2020.10.18
「草野マサムネのロック大陸漫遊記」
FM TOKYO
「あと2か月ちょいで2020年も終わるって、早~な」、本当に・・・。
40過ぎてからは毎年そんなことを感じていた草野くん、
草野「今年は新型コロナウィルスの影響でイレギュラーな年になったせいか、特に感じますね。人によっては悪い意味で、なが~く感じている方もいらっしゃるのかな」
今日のテーマは「ハスキーボイスで漫遊記」。
ロックシンガーにはハスキーボイスの人が多くて、「ワタクシ草野もそう言われることがありますが」、今回は「もっとしっかりした!ハスキーボイスで歌われるロックナンバー」で漫遊だそうです。
「墨汁の少なめの墨でワシワシッと書いた文字のような、書道で言うところの『渇筆』の味わいを楽しんでいただきたい」と。
「渇筆」:筆に含まれている墨を少なくしてかすれるように書くこと。
へ~。知らなかった。
オンエア曲
01 恋は夕暮れ(スピッツ)
02 Summer Of '69(Bryan Adams)
03 Ace Of Spades(Motörhead)
04 It's A Heartache(Bonnie Tyler)
05 Do the Right Thing(Leatherface)
06 Take Her(Rough Cutt)
07 Love Is(Rod Stewart)
08 宿無し(世良公則 & ツイスト)
漫遊前の一曲は、スピッツの「恋は夕暮れ」(1994年、5thアルバム『空の飛び方』/10thシングル「スパイダー」のカップリング)。
秋も深まり、夕暮れ時には「寂しい、切ない、ちょっとおセンチな気分になることも多いので、こんな曲はいかがでしょうか」。
(歌詞が秀逸な作品。たとえがいちいち心に刺さって。でも決してテクニックや技巧を表立って感じさせない。私には、そういう一曲です。
1996年5月26日のセンチュリーホール(名古屋)でのライブ、「カゲロウの集い」でのあの声を思い出す。映像作品で残されていますね。声だけではなく、すべてが若い、幼い?)
最初の曲は、「ブレイクのきっかけとなった」Bryan Adamsの「Summer Of '69」(1984年、4thアルバム『Reckless』)。
日ごろから「80年代のキラキラしたヒット曲は好きじゃなかった」と公言している彼だが、「このBryan Adamsさんは当時、嫌いじゃなかったシンガーでした」。
その理由として、「彼の曲はシンプルなバンドサウンドの曲が多かった/格好も白いTシャツにGパンでズルイくらいにシンプルだった」。
「今聴くと、リバーブやエフェクトの感じが80年代っぽいなと思いますけど、相変わらずかっこいいなと」
草野くんが「ハスキーボイスのロックシンガー」ときいて最初に思い浮かべたのがこのBryan Adamsだそうだ。
(個人的には80年代の前半はとくに忙しくて「音楽どころじゃなかった」的な暮らし方をしていた私ですが、90年代のイギリスでのチャリティーライブ(ポール・マッカートニーやロッド・シュチュワートらが出演)で彼を見て一気にファンになって、さかのぼってアルバムを聴いたりしていたっけ。最近も渋くて本当にすてきです。サウンドだけではなく演奏シーンを見たくなる貴重なシンガーです)(笑)
あ、ココでもこの曲をかけていましたね。
(私、少しだけ違うこと書いてますね。記憶は曖昧・・・)
そしてココでかけた曲もアルバム『Reclkless』から。
(相変わらず、同じことを言っている私で、恥ずかしい)
続いて、Motörheadの「Ace Of Spades」(1980年、4thアルバム『Ace Of Spades』)。
ボーカルのLemmy Kilmisterは、「ハスキーボイスときいて2番目に思い浮かべるシンガー」だそうだ。
ハスキーというより「だみ声」。不健康っぽいところが「いかにもロック!」と。
草野「ロニー・ジェームス・ディオさんやイアンギランさんらを中心とする正統派のハードロックボーカリストにはない、悪~い感じが最高です」
Motörheadはハードコアパンクがルーツでもあるし、「そのあたりの悪~い感じが受け継がれているのか」と。
(Bryan Adamsのあとで聴くと、闇加減が倍増されて、迫力が上向く)
次は、Bonnie Tylerの「It's A Heartache 愛は哀しくて」(1977年、5thシングル)。
女性のハスキーボイスというと、草野くんはこの人を思い浮かべるそうだ。
草野くんが「にゃにゃにゃ~にゃ♪」と歌ってくれたのは(笑)、1984年の映画『フットルース』の主題歌「Hero」。
邦楽で言えば、中村あゆみや葛城ユキに「近い感じのカスレ具合」。
デビュー前に声帯ポリープの手術を受け、完治する前に歌ってしまってこういう声になった・・・という。
「災い転じて個性になった」という典型的なケース。
今日の曲は70年代の曲。
(ステキだ。この声ゆえに伝わる痛さ、切なさがある? 70年代の彼女のアルバムは1枚だけもっているな)
80年代の「Holding Out For A Hero」はコチラ。
Bonnie Tyler - Holding Out For A Hero (Video)
次は、Leatherfaceの「Do the Right Thing」(1993年、4thアルバム『Minx』)。
Leatherfaceはイギリスのパンクバンドで、Snuffと並んで、「メロディックパンク黎明期の重要バンド」。
ボーカルの声が「かなりかすれていて」、その影響で「疾走感のあるパンクロックが哀愁を帯びて、Leatherface独特の世界になっている」。
草野「Motörheadのレミーさんの影響を受けていると思う」
スピッツがデビューしたころで、この曲は彼のヘビロテだったとか。
(かすれ具合がいいなあ。聴いてて苦しくなるほどに・・・)
ついでと言ってはなんですが、Snuffを教えてくれた友人が数年前に見せてくれた映像。
Snuff - Do Nothing - Live 1990
メッセージコーナーです。
31歳の(私から言えば)若い女性からのメッセージ。
若いころは好きなものを着ていたけれど、最近は服を購入するとき、「年相応かな、若作り?」などと気にするようになったとか。
草野くんは、若いときに流行っていたものが一巡りして今また注目されているアイテムなどは、「ちょっと手を出せないものが多いよね」と。
筆頭が「ケミカルウォッシュ」、そして「ドルマンスリーブ」(「袖がピロピロ~ンってなったやつ」)。
「あれ、若いころ流行ったんですよ。あれは着れないなあ」(笑)
草野「つねに若作りするっていうのはいいと思うんですけどね」
そのうえで、「30代っていうのが難しい時期なのかな」と。草野くんも30代のころは「もっと大人っぽい恰好をしたほうがいいのかな」なんて考えたこともあったとか。
「50過ぎたら派手めでもいいのかな。無難もいいけど、たまには若いものも取り入れて。あまり無難にすると人生つまんないから、たまにはチャレンジしてみましょうよ」
(ああ、勇気づけられる(笑)。たまに相方に「これ、ヘン?」ときくと、「おかしければ人が笑うだけ。たいていは誰も見ていない」と言われます。これ、決まり文句)
ギターを始めて2年目の高校1年生から。
「『不死身のビーナス』の『疲れた目と目で いっぱい混ぜあって♪』のあとにピロピロピロピロ~のところ、うまく弾くコツを教えて」
草野回答「あそこは全部ピッキングで弾くと難しいので(ヴァン・ヘイレンさんくらいうまければ弾けるんだろうけど)、プリング(押さえている指で弦を引っかくように弾いて音を出すテクニック)という方法で弾いています。ゆっくりから始めて、だんだん速くしていく」
実演でのアドバイスでした!
そして、草野くんが提案していた「マスクソムリエ」、実在していますよ~というメッセージがいくつかあったとか。へ~。
そして次は、「80年代、アメリカのメタル系バンド」、Rough Cuttの「Take Her」(1985年、メジャーデビューアルバム『Rough Cutt』)。
モトリー・クルーやRattなど、80年代、アメリカ西海岸で「わらわらと出てきた」メタルバンドのひとつ。
当時、スーパーロックフェスティバルが日本でも開催され、草野くんは福岡でブレイク前のボンジョビをかぶりつきでみたそうで、そのとき東京では開発途上のお台場でフェスがあって、スピッツの藤枝組の2人が見に行っていた、と。そこではこのRough Cuttが出演していたそうだ。
そのフェスがテレビで流れて、そのとき客席のテツヤくんが映っていたんだって。
草野「田村が録画してたのを見たんだけど、めちゃめちゃレアな映像だろうな。コレ、言っちゃダメだったかな。一応ゴメ~ンと言っておきます」(笑)
「Take Her」は、「グリーグの『山の魔王の宮殿』がモチーフになっているおもしろい曲」。
(すっごくいい声だなあ)
最後は、「ロック界の代表的シンガー」、Rod Stewartの「Love Is」(2015年、29thアルバム『Another Country』)。
草野「ハスキーボイスのロックシンガーと言えば、多くの人はこの人を思い浮かべるのではないでしょうか」(たしかに・・・)
今年75歳、バリバリの現役、「最近の作品も全然衰えていない。むしろ最近のほうがエロさが控えめで渋くてかっこいいかもしんない」。
昔はピチピチのヒョウ柄の衣装で、「I’m sexy」なんて言ってたから、子どもの草野くんには「ちょっとヘンな人」だったRod Stewart(お姉さんたちの熱き視線を浴びていた人だし)
(たしかに、「正統派ハスキーボイス」という感じだなあ。この最近の楽曲は静かに沁みてくる。ちょっと昔の彼とは異なる印象?)
以下のPV。たしかに小学生の坊やにはね~。
Rod Stewart - Da Ya Think I'm Sexy? (Official Video)
特集の最後に。
近くで工事が始まったとかで、音が聞こえたのかな??
「秦基博くんもハスキーだね、でもマイルド? 『ハスキー』の語源となったトウモロコシの皮のような(笑)森進一さんや葛城ユキのようなハスキーボイスの人は最近は少ないのかな。あ、でもGLIM SPANKYのレミさんとかもかっこいいですね。これからまたブームが来るのかな」
そして最後は「ちょっぴりタイムマシン」のコーナー。
(「ローテク・ロマンティカ」??)
曲は、ハスキーボイスしばりで。世良公則 & ツイストで「宿無し」(1978年、2ndシングル)。
草野「世良公則さんは、オレ、小学生のころ、初めてかっこいいなあと思ったロックシンガーです」
曲も声もそうだけど、最初は「世良さんの口の周りにできるシワがかっこいいと思っていましたね、豪快な感じの笑いジワ」。
そこから入って、「徐々にハスキーボイスに魅了されていった」。
このころはサザンの桑田佳祐さん、もんたよしのりさん、そして少しさかのぼって森進一さん、青江三奈さんなど、「ハスキーボイスに大きな需要があったんだと思います」。
最近は、「あまり需要がないのかなあ。最近だと、BAWDIESのROYくんとか? でもちょっと違うもんなあ」
草野「改めて『宿無し』を聴くと、ベースがかっこいいです。メチャメチャ弾きまくっています」
(ホントだ! ベースが激しくズンズンきますね、メロディアス!)
来週の予告!
「お待たせしました!」
「私が好きな歌詞のワンフレーズで漫遊記 Part 1」です。
今まででいちばんリクエストが多かったそうです、「膨大」って。
だから2週にわたって特集です。
昨夜から、ひんやりシーツをやめて、冬用のあったかシーツにかえた。やっと。
季節が一歩進んだ夜。
母が購入して結局引き出しの奥にしまったままだった、かわいい割烹着。
母がまだ実家にいたころ「着るなら、あげるわよ」と言われたときにはまったく興味なかったけれど、最近、仕事中でも服の袖が汚れないことを知って採用。暖かいし、なかなかいい。
昨日締め切りの仕事が予定どおり終わったし、今日は晴れそうなので、ちょっと時間を作って衣替えするぞ(ようやく)。
休日には街道沿いのステーキ屋さんで友人と半年ぶりの食事。彼女は最近10年ぶりに仕事を再開して、少しお疲れ気味。
そのあとカフェのテラス席(そんなオシャレな店ではありませぬ)で相方も合流して、映画の話の最後に介護談義(-_-;)。
かつてのこの友人との会話になかった流れ・・・。これもまた味わい深い。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/62558
ひとり親の女性がコロナで仕事を失い、頼る親もいない中で支援を受けて必死で子育てを続けている記事を読んだその日に、元首相の合同葬が国費約1憶円をかけて行われ、弔意を促す通知が出されたと知り、なんとも言えない気持ちになる。
別のこと、ととらえるべき?
政治家の目はどこを見ているのだろう。
◆見逃した!
そういえば、まったく見たことがなかった『ゴンゾウ~伝説の刑事』。昼間の再放送を録画して、夜見ていた。
ストーリーのおもしろさの上に人物が丁寧に描かれ、内野聖陽、筒井道隆、大塚寧々、高橋一生らの演技も深くて、仕事終わりの遅い夕食時のしばしのおたのしみ。
https://thetv.jp/program/0000004225/plot/
ところがそのせいで、『キワドい2人』の最終回前の回(連続ドラマでは、最終回よりもここが案外大事)を見逃したらしく、一回飛ばしの最終回を見ながら内容についていけなかった私たちです(-_-;)。
田中圭さんはブレイク前の端役時代から密かに推していた大好きな役者なんですが・・・。
https://www.tbs.co.jp/kiwadoifutari_TBS/
◆Czecho No Republic ベスト盤
結成10周年か。
ベスト盤の収録曲をファン投票で決めるそうで、草野マサムネ氏のコメントも見られます。
https://columbia.jp/czechonorepublic/
◆筒美京平さん
曲名を見て、ああ、これも筒美さんの作品だったのかと驚くばかり。
どの世代にも、それぞれに思い出の曲がありそう。
学生のころバイトをしていた渋谷の喫茶店では、店に流す音楽をバイトが自由に選ぶことができて、棚から古い洋楽や歌謡曲のレコードを出してはとっかえひっかえかけていたっけ。
その中に尾崎紀世彦さんの2ndアルバムがあって、「また逢う日まで」を選んだこともあった。そのアルバムに収録された「オス犬」があの頃まだ「少女」だったワタシの心をドキドキさせて、何度も聴いた思い出がある。
今知ったけれど、これも筒美京平作曲だったのですね。
尾崎紀世彦 おす犬
「ロック大陸漫遊記」では、こんなところで「筒美京平」さんがちょこっと登場していた(ココやコチラで)。
雑誌のインタビューなどでも、草野マサムネ氏はよく筒美京平さんの名前を出してリスペクトの気持ちを表していましたね。
作品は残る・・・。それを実感しつつ、ご冥福を。