ■雨がやんだら
 ■蚊
 ■胃袋を買いに。
 ■ニワトリ
 ■ねじのかいてん
 ■猫舐祭
 ■スキヤキ
 ■中国の鳥人
 ■みるなの木
 ■ねずみ
 ■赤腹のむし
 ■海月狩(くらげが)り
 ■抱貝(だかしがい)
 ■こん飩商売
  ⇒"こん"は"食"偏に"昆"
 ■漂着者
 ■飛ぶ男
 ■ぐじ
 ■問題食堂
 ■あとがき
 ■解説 北上次郎


眼が覚めると虫になっていた… という不条理極まりない「フランツ・カフカ」『変身』や、突然鳥が人間を襲い始め、その理由は最後まで明かされない「ダフネ・デュ・モーリア」『鳥』のように、読者は唐突に摩訶不思議な「シーナワールド」に放り込まれ、その世界観に慣れ始めたかなと思うと、いきなり幕切れを迎える、、、

喩えると、熱い湯を貯めた湯舟に放り込まれ、身体が熱さに慣れたかな と思ったら、ゆっくりする間もなく風呂から上がらされる… そんな物語の連続で、プロローグとエピローグは、自分で想像するしかなく、読み手によって、解釈も様々という作品集。

好き/嫌いがはっきり分かれると思いますが… 私は意外と好きなんですよね、、、

本作品集の中では、

事情はわからないのですが、祝い事として妻を政府に取り上げられる切ない物語を描いた『いそしぎ』

雨が降りやまなくなった世界の終わりを少女の日記形式で綴るかなり哀しい物語を描いた『雨がやんだら』

酔って帰ったアパートでの地獄の蚊騒動を描いた『蚊』

中国の奥地で空を飛べる一族から飛行訓練を受ける主人公を描いた『中国の鳥人』… 本作品は既読ですね、

セールスマンが田舎の居酒屋で酒を飲むだけだが、なんだか薄気味悪い不気味な味わいのある不思議な物語を描いた『抱貝』

無人島への漂着モノで意志のある島と格闘する主人公を描いた『漂着者』

あたりが印象的でしたね… 訳の分からない作品もありますが、意味を求めず、ムツカシイことは考えず、力を抜いて自然体で魔訶不思議な世界観に入り込むことが、本書を愉しむ秘訣かな。


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