メリークリスMOZ!!
と勢いよく始めてみましたが、時は経ち、とうとうクリスマスになってしまいました。
風邪をこじらせてしまいstill ill。。。で更新がさらに遅れました。
そうこうしているうちに、モリッシーの10月6日から始まった怒涛の
ヨーロッパツアーも終了し(あれ、オランダの延期分はどこでやるんだ?)
12月19日にはこのような公式コメントも発表。キャンセル、延期はあったものの
(途中退場も)体調の不具合など感じさせない迫力のステージをよくやりきって
くださいました。ロンドンでの公演を「自己ベスト17」公演の1位にあげています。
昔から、ユーロヴィジョンコンテストやお気に入りテレビドラマを自己評価基準
作って採点していた凝り性の方なので、フィーリングではなく、きちんと採点した
結果なんだろうな、どこが評価ポイントだったんだろう?と見ていて感慨深い順位でした。
さて、いつまで終わらないんだロンドン公演感想、今日こそ〆ます!!
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"I'm Not A Man"が終わり、前座のモリッシーお気に入りのアンナ・カルヴィへの謝辞。
そろそろ来るな、来るな、来てほしいけど、来てほしくない(きっと終わるから)と思っていたら
やはり「ぎゅわ~ん」という前奏で始まった“Speedway”。個人的にはモリッシーがソロに
なってからライブで歌う曲の中で一番に好きです。以前の若い頃のバージョンより、今のが
いちばん好きです!!
前奏から、早く聞きたい、でも終わらないで欲しいという入り組んだ感情で押し潰され
そう!!
モリッシーもノリノリで腕を振り上げマイクスタンドを握り歌い始めました。
“So when you slam”
そうモリッシーは歌うと、ふいにマイクから口を離し
客席に続けさせます。
“Down the hammer
Can you see it in your heart?”
その後にご満悦で続く
“Can you delve so low?”
の声の良いこと…
自信たっぷりに、でもひとつひとつの文節を丁寧に歌います。
歌うというより、私たちひとりひとりに語りかけるように、試すように。
どんどん思いが入っていき、高まっていくのがわかります。
“I never said, I never said”と歌うというか誓う、真剣な表情は
痛いほどです。情感を歌う、というよりはもう、この歌はモリッシーそのもの、
自己表明だと思います。歌と自身の間に、一寸のすき間もない感じです。
“You won't smile
until this ugly mouth
gets slashed good and proper
FOREVER!!(←もう言葉にならない雄叫び)”
…そして会場は暗転。静寂。
会場のモリッシーへの思いが極まり過ぎた瞬間、
光の中にモリッシーが現れます。
マイクのコードを鞭のようにふりまわしました。
何に振り落す鞭なのだろう。
この世の思い通りにいかないことへの怒り、
誰かへの、何かへの制裁、
というより自分自身への鼓舞のように思いました。
“In my own strange way”
のとことでわざわざ腰をかがめ、必死に手を伸ばすファンの手を
にぎります。モリッシーも必死です。
「求めよ、さらば与えられん」
という聖書の言葉が頭をよぎりました。
手を伸ばせば、心から求めれば、この人はいつでも私たちの心にこんなに
響く歌で応えてくれる、ただのShowバイでやってることじゃない、宿命使命でやっている
ことだと、その深い優しさに打たれました。
“I've always been true to you”
そうモリッシーが歌う時、会場中もそう歌いました。とてつもない「両想い」の渦に巻き込まれ
ながら、モリッシーが去って行くのを見ました。
陳腐だとは思います、でも心の中には「一生ついていく」しかありません…でした。
そこにマシューのとんでもないドラム…ドラムを叩く、というかマシューの体から出ている音
のようです。人間ドラムマシーン、というかドラム人間なのです。最後に昂まりの極みに
マシューはドラムをぶち壊しました。
蹴って…
投げて…
(その後、インスタグラムでドラムに「壊してごめんね」と謝るw)
Morrissey - Speedway - London O2 Arena - 29th November 2014
そしてアンコールに応えて戻ってきたモリッシーと皆さん。
モリッシーは青いシャツにお着替えしています。
観客への感謝の念を述べた後
“I would only ask remember me,
but forget my fate”
「ひとつだけ、お願いがあります。
私のことを忘れないでほしい、でも
この私の逃れられない宿命のことは
どうか忘れてほしい」
と述べました。会場は、黙り込みました。
それぞれが、その言葉の意味を深く心に染み込ませていたのだと思います。
この言葉、
モリッシーのライブの後でもかかるクラウス・ノミの“Death”の歌詞
からの引用ですね。言葉のうわっつらな借用ではなく、完全に自分の言葉として
発していたものでしたが。同じようなことはよくライブで語っています。
自分の運命を受け容れて立つ彼に、陳腐な反応は何ひとつそぐわない
気がしました。そのぐらい、重々しく受け留めました。
Klaus Nomi - Death
そしてこの世のものとは思えないくらい美しい“Asleep”が始まりました。
この人はいつも「これを境にもう二度と会えない」と言う覚悟で歌い、生きている
のだと思いました。過去も、未来も、ない、たった今しかない。
今自分がやるべきことしかしない。
そして最後の最後の曲“Everyday Is Like Sunday”が始まり、さらに
「涅槃」色が強くなりますが、モリッシーにも、会場のひとりひとりにも「いま生きている」
という実感がどんどん濃くなって行ったと思います。
次々にステージに上がろうと試み玉砕するファンたち、でも諦めない、
モリッシーも絶対に諦めないから。
“Everyday Is Like Sunday”はおぞましい内容の歌なのに、
こんなに美しいのは、ポエジーでおおってごまかしているのでは
なく、おぞましさをぼやかさない人が歌っているからなのだと
実感しました。歌というより、最後の方はほぼ咆哮となり、そして…
脱ぎ、シャツを投げました。
最後まで「アイラブユーアイラブユー」を繰り返していました。
Such love shown I'd never known
と思いましたよ、いつも思いますけど…
最後、「アリガトー!」と言った気がしましたがきっとポルトガル語の
“Obligado”だったのかも。
モリッシー去った後も、沸きまくるオーディエンスたち
★ここまでなっが~いブログ読んでくださった方にクリスマスプレゼント★
(かいなってぃー激写)
あんなに素晴らしくて迫力ですごいのに、
シャツ投げちゃったからお風呂屋の脱衣場のひとみたいにステージから
去って行くモリッシーさん。神々しさと哀愁の絶妙ブレンド…
全部含めて大好きだ。
帰りのフェリーが「終演20分後船出ルール」のため、椅子をまたいで
外に出、人が殺到する物販の列に再び先頭で並び買い逃したティータオル
を買い(よく考えたら単なる、字の書いてある布…)、おーい船が出るぞ~
に間に合い、
…再びロンドン・アイが見えてくるまで放心状態。。。
すべては終わりました。
でも、これがまたすべての始まりな気がする。
この方の魂の声を聞く、というか全身に入れるため、ここまで来てよかった、
またいつかライブが観れる日まで、きちんと生きていこうと心から思いました。
この人がいてよかった。
この人を好きでよかった。
Remember me,
but forget my fate
というモリッシーの言葉は、心に刻印のように刻みました。
一生忘れない。
これで、長い長い2014年モリッシーロンドン公演レポートを終わります。
今年もブログを読んでくださりありがとうございました。
皆さま、良いお年をお迎えください。