隠れ家-かけらの世界-

今日感じたこと、出会った人のこと、好きなこと、忘れたくないこと…。気ままに残していけたらいい。

ほうれい線がまだうすかった頃~「2001年の音楽で漫遊記」

2019年06月20日 03時12分27秒 | スピッツ

 一昨日の夜のアラーム音に驚く。
 村上や鶴岡の被害が少しずつ明らかになっている。
 新潟は浅からぬ縁のあるところで、知り合いも多いのですが・・・。


 
先日まとめたものです。
 よかったらのぞいてください。




2019.6.16 21:00

『草野マサムネのロック大陸漫遊記』
 TOKYO FM

 
 https://www.tfm.co.jp/manyuki/


 この番組では、「打ち込みの曲はなるべくかけない」と公言している草野氏。

 草野「デジタルビートの曲で好きなのだってあるけれど、なんでかけないかというと、ドラマーを応援したい、という気持ちが大きい!」
 細美武士らと立ち上げたMONOEYESのメンバーでもあるスコット・マーフィーさんと食事をしたとき、「世界的に見て、ドラマーの危機でないか」という話になったそうで。
 この先音楽テクノロジーがますます発達して、音楽制作にお金がかけられなくなったら、「生ドラムありきのバンド」というのは先細りしていくだろう・・・と。
 草野「でもオレは、生ドラムこそがロックではないか!と思っていて、そのあたりを貫く番組が一つくらいあってもいいのではないか」
 で、この番組ではなるべく打ち込みの曲はかけない・・・ことの理由を再確認です。
 この信念というか、こだわりがスピッツの底に常にあることが魅力のひとつです。


 さてさて、今日は、「『ROCKIN'ON JAPAN』 2001年12月号で漫遊記」。音楽雑誌を地図代わりに漫遊の旅です。
 この頃の日本のロック事情を探って、曲を選んでくれたそうだ。
 草野「恥ずかしながら、ワタシ、草野マサムネが表紙を飾らせてもらってる。18年前・・・、ほうれい線もまだ薄い気がする」(笑)
 短髪でちょっと幼い気もする・・・?


 オンエア曲
 01 悪役(スピッツ)
 
02 あぁ青春(GO!GO!7188)
 
03 小さな恋のうた(MONGOL800)
 
04 雨は毛布のように(キリンジ)
 
05 Light Your Fire(RIZE)
 
06 生活(Syrup16g)
 
07 Volcanic Girl(Buffalo Daughter)
 
08 cream soda(スーパーカー)
 09 醒めない(スピッツ)



 漫遊前の一曲は、スピッツで「悪役」(2019年、シングル「優しいあの子」のカップリング)。
 リリース前、公式にはこの番組が初めてのオンエアとなる。
 草野「『優しいあの子』と同じくらい思い入れがある。アンチエイジングのサプリのCMのオファーがくるかも、という仕上がりになっています! 自画自賛しますが」
 短くて直接的な言葉とわかりやすいサウンドが真正面から何のてらいもなく飛び込んできて、ああ、なんて気持ちがいいんだ!!
 フラゲして買ってきたCD。シンプルで優しいジャケット。付箋をイメージした手作り感。

 最初の曲は、GO!GO!7188の「あぁ青春」(2001年、6thシングル)。
 彼女らは残念ながら2012年に解散してしまいましたけど。
 夏フェスで観たカッコいい雄姿が思い出される。
 初期の「ロックロックこんにちは」に出てもらっていた頃は、「企画などもイベンターさん任せで、ろくに挨拶もしてなかったかも。今会えたら、アルバム、メチャメチャいいねっ!と言いたい。でも時間は巻き戻せない・・・」と。
 2ndアルバム『魚磔』のことのようだ。「C7」、よく聴いたなあ。
 下は、フェスでの「青い亀裂」。

 青い亀裂GO!GO!7188
 
 雑誌のほうの撮影は、新津保建秀さん。
 
草野「新津保くんは結構昔からの知り合いで、光の感じをきれいに撮ってくれる。GO!GO!7188の写真もきれいです」
 『スピッツ』の本にも彼の写真が掲載されているし、最近では、アルバム『小さな生き物』リリースの際の『MUSICA』の写真も彼の撮影でしたね。柔らかい感じですてきです。
 この写真たちは、映像で撮ったものを新津保さんが画像にしたそうで、だから彼女たちはシャッター音がないのでリラックスしていられたのかな。
 
草野氏は「ロックロックこんにちは」の際にもらったTシャツを今でも持っていて、「鹿児島のライブで着たりしている」と。彼女たちは鹿児島出身です。

 次は、MONGOL800の「小さな恋のうた」(2001年、2ndアルバム『MESSAGE』)。
 草野「写真見て、メッチャ驚いた。みんな若い! 人のこと言えんけど。キヨサクくんもサトシくんも痩せててカッコいい!」
 ホント(笑)。キヨサクくんってこんな感じだったの?
 追い打ちをかけるように(笑)、「今は今でカッコいいんですけど、ああ、びっくりした!って感じですよ」
 草野「ギターのタカシくんはそんなに変わってないけど。モンゴルのメンバーとはたまに会っていたんで、見た目の変化とかはあまり気にしていなかったんですけど、ここまで変わっていたとは。ああ、びっくりしたって感じです」
 
と、ここまで引っ張る・・・。
 
最近ですが、こんな記事もある。
 
https://ryukyushimpo.jp/news/entry-936149.html
 
パッケージの題字はドラムのサトシさんの直筆、イラストはギターのタカシ。「沖食おいしさふれあいキャンペーン」の20回目とモンゴル800の20周年のコラボでプレゼント用として製造したら、購入希望の問い合わせが多くて、数量限定での販売を決めたそうです。
 
「あなたに」もすごくいいけれど、「Love song」のMVをどうぞ。
 
MONGOL800 『Love song』ミュージックビデオ

 シンプルなサウンドの中に小さく光る言葉たちがいつもいいですよね。
 最近CMで「あなたに」のサビを聴いたとき、懐かしかったなあ。
 2009年の「ロックロックこんにちは in 仙台」で初体験して(ココ)、そして2016年の「ロックロックこんにちは」20周年のときに見たモンゴルが最後です(ココ)。
 草野「ギターのタカシくんは今、音楽活動を休んでいるそうで、ま、のんびりいきましょう」


 2001年って、どんな年だったの?
 USJとディズニーシーがオープン。
 プロ野球は、近鉄とヤクルトで日本シリーズ。中村紀洋選手や古田敦也選手が活躍していた頃。
 映画では、『アメリ』『少林サッカー』『千と千尋の神隠し』『猟奇的な彼女』など、ファッションでは、ローライズジーンズ、ミュール(「つっかけ」みたいなやつ、と言ってます(笑))などが流行った。
 ロック以外で流行っていた曲は、氷川きよしの「箱根八里の半次郎」(「やだねったらやだね」、ちょっとZO-3で)、三木道山の「Lifetime Respect」(「一生いっしょにいてくれや にゃんにゃにゃ にゃんにゃん・・・♪」って)。飯島愛さんの『プラトニック・セックス』のドラマや映画で、スピッツの「夢追い虫」が使われた、と。
 草野「何と言っても衝撃的だったのは、アメリカで起きた同時多発テロ。いろいろなことを考えさせられましたが、この『ROCKIN'ON JAPAN』でも、かなりページを使って触れられています」
 スピッツは、「さわって・変わって」のリリースのタイミングでの登場。
 「分離したそれぞれの音を鳴らしたい」
 「ラジオで宇多田ヒカルの次にかかっても負けない音を鳴らしたい」
 「シンセはなるべく使わずに、シンプルでマニュアルな音の作り方で自分らを際立たせたい」
 今と変わらぬことをこの頃からずっと追っていたんだな。
 「でも、バンプ・オブ・チキンみたいに音はそんなに良くないのにパワーのるやつらも出てきて、いろんなやり方があるんだな」
 とかおもしろ発言もあったりで、結構読み応えあり。
 そうそう、「さわって・変わって」のカップリングって「ガーベラ」なんだな。最強のカップリング!
 メンバーがホテルのスイートルームのでかいベッドの上で無邪気に戯れているのも、かわいい・・・というか。

 さて、次は、キリンジで「雨は毛布のように」(2001年、7thシングル)。
 (堀込兄弟の弟が脱退してからは、兄がバンドKIRINJIとして活動)
 草野「あの頃、車でホントによく聴いてました。キリンジを聴くと、あの頃乗ってた車とか行き来した道の景色を思い出す」
 声に癒され、この曲のタイトルはそのまま「キリンジのサウンドを表している」と。
 バックコーラスにaiko。
 草野「aikoさんの声、あってたね。今聴いても全然古さを感じさせないキリンジの音楽でした」

 そして、RIZEで「Light Your Fire」(2001年、6thシングル/2ndアルバム『FOREPLAY』)
 記憶が定かではないけれど、草野くんはどこかでRIZEのライブをみたんだそうです。で、「スゲーうまかったの。音もスゲーよかったの。演奏がうまいバンドって、かたまりになって胸に迫ってくるもんなんだな、と。勉強させてもらいました」。
 スタジオよりもライブ音源のほうが好きで、今でもときどき聴くとか。


 そして、メッセージコーナー。
 息子さんから、「B面って何?」「ビデオを巻き戻すって何?」と言われてしまったお母さん。
 「草野さんもジェネレーションギャップを感じることってありますか?」
 あるよね~と。
 きいた話では、ダイヤル電話の数字のところに指を入れて、押そうとしていた若者がいたとか。
 最近流行った曲、例えば「前前前世」を聴いた10代の子が「懐かしい~」とか言うのを聴くと、びっくりすると。
 草野「そういうギャップも楽しめるジジイになれたらいいな、っと思います」
 なるほどね、「今のわかいもんは・・・」じゃなく、ね。

 「スピッツの曲を食べ物にたとえると、『カエルのから揚げ』」
 えっ!
 「中身を知らずに食べるとあっさりしていて食べやすいけど、中身を知るとちょっとぞっとする。でも味自体はクセがなく多くの人に好まれる」
 本人は、「カエルのから揚げ。あっさりしていてちょっとジューシー。オレ、食べたことありますけど」と。
 草野「オレは昔、麩に例えたことがあるけど。派手さはないけど、意外にうまい」
そうそう、2008年の「OTR」のライブで、
 「麩、みそ汁に入れたりする、あの麩。別に卑下したわけじゃなく、いい麩になりたいな、と。いい麩のようなバンドになりたいな、と」
 と言っていました(ココです)。
 でも最近、「グルテンのとりすぎは危険!」とかに記事を読んでいるらしくて、ちょっと複雑な感じ。
 でも、この上は、「なんの食べ物にもたとえられないバンドを目指したい」そうです。


 そして、次は、Syrup16gの「生活」(2001年、シンディーデビューアルバム『COPY』)。
 記事のリードに「負け犬としてのロック讃歌」とあり。「JAPANらしいね」と一言。「Syrup16gとスピッツは意外につながりがあるんですけど」と。
 草野「2001年ごろ、彼らが出てきたころは、またヤバい新人バンドが出てきたな、と思いましたね。暗さを突き詰めてたら黒光りしてきたというか、ダークなツヤが出てきたというか、カカオの含有量がやたらと高いソリッドチョコレートのような」
 本人は「訳のわかんないようなたとえ」と言っているけれど、それでも草野マサムネのたとえは、いつも楽しみで、混乱しても楽しい。
ココに、Syrup16gの五十嵐さんのこと、弾き語りのライブのこと書いています。)
 Syrup16gへの草野マサムネの愛が感じられる。
 2016年の新木場サンセットにも出演しているけれど、この年は別の日のチケットが取れて、私はSyrup16gのライブをみることはできなかったのです。
 
草野「Syrup16gも休んだり再結成したりしているようですが、のんびりと、でも続けていただきたいなと思います」
 
再結成時の「生きているよりマシさ」のMV。
 
syrup16g - 生きているよりマシさ (MV)

 Syrup16gのアルバムは聴いているつもりだったけれど、再結成直後の『HURT』はもってなかったな。

 そして、最後は、Buffalo Daughterの「Volcanic Girl」(2001年、2ndアルバム『I』)
 ハバナ・エキゾチカを解散した二人と山本ムーブさんのバンド。
 草野氏曰く、「少年ナイフのようなワールドワイドな活動をしていてスピッツとかとは違うカテゴリーで捉えていたけれど、曲によってはしっかりとロックのフォーマットに則った盛り上がるものもあって、カッコいいです」
 「Volcanic Girl」もそんな一曲と。

 最後に・・・。
 2001年の同時多発テロの翌日、スピッツは松戸でライブがあって、「お客さんもオレらも不安を抱えてのライブで、忘れられない一日になりました。当たり前のように曲を作ったりステージに立てたりすることが幸せなことなんだと思っています」と。



 そして、「ちょっぴりタイムマシン」のコーナー。
 今回は、スーパーカーで「cream soda」。

 今回地図代わりに使ったこの雑誌でも、スガシカオの長めの記事があったけれど打ち込みっぽいので避けたこと。
 そして、スーパーカーのしっかりした記事もあったけれど、「彼らがエレクトロな打ち込みの音楽になってしまっていたので」、特集ではかけなかった。
 ただ、スーパーカーの曲はかけたくて、そこで、このコーナーで、初期の頃のバンドサウンドの彼らの曲を選んだそうだ。「初々しくてメロディアスな印象的な曲」と。
 懐かしい、1997年のデビューシングル!


 そして来週は、月イチで企画している、ワンアーティスト特集。「ロニー・ジェイムス・ディオで漫遊記」。
 草野くんの中では「すごいロックボーカリスト ベスト3に入る」。
 「ロック界のサブちゃんと言われているロニーさんの圧倒的な歌声に酔いしれていただきたい」と。
 レインボー、ブラック・サバスのボーカリストであり、亡くなっても影響力の衰えないお方です。
 楽しみです。


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