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■ロシア国営局スタッフの「NO WAR」は称賛…「I am not ABE」はスルーした日本のテレビ局 2022/3/16 日刊ゲンダイ

2022-09-16 06:06:30 | 日記

 

 

■ロシア国営局スタッフの「NO WAR」は称賛…「I am not ABE」はスルーした日本のテレビ局

2022/3/16 日刊ゲンダイ

https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geino/302599


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「NO WAR(戦争反対)。プロパガンダを信じるな。この人たちはあなたにうそをついている」


ロシア国営テレビ「チャンネル1」の生放送中に、ウクライナ侵攻に反対するプラカードを掲げた女性の勇気を称える声が世界中に広がっている。

ロシアの独立系メディアによると、女性は「チャンネル1」の編集スタッフ。


看板番組「ブレーミャ」の放送中、ニュースを伝えるキャスターの背後に立つと、ロシア語と英語で書かれたメッセージを掲げながら「戦争をやめて」と訴えた。


この映像はたちまち世界中に拡散。日本国内でもNHKや民放番組で繰り返し報じられ、コメンテーターらが「独裁政権下で声を上げた彼女の勇気を称えたい」と言い、「こうした民意が広がることを願う」とも語っていたが、日本の放送局が一斉にこの女性スタッフの行動を称賛する姿勢に、鼻白んでしまう視聴者も少なくないのではないか。


「ISIL(イスラム国)」による日本人の殺害事件が発生した2015年、「テロとの戦い」を掲げる欧米などと歩調を合わせるかのように拳を振り上げ、「全面戦争もやむを得ない」と前のめりになる安倍政権に対し、元経産官僚の古賀茂明氏はコメンテーターを務めていた民放番組で、「I am not ABE」などと発言。


これが安倍官邸の逆鱗に触れたといい、古賀氏は番組を降板。


最後の出演でも、古賀氏は「I am not ABE」と書いた手製の紙を掲げ、「単なる安倍批判ではなく、日本人がどういう生き方をしようかという、ひとつの考え方」と説明していたが、当時、この古賀氏の言動を大きく取り上げるテレビ局はほぼ皆無だった。

 

・政府・与党の報道に対する姿勢はプーチン政権と似たり寄ったり


「ISIL」戦闘員は当時の安倍首相を「アベ」と名指しで非難。


古賀氏は「ISIL」が日本人を標的にした無差別テロが起きかねないと危惧し、「日本人すべてが安倍首相と同じ考えではない」との意味も含めて発信したわけだが、おそらく、ロシア「チャンネル1」で「NO WAR」と声を上げた女性スタッフも、「プーチン大統領=すべてのロシア人の姿勢ではない」と言いたかったに違いない。


安倍政権は民放各社に「お願い」と題した要請文を送って選挙報道を“牽制”。


先日も、自民党の情報通信戦略調査会が民放連とNHKの各専務理事を呼び、第三者機関の放送倫理・番組向上機構(BPO)やテレビ各局の番組審議会の活動状況について質疑したため、民放労連(日本民間放送労働組合連合会)が「言論・表現の自由を脅かす」と抗議声明を出す事態になったが、安倍政権以降の政府・与党の報道に対する姿勢はプーチン政権と似たり寄ったりだ。


そんな強権政府に対して声を上げるどころか、唯々諾々と従っているのが今の日本の放送局の実態であり、政府・与党が今後「日本も核共有だ」「派兵しろ」などと言いだしたら、黙って右向け右になりかねない。


「プロパガンダを信じるな。この人たちはあなたにうそをついている」というロシア国営チャンネルの女性スタッフの言葉を、日本の放送局は「自戒」を込めて捉えるべきではないのか。


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ロシア国営局スタッフの「NO WAR」は称賛…「I am not ABE」はスルーした日本のテレビ局
2022/3/16 日刊ゲンダイ
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geino/302599

 

 

 

 

 


■安倍政権の重圧か…各局批判キャスター相次ぎ交代 

「報道ステーション」の古舘伊知郎氏をはじめ、TBS系「NEWS23」の岸井成格氏と膳場貴子氏、そしてNHK「クローズアップ現代」の国谷裕子氏らが番組を去る

「この一連の流れの中で共通するのは、安倍政権の批判は許さないという、確固たる姿勢だ」

日刊スポーツ 2016年1月29日

https://www.nikkansports.com/entertainment/news/1598159.html

 

 

 

■安倍政治はこうしてメディアを支配した?

「クローズアップ現代」「報道ステーション」「ニュース23」と、硬派な報道番組で政権に物申してきたキャスターたちが全て降板」

週刊現代(週刊新書)2016/06/11 堀川惠子

https://gendai.ismedia.jp/articles/-/48847?imp=0

 

 

 

■日テレ元局員が告発!テレビ局が行っている安倍政権PRの"偏向報道と印象操作"

「今回の衆院選では、マスコミ、とくにテレビ局の安倍政権に対する弱腰な姿勢が改めて浮き彫りになった。自民党が出した選挙報道に関する圧力通達にいとも簡単に屈し」

「安倍政権によるテレビへの圧力は第2次政権が発足した当初から始まっており、今やテレビはほとんど安倍政権のいいなりになっているのが現状」

「安倍政権を利するような印象操作を繰り返し、露骨な安倍政権寄りの偏向報道を繰り広げている」

excite news(エキサイトニュース)2014年12月11日

https://www.excite.co.jp/news/article/Litera_700/

 

 

 

■安倍サマをかばいまくった御用ジャーナリスト大賞発表!

exciteニュース 2019年1月2日

https://www.excite.co.jp/news/article/Litera_4465/

 

 

 

■世界各国の「報道の自由度」 日本67位 去年から順位1つ下げる

NHK  2021年4月21日

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210421/k10012988411000.html

 

 

 

■日本を裏で操っている? 

~アメリカの巧妙な世界戦略~

・アメリカにとっては好都合となる日本の官僚主義

「日本の犠牲によって、アメリカの産業を振興する必要があった」

「アベノミクス第3の矢はもともと空砲にすぎない」

幻冬舎:石角完爾:2016.10.21
https://gentosha-go.com/articles/-/5017

 

 

 

■民放各社は米国に乗っ取られているのか

「民放各社大株主に米国系の投資ファンドが名を連ねている」

・外国人株主比率は日テレ22%、フジ約30%

「テレビ朝日が12.7%、TBSは13.34%」

日刊ゲンダイ(講談社)2015/11/09
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/168954

 

 


■古賀茂明「日本への信頼を守るため『I am not ABE』と世界に発信する時」政官財の罪と罰 AERA(アエラ) 2019/03/25 古賀茂明

2022-09-16 06:06:08 | 日記

 


■古賀茂明「日本への信頼を守るため『I am not ABE』と世界に発信する時」政官財の罪と罰

AERA(アエラ) 2019/03/25 古賀茂明

https://dot.asahi.com/dot/2019032400016.html?page=1


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・安倍総理の後藤健二さん見殺し行動に対する抗議


そこで、思い出すのが、2015年1月23日のテレビ朝日「報道ステーション」での出来事だ。

その3日前の1月20日に、後藤健二さんがIS(イスラム国)に囚われている映像が公開された。

安倍総理は、後藤さんが捕虜になっていて、後藤夫人が必死に身代金交渉を行っていることを知りながら、中東を歴訪していた。

そして、あろうことか、エジプトで「イスラム国と闘う周辺各国に2億ドルの支援をします」と発言し、ISに対して、事実上の交渉中止と宣戦布告の宣言をしたのである。

安倍総理は、さらにイスラエルを訪れ、同国国旗の前で記者会見を行うという火に油を注ぐ行動もした。

ISはもちろん、あえて中東諸国全体の反感を買う行為だ。

私は安倍総理の言動は、世界中にとんでもないメッセージを送っていると考えた。

もちろん、それが日本人の大多数の気持ちを代弁するものであれば全く問題ない。

しかし、あの時、国民が、後藤さんが捕虜になっていることを知っていたら、安倍総理の行動を容認できる人はほとんどいなかっただろう。

いや、多くの人が、「ちょっと待ってください。安倍総理の言動は、決して私たち日本人の気持ちを表したものではありません。私たちは、相手が誰であれ、闘う気持ちなどありません。アメリカと一緒に闘うつもりもありません。ですから後藤さんを無事に返してください」と表明したかったのではないだろうか。

しかし、テレビでは、安倍総理のそうした言動を批判するのはタブーとされ、キャスターやコメンテーターが口々に、「安倍総理がテロと戦っている時に安倍批判をするのは、テロリストを利することになる」と言って、安倍批判を封印した。

そこで、私は、1月23日の「報道ステーション」で、日本人は安倍総理とは違うという意味で、「I am not ABE」というメッセージを世界に発信するべきだと発言したのだ。

番組後の反省会では、古舘伊知郎キャスターからいいコメントをもらったという評価があったそうだ。

しかし、結局その後、後藤さんは、湯川遥菜さんに続き、殺害されてしまった。

 

・パニックに陥った官邸がしでかしたとんでもない圧力行動


その一連の出来事は、安倍官邸に衝撃を与えたようだ。

そもそも、ISが安倍総理の中東歴訪中にビデオメッセージを流すということを想定していなかったのだろう。

捕虜返還のために交渉している最中に、敵方を刺激するような行為は慎むのが鉄則だ。

それを無視した総理の中東訪問に対しては、下手をすれば、国民の強い反感を呼ぶ可能性がある。

時は、15年の通常国会直前。

これから集団的自衛権の行使容認の安保法制についての議論が始まるところであった。

タイミングがあまりにも悪すぎる。

そこで、マスコミに圧力をかけて政府批判を封印した、……つもりだった。

ところが静かになったと安心しかかったところで、私の爆弾発言である。

官邸はパニックに陥り、とんでもない行動に出た。

番組のオンエア中に二人の菅義偉官房長官秘書官がテレ朝の編集長とプロデューサーに別々に圧力メールを送ったのだ。

私の発言に対する抗議である。

番組中だから、電話が通じない、

しかし、何が何でも急いで抗議をしなければならない。

そこでメールということになったのだろう。

その後、菅官房長官はオフレコのテレビ局記者との懇談で、私を非難する発言を行うなど、圧力をかけ続けたようだ。

私にもその取材メモが複数社から回ってきた。

その結果、私は、3月末を最後に報ステに出演ができないことになったのだ。

全く同じ時期に、同番組の屋台骨であるプロデューサーも更迭。

気骨ある辛口コメントで知られたレギュラーコメンテーターも降板となったが、これも局上層部の指示によるものだったそうだ。

 

・「I am not ABE」の紙フリップは安倍政権の圧力への抗議


私は、3月27日の最後の出演に際して、もう一度1月のメッセージを視聴者に伝えたいと考えた。

言葉だけでは、はっきり人々の記憶に残らないので、「I am not ABE」と書いたA3の紙を二つ折りにして密かにスタジオに持ち込んだ。

オンエア中にそれを開いて……。

あとは、皆さんご存知の展開だ。

多くの人が誤解しているようだが、私が、あの紙を出したから、報ステをクビになったのではない。

官邸の圧力でクビになることがわかったので、抗議の意味であの紙を出したのだ。

あの抗議行動から今週3月27日でちょうど4年になる。

今回わざわざこの話を出したのは、望月記者への菅官房長官による圧力を見ていて、あの時のことを思い出したからだ。

望月記者に対する官邸のバッシングは並大抵のものではない。

私が記憶している限り、14年から15年にかけての私を含めた報ステ関係者への圧力、15年から16年にかけての岸井成格TBS News23アンカーへのバッシング、17年から18年の前川喜平元文部科学事務次官への攻撃以来の最強硬策に出ているように見える。

裏を返せば、望月記者の行動が、安倍政権にとって非常に大きなダメージになるとわかっているのだ。

そういう時に採る彼らの手法は、必ず個人攻撃である。

その人の信用を落とすことによって、いかに素晴らしい記事やコメントを出しても、その内容以前に、人格が信頼できないという理由で人々が読まない、あるいは見ないようにするという作戦である。

今回も、望月は嘘つきだという趣旨の情報がネット上には溢れている。

嘘つきが書く記事や発言であれば、人々は最初から読む価値がないと考えて関心を持たないから、いちいち望月氏の発言や記事に対する反論をする必要がない。

特に、政府側が、痛いところを衝かれて反論できない時には、これが一番有効な防御策になる。

一連の安倍政権による異論封じと少数者・弱者を叩き潰す姿勢は、日本のイメージを著しく傷つけている。

もちろん、それは、私たち一般の日本の庶民の気持ちとはかけ離れた行動だ。

どうしてそういう行動をとれるのか。

それは、安倍総理自身が、少数者や弱者と交わったことがないからではないだろうかという気がする。

私たちの身の回りには、多くの恵まれない人たちがいる。

自分自身が助けを必要としているという人も多いだろう。

だから、庶民感覚の中には、必ず、少数者や弱者を思いやる気持ちが育つものだ。

しかし、安倍総理にはそうした経験がなかったのではないだろうか。


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古賀茂明「日本への信頼を守るため『I am not ABE』と世界に発信する時」政官財の罪と罰
AERA(アエラ) 2019/03/25 古賀茂明
https://dot.asahi.com/dot/2019032400016.html?page=1

 

 


■「政権与党」化した記者たちへ 政治ジャーナリスト後藤謙次さんの怒り

・「報ステ」レギュラー降板は「政権の圧力」?

「安倍晋三政権を批判」

「いつから政治記者は『政権与党』の一員に成り果てたのか」

毎日新聞 2021/7/10

https://mainichi.jp/articles/20210710/k00/00m/010/002000c


■古賀茂明氏が語る「I am not Abe」発言の真意 日刊ゲンダイ:2015/02/02

2022-09-16 06:05:44 | 日記

 

■古賀茂明氏が語る「I am not Abe」発言の真意

日刊ゲンダイ:2015/02/02

https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/156835


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・安倍首相は「有志国連合」の有力メンバーになりたかった


イスラム国の人質事件では、ほとんどの大メディアが安倍政権批判を控えている。

そこにあるのは、「人質が殺されそうなときに足を引っ張るな」という情緒論だが、そんな中、敢然と、しかも痛烈な言葉で安倍首相を批判したのが、元経産官僚の古賀茂明氏(59)だ。

「フランス人は『Je suis Charlie(私はシャルリー)』というプラカードを持って行進したけど、日本人は今、『I am not Abe』というカードを掲げる必要があると思う」

テレビ朝日系の「報道ステーション」での発言に官邸は激怒、ネトウヨたちは大騒ぎとなった。

一方、「よくぞ言った」という支援の輪も広がりつつある。

古賀氏が改めて“過激発言”の真意を語った。

 

――あの発言が出た直後から、大変な反響だったと聞きましたよ。官邸の秘書官筋からテレビ朝日の上層部に抗議の電話が入り、大騒ぎになったとか。古賀さん自身には何かありましたか?


局に対してはいろいろな声があったようですが、僕には直接ありません。

でも、誰かが声を上げて、「これはおかしい」と言わなければ、太平洋戦争と同じ状況になってしまう。

だから、注目度が高い番組に出た際、考え抜いて発言したわけで、反論は予想通りですし、むしろ反響の大きさに驚いているくらいです。

 

――戦前と同じ状況というのは、ついに日本も米国と一緒に泥沼のテロとの戦いに引きずり込まれてしまった。キッカケは安倍首相の軽率としか思えない中東歴訪と、イスラム国と戦う国への2億ドル支援表明です。多くの日本人が不安を抱えているのに、声に出せない。そんな状況ということですか?


今度の人質事件では、いろいろな報道がされていました。

でも、必ず最後の方は「テロは許しがたい行為だ」「いまは一致団結して、安倍さんの戦いを支持すべきだ」というところに帰結してしまうんですね。

そうなると、あらゆる議論が封じ込まれてしまう。

今は戦前のように治安維持法もないし、特高警察もいませんが、安倍政権のテロとの戦いに異論を挟むのは非国民だ、みたいな雰囲気が醸成されつつある。

テロリストを擁護する気は毛頭ありませんが、日本が米国と一緒になって世界中で戦争に参加する国だというイメージをつくっていいのか。

多くの人が違うと思っているのに、誰も声を出せない。

それってやっぱり、おかしいでしょう。

 

――順番に伺います。古賀さんは安倍総理が中東歴訪以前に後藤さんが人質になっていることを知っていたという前提で話された。「臆測でものを言うな」という批判もありました。一部報道では当初10億円、その後20億円の身代金要求があり、奥さんは外務省に相談していたと報じられたからですか?


政府はずっと前から知っていたことを認めましたよね。

でも、それは官僚だった私から見れば当たり前のことでした。

こうした情報に接した官僚が上に上げないということはあり得ません。

あとで情報を上げなかったことが分かったら、大変な失態になるからです。

大臣秘書官、次官、官房長にはすぐ上げる。

同時に官邸の外務省出身の秘書官にも連絡がいくはずです。

その秘書官が安倍首相に伝えないということもあり得ない。

伝えなければ、大きなリスクを背負うし、伝えて損をすることはないからです。

 

――だとすると、この時点で官邸・外務省は身代金を払わない方針を決めたのか、「放っとけ」とばかりに無視したのか。右往左往しているうちに時間が過ぎてしまったのか。


10、20億円程度であれば、官房機密費で払えます。

まして、1月には安倍首相の中東歴訪が控えている。

身代金を払って解決させる選択肢もあったはずですが、官邸にそういう提案をして却下されたのか、それさえできない雰囲気だったのか。

いずれにしても、人命よりも優先させたい事情があったとみるべきです。

 

――それは何ですか?


安倍首相は対イスラム国の有志国連合の有力なメンバーになりたかったのだと思います。

世界の列強と肩を並べて、認められたい。

それが安倍首相の願望であるのは間違いないと思います。

そんなときにイスラム国に身代金を払ったことがバレたら、米英に顔向けできなくなる。

そんなリスクは背負いたくない。

後藤さんの命よりそちらを優先したのです。

 


・世界の大舞台で“二枚舌外交”を繰り広げる安倍首相

 

――なるほど。そうなると、安倍首相がエジプトでイスラム国に宣戦布告するような言い方で、2億ドルの支援表明をしたのも分かりますね。


有志国連合として認めてもらうために空爆や武器供与をしたいけど、現行の憲法ではできない。

できるのは人道支援くらいです。

そこで、イスラム国を名指しして、そこと戦うためのお金であると聞こえる言い方をした。

他にもテロ組織はたくさんあるのに、イスラム国にだけ言及したのは不自然ですし、本来、人道支援というのは武力紛争にはかかわらず、どちらにも加担せずに、政治的意図を排除して、人道主義の立場から行うもので、日本はいつもそれを強調していた。

ところが、あの演説は人道支援というトーンを弱めて、軍事的政治的意図を込めた支援であるような言い方をした。

この発言を米英は歓迎したようですが、身代金を取れずに焦れていたイスラム国にしてみれば、これで交渉の余地なしとなった。

「宣戦布告された」となったのだと思います。

 


――安倍首相は動画が公開された後、盛んに人道支援だと強調していますけど?


最初は人道支援ではなくイスラム国と戦うための支援であるかのように装い、これは失敗したと思ったら、急に人道支援を強調する。

二枚舌外交です。

五輪プレゼンテーションの汚染水発言もそうでしたが、世界の大舞台で大嘘をつく。

それが安倍政権の特徴です。

 


――「人命第一」と繰り返していますが、これも怪しいもんですね。


25日、NHKの日曜討論で安倍首相は「この(テロ殺害事件)ように海外で邦人が危害に遭った時、自衛隊が救出できるための法整備をしっかりする」と言いました。

これは驚くべき発言で、イスラム国が聞いたらどう思うのか。

人命第一と言いながら、その交渉の最中に「いまは戦争できないけど、法律を改正したら、おまえたちを叩くために自衛隊を出すぞ」と言ったわけです。

普通の感覚であれば出てこない発言で、安倍首相は中東で米国と人質奪還の共同作戦をやりたいのでしょう。

人命のかかった危機を「政治利用」しようとするとんでもない発言です。

 


――でも、そうなると、日本人は対テロ戦争に引きずり込まれる。世界中でテロの標的になってしまう。


中東での日本のイメージとは「戦争をしない国」です。

ポジティブな平和ブランドがあるんです。

安倍さんはそれをぶっ壊そうとしている。

少なくとも政治的にも軍事的にも、米国の正義=日本の正義というイメージで走ろうとしている。

安倍さん自身の願望でしょう。

でも、日本は米国とイコールではありませんよ。

日本は世界に敵が少ないんです。

一方、米国はシンパもいるが敵も多い。

おそらく、米国ほど敵が多い国はないと思いますよ。

途上国では中国よりも嫌われている。

イスラム国がやっていることはめちゃくちゃですが、その根底には米国がイラクやアフガニスタンで無実の女性や子供、民間人を大量に殺戮した過去がある。

その報復は国際法上は許されないが、メンタリティーとしては理解できる。

だから、イスラム国は急拡大したのでしょう。

そんな中、米国の正義=日本の正義で、米国の敵=日本の敵というイメージがつくられつつある。

イスラム国のPR戦略の巧みさもありますが、安倍さん自身がそういう認識の政治家であるというのも真実だと思います。

 


――ちょっと待ってください。多くの日本人は米国の敵=日本の敵なんて思っちゃいませんよ。中東で戦争しようとも思っていない。


だからこそ、「I am not Abe」というプラカードを掲げる必要があるのです。

私たちは安倍さんとは違う、安倍さんは変なメッセージを送ったが、彼は日本国憲法を踏みにじるおかしな人だ、普通の日本人じゃない。

我々は違うということを、世界に訴える必要がある。

安倍さんのもとに結束しろという意見があるが、それは危険です。

「I am not Abe」ということで、日本人の命を守るには、安倍さんの考え方を否定すべきだということを言いたかったのです。

憲法の前文を見てください。

日本はあらゆる国と仲良くし、それを通じて、世界平和に道を開くことを基本理念にしている。

日本を攻撃しない人々を敵にするのは、憲法上、許されないのです。

この理念は後藤さんの考えと共通しています。

「I am Kenji」ですね。

そうしたことを訴えるべきで、さもないと、世界中で日本人はテロの標的になってしまいます。


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古賀茂明氏が語る「I am not Abe」発言の真意
日刊ゲンダイ:2015/02/02
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/156835