キミの速度

■キミの速度

慣れた速度を守って　あとをついていこう
ぼやけた後ろ姿を　見失わないように
雨が落ちてくる前に　たどりつきたいけど
たぶんキミのゴールは　別にあるんだろう

分かれ道も　荒れた匂いもなかったけれど
同じ景色を歩いてきたとは思えない
私のひたいの汗　キミの醒めた視線
どこで行き違って　ここで会えたのだろう

精一杯に両手を広げて　つかめるものがあるなら
この空に舞い上がるくらい　笑えるかもしれない
ほほえみがゆがんで　目と目が合って
しばし止まった　夕暮れへの時間

つぎに会えるときは　もう一度
キミの速度をまねてみよう
これきりであきらめるには　あまりにも
この夕暮れは　優しすぎる

バイバイ　先に行くなら
ここで見送ろう
バイバイ　また会えそうで
涙も出やしない
バイバイ　バイバイ
繰り返すうちに
キミの姿が見えなくなった