☆映画の旅の途中☆

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『消失点』(2015)@東京フィルメックス

2015年11月26日 | 西洋/中東/アジア/他(1990年以降)
『消失点』 Vanishing Point

タイ / 2015 / 100分
監督:ジャッカワーン・ニンタムロン(Jakrawal NILTHAMRONG)
【作品解説】
森で起こった殺人事件を追う若いジャーナリスト。家庭がありながら若い女との関係を続けている中年のモーテルのオーナー。二人の物語は微妙に交錯し、やがて思いがけない展開を迎える。ロッテルダム映画祭タイガー・アワードを受賞したニンタムロンの長編デビュー作。 (フィルメックスHPより)

【感想レビュー】@フィルメックス
『タルロ』に続いて観ました

しかし実に難解で、終始顔面がってなっていたと思う…うぅ…。
でも上映後のQ&Aで、監督が丁寧に丁寧に説明してくださったので、ほんとうに有難かったです

もっと物語性が強い作品なのかと思っていたけど、ストーリーはあってないようなもの(監督もQ&Aでそのように仰っていた…)どころか、断片的過ぎてとりとめもなく進行していくように感じました。。確かにジャーナリストとモーテルのオーナーの視点はあるのだけど、それぞれの物語がその枠の中で、理路整然と続いていくかというと、どうもそうでもない様子なので非常に戸惑ってしまうのです。各々の視点においてもイメージの断片が連続していくようです。

これは…一体…。もう、新しいを越えた何かなのでは…。

でも、タイトルの『消失点』を考えればいつか交わるはず、ハズ…ハズ‼
と思いながら観て、その瞬間は唐突に訪れる。本当に唐突に…‼

Q&Aで監督が両親が事故にあった時のことをお話ししていらっしゃいましたが…きっとそのイメージが強烈にあって、突然に訪れるタイプの“死”というものに対して、心に深く刻まれているイメージを作品にしたのではないかということを感じました。
人が、その人自身として存在していると証明できる記憶。脳内世界のイメージの断片。それはとても儚くて、刹那的なものだけど、それを映像化するという実験的な作品なのかな…
監督は確か、予めストーリーはしっかり作ってあって、人物の詳細も決めていた。それを細かな細かなピースにした、みたいにも仰っていたので、編集作業にかなりのこだわりがあって、実験的な編集をすることで、まったく新しいタイプの映画になったのかも…と思いました。
時間の経過や記憶、死、というものがキーワードな作品でした

また、僧侶が出てくるのですが、『お互いに許し合うのだよ』というような台詞は、この作品の中で初めて心が動く瞬間でした


上映後のQ&A


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