Action is my middle name ~かいなってぃーのMorrisseyブログ

かいなってぃーのMorrissey・The Smithsに関するよしなしごと。

「モリッシーは私たちに必要なロックンロールの反逆者だ」を読んで考えたこと

2022-10-28 14:40:28 | Morrissey Songs

前回のブログ、「モリッシーは私たちに必要なロックンロールの反逆者だ」by Brendan O’Neill / THE SPECTATORの続きです。

書く時は書くね。時間があっても、気力があっても書かない時は書かない。物理的な面倒だけでなく、突き動かしてくるものがないと書けない。

今日私を突き動かしているのは、ひと言で言って「モリッシーかっこいい」なのです。

何をいまさら!!でも、最近の自分はまったくかっこよくなさすぎてことさら刺さる…。生活の中で小さなカタルシスはある。血縁や親しい友人に満たされることも、「うれしい」「幸せ」と思う瞬間もある。でも、常に思っているのは「んなこと言っても、自分はなんてかっこよくないんだろう」ということ。

日常に追われ、諸々を流し、本気で「だってこうだろう!!」と思うことがとても少ない。そして、もしその主張があったとしても、「こっちより」の人に言えば「ほんとそうだよね!」と言ってくれる。50年以上生きてくる中でそういう心地の良いベースは作ってきた。で、「こっちよりじゃない」人たち(って誰かもよくわかんないけど)の所に行って、その人たちがそんなこと考えてもいないのに「だってこうだろう!!」と主張するなんて、とりあえず面倒だし、心地よくなさすぎだし、そもそも意味不明すぎる。

「このまま快適なものばかりに囲まれて、摩擦を受けないまま朽ちていくのかな」とか、お気に入りのカフェの快適な椅子に座ってつぶやいたりしている。お前は令和のスイートカクテルか!?←言いたいだけでわたせせいぞうさんは悪くありません 体力もあまりないし、とにかく面倒臭がりで貧血でくらくらしてくるのですぐ「閉店ガラガラ」としてしまう…ことが多い昨今。年齢的なせいもあるのか元々なのか、感情表現は豊かなので喜怒哀楽は激しい。いろんな意識も強い。でもすぐ寝てしまうので、いろいろ思ったことを何にも形にできないで、その結果上から「ジャッジメンタル子」(親友のヨネに聞いたジャンル)みたいなことが多い。

それがだよ?

モリッシー!?

61歳だよ?

更に恰幅もよくなり凄い声量で、しかもまだ怒っている。みんながよく覚えてないことにまで圧倒的な記憶力で「思い出し憤り」している。それを粛々と形にしている。たぶんたくさん寝てるけど、ちゃんと生産もしていて真のクリエイティブ。東京の中年女、どうした?? 言い訳しながら、何をしているんだ、という感じです。

どうでもいい自分語りが長くなり、令和のJUNONか!??(しかも求められてない)、、と心配になってきたので、Brendan O’Neillが記事で言及していたロンドン・パラディウムで演奏した”Bonfire of Teenagers”前の「問い」シーンと歌、続いて歌詞の訳を貼ります。

Morrissey-BONFIRE OF TEENAGERS-Live-The Palladium-London-Oct 9, 2022

Bonfire of Teenagers

ティーンエイジャたちのかがり火
5月の北西の空に高く舞い上がる
ああ、君はアリーナに向かう彼女を見送るべきだったよ
途中で振り返って手を振って微笑んでたんだ、「さよなら」って
さよなら

そしてバカどもは歌う、"Don't Look Back in Anger(怒りで振り返らないで)"
そしてバカどもはスイングしながら言う、"Don't Look Back in Anger" 
私は死ぬその日まで怒りを込めて振り返る、そう請け負うよ

ティーンエイジャたちのかがり火
5月の北西の空に高く舞い上がる
ああ、君はアリーナに向かう彼女を見送るべきだったよ
ただ消されに行っちゃった
消されに

そしてバカどもは歌う、"Don't Look Back in Anger"
そしてバカどもはスイングしながら言う、"Don't Look Back in Anger" 
私は死ぬその日まで怒りを込めて振り返る、そう請け負うよ

殺人犯に手加減してやれよ
殺人者に寛容に
殺人犯に手加減してやれよ
殺人者に優しく…

 

Brendan O’Neillが記事の中で

「2,000人の観客が、この歌詞と、マンチェスター・アリーナでの残虐行為を集団意識に留めておけない現代のイギリスを叱責するモリッシーの言葉に合わせて体を揺らすのを見て、奇妙で不安な気持ちになった。しかし、高揚感も覚えた。ついに、マンチェスターの犠牲者たちに敬意が払われるた。ついに、死者たちに代わって怒りが表わされたのだ」

と言っていましたが、モリッシーの言いようもない良い声で、まさに鎮魂されていると思いました。これは何かに似ている。お盆の時に比叡山延暦寺の法要で聴いたお経かもしれない。スミスの“Suffer Little Children”にも似ていると思った。モリッシーは「私は言論の自由の厳格な信奉者だ。しかし私の場合、言論の自由とは、私に同意する人たちだけでなく、すべての人のためのものだ」と言論の自由について言及していましたが、死者たちまで含めて彼らの思いや言葉をレぺゼンしているのだと思います。ただ「かわいそうだね、安らかに、RIP…」でなく、「おおムカつく、忘れまじ、死ぬその日まで憤怒の火に薪をくべ、その守り人になる!!」という感じです。死者の中には「もういいよ、モリッシー…」という人もいるかもしれないけど、モリッシーはべつに個人に対する同情のみで怒って、歌っているのではないと思います。

Bonfire of Teenagersという、そんなにたらたら長くもない1曲がすごいのは、Brendan O’Neillも言っていますが、

 

・マンチェスター・アリーナでの虐殺に対する怒りを音楽に乗せることで、風化しつつある恐ろしい記憶を呼び起こした

・イスラム教徒の暴力問題を取り囲む、冷ややかで検閲的な風潮にも狙いを定めている

・テロや社会的問題について率直に、公けに語ろうとしない我々の背後にある、奇妙な道徳的な臆病心をとらえている

Brendan O’Neillが指摘するように、マスコミは「ほらまたイスラム過激派のことわざわざテーマにして差別!」「右翼すぎる通常運転!!」と騒ぐでしょう。でも、彼がテーマにしているのって一事が万事表層的なのではなく、「相手が誰であろうと、やばいことした人たちが面倒くさい『過激』な人だからって腫れ物に触るように敬遠して、みんなでだんまり決め込んで、言及する人は『なんてKY!!』『やっぱレイシスト!人でなし!』と迫害するのって良くなくなくない!?」ということではないかと。世の中「木を見て森を見ないどころか葉っぱと茎を見てる」人が多いですよね。モリッシーは「木を見て森を見て、また1本1本の木に戻って歌う」から「葉っぱガ―!」「茎ガ―!」と標的にされやすいんだと思います。

そうそう、この事件(アリアナ・グランデのコンサートが行われていたマンチェスター・アリーナのロビーで爆発が起きて、22名死亡、59名負傷。爆発時は多くの観客が会場を出るところで、多くの子供も含まれていた。爆弾犯も現場で自家製爆弾によって死亡。容疑者はマンチェスター出身リビア系のサルマン・ラマダン・アベディ)が起きたのは2017年の5月22日で、なんとモリッシーの58歳の誕生日当日だったんですよね。モリッシーは翌23日にフェイスブックで声明を発表しました。あまりにショックで…というより、とてつもない怒りからでです。

「マンチェスターで自分の誕生日を祝っていると、マンチェスター・アリーナでの爆発事件のニュースが入ってきた。とてつもない怒りに襲われている。この悲劇の連鎖は、一体どうすれば止められるのだろう?

テリーザ・メイ(英首相)はこのような攻撃では『我々は傷を負わない』と言うが、彼女自身の生活を銃弾から守っているのは泡のように脆いもの。そしてどうやら、彼女にとってはマンチェスターで犠牲となった若い命の身元を確認する必要もないようだ。そもそも、『我々は傷を負わない』の『我々』というのは、彼女自身、そして彼女の政治、もしくは彼女の移民政策を指しているのみだ。マンチェスターの若者たちはすでに傷を負ったのだから。テレサ、どうもありがとう。

そしてサディク・カーン(ロンドン市長)は『ロンドンはマンチェスターと共にある』と言っていたが、彼はISに対して何も行動を起こさない。今回の爆発事件はISによるものだと言われているのにも関わらずだ。

それに、事件に対しての『力強い発言』がバカバカしい賞賛を受けている女王も、バッキンガム宮殿で行われるティー・パーティを中止しようともしない。イギリスの報道の自由においては批判的な態度が認められないからだろうか。

そしてマンチェスター市長アンディ・バーンハムは、この事件は『過激派』によるものだと発言していたが、そもそも『過激派』とは『過激』な何なんだ?過激なウサギか?

現代のイギリスにおいては、プライベートで話していることを公の場に持ち込むことに対してやけに臆病になっている。政治家たちは『恐れることはない』などと言うが、それは自分たちが被害者になったことがないからだ。戦火から防御されたところでそれを『恐れない』などというのは、全くもって簡単なこと。しかし一般人には、そんな防御などないのだ。                                           

モリッシー 2017年5月23日」2017年5月24日rockinon.comより)


ここでもモリッシーは、政治家や権威のある(とされている)人々が、安全な場所から的外れな発言をしていることに怒り、一般人が言論の自由を去勢されている、もしくは自主規制していることに怒っていました。爆撃犯がムカつく、罪びとだっていうのは当たり前で、怒りの深掘りがすごい。ぶれない。かっこいい。昔も今も、そしてこれからもだろうと確信して胸アツなのでした。

ブログを書いてる自分に戻すと、こういうかっこいい人を好きなことをエキスに、書ける時には書いて、日々地道に生きるしかないと思ったのでした(すごい普通)。だって急にかっこよくなれるわけないし、そもそもあんなかっこよくなれるわけないし、でもかっこいいものにかっこいい!!と突き動かされる系一般市民で十分幸せなので、健やかにそれで行く。

はやく(ジャケも決まっているし収録曲も決まっているのに出ない)アルバムで、思う存分(他の曲も)聴きたいですよね。それまで、がんばろう。


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モリッシー ニューアルバムにおける「ラテンぽさ」の背景

2014-07-19 00:59:01 | Morrissey Songs

モリッシーのニューアルバム

World Peace Is None Of Your Business

が世界的にリリースされた今週…

アルバムを手に入れた初期衝撃がやっと落ち着いて(笑)

1曲1曲を味わい、アルバム全体について考える余裕が出てきました。

 

海外のレビューなんかもいろいろ読んだりして。

 

日本での全体的な売り上げのことはまだよくわかりませんが、

英国ではハリポタのロンみたいなエド・シーランに次いで

僅差?で2位だったようで。

 

その他各国での、発売日初日のチャート・ポジションを見ると


Number 1: Argentina, Chile, Peru.

Number 2: Brazil, Denmark, Greece.

Number 5: Israel, Spain, Sweden.

Number 6: Hungary, Italy, Turkey, Norway.

Number 8: Luxembourg, Portugal, Poland.

Number 10: Belgium.

Number 11: Ireland.

 

…上位ポジションをとっているのは見事に英語圏ではない!

そして世界中いろいろ。すばらしいことだと思います。

レコード出さない間も地道に世界ツアーをやってきて

(キャンセル多いけど)

自分のまわりや祖国だけでなく世界規模のいちゃもんを

言い続けてきた活動が作った基盤があるからだと思います。

 

特に、アルゼンチン、チリ、ペルー、ブラジル…といった

つい先日のワールドカップを彷彿とさせる南米諸国での人気。

これは、南米でのモリッシー人気を考えると十分想像できることですが

あまりソロになってからのモリッシーを知らない友人からは

「なんでモリッシーが南米で人気なの??」と聞かれます。

 

知らない人からすれば「モリッシーってスミスでくねくねしてた

くら~いイングランドのヘタレ音楽の代表みたいな人でしょ!?

なんで明るい太陽のマテ茶飲んでるマッチョっぽい南米人が

なんで好きなの?」ってことなんでしょうなあ。

 

ライブでも、このニューアルバムでも、

「最近のモリッシーは、出がらしのテスコのティーじゃないんだよ、

すっかり濃い目の太陽のマテ茶なんだよ!!」

…というとますます混乱させるので、順番に説明していきたいと思います。

 

南米諸国だけでなく、南米にルーツを持つアメリカ在住のラティーノ

ファンが多いことは「モリッシー 25Live」のライナーにも書きましたが

(特にLA…ヒスパニック系人口が多いから)

 

その辺の詳しいいきさつは

passions just like mine(2010年)

というドキュメンタリーに詳しいです。

 

 

ドキュメンタリーでは、LAのモリッシーガチファンがどんなに

モリッシーを崇拝しているかを見せており、もうモリッシーに興味の

ない人にとってはただの拷問なのですが、ここで示唆されているのは

南米…メキシコ伝統的音楽の歌詞とモリッシーの書く歌詞のベース

に流れる、「生きる哀しみ」という共通点。

南米でのライブで、こぶしを聞かせて祈るように一緒に歌い

手拍子をして腰をくねらせているファンを見ると、寒い島国で生まれの

「イギリスからきた男」が体の中から絞り出しきっている熱いものに

深く同調・共鳴している様子が伝わってきます。

 

またアメリカにおいては、ヒスパニック系は故郷を離れた「移民」であること、

2世3世であっても、ここではないどこかの「魂の故郷」に思いをはせる

「マイノリティー」である…。

そんな出自を抱える人間にとって、マンチェスターの貧困の嵐の中を

生き抜いてきたアイルランド移民というマイノリティーである、

ていうかそもそも「人類のマイノリティー」であることを(誰も頼んでないのに…)

引き受けて宿命として生き、歌い続けているているおじさんこそ代弁者。

「聖人」とまであがめ、言葉をすべて「福音」ととらえ

体中にその顔を名前を歌詞を彫っている…。

(「やりすぎ」「好きになりすぎ」と人のことだと思うw)


ドキュメンタリーの中ではモリッシーの


「ラティーノはとても感情的で感情を表に出す人たち。音楽を

やっている人は多いが、自分自身をすべてさらけ出している

音楽をやっている人は少ない」


という見解が出ていました。


「自分自身をすべてさらけ出している」

 

これこそ、モリッシーの真骨頂。感情むき出しラティーノファン

でなくても、奥ゆかしい日本の大和なでッシーなファンたちにも

一番訴えかけてくる価値であると思います。

 

それは今回のアルバムでもまったく変わりないですが、

今回が「ラティーノさん感謝祭」なのか、ラテンミュージックっぽさが

全面に出ています。

 

フラメンコの仰々しさ、

ジプシーのアコーディオン、

マーチングバンドのトランペット。


メキシコ人のギタリスト、ジェシー・トバイアス大活躍!


前作までのイケイケグラム色、ロック色に

抒情的で哀調おびたメロディアスな「南米色」が

加味されまくっています。

南米マーケットをねらった「媚び」かと思えなくもないですが

モリッシーがそんな「狭い」ねらいをするとは思えず…

 

そもそも、ニューアルバムで歌われている現実、

「最も孤独な惑星」地球に生きる人間へのメッセージは

全世界に向けている「いちゃもん」です。

「World Peace」を免罪符にしている地球の上の人たちに

対するモリッシー流「反グローバリズム」の提示をひしひし

と感じます。

 

たまたま「自分自身をさらけ出す」フォーマットとして

昨今馴染みの深い「ラテンぽさ」を使っているのでしょう、

とても威勢が良く、気持ちいいです。

モリッシーの中身がどくどくあふれてくるのを

ばんざーいばんざーい!闘牛士が死んじまった~♪

とか、一緒に歌いながら感じられます。 


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モリッシー新アルバム "World Peace Is None of Your Business"発売!!

2014-07-16 23:56:25 | Morrissey Songs

とうとう!!

モリッシーの新アルバム

"World Peace Is None of Your Business"

この7月14日、日本盤は今日16日、発売になりました!!


1000セット限定モリッシー直筆サイン入り自伝つき

“Ultimate Bundle”を頼んでいたので、月曜日の朝国際便のでっかーい

箱が届き…ブルーマンデーが一気にモズマンデーに!!

そしてそのままモズウィークに突入~


自伝の中のモリッシー直筆サイン…

ページの裏にまで到達する強すぎる筆圧は

まぎれもないモリッシーのもの!!(の、はず)

1000本ノックならぬ、1000本サインしたためか

iとsの区別がつかぬ…

 一瞬「MORRししい~」

疲れを表しつつ「日本ふう」に書いたのかと思ったw

 

そして、昨日は日本盤のフラゲデイ。

タワーレコード新宿店のPOPはこんな感じでした。

(@modernworldkoo さま撮影)

「5年間待たせても、知ったことじゃない」

…いや、モリッシー気にしてたと思うよwww


2004年に『ユー・アー・ザ・クワーリー』が出るまでも『マルアジャステッド』

から7年あったし、5年間くらい新譜リリースまで時間のあくアーティスト

なんて山ほどいます。

でもモリッシーのこの5年間のアルバムリリースレスは訳が違いました!

契約をなくし、でも絶対また世界的メジャーからブツを出してやる、っていう怨念の月日。

ファンの願いの強さもあるけど、モリッシーの怨念の勝利!


2011年には、2009年の『イヤーズ・オブ・リフューザル』以来となるアルバムも

完成していたのに(さすがすぐやる課、モリッシー…)

レコード会社との契約は切れたままだとアメリカの音楽メディア「ピッチフォーク」

で明かしました。


『イヤーズ・オブ・リフューザル』をリリースしたユニバーサルとの決裂は、

ユニバーサルと、当時のモリッシーのマネージャーだったアーヴィング・エイゾフが

イギリス最大の音楽賞であるブリット賞開催時期に意図的にぶつけようと

画策したことが原因だったとか…。


結局、ブリット賞のせいで『イヤーズ・オブ・リフューザル』のリリースがかすんでしまい

失敗。それにしてもお粗末すぎる作戦…。そんなプロモーションに、不信感を抱いた

モリッシーはレーベルともマネージャーとも手を切った。。。

(エイゾフはアクセル・ローズにも訴訟起こされたクセモノらしいw)


契約の解消、その後の展望を当時モリッシーは


「ぼくはもともとの資質としてインディペンデントなんだ。ぼくはメジャー・レーベルと

契約していても、インディペンデントなアーティストなんだよ。今や『インディー』と

いう言葉は無用の長物だからね。

あまりにも消費されてしまって、もはや『インディー』とは髪の毛をグリーンに

染めることしか意味しなくなってしまったんだ」


…と、言っており、「ん?こんだけのキャリアの人が今後はインディーに??もしくは

自分のレーベルでも立ち上げるのかなあ。だって出さなきゃ意味ないし?」

と一瞬思ったものです。


しかし、2012年、来日直後の「クロスビート」のインタビュー(2012年7月)では、

メジャー契約への強いこだわりを示していました。

独自レーベルをは立ち上げることはやりたくないと語り


「なぜなら、僕を否定したり無視する言い訳を何ひとつ世界に提供したくないからね。

軽くやり過ごされたくはないんだ。インディペンデント・アーティストとしてこそこそ

プライベートに活動するのは御免だよ。僕は他のアーティストたちと並んで存在感

を示したいし、メジャーなレーベルと関わりたいんだ。現時点でもすでに軽んじられ

ているわけだから、小さなレーベルと組んだら『ああ、もうモリッシーは終わっちゃっ

たね』と言われるのが関の山さ。だからパワフルなレーベルと組めないのであれば、

むしろ何もしない方がましだよ」

 

と語っており、びっくりしました。

この人、「元スミス」とか「マイナー王」とか「オワコン」とか「営業ミュージシャン」とかに

なる気まったくないんだな(あたりまえだが)、まだまだ諦めてないし、世界に影響力

与える気満々なんだなと(当時53歳)思い、私の「はやくモリッシーがメジャー契約して

レコードやCDが、ふつーにメジャーなアーティストたちの作品に紛れて、ふつーに

おいてある日がきますように…」という祈りも始まったのでした。


その祈りが叶ったことがわかったのはこの2月・・・ユニバーサル傘下のハーヴェストと

メジャー契約を結んだことを知った時は、本当に嬉しかった。でも実感?はわからなかった。

今日店頭で、「M」のコーナーに、「アナと雪の女王」DVD発売日につき「れりご~れりご~♪」

が鳴り響く中ふつーに日本盤の

 

『World Peace Is None of Your Business

~世界平和など貴様の知ったことじゃない』

 

を見た時には…感激しました。陳腐だけど、本当に今日が来たんだと思いました。

配信でも聞けるし、YouTubeでも聞けるし、聞くだけならどうにでもなるけど、

こうしてモリッシーが「神殿」と呼ぶCD/レコード店で、実体のある「ブツ」を

見ることがこんなにしびれることだとは。買わなくてもいいから、見てみることを

オススメします。なかったら店員さんに聞いてみたり?お問い合わせ多いものは

注文して並べてくれるかも?実体を売る店舗で、モリッシーに関わるコミュニケーション

をしてみてください、すっごい「モリッシーの新譜が出た感」を味わえますw


こちらはNMEの最新号、モリッシーの特集。

“RETURN OF THE KING”という見出しに対して海外のファンが

「王が戻ってきた??てか、モリッシーどこにも行ってないですが?」

とつぶやいていたのに激しく同意。


ずっとここにいて、ずっと私たちに歌い続け、どこにも行ってないから

今日が来たと思います。


聞き続けて、毎回新たに色々なことを感じさせるアルバムの

中身については追って♪


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モリッシー新曲第2弾Istanbul配信開始 全歌詞・翻訳

2014-05-20 16:58:36 | Morrissey Songs

 

昨日、モリッシーニューアルバムからの先行リリースシングル3曲の

うち2曲目、“Istanbul”が配信開始されました!

 

イスタンブールと言えばかつてインタビューで

 

「イスタンブールは世界中の都市の中で

ローマの次に好きだ。

イスタンブールにいると僕は絶対に死なない

ような気がしてくる。

僕の人生はイスタンブールととても相性がいい」


と語っていたモリッシー。モリッシー不死身のクリエイティビティ源の地…


“Istanbul”という題名の歌を書いているとは、今年の初めから

明かされており、その歌詞の内容が非常に気になっておりました。


「おいでイスタンブール

うらまないのがルール」

とは歌っていない…のは間違いありません。

(むしろモリッシー、「うらむのがルール」だしw)

 

とりあえず、訳してみました。

 

Istanbul

When he first cried

His mother died 

I had tried to be his guide

 
When he was born

I was too young

The father searches for the son

 

In Istanbul

Give him back to me 

Oh, Istanbul 

Give me back my brown-eyed son

 

Moonlight jumping through the trees

Sunken eyes avoiding me 

 

From dawn to dusk the hunt is on 

The father searches for the son

 

In Istanbul 

Give him back to me 

In Istanbul 

Give me back my brown-eyed son

 

On secret streets in disbelief

Little shadow shows the lead 

 

Prostitutes; stylish and glum 

In amongst them you are one 

 

Oh, what have I done?

 

Rolling breathless off the tongue 

The vicious street gang slang 

 

I lean into a box of pine 

Identify the kid as mine

 

 

イスタンブール

 

息子が初めて泣いたのは

母親が死んだ時

俺は彼の心のよりどころになろうとしてた


息子が生まれた時 

俺は若すぎた

 

わが子を探し回る父親

イスタンブールで

 

息子を返してくれ

ああ、イスタンブール

俺の茶色い目をした息子を返せよ

 

木々の間をぬって照らす月明かり

俺を避ける落ちくぼんだ目


朝から晩まで追跡は続く

わが子を探し回る父親

イスタンブールで

 

息子を返してくれ

ああ、イスタンブール

俺の茶色い目をした息子を返せよ

 

うさんくさい人目につかない通りで

小さな影にいざなわれた

街娼たちがいた オシャレで無愛想な

その中にお前もいたんだ

 

ああ、俺は何をしでかしたんだ

 

息がつまってるのにすらすら出てきた

物騒なストリートギャングのスラング

 

白木の棺桶に身を乗り出して中を見た

その子が俺の子だって 身元確認した

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

まるで、イスタンブールが舞台なのに南米のギャング小説

を読んでいるのかと思いました。

父の、永遠に達成されない子探し、というテーマは

神話的でもあります。

泣きました。

 

歌詞の意味を知って、このモリッシーの朗読PVを

見ると、更にしみる…

 

 

 

モリッシーは詩人だとは知っていたけどここまで

ストーリーテラーだとは?頭の中にすべて物語があるの

でしょう。MaladjustedとかFirst of the gang to die とか

のテーマを受け継いだ、素晴らしい「悪童もの小説」を書けそう。

自伝の成功により、小説を書く気になっているらしいし、

近々「モリッ小説」もない話ではなさそうですね!


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来日公演予習用♪南米でモリッシーはこんな曲を演奏した

2012-03-24 00:11:18 | Morrissey Songs

いよいよ、モリッシー日本公演まであと1カ月を切りました。

そろそろ、みなさん「予習」に本腰を入れる頃かと思いまして、

南米ツアー全11公演演奏曲を分析することにしました。

まあ、ほかでもいろいろあるでしょうから、「for じぶん」なんですがね!

 

以下の、演奏頻度が多かった曲は、日本公演でもやる可能性高いので

チェックしておいてください…とは言っても気まぐれモリッシー。

急にシーラ~とかぶちこんできたりまったく予測不可能なので

そこんとこは「お楽しみ」ね♪

 

とりあえず、2012ツアーin南米における演奏曲目と収録アルバム名を

羅列します。

 

●南米全11公演で毎回やった曲(カッコ内は収録アルバム)

 

・Everyday Is Like Sunday (Viva Hate)

・Ouija Board, Ouija Board (Bona Drag)

・You're The One For Me, Fatty (Your Arsenal)

・Let Me Kiss You (You are the Quarry)

・First Of The Gang To Die (You are the Quarry)

・You Have Killed Me (Ringleader of the Tormentors)

・I Will See You In Far-Off Places (Ringleader of the Tormentors)

・Black Cloud (Years of Refusal)

うち、スミス時代の曲

・How Soon Is Now? (Meat is Murder)

・Meat Is Murder (Meat is Murder)

・I Know It's Over (The Queen in Dead)

・There Is A Light That Never Goes Out (The Queen is Dead)

 

●全11回中10回やった曲

・Speedway (Vauxhall and I)

・Alma Matters (Maladjusted)

・One Day Goodbye Will Be Farewell (Years of Refusal)

 

●全11回中9回やった曲

 ・When Last I Spoke To Carol(Years of Refusal)

 ・Please, Please, Please Let Me Get What I Want

(The Smiths: Hatful Of Hollow)

 

●全11回中5回やった曲 

・Scandinavia(新曲) 

・Still Ill (The Smiths:The Smiths)

 

●全11回中2回やった曲 

・Irish Blood, English Heart(You are the Quarry)

・Action Is My Middle Name(新曲)

・People Are The Same Everywhere(新曲)

・I Want The One I Can't Have (The Smiths: Meat is Murder)

 

●全11回中1回だけやった曲

・Maladjusted(Maladjusted)

・Sheila Take a Bow (The Smiths:Louder Than Bombs)

 

もーし、これから「1枚」モリッシーソロアルバムを買うとしたら

「You are the Quarry」

あたりが「よくやる曲」たくさん入っていて、

かつ聞きやすいのでオススメかと思います!

 

「予習」ネタはまだまだ続くよ~(のはず)。

 


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