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■日テレ元局員が告発!テレビ局が行っている安倍政権PRの"偏向報道と印象操作" excite news 2014年12月11日

2022-09-29 04:51:10 | 日記

 

■日テレ元局員が告発!テレビ局が行っている安倍政権PRの"偏向報道と印象操作"

excite news 2014年12月11日

https://www.excite.co.jp/news/article/Litera_700/


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今回の衆院選では、マスコミ、とくにテレビ局の安倍政権に対する弱腰な姿勢が改めて浮き彫りになった。

自民党が出した選挙報道に関する圧力通達にいとも簡単に屈し、『朝まで生テレビ!』(テレビ朝日系)が荻上チキらゲストの出演をキャンセル。


菅原文太の追悼ニュースでもその反戦、脱原発運動への取り組みをカットしてしまったのは、本サイトでも指摘したとおりだ。

だが、こうした安倍政権によるテレビへの圧力は第2次政権が発足した当初から始まっており、今やテレビはほとんど安倍政権のいいなりになっているのが現状だという。


日本テレビでキャスターもつとめた元テレビマンが最近、そんなテレビ局の実態を指摘する新書を出版した。

『内側から見たテレビ―やらせ・捏造・情報操作の構造』(朝日新聞出版)がそれだ。


著者の水島宏明は札幌テレビでドキュメンタリー制作に携わった後、NNNのロンドン、ドイツ特派員を経て、日本テレビに入社。

『NNNドキュメント』ディレクター、そして『ズームイン!!SUPER』のキャスター兼解説者を務め、2007年度芸術選奨・文部科学大臣賞を受賞した事もあるテレビマンだ。


安倍首相は自分を批判する報道に対してやたら"偏向""印象操作"といった攻撃を繰り返しているが、水島によると、現在のテレビ局はまったく逆。

安倍政権を利するような印象操作を繰り返し、露骨な安倍政権寄りの偏向報道を繰り広げているという。


その一例として水島があげているのが、13年7月2日のNHK『ニュースウオッチ9』で報じられたG8サミットの際の「安倍首相の映像」だ。

このサミットで、日本政府は安倍首相とアメリカ・オバマ大統領の公式会議をセッティングすることができず、「安倍首相はアメリカに嫌われている」「政府はオバマ政権と信頼関係を築けていない」という批判を呼んでいた。


そんな中、『ニュースウオッチ9』ではNHKが独自入手した映像として「安倍首相が歩きながら、あるいは立ったままでオバマ大統領と懸命に話している無音の映像」を流したのだ。

同書によると、報道の内容は以下のようなものだったという。


「キャスターは『アメリカとの公式な首脳会談は行われませんでしたが、安倍総理大臣がオバマ大統領と突っ込んだ意見交換を行う様子が映し出されています』と前振りした。その後で映像を見せながら、非公式な場ながら、最重要課題のひとつである尖閣諸島問題について安倍首相が『中国の要求には応じられない』などと発言したとみられるナレーションが入る」


水島は「立ち話でどんなに真剣に意見交換しようとも、公式会談ほどの重みがないことは、政治、外交を取材する記者には常識」と指摘する。

ところが、NHKはメインのニュースで、首脳会談がセッティングできなかった失点を糊塗して、立ち話をさも重要な協議のように演出して放映したのだ。


さらに、この映像自体、政権から提供されたものだという。


「報道陣が入れない、実際のサミット会場中の場内の映像なので、撮影し映像を所持していたのは首相官邸か外務省の関係者以外にはありえない。NHKはこの映像を、官僚の誰かなのか、あるいは首相や官房長官ら政治家の誰かから手渡された。つまりリークされたものである」


ようするに、NHKは安倍政権がPRのために用意した映像と情報に丸乗りしたのである。

しかも、放送が行われたのは、公示日の直前だった。


これは偏向報道どころか、ただの宣伝装置ではないか。

水島はテレビ局が行っている巧妙な印象操作についても指摘している。


たとえば、そのひとつが14年5月3日の日テレ『news every.サタデー』の憲法のニュースだ。


5月3日の憲法記念日、テレビのニュースは、「護憲」「改憲」それぞれの立場での集会などを紹介するが、「現時点において一度も改正されたことがない日本国憲法が国家の最高法規として存在する以上、護憲が前となり、改憲が後という順番で並べて報道するのは自然な形の報道のセオリー」であるため、これまでは各局とも、護憲、改憲の順番で報道してきた。


ところが、この日の日テレ『news every.サタデー』では、こんなタイトルが掲げられた。

「憲法改正めぐり"賛成派"と"反対派"が集会」


改憲派を憲法改正の「賛成派」とし、護憲派を憲法改正の「反対派」と呼び、順番を逆にしたのである。

一見些細な表現の操作と見逃しがちだが、これは重大な変更だと水島は指摘する。


「なぜなら一般の視聴者は『賛成派』にはポジティブな印象を持ちがちで『反対派』にはネガティブな印象を持ちやすい。(中略)視聴者の側が用心していないと、政治的なテーマについて、こうした誘導的な報道は知らないうちに乗せられてしまう」


しかも、同番組の印象操作はこれだけではなかった。

同番組では自民党幹部や共産党、社民党の党首が憲法について主張したが、もう一人ある人物の発言が取り上げられていたのだ。


それが「安倍首相と親交の深い小説家・百田尚樹氏の言葉」だった。


「日本テレビが報じた百田氏の発言は『日本も世界も大きく激変したにもかかわらず、憲法を67年間一度も変えないのはありえない』というものだった。百田氏はこのニュースで政治家以外に日本テレビが声を伝えた唯一の有識者である。彼のような改憲派の有識者の発言を入れるならば、違う立場の発言も入れるのが報道のセオリーだが、それもなかった。これでは日本テレビに世論を誘導する意図があったのでは、と勘ぐられても仕方ない」


百田は安倍首相に親しいだけでなくNHKの経営委員でもある。また日テレは改憲を主張するナベツネ・読売グループの一員だ。

まさに日テレは安倍首相が盛んに批判する"偏向"とは全く逆のベクトルの"偏向"報道を行っていたことになる。


また、同書は本サイトが指摘した安倍首相のテレビ局への単独出演にも言及している。

水島が問題にしているのは、13年4月に安倍首相が出演した日本テレビ系『スッキリ!!』、TBS系『情報7daysニュースキャスター』。


これらの番組内容は「憲法改正などの難しい話には触れずに人柄や私生活に焦点を当て」「安倍首相の『ソフトさ』『ヒューマンさ』といった人格の良さばかりを強調する」もので、「ジャーナリズムの役割は皆無だった」という。

総理のテレビ番組の単独出演は、安倍政権以前は「政治的な公平をそこねる」として自粛されていた。


本サイトでは、その禁を安倍首相が破って、各ニュース番組に出演した事を批判したが、それどころではなかったのだ。

安倍首相は、批判的な視点の一切ないバラエティや情報番組などを自分のイメージ操作に利用してきたのである。


ところが、当のテレビ局ではその政治PRに協力していることの罪深さを全く感じていないようだ。

それどころか、各番組とも「時の首相が独占的な出演に応じてくれた興奮を隠しきれない」「嬉々とした様子」だったという。


これでは、今回の選挙報道でテレビ局がいとも簡単に安倍政権の圧力に屈するのも当然だろう。

水島による "権力と報道"への視線は辛辣だ。


「本来テレビ報道は、われわれの知る権利に応えるジャーナリズムの一翼を担っている。にもかかわらず、今やその機能はどんどん衰えている」

権力の介入にやすやすと屈服するメディアと、メディアに介入と圧力を強め続ける安倍政権。


内部告発ともいえる本書だが、残念ながらこうした事実はほとんど国民に知られていない。

安倍政権下のこの国から言論の自由、そして民主主義はどんどん遠ざかっていく。(田部祥太)


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日テレ元局員が告発!テレビ局が行っている安倍政権PRの"偏向報道と印象操作"
excite news(エキサイトニュース)2014年12月11日
https://www.excite.co.jp/news/article/Litera_700/

 

 

 

 


■民放各社は米国に乗っ取られているのか

「民放各社大株主に米国系の投資ファンドが名を連ねている」

・外国人株主比率は日テレ22%、フジ約30%

「テレビ朝日が12.7%、TBSは13.34%」

日刊ゲンダイ(講談社)2015/11/09
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/168954

 

 

 

■報道自由度、日本は4つ下げ71位に 国境なき記者団

日本経済新聞 2022年5月3日

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUF031WY0T00C22A5000000/

 

 

 

■報道自由度、日本は71位 国境なき記者団、四つ低下

共同通信 2022/05/03

https://nordot.app/894125755834286080

 

 

 

■報道の自由度 日本 世界71位 順位を4つ下げる

NHK 2022年5月4日

https://www.nhk.or.jp/politics/articles/lastweek/82062.html

 


■安倍政権に屈したテレビ局 ~ジャーナリズムはこのまま死に絶えるのか? 週刊現代 2016.02.27 古賀茂明

2022-09-29 04:50:53 | 日記

 

■安倍政権に屈したテレビ局

~ジャーナリズムはこのまま死に絶えるのか?

週刊現代 2016.02.27 古賀茂明

https://gendai.ismedia.jp/articles/-/48001


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高市早苗総務大臣の電波停止発言が話題になっている。

放送番組の政治的公平性などを定めた放送法4条は、単なる倫理規範、すなわち、各社が自らを律するための努力目標に過ぎない。


これに対し、自民党は、この条項がテレビ局に対して法的な義務を課す規範だとして、最終的にはこれを根拠に政府が電波を止めることもできるという解釈をしてきた。

ただし、あまり露骨に言うと反発を受けるので、静かに裏で脅しに使うというのがこれまでのやり方だった。


高市発言は、電波停止という「死刑」宣告もあるぞと声高に宣言したという意味でこれまでのラインを踏み越えるものだ。

そもそも、政治家である総務相が「政治的公平性」を判断するということ自体が、完全な論理矛盾だ。


先進国では、テレビ局の管理は、政府から独立した委員会などが行うのが常識。

政府が直接番組内容に介入すると言ったら、すぐに憲法違反と言われるだろう。


もちろん、テレビ局は、こうした動きには、命懸けで反対して行く。

しかし、日本のテレビ局は、個別のニュースでこの問題を取り上げても、せいぜい、コメンテーターが異を唱え、メインキャスターが相槌を打つ程度。社としてどう考えるかについてはまったく発信しない。


抗議するどころか、質問さえされたくないというのが本音だろう。

何しろ、日本のテレビ局の会長たちは、喜んで安倍晋三総理と会食し、携帯の番号を交換して、電話がかかってくるのを見せびらかして喜ぶような連中である。


しかも、日本では、会社の経営陣が、平気で報道の現場に介入する。

報道局長が、会長の意向に従って、政権批判をするコメンテーターをクビにしたり、スポンサー批判のニュースを抑えたりというのが日常茶飯事なのだ。


そんな会社では、政権を怒らせるような報道をしようとすると、それを潰されるだけでなく、自分が飛ばされて、記事を書くことさえままならなくなる。

だから、現場の記者たちは、政権批判に及び腰になる。


そもそもテレビ局に入った記者たちの多くは、権力を監視しようという意識さえ持っていない。

先輩記者に対して、どうして政権批判をするのか、と批判する人さえいるそうだ。


つまり、上から下まで、ジャーナリストとしての最低限の職業倫理を持ち合わせていないのである。

そうした土壌を利用して、安倍政権は、ほぼ完全にテレビ局を制圧した。


2月12日に政府が発表した統一見解では、放送法4条が定める番組の政治的公平性の判断の際に、一つの番組だけで判断するのではなく、番組全体で判断するということを強調した。

しかし、そんなことは本質的な問題ではない。


むしろ、この見解は、同条を根拠にして政府が番組内容を統制できるという政府自民党の伝統的考え方をあらためて確認しただけのものだ。

テレビ局は、もちろん正式に抗議したりしないだろう。


それ自体が、いかに日本のテレビ局が政府に従属しているかを示している。

野党民主党も政権時代にこの問題を放置し、自らもテレビ局に圧力をかけていた。


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安倍政権に屈したテレビ局
~ジャーナリズムはこのまま死に絶えるのか?
週刊現代 2016.02.27 古賀茂明
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/48001

 

 

 

 

 

■安倍政治はこうしてメディアを支配した?

「クローズアップ現代」「報道ステーション」「ニュース23」と、硬派な報道番組で政権に物申してきたキャスターたちが全て降板」

週刊現代(週刊新書)2016/06/11 堀川惠子

https://gendai.ismedia.jp/articles/-/48847?imp=0

 

 

 


■安倍政権の重圧か…各局批判キャスター相次ぎ交代 

日刊スポーツ 2016年1月29日

https://www.nikkansports.com/entertainment/news/1598159.html

 


■安倍首相の会見で手を挙げつづけても、質問できるまで7年3カ月かかる ・安倍官邸と記者クラブの「一問一答ルール」 PRESIDENT 2020/06/11

2022-09-29 04:50:00 | 日記

 

■安倍首相の会見で手を挙げつづけても、質問できるまで7年3カ月かかる

・安倍官邸と記者クラブの「一問一答ルール」

「首相会見の主導権は、完全に官邸側=権力者側に握られている」

PRESIDENT 2020/06/11

https://president.jp/articles/-/36011?page=1

 

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・なぜか窓口はすべて「官邸報道室」


首相会見の主催者は内閣記者会である。

しかし、事前登録者リストへの登録申請はもちろん、毎回の会見への参加申込も、窓口はすべて「官邸報道室」になっている。


内閣記者会は会見の主催者でありながら、姿を見せない。

記者会見に誰が参加するか、誰が質問するかも、すべて官邸報道室にお任せになっている。


これでは「権力側と共犯関係にある」と言われても無理はない。

現在、首相会見の司会進行を担当しているのは長谷川榮一内閣広報官だ。


質問は「一問一答」だから、首相が曖昧な答えをしても「更問(さらとい・追加質問)」ができない。

だから首相の「言いっぱなし」を許すことになる。


これでは記者会見ではなく、単なる記者発表だ。

内閣記者会は主催者でありながら、それを許したままである。


インターネット上で、「記者クラブは厳しい質問をしない」という評価を目にすることも少なくない。

しかし、私は現場にいる者として、この点は明確に否定しておきたい。


内閣記者会の記者も、厳しい質問をしている。

しかし、それでも十分な答えを引き出せているとは言えない。


それは、内閣記者会が主催者でありながら、官邸側が主張する「一問一答ルール」を認めてしまっているからだ。

 

・安倍官邸と記者クラブの「一問一答ルール」


会見の主催者であるならば、なぜ「追加質問」を認める運用にしないのだろうか。

質問者を指名する内閣広報官になぜ、「公平な会見運用」を強く求めないのだろうか。


内閣広報官の進行に不満があるならば、主催者である内閣記者会が主導権を握り、厳しい質問をする記者をどんどん指名してもよいはずだ。

しかし、内閣記者会はそれをしない。


これでは国民から「軸足をどこに置いているのかわからない」と言われても仕方がない。

現在、首相会見の主導権は、完全に官邸側=権力者側に握られている。


「いやいや、そんなことはない。官僚は公平に記者会見を運用している」

そんな主張をする人もいるかもしれない。


しかし、私は次の事実を提示したい。

2015年9月25日に行われた安倍首相記者会見では、世にも奇妙なことが起きている。


この日の会見終了予定時刻が迫る中、最後の質問をしようと手を挙げていたのは、ほとんどが「記者クラブ以外」の記者だった。

しかし、長谷川榮一内閣広報官は「記者クラブ以外の記者」の挙手が目に入っていたにもかかわらず、そのすべてを“黙殺”した。


驚くのはここからだ。

なんと! 長谷川榮一広報官は、1ミリも手を挙げていない内閣記者会所属の記者(NHKの原記者)を指名したのである。


突然指名された記者は「えっ!? 私?」と困惑の色を浮かべながらも、事前に用意していたと思われる質問を読み上げた。

それを受けた安倍首相は、想定問答にあったと思われる回答を淡々と読み上げて会見は終了した。

 

・7年3カ月も無視され続けたフリー記者


これでもまだ不十分だという人もいるかもしれない。

それでは次の事実はどうだろうか。


首相会見が「内閣記者会以外の記者」にも一部オープン化されたのは、2010年3月26日の鳩山由紀夫首相会見が最初である。

私もこの時から首相会見に参加し始めた。


この鳩山会見では、フリーランスの上杉隆記者が指名された(上杉記者は「謝辞」を述べるだけで質問はしなかった)。

続く菅直人政権、野田佳彦政権では、私を含む複数のフリーランス記者が質問者として指名された。


しかし、2012年12月26日に第2次安倍政権が発足してからというもの、フリーランスの記者は長きにわたって質問者として指名されることがなくなった。

いくら会見に出席して手を挙げても当ててもらえない。


その期間は、なんと7年3カ月近く続いていた。

先に述べたように、記者クラブの幹事社は事前に質問内容を官邸側に通告している。


それ以外の記者については定かではないため、記者会見が「完全な出来レース」と言い切ることはできない。

とはいえ、今年3月19日に丸山穂高衆議院議員が提出した質問主意書(※1) に対して、政府は3月31日に次のような答弁書(※2)を返している。


「記者会見において正確な情報発信を行うため、普段から記者の関心を政府職員が聞くなど、政府として可能な範囲の情報収集は行っている」

つまり、内閣記者会の記者がする質問に対しては、あらかじめ想定問答を準備していると考えていい。


一方で、私のようなフリーランスの記者の多くは質問の事前通告をしていない。

関心についての聞き取り調査も行われていない。


これらの事実から、容易に想像できることがある。

質問者を指名する内閣広報官に「そもそも最初からフリーランスに当てる気がなかった」という疑惑だ。


もし、そうでなければ、7年3カ月もの長きにわたって、「フリーランスの記者が全く当たらない」という異常事態が続くことは考えにくいだろう。


(中略)


・江川紹子記者「まだ聞きたいことがあります」の衝撃


私はこの首相会見をネットで見ていた。

そして、冒頭発言後の「演出」にも、ある種の「嫌らしさ」を感じていた。


首相の冒頭発言が終わると同時に、演台の両脇に設置されたプロンプターの板が下げられたからだ。

これを見ると「質疑応答はガチンコで行われる」という印象を抱く演出だ。


しかし、現場の記者は知っている。

プロンプターが下がっても、首相の演台には小型のモニターが埋め込まれている。


首相の手元には想定問答が書かれているファイルもある。

だから幹事社からの質問に回答する際、首相は何度も演台のファイルに目を落とす。


会見時間が35分を越えたところで、長谷川榮一内閣広報官は次のように述べて会見を打ち切ろうとした。

「予定しておりました時間を経過いたしましたので、以上をもちまして記者会見を終わらせていただきます」


異変が起きたのはこのときだ。

この日の会見に参加していたフリーランスの江川紹子記者が、「まだ聞きたいことがあります」と声を上げたのだ。


この様子はNHKの中継でも流れている。

しかし、安倍首相は江川氏の問いかけに答えることなく会見場を後にした。


次の予定が入っていないのに会見を打ち切り、私邸に帰ってしまったことも後から判明した。

 

・オープンな記者会見を求める声の高まり


江川氏がこの顛末をTwitterに書き込むと、すぐに大きな反響が寄せられた。

これを受けてインターネット上では「安倍首相にオープンな記者会見」を求める署名活動も始まった(※4)。


この署名への賛同者は見る見るうちに増え、6月3日現在、4万3000人を超えようとしている。

官邸はSNSやインターネット上の反応にも敏感だ。


そのため、ここで首相会見の運用が大きく変わることになった。

新型コロナウイルスに関する記者会見は、2月29日の会見以降、3月14日、3月28日、4月7日、4月17日、5月4日、5月14日、5月25日の計7回開かれている。


フリーランスの記者は安倍政権下の7年2カ月以上、一度も質問者として指名されてこなかった。

しかし、2月末に江川氏が声を上げてからは、毎回、必ず一人はフリーランスの記者が指名されるようになったのだ。


私も4月17日の記者会見で、安倍政権下で初めて質問する機会を得た。

私はたった一度の質問機会を手にするまでに、7年3カ月以上もかかった。


もっとも残念なことは、その機会が会見の主催者たる内閣記者会の主導によってもたらされたものではなかったことだ。

 

・記者クラブが「国民共通の敵」になる日


私は質問者として指名された場合に備え、2つの質問を用意していた。

一つは自分の専門分野である「選挙」に関する質問。


もう一つは「記者クラブ問題」に関する質問だ。

いつものように、私は質問の事前通告はしていない。


また、万が一長谷川榮一内閣広報官に指名された場合にも、「一問一答のルール」を盾に阻まれないよう、続けざまに2つの要素をまるで「一問」であるかのように質問することを決めていた。

私の記者会見での質疑応答は、官邸ホームページに記録が残っている(※5)。


本稿のテーマに沿って、ここでは選挙に関する質疑は省略する。

私が「記者クラブ問題」について行った質問要旨は次の通りだ。


「総理は常々、国民に丁寧な説明をすると発言しているが、首相会見は参加する記者が限定され、質問の数も限られている。このような記者会見を可能にする現在の記者クラブ制度について、どう考えているか。今後、よりオープンな記者会見を開く考えがあるか」


私の質問を聞く間、安倍首相は時折、笑みを浮かべていた。

そして、記者クラブに関する問いにはこう答えた。


「記者クラブの在り方というのは、これは正に私が申し上げることではないかもしれません。それはまた、正に時代の流れの中において、今までのメディアが全てカバーしているのかと言えば、そうではない時代になり始めましたよね。ですから、その中でどう考えるかということについては、正に皆様方に議論をしていただきたいなと思います。ただ、自民党政権の中において、こうした形で御質問を頂いたのは初めてのことだろうと思います。こうした形で、できる限り皆さんの機会も確保していきたい」

 

・私自身も首相会見の共犯者になった


安倍首相が答え終わった時、私は追加質問をするために声を上げた。

「日本記者クラブでの会見に応じる考えはあるか」と問いかけたのだ。


安倍首相は就任以来、日本記者クラブが呼びかける記者会見に応じていない。

日本記者クラブの会見にフリーランスの記者は出席できないが、それでも官邸での会見よりは多様な記者が出席できる。


せめてその記者会見に応じるかどうか、言質を取ろうと思ったのだ。

しかし、私の質問は長谷川榮一内閣広報官によって遮られた。


「すみません。後の、他の皆さんが御質問を希望されているので、他の方に譲りたいと思います」

首相の言質を取れなかったことで、私自身も首相会見の共犯者になった。


「こうした形で、できる限りみなさんの機会も確保していきたい」という、首相の「言いっぱなし」を許してしまったからである。

それでもまだ、私は記者側が巻き返せる希望がわずかにあると考える。


「会見の主催者は内閣記者会」という「建前」は、いまも温存されているからだ。

内閣記者会のみなさんには、よく考えてほしい。今、世間のメディア不信や記者クラブ批判がやまない理由がどこにあるのかを。


私は世間に「記者クラブ廃止論」があることを十分承知している。

記者クラブ問題に関する安倍首相の回答があった後も、記者クラブが行動していないことも知っている。


正直なところ、「情けない」と思っている。

それでもなお、私自身は「記者クラブ廃止論」に与することを躊躇している。


なぜなら、理想のゴールは「記者クラブに関する日本新聞協会編集委員会の見解」ですでに示されているからだ。

 

・求められる記者クラブの変革


一番の問題は、内閣記者会が理想に近づくための行動を起こさないことだ。

このままでは、私もまもなく「記者クラブ廃止論」を唱えることになるだろう。


記者同士の対立で得をするのは、一体誰なのか。記者であればわかるはずだ。

今はまだ、形だけとはいえ「主催権」が残っている。


すでに徳俵に足がかかった状態だが、まだ間に合うかもしれない。

しかし、内閣記者会が行動せず、多くの人が「記者クラブは権力側と共犯関係にある」と認識した時、記者クラブメディアは死を迎える。


このまま権力の広報機関として「同化」する道を選べば、記者クラブは「国民共通の敵」となるからだ。


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安倍首相の会見で手を挙げつづけても、質問できるまで7年3カ月かかる
PRESIDENT 2020/06/11
https://president.jp/articles/-/36011?page=1