『素敵な歌と舟はゆく』(1999)
製作: マルティーヌ・マリニャック 監督・脚本・編集・出演: オタール・イオセイアーニ
出演: ニコ・タリエラシュヴィリ/リリー・ラヴィーナ/フィリップ・バス/ステファニー・アンク/ミラベル・カークランド/アミラン・アミラナシュヴィリ/ジョアサン・サランジェ
【作品概要】
オタール・イオセリアーニ監督、脚本、主演で贈る、多彩な登場人物が織りなす恋や冒険を独特のタッチで交錯させた群像コメディ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/42/ba/2fd9f65ff9866d80080d0a6282a77667.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/34/ef/c4a0eaee8e71ae1c94324cbddb00c871.jpg)
【感想レビュー】
オタール監督作品3作目を観賞。
素晴らしく感動しております![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/kaeru_en2.gif)
この作品でも、社会に対する皮肉がユーモアたっぷりに描かれていました。個性豊かな登場人物が沢山出てくるのに、一人一人が生きて作品に在るという感じ。
すべてが心地よく流れていつの間にかラストを迎えます。
登場人物の立場(社会的地位や世代)はもちろんのこと、性格や思考がちょっとずつ噛み合っていかないところが本当に面白いです!
それは家族であっても。
ちぐはぐな感じが、台詞やしぐさなどの動作や行動に現れていて飽きさせません。
そうそう、人間や人間関係ってこういうものだよなぁ、としっくりきます。実にシュール!
それがまた流れるような劇中音楽に乗って展開されるので、またまた面白いのです。
何気に、人種差別や貧困の問題が、あらゆる社会的地位の登場人物達によってサラリと描かれています。
オタール監督演じる立派な御屋敷の父が、ホームレスのおじさんとワインで分かち合い、歌で会話するシーンはもう…!
人生にお酒と音楽とそれを分かち合える友がいれば!…もうそれだけで幸せなんじゃないか!…みたいな。
ラストの父と息子の選択は、まさに人生の価値観の選択。
どちらの選択を取るかと聞かれたら、もちろん父の方側でありたい。
他者を切り捨てるのではなく、色んな人がいる事を分かった上で、尊重する心を忘れたくない。
主張する事と批判する事は違うことだから。尊重する事と迎合する事も違うことだから。
けれど、人生は思うようにうまくいかないという痛みも肝に命じておきたい…。これは簡単なようで難しいと日々感じている事ですが…。
でも、オタール監督の『月曜日に乾杯』を観ていても思ったけれど、本当に良い人がいない。
それは、一般的に言われる“良い人”とはちょっと違う。他者に対して、愛想が良いとか、思いやりがあるとか、親切だとか、そういうのとは別で、人は、結局は自分の為に生きているということ。それを自覚して生きていれば良いかなぁ…。むむむ、どうでしょう。。
だから、ラストの父の選択も、社会的地位を気にしないとかそういう美徳だけではなくて、ある意味快楽主義的な自分の欲求を満たすためじゃないかなぁ、と。監督自身が演じているから、もしかしたらちょっと自虐的な自戒かもしれない…。両面あるのだよ、みたいな。
登場人物の良い面も悪い面も描かれていて、でもそれこそが人間賛歌だし、オタール監督の温かい眼差しなのだなぁとつくづく感じました。
コウノトリ?ヨーロッパが舞台なのでシュバシコウ?が、なぜかその御屋敷で飼われていて、こんなちぐはぐなのに、それでも、なんだかんだ平和で幸せじゃないか、みたいな感じもあって温かかった。
笑いつつ、癒されつつ、心の深いところにおちていく映画でした!![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/niwatori.gif)
製作: マルティーヌ・マリニャック 監督・脚本・編集・出演: オタール・イオセイアーニ
出演: ニコ・タリエラシュヴィリ/リリー・ラヴィーナ/フィリップ・バス/ステファニー・アンク/ミラベル・カークランド/アミラン・アミラナシュヴィリ/ジョアサン・サランジェ
【作品概要】
オタール・イオセリアーニ監督、脚本、主演で贈る、多彩な登場人物が織りなす恋や冒険を独特のタッチで交錯させた群像コメディ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/42/ba/2fd9f65ff9866d80080d0a6282a77667.jpg)
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【感想レビュー】
オタール監督作品3作目を観賞。
素晴らしく感動しております
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この作品でも、社会に対する皮肉がユーモアたっぷりに描かれていました。個性豊かな登場人物が沢山出てくるのに、一人一人が生きて作品に在るという感じ。
すべてが心地よく流れていつの間にかラストを迎えます。
登場人物の立場(社会的地位や世代)はもちろんのこと、性格や思考がちょっとずつ噛み合っていかないところが本当に面白いです!
それは家族であっても。
ちぐはぐな感じが、台詞やしぐさなどの動作や行動に現れていて飽きさせません。
そうそう、人間や人間関係ってこういうものだよなぁ、としっくりきます。実にシュール!
それがまた流れるような劇中音楽に乗って展開されるので、またまた面白いのです。
何気に、人種差別や貧困の問題が、あらゆる社会的地位の登場人物達によってサラリと描かれています。
オタール監督演じる立派な御屋敷の父が、ホームレスのおじさんとワインで分かち合い、歌で会話するシーンはもう…!
人生にお酒と音楽とそれを分かち合える友がいれば!…もうそれだけで幸せなんじゃないか!…みたいな。
ラストの父と息子の選択は、まさに人生の価値観の選択。
どちらの選択を取るかと聞かれたら、もちろん父の方側でありたい。
他者を切り捨てるのではなく、色んな人がいる事を分かった上で、尊重する心を忘れたくない。
主張する事と批判する事は違うことだから。尊重する事と迎合する事も違うことだから。
けれど、人生は思うようにうまくいかないという痛みも肝に命じておきたい…。これは簡単なようで難しいと日々感じている事ですが…。
でも、オタール監督の『月曜日に乾杯』を観ていても思ったけれど、本当に良い人がいない。
それは、一般的に言われる“良い人”とはちょっと違う。他者に対して、愛想が良いとか、思いやりがあるとか、親切だとか、そういうのとは別で、人は、結局は自分の為に生きているということ。それを自覚して生きていれば良いかなぁ…。むむむ、どうでしょう。。
だから、ラストの父の選択も、社会的地位を気にしないとかそういう美徳だけではなくて、ある意味快楽主義的な自分の欲求を満たすためじゃないかなぁ、と。監督自身が演じているから、もしかしたらちょっと自虐的な自戒かもしれない…。両面あるのだよ、みたいな。
登場人物の良い面も悪い面も描かれていて、でもそれこそが人間賛歌だし、オタール監督の温かい眼差しなのだなぁとつくづく感じました。
コウノトリ?ヨーロッパが舞台なのでシュバシコウ?が、なぜかその御屋敷で飼われていて、こんなちぐはぐなのに、それでも、なんだかんだ平和で幸せじゃないか、みたいな感じもあって温かかった。
笑いつつ、癒されつつ、心の深いところにおちていく映画でした!
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