2019.4.14 21:00~
『草野マサムネのロック大陸漫遊記』
TOKYO FM
https://www.tfm.co.jp/manyuki/
導入は、朝ドラ『なつぞら』の話題から。
草野「無事にスピッツの曲が流れています」
曲についてはいろいろな意見が耳に入ってくるんだろうな。
草野「新曲についての感想は、名前のあるものについては読みますが、匿名の人の意見には惑わされないように。創作するうえで左右されたくないので」
そういうことで、新曲についてエゴサはしないのに、「さすがに朝ドラ第一回のときは不安になって見てしまった」そうだ。主題歌って、責任感じちゃうのかな。
おおむね好評でホッとしたそうだけど、批判的なものも参考になりそうなので受け止めたようだ。
草野「なにしろドラマがおもしろくて、そこに関わらせてもらえているということが、ただただ光栄です!」
今回のテーマは久々のアーティスト特集、「Wishbone Ashで漫遊記」
草野「ブリティッシュロックを語るうえで最重要なバンドのひとつ」
3月の来日ライブ(CLUB CITTA)、行ってきたそうです! 「その熱がさめないうちに、彼らのロック大陸に初上陸」と。
Wishbone Ashは「ハードロックでもないし、プログレッシブロックでもない。カテゴライズしにくいバンドだけれど、ツインギターとボーカルのハーモニーが気持ちいい。これぞイギリス!といっていいバンドです」と。
オンエア曲
01 花の写真(スピッツ)
02 Blown’Free(Wishbone Ash)
03 Throw Down the Sword(Wishbone Ash)
04 Blind Eye(Wishbone Ash)
05 Silver Shoes(Wishbone Ash)
06 Reason To Believe(Wishbone Ash)
07 機械仕掛けのラム(四人囃子)
漫遊前の一曲は、スピッツで「花の写真」(2009年、36枚目のシングル「つぐみ」のカップリング。アルバム『とげまる』の収録)。
新曲の「優しいあの子」が解禁になっていないので、「スピッツの中でも似た感じの曲」ということだ。
優しさがこぼれるような歌詞に慰められることがある、そんな曲だ。
「優しいあの子」でエゴサしたとき、「『花の写真』に似てね?」という意見もちらほらあったらしいけど、「32年もバンドやってたら、似た曲もあります」と。そうですよね。
そのうえで、この曲を漫遊前に流しちゃうなんて、ちょっと見直した(笑)。
最初の曲は、「Blown’Free」(1972年、3rdアルバム『Argus』)。
日本ではじめてのヒット曲。彼らが世界進出を果たしたアルバムから。
この曲のリフ(ZO-3で)の響きが気持ちよくて、「今でも手癖のように弾いてる大好きな曲」。
そして、Wishbone Ashについて。
1966年に、スティーブ・アプトンとターナー兄弟で母体となるバンドが結成され、その後、キーボードのオーディションに間違ってやってきたギタリストのアンディ・パウエルが加入して、Wishbone Ashが誕生した。
草野「このアンディさんとのツインギターがその後のバンドの運命を決定づけた」
今回の来日ライブは、「名盤の誉れ高いアルバム『Argu』の再現ライブ」だったそうだ。
『Argus』は草野くんの中で、アルバム単位で考えたら、「好きなロックアルバム」5枚の中に入るくらいの存在らしい。
ほかは、デビッド・ボウイの『Ziggy Stardust』、ザ・ダムドの『Machine Gun Etiquette』、アンドリュー・ロイド・ウェバーの『Jesus Christ Superstar』、チープ・トリックの『In Color』とアルバム名をすらすらとあげて、「チープ・トリック以外、イギリスだな」って。
それより何より、すべて70年代、というところに彼の嗜好が感じられる。
草野「『Argus』は曲もいいけどジャケットもすごくいいです」
「ファイナルファンタジー」の一場面のような幻想的な雰囲気で、15歳の中学生にはドンピシャだったとか。「中世の騎士が見上げる空にUFOが飛んでる」みたいな、と。
草野くんと同世代ではないけれど、高校生だった私の弟にも、このジャケットは魅力的だったようで。今見ても、すごくいい!
次の曲も『Argus』から、「Throw Down the Sword」。
Swordとか、アルバムジャケットにも通じる。少し憂いのあるサウンドとボーカルの声が妙にマッチして、私はとても好きな楽曲だ。間奏のツインギターの音色が切ない。
次はデビューアルバムから、「Blind Eye」(1970年、デビューアルバム『Wishbone Ash / 邦題 光りなき世界』)
『Argus』再現ライブだった3月のときも、アンコールでこの曲を演奏していたそうだ。
キーボードのオーディションに間違ってやってきてギタリストとして加入したアンディ・パウエルが、ただ一人今でも残ってバンドの暖簾を守っているそうだ。
草野「たとえるならば、『ガンバの冒険』でイカサマが最後まで残っている・・・。わかる人にだけわかると思うんですが」(笑)
最後に偶然出会って加わった、というところはわかるけど・・・。
アンディ・パウエルさん、もうすぐ69歳だそうで、声もギタープレイもすばらしかったそうで、「何食ってんですか」って尋ねたかったそうだ。
(草野くん、去年のライブで宮本さんにも「何食ってんですか?」ってきいたんじゃなかった。(笑))
この曲はブルースロックの匂いがして、「当時の時代のトレンドだったのかな」。Wishbone Ashの音楽が確立される前の楽曲で、「すごくかっこいいです」。
たしかに、紹介されなかったら、Wishbone Ashとは思わないだろうな。なんだか、クラブでの生演奏のシーンなどを彷彿とさせていい感じだ。
さて、メッセージコーナー。
涙腺はかたいけど動物ものに弱いというリスナーから。
「年齢を重ねると涙もろくなるというけど、草野さんはどう? 最近泣いたエピソードは?」
草野氏は、老犬がよぼよぼしながら散歩で歩いていると、「愛おしくなって泣けてくる」。
「なつぞら」の第四話は「ホントにやばくて、思わず窓の外に視線をずらしてしまった」と。
あれ、おじいさんとのエピソード? みんなよかったと言っていたけど、見逃した・・・。
草刈正雄と草野正宗・・・、「同じ草・正」でうれしいって。あ、ホントだ。今知りました。
「泣くポイント」が人とずれているそうで、街で「あれ、買ってー」と駄々こねている子どもを見て泣けてくるそうだ。
この前のライブで、「ユーライアヒープのときもそうだったけど、オレ、最年少じゃない?というくらい、人生の先輩方がたくさん」だったと。そうだろうな、と納得。
途中トイレタイムがあったそうだけど、「歌、演奏ともに老いをまったく感じさせないパワフルなもの」だったと。
次は、「Silver Shoes」(1974年、5thアルバム『There's the Rub / 邦題 永遠の不安』)。
1973年、4枚目のアルバム『Wishbone Four』をセルフプロデュースで成功させて、いろいろアメリカ進出を試みる。
草野「当時は今以上に、イギリスで成功したら次はアメリカという流れが強かったみたいで」
バンドの活性化をはかるためにいろいろ新機軸を試したくなるのはバンドマンとしてわかるけれど、「バッドカンパニーのような成功例もあるけれど失敗するバンドも結構いるわけで」と。
草野「Wishbone Ashの場合は、微妙に持ち味をなくしていった、と思っちゃいますね」
この曲までは「まだ湿り気というか哀愁があるんですけど、そのあと、持ち味が薄れていったような気がするんだよね」と。
初期のファンはこのアルバムまでで離れていった人も多いのでは?と。
私のことですけど、そういう深い意味もなく、諸々の個人的理由で(なんだよ!)、Wishbone Ashのアルバムは、ここまでしか持っていない、というか、ほかは聴いていない。
この曲は久々に聴いたけど、ほんとうに好きだったなあと思い出す。
最後は、「最近のWishbone Ashの曲」で、「Reason To Believe」(2011年、21thアルバム『Elegant Stealth』)。
草野「哀愁もあって、今っぽさも感じられて、カッコいい曲です」
ジャケットもいい、というので検索してみたら、ああ、色遣いといい雰囲気といい、Wishbone Ashらしい。
最近の曲も「ポップだけどカテゴライズしにくい・・・」と言ったあとで、「そういうところはスピッツも見習っていきたいなと思います」。
すごいな、21枚目。最新作が2014年の『Blue Horizon』で、これが22枚目。
サウンドとかボーカルの声とか、初期の頃に通じるところ、なくはない気がして、全部聴いてみようかな、という気になっている。
Wishbone Ash、今は北米をツアー中で、6月にはアイルランドで行われるロリー・ギャラガーのフェス(「こういうの、やってるんですね。すごい興味あるわ」)に出演し、そのあと、南アフリカ~フランス~ドイツ~スイスを回ったあと、10月からは本国イギリスでツアー。
草野「スゴイですね。活動50年をこえるレジェンドバンドには地平線が見つからない! アンディさん、いつまでもお元気で」
これは、「Throw Down the Sword」リリース40周年というから、2012年のライブ映像か? アンディ・パウエルの声の伸びに驚愕!
Wishbone Ash - Throw Down the Sword - 40th Anniversary
最後は、「ちょっぴりタイムマシン」のコーナー。
ジングルは「海とピンク」のイントロで?
今回は、四人囃子で「機械仕掛けのラム」。
四人囃子は「70年代の日本の伝説的ロックバンド。プログレの文脈で語られることが多く、プロデューサーの佐久間正英さんが在籍していたことでも有名」と。
草野くん自身はドラマーの父親が武蔵野美大の教授だったことから興味をもち、国分寺の珍屋でLPを購入した記憶があるそうだ。
「北海道のロックバンドで漫遊記」や「クセになるおもしろソングで漫遊記」に比べると、「今回はちょっと地味だったかもしれないけれど、これが本来の『ロック大陸漫遊記』なので、よろしく!」(すごく楽しかったですよね~)
とか言いつつ、来週は「ロックなドラマ主題歌で漫遊記」だそうです(笑)。
「優しいあの子」への感想で、「もっとロックな曲をぶっこんでほしかった」というものチラホラあったそうで、「でもあのシナリオ読んだら、そういう曲はつくれないでしょ」と反論したいところだそうです(笑)。たしかに・・・。
それでいろいろ思い返してみたら、ロックな主題歌も結構あったと。そこで、あくまで自分が見ていたドラマの中からセレクトして、ドラマの思い出もからめつつ・・・だそうです。
これもおもしろそう。
ただ、個人的にはドラマの趣味はあまり似ていない気がするので(笑)、知らない曲が聴けそうでそれも楽しみです。