☆映画の旅の途中☆

色んな映画をどんどん観る旅

『ラブ&ピース』(2015)

2015年07月01日 | 園子温監督☆映画
『ラブ&ピース』(2015)

監督:園子温
キャスト
長谷川博己
鈴木良一
麻生久美子
寺島裕子
西田敏行
謎の老人
渋川清彦
マネージャー/稲川さとる
マキタスポーツ
良一の会社の課長
深水元基

田原総一郎
司会者
水道橋博士
コメンテーター
宮台真司
コメンテーター
茂木健一郎
コメンテーター
津田大介
コメンテーター

【作品概要】
国際的に評価される鬼才・園子温監督が特撮に初挑戦した異色作。かつてロックミュージシャンという夢を抱いていたものの現在はさえないサラリーマンが、1匹のミドリガメと出会ったことから始まる奇想天外な物語を描く。(Yahoo!映画より)

【感想レビュー】@theater
いやぁ、面白かった!!
(ネタばれ注意です)

もう毎回、園監督の作品は楽しみにしているのですが、毎度その世界観に圧倒されます

ここ数本の映画は忙しくて見逃してしまいましたが…

引き出しが多過ぎる園監督だから、今回はどの引き出しの要素が強いのか、そのバランスが楽しみなのです。

今回は社会派×ファンタジーを、長谷川博己さんありきで捌き、メインの劇中歌の作詞作曲も園監督自身というところで、統一感のある料理に仕上げる…!!!…といった強引…もとい悪魔的…もとい…園監督マジック…が拝めました。

近年、どんどん映像が垢抜けている感じがしております
エログロとよく言われますけど、初期の頃から色んなテイストの作品があるので、それだけではありません
とにかく社会派と世間に言われれば、そうでないのを撮りたくなり、エログロと言われれば、また違う路線をいくという天性の天邪鬼ぶりが魅力で、それ故に今回はどんなどんな??ワクワクってなってしまうのです。

“朝まで生テレビ”をもじった番組が初っ端からツボで、朝生が好きな私としてはたまらない冒頭でした
あの方達に…演技させている…演技している…ゲラゲラゲラ
悪い冗談ですね

戦後70年。キーワードは原爆投下を意味する“ピカドン”。そこから日本はまた始まった。幾多の生産と破壊と再生を繰り返しながら。オモチャがガラクタになりまたオモチャになる。亀ちゃんの夢も膨らむ。日本の夢も膨らむ。
そしてそれは破壊と隣合せなわけで…でも再生…があると信じたい。

それにはやはり、足元を見つめ直さねばなりますまい、というわけで、またボロいアパートに舞い戻る。。

作品の世界観はループする。あぁ、すべてが繋がっていく。面白いほどに!

亀ちゃんの破壊っぷり、ゴジラみたいだったなぁ

そうだ、その一方で、変わらないものもある、というのが良かったです。麻生久美子さん演じる元同じ職場の女性の存在。西田敏行さん演じる地下のおじさん。両者は陽の当たらない存在だけども、頑固で誠実で温かくて優しい。そういう、普遍的なもの。

どんなにハチャメチャに思えても、監督自身が、脚本と核となる劇中歌を作詞作曲できるのは凄い強みだと思います。作品全体に統一感が生まれますし

監督が音楽に無頓着だと、せっかくの作品世界を壊しかねないし…。
特に、クラシック音楽の使われ方に違和感があると気になって仕方なくなってしまうのですが、園監督作品はしっくりきて嬉しくなってしまいます

そんなわけで、今日は幸せだーな気分です

『好人好日』 (1961)

2015年07月01日 | 邦画(クラシック)
『好人好日』(1961)
(35mm)(88分)
監督:渋谷実
主演:笠智衆、岩下志麻、淡島千景、川津祐介、高峰三枝子

【作品概要】
数学バカで年中雨靴を履いているちょっと変わった奈良大教授の文化勲章受章騒動に、娘の結婚話をからめた人情ドラマ。実在の数学者・岡潔がモデルとされ、随所でユーモアがきらりと光る佳作。変人教授をひょうひょうと演じる笠智衆もはまり役。(シネマヴェーラHPより)

【感想レビュー】@theater
久っっしぶりのシネマヴェーラ
ここが一番好き

いやぁ、もう存分に笑いました
変人奇人な数学者役の笠智衆さんがもうおかしくておかしくて
目を見開く事が多くて、小津作品ではおよそ見ない表情の数々がとっても新鮮でした。この作品の笠智衆さん、大好きです

あ、あと笠智衆さんの歌うシーンも良かった~

変人な教授の数々の言動行動のユーモアにヒィヒィしながら観ていると、伏線はありながらも不意を付かれてグッとくる展開になる時もあって…。じんわりうる…

変人奇人だけども、心が温かいのです…
いやしかし、それにしても変わってたな…

娘役の岩下志麻さんの茶目っ気たっぷりのお嬢さんぶりが可愛くて
伸びやかでちょっと幼さが残る青年役の川津祐介さんがなんとも気持ちの良い若者で
泥棒役の可愛げがまたなんとも…

娘の結婚を絡めて…というのは小津作品を彷彿とさせますけど、監督が違うと全然違うものですね

88分なんて信じられないほどギュッと詰まってました
ムダがいっさいないのではないか

いやはや、楽しかったです