隠れ家-かけらの世界-

今日感じたこと、出会った人のこと、好きなこと、忘れたくないこと…。気ままに残していけたらいい。

ワタシの「わが闇」を振り返る~ナイロン100℃「わが闇」

2013年07月17日 20時35分33秒 | ライブリポート(演劇など)

2013.7.11(木)
ナイロン100℃ 結成20周年記念
「わが闇」
at 本多劇場

作・演出 ケラリーノ・サンドロヴィッチ
出演 犬山イヌコ/峯村リエ/坂井真紀/岡田義徳/大倉孝二/
    長谷川朝晴/みのすけ/松永玲子/三宅弘城

 http://www.cubeinc.co.jp/stage/info/nylon40th.html


 まず、最初に・・・。
 作品とはまったく関係ないのですが、「下北沢」の駅の構内が変わった!
 最近、あそこを訪れたときは、隣の駅や京王線の笹塚から歩いていくことが多く、電車であの駅に降りたのは久しぶりだったのです。
 あの街も変わっていくのでしょうか。
 外の人間は簡単にいろいろ言ってしまうけど(「昔の良さを残してほしい」とか、「あの街のノスタルジックな雰囲気が好きだったのにとか)、地元の人、そこに住んでいる人や商売をしている人・・・には、もっと複雑な思いがあるんだろうな。
 郷愁と発展がうまく寄り添って進んでいくのは、なかなか難しそうだし。

         
              


 ナイロン100℃にふさわしく、笑いとねばっこい深さの不可思議なバランスの世界。
 大倉孝二の「フレームからはみだした動き」に思わず吹き出したり、身をよじったりしながら、この家族の歴史の迷路に揺れる。
 客演の坂井真紀、岡田義徳、長谷川朝晴も初演のメンバーだったそうで、空気の中になじんでいた。
 
 「わが闇」をあなたもお持ちですか?
 父親と長女が作家で、母親は自ら命を絶ち、末の妹は女優で疾走して・・・。
 特異な家に見えるけど、抱える「闇」は案外普遍的なもの。
 満たされぬ思い、告げられない優しい気持ち、苛立ち、根深い、だけど幼い妬み。
 それぞれの役者の発する言葉の中に、自分の育った家を思い出したりする。私にもかつて、報われることを望んだ場所があったことを思い出したり、そういう幼い思いをときどき蘇らせたりする瞬間を笑ったりしたくなる。
 そういう芝居。
 観客を突き放したり、観客に客観視を求めたりしない芝居。言ってみれば、すごく日本的な芝居なのかもしれない。

 ラスト。作家である父親の死後、アルバムに貼られた写真の裏に父親が家族への思いをつづっていたことがわかる。
 争うように、無邪気に、写真の裏の自分への言葉を見つけようとする娘たち。
 ふつうはありえないんだよね。亡くなった人の思いを死後見つけることなんて。
 でも、そういう場面が許されるなら、私は誰の言葉を欲するだろうか。いろんな人の顔が浮かんで、そして消えていく。
 そんなもの、なくたって、人は生きていける。死んだ人は確実に遠くなるのだから。
 でも、あの娘たちの表情を見ていたら、闇の果てに何を見つけたのかを問うてみたくなった。
 とてもすてきなラストでした。

 いつものことながら、女優たちの魅力にあふれた舞台だった。
 娘たちを演じる犬山イヌコ、峯村リエ、坂井真紀それぞれの陰影のある演技。
 精神的においつめられた母親の痛々しさと狂気、そしてド迫力の女プロデューサーのえげつさを100%で演じた松永玲子。
 
 休憩をはさんで3時間半だったけど、長さをまったく感じさせない、適度の重さと愚かな軽さを併せ持った芝居でした。




       ★       ★       ★


 日光東照宮+日光二荒山神社の2社と、日光山輪王寺の共通拝観券が、今日から廃止されることになったそうだ。

 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130716-00000587-yom-soci 

 事情はあるのだろうけど、こういうのって観光客にも大きな影響だ。
 この共通拝観券は利用したことがあるし、ほかでもよくあるけど、「共通拝観券」ってお得で、案外重宝する。
 それにしても、明治時代からあったんだ・・・って、すごい歴史。


       ★       ★       ★

 
 こんなにネットを利用し、お世話になっているのに、どこか信用していないところがある「古い」人間です。
 ネットを適度に使いこなすには、ヒトはもう少し賢くならないといけないような気がしている。自分のことももちろん含めて。
 それでも今回の選挙ではいろいろのぞいたりはしつつ、5年後、10年後はどうなっているんだろうと、答えの見えない想像をめぐらしている。
 
 偏狭な人間たちの独走がよい社会をつくるとは、どうしても思えない。学んだ歴史がそう教えてくれる。


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