☆映画の旅の途中☆

色んな映画をどんどん観る旅

『ビルマの竪琴』(1956)

2016年06月01日 | 邦画(クラシック)
『ビルマの竪琴』(1956)

監督:市川崑
出演者:三國連太郎、安井昌二

【作品概要】
太平洋戦争末期のビルマを舞台に、投降を拒否する日本軍の説得に向かったまま消息を絶ってしまった上等兵の心情を描く。

【感想レビュー】
戦争映画の話題になると、そういえば母にずっと勧めらていたなぁと思いようやく観ることに。調べてみると市川崑監督自身がリメイクしている方もあるのでどちらを勧めていたのかは分からないのだけど…。
ひとまずオリジナルを

戦争映画で泣くことはあまりないのですが…そもそも映画で泣くこともあまりないのですが…、気づくとハラハラと頬を伝っていました。

音楽の力に全身が震えました。日本軍の歌う『埴生の宿』がイギリス軍の歌う『ホームスイートホーム』へ変わっていき、やがて日本軍の上等兵の奏でる竪琴に乗って歌われるシーンには、音楽の力を思わずにはいられません。

また、他所の国を勝手に戦場にしてしまう日本軍やイギリス軍の身勝手さ。
自分たちの土地を荒らされたビルマの人たちの心。
お国の為にと駆り出されていった隊員たちの故郷を想う心。
故郷に帰ることが叶わなかった隊員たちの心。
そういったことがリアルに描かれていて素晴らしかったです。

シリアスなシーンばかりではなく、どんなに酷な状況であろうとも、ちょっと冗談を言い皆を笑わせる隊員やちょっとおかしな関西弁を話す現地の売り子のお婆さに故郷の母を想う隊員たちの心が伝わってきて、人間同士の関わりにリアルさがありました。俳優陣の演技にもグッときます。最近、三國連太郎さんの作品観賞が続いていますが、この作品の三國連太郎さんは特に好きかもと思いつつ…。

そのうちリメイクの方も観ようかなと思います。