『クリーピー 偽りの隣人 』(2016)
監督:黒沢清
脚本:黒沢清、池田千尋
出演者:西島秀俊、竹内結子、香川照之、川口春奈、東出昌大、
【作品概要】
第15回日本ミステリー文学大賞新人賞に輝いた前川裕の小説を映画化。隣人に抱いた疑念をきっかけに、とある夫婦の平穏な日常が悪夢になっていく恐怖を描く。
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追記を編集していたら、一度目にUPしていたレビューを消してしまったようなので
、この記事は二度目のレビューに加筆したものです。
【感想レビュー】@theater
公開初日に観た『クリーピー』の脳内侵食が本当に止まらず、もう一度観に行きました
2回目なので、初見の時に凄いなと思った音や音楽により集中したりもできて楽しみ方も無限大…!凄いぞ『クリーピー』
…な感じです
特に弦楽器群の重低音のビートが、シーンを盛り上げるのに効果的に響いていて素敵過ぎるし
、音量だけでなくて音質や音色の濃淡と使用されている各シーンの諸々の濃淡がマッチしていて、とっても素敵過ぎるんです
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かと思えばキリキリと耳に付く高音の電子音には神経を逆撫でられるし、全体的に耳に心地よく響く音域があまりなくて不穏さに拍車がかかります。
だから余計に、、、あるシーンで美しく響く旋律にグッときてしまいました
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また、濃淡の話しでいえば照明が実に印象的な役割りをしていると思うのですが。
西島さん演じる高倉の横顔の右のアングルが、ことあるごとに反復されていて、その照明の濃淡が、高倉という人物が一筋縄でいかないことを暗示しているし、この人どっちなんだろう?と天秤にかけながら映画を観る楽しさがありました。
そういう意味では、香川さんの演じる西野の照明の当たり方はどうだったかな…
。いや、ちゃんと観ていましたよ。西野ももちろん…。
濃淡というよりは照明が黒くなった時の香川さんのフォルムが凄かったイメージです。
高倉と西野のフォルムがあまりに対照的で、高倉には冷徹なイメージ(美し過ぎて隙のないシルエットがかえって…)を持ちましたし、一方、西野にはユーモラスなイメージを持ちました。その対比が面白かったです
でも彼らのシルエットには、永遠に続きそうな無という狂気が感じられて心底ぶるぶるもしました…
そして、初見の時も同様に感じましたが、戸田さんの演じる高倉の同僚が、あまりにもあまりにも自然で、ごくごく普通に居て改めて凄いなと。
クリーピーの世界に存在しているのに、まるで違ったテンションで存在していて、ここにも不穏な世界とごく普通の日常の境界線があったか、と唸る思いで観ました。
不穏さを引きつけてしまうのは、それに呼応していってしまう何かが自らの中にもあるといわんばかり。
戸田さんの演じる同僚も興味本位なところもあるのに、一見すると乗り気でない高倉がどんどんハマっていってしまう怖さというか…。
香川さんの演じる西野は、わりとテンションが安定しているのに対し、高倉はフラットな状態から尻上がりにテンションが上がって行くわけですが。その演技のグラデーションが西島さん改めて素晴らしかったなぁと思いました。
西野に対峙することで、高倉も妻も自らの深淵を見つめてしまうのかもしれない。…そこが一番怖い…
。そういうのが一番ホントに怖い…。
そして、同監督作品の『CURE』と同じ方向性ではあるけれど、エンターテイメント性が高く、映像がより洗練されている印象を持ちました。(『CURE』は立て続けには何度も観たくないほど怖い…。)
でも、黒沢監督といえば!
…な風で揺れる各種カーテン。
ファンタジックな車中シーン。
ゆらゆらする光とか洩れでる光とか。
気味の悪い家屋とか廃墟とか。
そよそよと清々しいはずの草木がザワザワ揺れて嫌な感じとか。
噛み合わな会話とか台詞の間とか。
変な動作とか…
。
(西野家に続く“安全第一”の柵はシュールで面白かった…!)
とにかく、とにかく最高でした!!
そういえば香川さんの劇中での走りって黒沢清監督の『贖罪』の時に怖過ぎてもう逆に笑えるほどでしたけど、今回も独特な動きがもう怖くて怖くて
香川イズムここに極まれり…!ですね。
竹内さん演じる妻もたいがい不気味だったなぁ…
ふと思ったことですが、黒沢監督の描く女性に、いつもちょっと不思議な感じがしていて。
監督の書籍を読んでみようかな。インタビューや対談の動画とかのお話しはいつも興味深いので書籍…ちょっと値が張りますが近いうち読みたいと思います
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監督:黒沢清
脚本:黒沢清、池田千尋
出演者:西島秀俊、竹内結子、香川照之、川口春奈、東出昌大、
【作品概要】
第15回日本ミステリー文学大賞新人賞に輝いた前川裕の小説を映画化。隣人に抱いた疑念をきっかけに、とある夫婦の平穏な日常が悪夢になっていく恐怖を描く。
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追記を編集していたら、一度目にUPしていたレビューを消してしまったようなので
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【感想レビュー】@theater
公開初日に観た『クリーピー』の脳内侵食が本当に止まらず、もう一度観に行きました
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2回目なので、初見の時に凄いなと思った音や音楽により集中したりもできて楽しみ方も無限大…!凄いぞ『クリーピー』
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特に弦楽器群の重低音のビートが、シーンを盛り上げるのに効果的に響いていて素敵過ぎるし
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かと思えばキリキリと耳に付く高音の電子音には神経を逆撫でられるし、全体的に耳に心地よく響く音域があまりなくて不穏さに拍車がかかります。
だから余計に、、、あるシーンで美しく響く旋律にグッときてしまいました
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また、濃淡の話しでいえば照明が実に印象的な役割りをしていると思うのですが。
西島さん演じる高倉の横顔の右のアングルが、ことあるごとに反復されていて、その照明の濃淡が、高倉という人物が一筋縄でいかないことを暗示しているし、この人どっちなんだろう?と天秤にかけながら映画を観る楽しさがありました。
そういう意味では、香川さんの演じる西野の照明の当たり方はどうだったかな…
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濃淡というよりは照明が黒くなった時の香川さんのフォルムが凄かったイメージです。
高倉と西野のフォルムがあまりに対照的で、高倉には冷徹なイメージ(美し過ぎて隙のないシルエットがかえって…)を持ちましたし、一方、西野にはユーモラスなイメージを持ちました。その対比が面白かったです
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でも彼らのシルエットには、永遠に続きそうな無という狂気が感じられて心底ぶるぶるもしました…
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そして、初見の時も同様に感じましたが、戸田さんの演じる高倉の同僚が、あまりにもあまりにも自然で、ごくごく普通に居て改めて凄いなと。
クリーピーの世界に存在しているのに、まるで違ったテンションで存在していて、ここにも不穏な世界とごく普通の日常の境界線があったか、と唸る思いで観ました。
不穏さを引きつけてしまうのは、それに呼応していってしまう何かが自らの中にもあるといわんばかり。
戸田さんの演じる同僚も興味本位なところもあるのに、一見すると乗り気でない高倉がどんどんハマっていってしまう怖さというか…。
香川さんの演じる西野は、わりとテンションが安定しているのに対し、高倉はフラットな状態から尻上がりにテンションが上がって行くわけですが。その演技のグラデーションが西島さん改めて素晴らしかったなぁと思いました。
西野に対峙することで、高倉も妻も自らの深淵を見つめてしまうのかもしれない。…そこが一番怖い…
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そして、同監督作品の『CURE』と同じ方向性ではあるけれど、エンターテイメント性が高く、映像がより洗練されている印象を持ちました。(『CURE』は立て続けには何度も観たくないほど怖い…。)
でも、黒沢監督といえば!
…な風で揺れる各種カーテン。
ファンタジックな車中シーン。
ゆらゆらする光とか洩れでる光とか。
気味の悪い家屋とか廃墟とか。
そよそよと清々しいはずの草木がザワザワ揺れて嫌な感じとか。
噛み合わな会話とか台詞の間とか。
変な動作とか…
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(西野家に続く“安全第一”の柵はシュールで面白かった…!)
とにかく、とにかく最高でした!!
そういえば香川さんの劇中での走りって黒沢清監督の『贖罪』の時に怖過ぎてもう逆に笑えるほどでしたけど、今回も独特な動きがもう怖くて怖くて
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香川イズムここに極まれり…!ですね。
竹内さん演じる妻もたいがい不気味だったなぁ…
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ふと思ったことですが、黒沢監督の描く女性に、いつもちょっと不思議な感じがしていて。
監督の書籍を読んでみようかな。インタビューや対談の動画とかのお話しはいつも興味深いので書籍…ちょっと値が張りますが近いうち読みたいと思います
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