Action is my middle name ~かいなってぃーのMorrisseyブログ

かいなってぃーのMorrissey・The Smithsに関するよしなしごと。

It's the 65th birthday of Morrissey, the greatest singer~「1984年」いろいろ

2024-05-22 21:40:57 | Morrissey News

本日は、モリッシーのお誕生日。このブログでモリッシーの誕生日祝い投稿をするのも、今年で12年目!!てことは、、、今の自分が、このブログを始めた時のモリッシーの年齢か(干支が同じの12歳違い)。もう、毎年言うことは同じなんだけど、自分も年をとってきたことも重なり、1回、1回の誕生日をお祝いできることの幸せの重みが増しております。

今年も心より…

お誕生日おめでとうございます!

そして昨年の東京公演より、半年なんですね。奇跡のような来日の「余波」はまだまだ続いており、こういう来日時の写真見るだけでニマニマしてしまいます。2023年11月28日の、たった1回の、たった数時間なのに、本当に心揺さぶるものは「量」的なものではないんですよね。数字とか関係ない。

こんなに特別なのに、当の本人には通り過ぎたことなのかな~なんて時々考えていたら大変嬉しい知らせが!!英国在住の、『評伝マルコム・マクラーレン』『ディファイング・グラヴィティ ジョーダンの物語』『服服服 音楽音楽音楽 ボーイズボーイズボーイズ』『ロンリー・ボーイ』などのそうそうたる御本の翻訳家川田倫代さんが、英国で、5月10日のダナ・ギレスピーのライブでモリッシーに会って!!50メートルもの距離を歩きながらご機嫌の本人としゃべって!!(これに関しては、日本語と英語で、詳しくレポートが上がっていましたが現在はアカウントに鍵がかかっており見れないのです)。そこで「私の日本にいる友人たちは去年あなたのコンサートに行ってとても感動していたようですよ」と伝えてくれたのです!!するとモリッシーは「ああ、11月のかい」とニッコリ。

「ああ、11月のかい」

って、覚えてるんだ、あれ、、、これを聞き、私は息苦しくなりました。なんて甘美な響き。

Nothing sounds as good as, "I remember that"
Like a bolt out from the blue, did you feel it too?
I remember that

「ああ、11月のかい 」って答えほど耳に心地良いものってない
ほんとに突然の衝撃だった、、、あなたもそう思った?
ああ、11月を覚えてる

…と、プリファブ・スプラウトの"I Remember That"を勝手に脳内でモリッシー返答バージョンに変えてうっとり祭りを繰り広げました。

盛り上げ役(に勝手にされた)Prefab Sprout さん“ I Remember That” ↓

ほんと、Michiyo-sanのこの出会い、そしてモリッシーの神対応が凄すぎて、彼女は前世でどんだけ徳を積んだのだろう??私もがんばらなきゃいけないけど、この世ではもう無理かもしれない、maybe in the next world, maybe in the next world, maybe in the next world...

そんなわけでこの時Michiyo-sanが一緒に撮ったモリッシーの写真は、ジョブライアスのTシャツを着てとても元気そうで、少しシュッとしていました。Morrissey-soloでその写真は見れます。

そしてよく考えたら今年は2024年。1984年のザ・スミスのファーストアルバム発売から40年なんですね。

『昭和40年男』6月号 (5/11発売 昭和映画特集)の 第2特集「俺たちの時間旅行 タイム・トラベル」のテーマがその1984年で、ザ・スミスが4ページ掲載!!ということで、インタビューしてもらい、今も続くスミス、モリッシーの力について語っておりますので、読んでみてください!

今号、ちょっとどうかしていて、、、1984年ザ・スミス特集、樋口毅宏さんの小山田圭吾氏インタビュー、編集後記…と1冊の中に、何回もモリッシーが出てくる神号です。

樋口さんの小山田さんインタビューの中で「モリッシーマニア」の人が出てきて、「ほうほう、マニアの方がねぇ」と思いながら読んでたら、私でしたwww

とは言えこのマニア、1984年はたかだか中1で、東京の主に浅草の空の下、ザ・スミスに、モリッシーに思いを馳せてた子どもです。

1984年に、その時すでに現場にいていろいろやってたかっこいい人の話の方が聴きたい!

そんな2人のトークショーが今週末の26日(日)にあります!!

その名も『ザ・スミス 1984年』。写真家のロミ・モリさんと音楽評論家保科好宏さんのトークショーです。まだお席はあるとのことです!お問い合わせは、ギャラリーかわまつさんへ。

5月24日より神保町のGALLERY KAWAMATSUさんにて開催されるザ・スミス ヴィジュアルアーカイブ展」のスペシャルイベントで、こちらの写真展では写真家ロミ・モリ秘蔵のフォトを中心に、当時のビジュアル、アートワーク、レアなアナログ盤なども展示されるそうです!全17枚の12インチシングル、6枚のアルバムアナログ盤など、入札制のオークション形式で展示発売。それぞれWEB掲載されているのでリンクから見てみてください。

楽しみです。またレポートもしたいと思います。

あ、今こんな情報も来た。。。

“Heaven Knows I'm Miserable Now”まで40周年て、、、キリがないじゃん!

記念してこちらのハードカバーが発売されるようです(250部限定)。キリないじゃん!!雑誌の表紙が硬いだけだよ??!

でも買うんだろう、おまえ?いっか、誕生日だし!!(っておまえのではない)

この前会ったザッパファンの方が「昨今は毎年周年記念」と言ってましたがこっちも毎年「キリないじゃん!!」と言うことになりそう。

でも!ツイッターでのお祝いメッセージにも書きましたが、人生いろんなことあるけど、モリッシーを好きなことでものすごくマシです。
また来年もお誕生日ブログを元気に書けるよう、生きます!!(モリッシーは元気だから心配ない)。

★過去のお誕生日記事はこちら
It's the 64th birthday of Morrissey, the greatest singer~モリッシー、ジ・アイヴァーズ授賞式にあらわる

It's the 63rd birthday of Morrissey, the greatest singer~新曲“I Am Veronica”を初披露

It's the 62nd birthday of Morrissey, the greatest singer~モリッシーはなぜエイサップ・ロッキーとコラボしたのか

It's the 61st birthday of Morrissey, the greatest singer

It's the 60th birthday of Morrissey, the greatest singer ~『イングランド・イズ・マイン モリッシー, はじまりの物語』に思うこと

It's the 59th birthday of Morrissey, the greatest singer ~モリッシーとボールドウィンと『私はあなたの二グロではない』

It's the 58th birthday of Morrissey, the greatest singer ~モリッシー最新インタビュー翻訳

It's the 57th birthday of Morrissey, the greatest singer

It's the 56th birthday of Morrissey, the greatest singer

It's the 55th birthday of Morrissey, the greatest singer


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It's the 64th birthday of Morrissey, the greatest singer~モリッシー、ジ・アイヴァーズ授賞式にあらわる

2023-05-22 19:45:24 | Morrissey News
2023-05-22 19:45:24 | Morrissey News
復元記事

本日は、モリッシーのお誕生日。このブログでモリッシーの誕生日祝い投稿をするのも、今年で11年目!!

いつも誕生日には、「モリッシーがこの先何年も、お達者でいますように…!」と願います。今年は約2カ月前に本物を目の前にして、気力体力ともわたしよりぜんぜん上じゃん!!と実感したので安心しましたが、このモリッシー誕生日の3日前、アンディ・ルーク逝去という悲しいニュース(このことに関してアンディ・ルークとモリッシーというブログを書きました)もありましたし1回、1回の誕生日をお祝いできることの幸せの重みが増します。

今年も心より…

お誕生日おめでとうございます!

とうのモリッシー、5月18日はロンドンで行われたアイヴァー・ノヴェロ賞(Ivor Novello Awards)の授賞式に出席していました。その前にはダブリンにいたり、4月にはヨークシャーのはハロゲイトに出没もしていたりで各地で目撃されておりw、しばらく英国・アイルランドにいたようですね。

いきなりこのレッドカーペット然とした写真がSNSに流れてきて「え?モリッシーに似た誰か?と思ったらご本人でした」

アイヴァー・ノヴェロは、カーディフ生まれのエンターテイナー、でその名を冠したソングライター・作曲家のための賞。「ジ・アイヴァーズ (The Ivors)」の名で親しまれているそうです。授賞式なんて呼ばれてもいないのに珍しい…ですが、モリッシーも1998年にアイヴァーズのPRS Outstanding Contribution to British Music賞(PRSは英国の音楽著作権管理団体)を受賞しています(ちなみにこの年のベストソング賞はレディオヘッドの"Karma Police"、スーパーナチュラルズの"Smile"、ヴァーブの"The Drugs Don't Work"。作曲家賞はリチャード・アシュクロフト)。

そしてこの時なぜか、「John Maher of Wythenshawe」(ウィゼンショーのジョン・マー=ジョニー・マー。ウィゼンショーはジョニーの出身地です)に謝辞を述べているのですよ。

1998年5月と言えば、ふたりは会っているはず(マーのインタビューによると、2008年に「10年ぶりに会って再結成について話した」と言っていたので)なぜこう地元名で呼んだのでしょうね。妄想が膨らみます。

<iframe title="YouTube video player" src="https://web.archive.org/web/20230522124623if_/https://www.youtube.com/embed/iBU4scGdffo" width="560" height="315" frameborder="0" allowfullscreen="" data-ruffle-polyfilled=""></iframe>

過去に受賞歴があるから招待されたのかもしれませんが、こういうレッドカーペットものには顔を出すのは珍しいので、なぜ⁉と思いました。アイヴァーズは「出版社やレコード会社から影響力を受ける事なく、批評家団体により公平に審査され贈られる唯一の授賞式である」とのことで、まあどこまで公平なのかはわからないけど、賞とかに批判的なモリッシーにとっても「まあまあ許せる」賞なので「たまたまロンドンにいるから行くか」なのでしょうか?

いや、あんまりありそうにない。あ、「スペシャル・インターナショナル賞」にデボラ・ハリーがいる…からデボラ姐さん表敬訪問??

…彼らしくないこの行動の本当の理由はわからないですが、元気な姿が思いがけない形で拝めたのはよかったです!

ちなみにテレグラフの記者によると、モリッシーはランチの途中でさっさと帰ったそうです。そこは彼らしいw


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「モリッシーは私たちに必要なロックンロールの反逆者だ」by Brendan O’Neill / THE SPECTATOR

2022-10-28 12:31:35 | Morrissey News

9月24日のアイルランド・キラーニー公演を皮切りに10月14日のブライトン公演まで、モリッシーはアイルランド&UKツアーを行い、元気な姿を披露していました。

ちょうどこのお彼岸くらいから10月半ば、激務で魂が死にかけていました。それでもSNSや各報道でモリッシーの姿と情報にすがるように追う中、「こ、これは!」という記事がありました。Morrissey Centralでも紹介されていたので、モリッシーもご満悦な内容なのではないかと思います。

読みながら、感動で泣いちゃった。冷静と情熱の深いところにある思いと、それを支える鋼のような筆力!!すぐにライブ映像で“Bonfire of Teenagers”歌うモリッシーを確認してみたらまた、泣いちゃ…いそうになったけど、かなり考えちゃって泣かず、「ブログに書かなきゃ」と思ったのでした。アギオに「ブログ書かないかいなってぃーなんて存在価値ない」(←とは言っていない)くらいのプレッシャーを受けたからではなく。書く時は突然来るのです。だからこのgoo blogも「60日間ログインないから、ブログトップに広告表示しますからね」とかうるさいこと言わないでほしい。

で、この文章読んだ後、かなり「考えさせられた」って書いてると、「おいおい、『考えさせられた』って便利なキラキラ感想ワードだよね!考えるだけかよ!」と自分の中のもうひとりの自分に突っ込まれるんだけど、「いや、マジで考えさせられるんだもん、そんな考えさせられることって日常によくある!?貴重なモーメントだよ!!」と反論しながらまだ考えているので(うるさい)、とりあえずまずは内容を紹介しますね。

THE SPECTATORのチーフ政治ライターBrendan O’Neill の記事です。そんな長くないので、全文翻訳。でも長くなったので、考えさせられたことは次回に続く。

「モリッシーは私たちに必要なロックンロールの反逆者だ」by Brendan O’Neill

 

昨夜、ロンドンのパラディアムのモリッシーのライブで、かなりビビビッと衝撃の走る瞬間があった。モズは新曲“Bonfire of Teenagers”を紹介していた。22人が死亡したマンチェスター・アリーナの爆弾テロ事件を題材にした曲だ。彼は観客を見渡しながら、私たちに問うた。

マイラ・ヒンドリー(60年代にマンチェスターで起きた「ムーア殺人事件」の犯人)という名前は知っていても、マンチェスター・アリーナを爆破した男の名前を知らない人が多いのはどうしてか?

観客は唖然とした表情を浮かべた。少し恥じているように見える人もいたと思う。モリッシーのコンサートで静寂が訪れるのは極めて稀なことだが、その時はそうだった。

それは、答えを求める質問だ。少し感情的になりながら、モリッシーは2017年のアリーナ爆破事件を、故郷であるマンチェスターで起きた最悪の出来事のひとつと表現した。5人を殺害した毒毒カップル、ヒンドリーとイアン・ブレイディ(同じく「ムーア殺人事件」の犯人)が行ったものよりも、さらに悲惨なマンチェスターの若者たちに対する虐殺だった。サルマン・アベディという名前は、今では多くの人の記憶から不思議と消えてしまっている。しかし彼は、ムーアの殺人の4倍の人数を殺したのである。最年少は8歳の少女、サフィー・ルーソス。ヒンドリーとブレイディの最年少犠牲者、レズリー・アン・ダウニーよりも幼い。ダウニーの名前も、もちろんルーソスよりよく知られている。

爆破事件から5年、モリッシーは今もなお、そのことに怒り続けている。そして、犯人や被害者の名前がほとんど出てこないほどの、この事件を取り巻く記憶喪失の文化について。彼の新曲は"Bonfire of Teenagers(ティーンエイジャーたちのかがり火)"という荒々しく不穏なタイトルだ。シングルとしてリリースされれば、タブロイド紙やガーディアン紙でまで、多くの「モリッシー叩き」を誘発しそうな曲だ。しかし、この曲は信じられないほど心に響く、感動的な曲だ。モリッシーは、マンチェスター・アリーナでの野蛮な行為に対する社会の、気持ち悪いほど受動的な反応についてこう歌っている。

そしてバカどもは歌う、"Don't Look Back in Anger"
そしてバカどもはスイングしながら言う、"Don't Look Back in Anger" 
私は死ぬその日まで怒りを込めて振り返る、そう請け負うよ

この曲は、何度も繰り返される“Go easy on the killer(「殺人犯に手加減してやれよ」)という歌詞で終わるが、イスラム教徒のテロについて率直に、公けに語ろうとしない我々の背後にある、奇妙な道徳的な臆病心を見事にとらえている。

2,000人の観客が、この歌詞と、マンチェスター・アリーナでの残虐行為を集団意識に留めておけない現代のイギリスを叱責するモリッシーの言葉に合わせて体を揺らすのを見て、奇妙で不安な気持ちになった。しかし、高揚感も覚えた。ついに、マンチェスターの犠牲者たちに敬意が払われた。ついに、死者たちに代わって怒りが表わされたのだ。

私は“Bonfire of Teenagers”が素晴らしいプロテスト・ソングであることに気づかされた。まさに今、私たちが必要としているプロテスト・ソングだ。モズがイスラム教徒に扇動された大量殺人行為についてあえて歌ったという事実は、アンチたちから、彼が今や「ガチ右翼」であることのさらなる証明として掲げてくることは間違いないだろう。どうやら、イスラム過激派を懸念するというのは、右翼的であり、さらにイスラム恐怖症の可能性があるようだ。かつて世俗主義的な左翼たちは、宗教的ヒステリーによる殺人行為を非難する最前線にいたはずだ。ところが今やそんな左翼たちが、イスラム過激派について語りすぎる人たちに対してイライラするすることが多くなった。「前へ進もうぜ、怒りで振り返らずに」

アリーナでの虐殺に対する怒りを音楽に乗せることで、モリッシーはあの恐ろしい日の記憶のために立ち上がった。しかしそれだけでなく、イスラム教徒の暴力問題を取り囲む、あまりにも頻発する、冷ややかで検閲的な風潮にも狙いを定めているのだ。

でも、これからやるモリッシーのショーのチケットを持っていても、心配無用だ。これはギグであって、モリッシー講演会ではないから!マンチェスター・アリーナのことばかり言ってるわけではないから。モリッシーは、確かに、かつてないほどいい声を聞かせていた。スミスやソロの名曲を演奏し、観客は熱狂した。この数年、教養気取りペラペラお喋り層が、モリッシーがブレグジット支持で、右翼で、移民に関する発言などをするからと、彼を排斥しようとしてきたことが、新たな自己認識と活力を与えたように感じられる。モリッシーに関しては、キャンセル・カルチャーは裏目に出た。ターゲットを手なずけることはできず、道徳的なアドレナリンを与えてしまい、ザ・スミスの時代以来最高のパフォーマンスをさせることになったのだ。

モリッシーは、現代に必要なロックンロールの反逆者だ。多くのポップやロックのスターが一律の、魂を揺さぶるような政治的台本から歌う中、モズはその流れに逆らっている。彼はブレグジットを「お見事」と表現し、“Fuck the Guardian”と書かれたTシャツを着用し、広く「ウォークネス」(社会的不公正、人種差別、性差別などに対してする高い意識を持っていること)と呼ばれるもの、特に言論の自由や代替的な考え方に対して不寛容なものを嫌悪している。

「私は言論の自由の厳格な信奉者だ。しかし私の場合、言論の自由とは、私に同意する人たちだけでなく、すべての人のためのものだ」

と、モリッシーは述べている。

すごい人だ。これこそ、我々がポップスの世界に取り戻すべき文化的自由の精神だ。どんより目をした糾弾野郎たちがモリッシーを追い回すのは勝手だが、我々を彼から背かせることはできやしない。

国宝は、見ればわかるのだ。


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It's the 63rd birthday of Morrissey, the greatest singer~新曲“I Am Veronica”を初披露

2022-05-22 12:34:39 | Morrissey News

本日は、モリッシーのお誕生日。このブログでモリッシーの誕生日祝い投稿をするのも、今年で10年目!!

10年前からいつも誕生日には、「モリッシーがこの先何年も、お達者でいますように…!」と願うので、その願いはず~っと叶ってきていると思いつつ迎えるこの日が大好きです。

今年も心より…

お誕生日おめでとうございます!

 

そんな御年63歳を迎えたモリッシーは無事に、2022年のアメリカツアーをスタート。

5月10日にはアリゾナのPhoenix、12日にはカリフォルニアのSan Luis Obispoでライブ。そして、14日、15日には同じくカリフォルニアで行われたCruel World Festにヘッドライナーとして出演しました!ライブは2021年9月16日、シカゴのRiot Fest以来なので、約7カ月ぶり。

日本から参加したお友達の送ってくれた動画や、参加者がリアルタイムで中継してくれるインスタライブなど、仕事中にも見てしまいました。そんなことできるって、ほんとすごい時代だ。

本当に声が艶やかで体幹もあいかわらずしっかりしていて、胸アツを通り越して「そりゃそうだろ!!こうでなきゃ!!これだよ、これ!!」と独り言してしまった。こんなモリッシーに煽られたくて、長年ファンやっているんだった。何キロも離れてて、ライブには行っておらず、パソコンたたいてた時だけど、なんなら締め切りで爆発しそうな時だったけど、同じ地球上にいてよかった。よくスピ系で言うところの「波動」をぶるんぶるんキャッチしたのでした。

 

5月10日のPhoenixでは、「来たる新作」(と言われてるけどいっこうに来ない。最初にアナウンスあったのは2021年5月30日

Bonfire of Teenagers

 

…の冒頭を飾る“I Am Veronica”を世界初ライブ披露。

 

「このバカげたご時世に信じられないかもしれないが、我々はニュー・シングルをリリースしようとしている。好きだとうれしいけど、そうじゃなきゃ死ね」

と物騒なモリッシー。でも披露できてうれしそうです。

で、この歌ですが出だしからして「アーアアアアアイアアアアアアイ♪」とかとてもキャッチー。往年の“Hairdresser On Fire”とかいろいろ思い出したりしたけど、まったく歌詞は意味不明です。

 

イルカが助けに泳いでくるよ
魚の群れが浮き輪を守ってくれる
フクロウは眉をひそめている

 

とか、動物好き感も出ているし、寓話だか神話だかのようでもあり。

また「Veronica」という名前自体調べてみると(コステロの歌のタイトルにもあったよな)、古代マケドニアの名前: Βερενίκη(Berenice)をラテン語読みしたもので、「勝利をもたらすもの」という意味だったり、 ラテン語のvera (真実の)とギリシャ語のεικόνα(イメージ)を合わせた名前(True Image真実のイメージ)…など、諸説あり、含みの多い名前でもある気が。

気になって英国人のモリッシーと同年代、同時期の文化や社会を体験している友人ニックに聞いてみました。即レス開口一番

「この歌詞はまったく理解できない。たぶん、理解するものではない」

とのこと。それじゃ終わっちゃうじゃん!!

「Veronica」という名前に何か鍵が潜んでると思うから、ナマ英国人的にどんなイメージがあるか答えて~~~と聞くと、

「イギリスじゃ最近は一般的でじゃないんじゃないかな、最近はあまり聞かない。60年代には流行っていたかもしれない。ロネッツのロニー・スペクターはフルネームがヴェロニカだったよね。『イースト・エンダーズ』の登場人物にもいたような・・・そんなイメージ。なんかこの名前は我々世代にはちょっとノスタルジックな気持ちにさせるかも、近所のおばさんにもいそうな、結構好きな名前。最近レトロな名前をクールと思う人も多いから、また復活する可能性もあるかも。あ、でも流行ったらモリッシーには間違いなく嫌われるね」

…って、モリッシーを「ファンじゃないけどどちらかというと好き。だっておもしろいから」というニックからの的確な返事でした。

 

そっか、60年代に流行った名前か!幼いモリッシーの文化形成に一番刷り込まれた時代。その精神性みたいのを歌にこめてる??たとえば日本に置き換えると・・・と、60年代に流行した女性名前ランキングを掘ってみた。もう、おそろしいほど「由美子」「恵子」の一人勝ち(後半でやっと「直美」)!!

ってことはこの歌は、日本ふうに言うと。。。「わたしは由美子」←こんだけ長々書いて、どんな結論。

 

…気を取り直して、モリッシー本人はどう言っているかを見ておきたいと思います。

みんなきっとまったく忘れてると思うけど、昨年2021年7月に、MORRISSEY CENTRALでモリッシー甥のサムが、新作アルバムの中の1曲1曲について本人の意見を聞いていました。

Turning The Inside Out.

 

サム:

“I Am Veronica”はとても小気味よくって、すごくキャッチーだし、聴いてみて、世界的ヒットをねらえる最大のチャンスなんじゃないか!?って思ったよ...“First Of The Gang To Die”や“This Charming Man”よりもね。あの2曲よりもいい曲だよ。


モリッシー:

最近、人生で悲しいことがたくさんあった。でも、“I Am Veronica”を聴くと、恐ろしく聞こえるかもしれないけど、この曲はすごくポジティブな光を放ってるから、自分の人生の良いところが全部わかってくるような気になるんだよ。バカげているように聞こえるかもしれないけど、人生において、自分にはいくつかは得意なことがあるってことをすぐに忘れてしまう。でも“I Am Veronica“を聴くと、なんで自分ががんばるのか、なんで自分が何かをしているのかを、理解できるんだ。この歌がとても好きだよ」

 

サムの質問読んだ時は「この甥と叔父、やっぱり世界的ヒット欲しいんかい!」と思いましたが、モリッシーの答えがすごく良くないですか。

こんなポジティブな気持ちになりながら歌うからあんなに気持ち良さそうなんだと思いました。しかし、自分の創作物の輝きにより、自分を鼓舞できて、自分の良さを再認識して、そしてまたあんなに輝いて歌うなんて、どんだけ循環型創作活動、サステイナブル、去年の誕生日にランケマがスペースで言っていた(そん時はウケて終わりだったけど)「モリッシーこそSDGs」というのは本当かもしれません。

このコメント読んでもう一回“I am Veronica”を聴くと、意味なんてわからなくても、モリッシーの言う輝きのすそ野に触れられる気がします。いろいろつらいこと、大変なことの多い毎日ですけど、ほんの少し、ほんの一瞬、心身がなんか「いい感じ」になれます。私も、「この歌がとても好きだよ」。

とにかく待たれるのは、新譜リリースアナウンスですね。ライブで「新曲出る」と言うくらいなのですから、その発表は近いと思います…!

 

★今年もスペースで、モリッシー誕生日会やります!詳細はこちら👇★

 

★過去のお誕生日記事はこちら👇

It's the 62nd birthday of Morrissey, the greatest singer~モリッシーはなぜエイサップ・ロッキーとコラボしたのか

It's the 61st birthday of Morrissey, the greatest singer

It's the 60th birthday of Morrissey, the greatest singer ~『イングランド・イズ・マイン モリッシー, はじまりの物語』に思うこと

It's the 59th birthday of Morrissey, the greatest singer ~モリッシーとボールドウィンと『私はあなたの二グロではない』

It's the 58th birthday of Morrissey, the greatest singer ~モリッシー最新インタビュー翻訳

It's the 57th birthday of Morrissey, the greatest singer

It's the 56th birthday of Morrissey, the greatest singer 

It's the 55th birthday of Morrissey, the greatest singer 


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「BLM」運動が飛び火!?BMGのモリッシー契約解除

2020-11-17 20:54:42 | Morrissey News

昨日は代官山蔦屋書店にて開催中のラフ・トレードのイベントでトークショーに出演してきました。タイトルは「ラフ・トレード~ザ・スミスとの歴史的タッグ、深化していくレーベルの今」。TBSラジオプロデューサーの長谷川裕さんと、ラフ・トレード創設者ジェフ・トラヴィスとモリッシーの確執の背景や原因を考察しつつ、「やっぱりラフ・トレードは(結果的に)凄い」というお話(そちら別途レポートします)。その中で

「まあ、インディーにかぎらずメジャーレーベルともどうせもめるんですよモリッシーは」
 
 
どんな背景があるのだろう?と考えてみたんですけど、今回は特に、モリッシーにとってひどい話ではないかと思いましたので書きます。
 
(Morrissey Central)
 
 
思い越せば2017年8月、BMG、どう考えてもどメジャーレコード会社と契約!!の一報が!!そして11月にはニューアルバムがリリースされる…ということで狂喜しました。
 
2014年、前作より(この時も)5年ぶりに“World Peace Is None Of Your Business”を発表後、ユニヴァーサル(傘下レーベル、ハーヴェスト)と決裂して以来のメジャーリリース。モリッシーによるとこのユニヴァーサルは「ほとんど殺そうとしてきた」と…。それでも再度、「絶対、メジャーからレコードを出す」道にこだわり続けての、悲願の契約でありました。

その時は、BMGのエグゼクティヴ・ヴァイス・プレジデントであるKorda Marshallをして、

「今やモリッシーと比べられるようなアーティストは多くない。彼は類いまれな才能の持ち主です。彼は並外れていて、教養があって、機知に富んでいて、優雅、そして何よりも勇敢だ。彼の歌詞、ユーモア、メロディーは多くの世代に影響を与えてきた。新たな記念碑的とも言えるアルバムの音楽それ自体が物語ってくれる。彼をBMGに迎えることができて光栄です!」

言わしめていた。

 

私の当時のブログには、

 

「モリッシーの『並外れたすばらしさ』をわかってくれているようですが…これが最初だけ!にならないことを切に祈ります」

 

と書いてあったw 幸いにも「最初だけ!」にはならず、「3年」続きました。

 

2017年 Low in High School

2019年 California Son

2020年 I Am Not a Dog on a Chain

 

…と、アルバムも3枚リリース。

 

モリッシー自身、今回の件で激おこながらも、

「BMGで出した3枚のアルバムは自分のキャリアの中で最高のものであり、死ぬまでそれを支持する。これらのアルバムのレコーディングは、人生において極めて重要な期間で、これまでのBMGのチームと関係者全員には感謝している」

としています。従来のチームとの関係は良好だった模様。けれども

「自分にとって、おのれのやり方で音楽活動をしていくことは依然として重要で、所属アーティストがどう振る舞うべきかをあれこれ指示してくるようなレーベルにはいたくない。『才能』という言葉が明らかに言及されもしない場合は特に」

と言っています。「才能」と言及し、最初のKorda Marshallの歓迎の言葉を皮肉っているのでしょうか。

 

なぜ、良好なチームワークを保っていたレーベルがいきなり「所属アーティストがどう振る舞うべきかをあれこれ指示してくるような」レーベルに豹変したのでしょう?

それは、2020年5月にアメリカのミネソタ州ミネアポリスで発生した、黒人男性を白人警官が死に至らしめた事件に端を発し世界的に広がった「ブラック・ライヴズ・マター」運動とも関連しているようなのです。

モリッシーによると、最近の新しいBMG新幹部は、BMGのアーティスト一覧を見つつ「多様性」を鑑みた新しい計画を発表し、予定されていたBMGからのモリッシーのリリース/リイシューをすべて廃棄することを決定したとのこと。このBMGの「多様性」ポリス的決定は、何に則っているのでしょう?

 

アメリカの音楽業界が中心となり、2020年6月2日火曜日に「ブラックアウト・チューズデイ」が実施されました。

 

業務を一時中断し、黒人差別撤廃のために行動することを呼びかけるものでしたが、この1週間後の6月9日にBMGのCEOであるHartwig Masuchは早速、人種差別と不平等に対するスタンスを打ち出しました。ミュージック・カンパニーは、「黒人に与えられた歴史的な不正に対処するため、自分たちの役割を果たす必要がある」と誓約して、何千人ものアーティストやソングライターにメッセージを回覧したそう。

「私たちは皆、過去数週間の人種的偏見と不利益のひどい現実に直面するよう求められてきました。本当に自分たちが気にかけているかどうかは、結果として実際に行動を変えたのかどうか、そして長期的に継続してくかどうかでテストされます。BMGがそのテストに合格することを保証すると、約束します」

と、Hartwig Masuchの言葉。立派ですよね!CEO自ら先頭きってすぐ動くなんて。

モリッシーはBMGでまわってきた宣誓を読んできっと・・・「なるほどなるほど。ごもっとも」と思っていたのではないでしょうか。もしくは「ふーん。ほんとにできるんか?」とか。実際にミュージック・カンパニーがとるべき姿勢として間違ってないですよね。

 

そして、BMGの宣誓はこう続きます。音楽業界が行ってきた「黒人アーティストに対する恥ずべき扱いの歴史」を念頭に置き、

 

「すべてのレコード契約の見直しを開始します!不平等や異例の事態が見つかった場合、BMGは30日以内にそれらに対処する計画を作成します」

 

モリッシーはこれを読んでもきっと・・・「なるほどなるほど」と思っていたのではないでしょうか(嵐の前の静けさ・・・)。BLMをきっかけにしてBMGはミュージック・カンパニーとしての在り方を見直し、社内には新しくグローバルダイバーシティ&インクルージョンカウンシルまで設立してしまったそう。社内のすべての多様性とその受容に関するイニシアチブを取り、アドバイスを提供する中核的存在にするそうです。話だけ聞くと「いい話」に聞こえますね。

 

ちなみに、コロナ禍やBLM旋風が吹き荒れるその頃、モリッシーは何をしていたかと言うと・・・

…パンを買っていたのであります(5月、マンチェスターにて)。

 

まさかその後、「30日以内にすぐに対処プランを立てる問題となるレコード契約」のブラックリストに載る運命を夢にも思わず!!

 

だって、モリッシーは巷に「問題にされる」アーティストではありますが、自らは「問題となる」音楽を作っているとはこれっぽっちも思っていない(し、作ってもいない)。それなのに、世の中の評判やレッテル、立ち位置ではかってみて今後のBMGにとって「排除すべきアーティスト」と思われたのではないでしょうか・・・。かなり簡単に言えば、BMGが「グローバルなダイバーシティ(多様性)&インクルージョン(受容)カンパニー」を目指すにあたって「あんた邪魔。いると色々勘違いされるから出てってね」と言われたわけです。この顛末をモリッシーは、

 

「このニュースは、2020年にもたらされた情け容赦ない電気ショックのような恐怖と完全一致」

 

と表現しています。このニュースを報じた自身のサイトの中に、黒人のちびっこがモリッシーのスマホ待ち受け画像を見せている写真があります(このブログ冒頭)。これはモリッシーからの静かな抗議だと思います(文章で激しく怒ってるけどw)。

 

多様性ってなんでしょう??その受容ってなんでしょう??もちろん色々な人への「配慮」を表に出すのは立派なことです。けれども、あの人「差別的だよね」とくくって、排除することで解決される問題なのでしょうか?本当の「解決」に目を向けた、対話はあったのでしょうか?モリッシーの文句を読んでいると、かなり一方的に「BMGカラーに合わせるために、あれすんな、これしろ、じゃなきゃさよなら」みたいな感じだったのではないかと、ちょっと暗くなります。BMGは良かれ!!多様性のために!!いざ!!と思って、決して悪意ではなくやっていることなので、いろいろ考えると更に暗くなる。こういう「不一致」は本当に不幸なことだと思います。

 

思えば2020年は、断続的な電気ショックのような、情け容赦ない恐怖にガンガン見舞われた年でした。コロナ…BLM…アメリカの大統領選挙にまつわるいろいろ…地球に生きる個人個人にとって大変困難が多かった。モリッシーの2020年が、また新たなるレーベル浪人という困難に見舞われで締めくくられるとは胸が締め付けられる思いもします。でも、きっと、「モリッシーズ・ライフ・マターズ」のレーベルがあるはず。すぐに契約できるはず。

できなきゃおかしい、と思います。

なんて言ってもモリッシーは「並外れていて、教養があって、機知に富んでいて、優雅、そして何よりも勇敢」なのですから!!


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