もんろーの部屋

音楽について自分について哲学しちゃうページ・・・美味しいものもちょっと

月夜

2005-09-18 | 音楽
先週は、ロバート・ワイズが逝って、『「ウエストサイド」も「サウンドオブ」もすっかり古典になったのだな』と思ったりしていました。この2つのミュージカルは、やっぱり音楽が良く、そしてまた映像も良く、良い作品です。私なんかが言うまでも無く・・・。個人的にも、とても好きだしね。ユーミンや、サザンと同じように、そしてビートルズがそうであるように、残り、古典として存在するようになる。
昨日は、たまたま勉強会で「サウンドオブ」を扱いながら・・・『ワイズ、死んだなぁ』なんて、思っちゃったりして(集中してなかったんだよね)・・・。

偶然にも、先週、レッスン生が、劇団からの指示で持ってきた楽譜が『コレ、小学生に歌わせますか!?』というようなモノだった。まあ、都会のそういったオーディション関係の場合、「サウンドオブ」なんて笑っちゃう、ってなもんだ。「ドレミの歌」?なんなんです、ソレ?みたいな状況だ。笑っちゃうわけだぁね。
彼女が持ってきたものは、曲の最期に
♪愛してるぅ~愛してるぅ~愛してるぅぅ~ぅ♪
3度、絶唱する。この仏教国(無宗教国?)の日本で、しかも11歳の少女が、「愛してる」という言葉を、どうとらえ、理解しているか、甚だビミョウなのだが、彼女はしっかりそれらしく歌うんだよね。それも複雑だ。だーい好きな子だからね、一生懸命録音を聴いて練習してくるから、ソレらしくはなるんです。ただそこに、核はあるんだろうか?真があるものでしょうか?どうだろう。作られすぎてはいないだろうか。

「サウンドオブ」なんて、わらべ歌のようになってしまうの?
懐古趣味な大人しか、良いと思わなくなるんじゃないの、ハハハ。
「ゆりかご墓場」みたいな・・・??
なんて、ぼんやり思っていた。

さて、昨日の最期は「月夜」というフランスの子供の歌だった。
♪となりのおばさん、こんばんわぁ~
    綺麗な綺麗なつきよですぅ~
   おばさんごきげんいかがですぅ~? ♪ってヤツだ。
こうして、聴いてみると、何だか、実に地味ぃ~な曲のようなのだが、しっとりと繊細な感じのある曲だ。恵理先生の話では、向こうでは大変に有名な曲なのだという。日本が、外国曲を沢山入れて、子供たちに歌わせていた時代、この曲も入ってきたのだろう。でも、いつの頃からか、全く目にしなくなった。日本独自のものが、完全に出来るし、出来てきたし、こういう外国曲は必要性が無くなったのだ。
そういえば、向こうの子供の曲って、しっとりしたものが多いかな。童話だって、結構怖い話だったりするし。
そういう土壌の中から、「大人文化」が出来、守られていく。あのフランス映画の世界、フランス歌曲の世界だね。

日本って、どんどん幼稚な方向へ、行っているような気がする。
そう思う。
この夏、ヴィヴィアンが私に言ってくれた事。それは『本当の事を示してくれ』と、そういう事ではなかったか?
そう思い出したりする。