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■田中角栄はアメリカにハメられた…今明かされる「ロッキード事件」の真相 現代ビジネス 2020.11.15 春名幹男 国際ジャーナリスト

2022-05-27 05:43:14 | 日記

 

 

■田中角栄はアメリカにハメられた…今明かされる「ロッキード事件」の真相

現代ビジネス 2020.11.15

春名幹男 国際ジャーナリスト

https://gendai.ismedia.jp/articles/-/77216


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・ロッキード事件は「復讐劇」か


どんな陰謀も「動機」なしに企むことはない。

動機があるから企みを実行する。

動機はしばしば、「怒り」から生じる。怒りは突発的なものであり、時とともに鎮まって、忘れてしまえば、雲散霧消することもあり得る。

だが、怒りは度重なると「憎しみ」となり、さらに「復讐」の動機を生む。

復讐のための陰謀を企むと、「純粋性」を失い、さまざまな計略を考える。

哲学者の三木清は、そんな人間の業を教えてくれる。

ロッキード事件をめぐって、数々の陰謀論が流布している。

しかし、これまでに浮上したどの陰謀説も、動機を立証できていない。

『ロッキード疑獄』は第一部で、田中角栄を葬った実行行為を特定し、法執行機関による捜査、刑事的決着までを描いた。

だが、田中角栄はなぜ葬られたのか。

ここでその理由を解明しなければならない。

長年にわたる取材で、実は田中角栄は、日中国交正常化以後、首相在任中の外交課題で繰り返しキッシンジャーらの激しい怒りの対象になっていたことが分かった。

怒りは雲散霧消することなく、憎しみに深化していったとみられる。

キッシンジャーが、田中の外交に復讐していたことも分かった。

その事実は、今に至るも、日本の外務省にもまったく知られていない。

 

・アメリカ国務長官の恐ろしい謀略


ロッキード事件は、国際政治スキャンダルでもあった。

英語ではこの事件は「スキャンダル」とも呼ばれている。

ここでは、「事件」と「スキャンダル」を分けて考えてみたい。

「事件」の方の動機、例えば贈賄の動機は立証済みであり、ここでは追及しない。

ここで探るのは、政治家としての田中を葬った、国際的な「スキャンダル」の動機である。

田中が“被害者”となったスキャンダルに、殺人事件の捜査手法を当てはめてみたい。

殺人事件の捜査なら、(1)殺害の凶器、(2)殺害の方法、(3)動機について、証拠を認定することが必要不可欠となる。

(1)田中を葬った凶器とは、「Tanaka」もしくは「PM(首相)」などと明記した証拠文書である。

(2)方法とは、その文書を日本側に引き渡し、刑事捜査を可能にした手続き。つまり、「キッシンジャー意見書」と日米司法当局間の文書引き渡し協定だ。文書は、意見書に基づき、米証券取引委員会(SEC)に渡され、日米協定に従い、最終的に東京地検に渡った。

その結果、東京地検による贈収賄罪事件の捜査が可能になった。

キッシンジャーはその際、自ら実行行為に参画したわけではなく、補助的な役割を演じただけだった。

しかし、スキャンダルも、(3)動機が証拠付けられなければ成り立たない。

その動機は、刑事事件の動機ではなく、田中を政治的に葬るという動機である。

既述の通り、(1)を含む文書を(2)が示す方向で、最終的に東京地検に届くよう導く役割を演じたキーマンは、事件発覚時の米国務長官ヘンリー・キッシンジャーだった。

残された課題は、キッシンジャーにどんな「動機」があったのか、なかったのかを確認することである。

 

・「田中外交」への嫌悪感


私とほぼ同じ時期に、米国政府文書を取材していた朝日新聞の奥山俊宏も、キッシンジャーが田中に対して「痛烈な皮肉の言葉を浴びせた」ことを文書で読んでいた。

しかし、発見した文書の数が少なかったせいか、キッシンジャーが田中を嫌った真の理由には到達しなかったようだ。

「キッシンジャーの田中への軽蔑の念が少なからず影響した」あるいは「キッシンジャーは、政策ではなく、その人格の側面から田中を蛇蝎のごとく嫌って……」などと、個人的な感情の問題に帰してしまっている。

確かに、キッシンジャー発言には感情的な言葉が多々見られる。

しかし、2人は公人同士であり、政策や外交戦略に絡む対立が出発点で、それに個人的葛藤が付随したのだ。

田中を葬ることにつながる、キッシンジャーの「動機」を示す文書記録は多数残されていた。

対立は「日中国交正常化」から、日本の「中東政策」、「日ソ関係」などの外交分野に広がっていた。


・眠っていた極秘資料


筆者は、ロッキード事件の取材を15年前、まさに「動機」を突き止める作業から始めた。

ある刺激的な秘密文書の存在を、長年の畏友が教えてくれたのがきっかけだった。

「国家安全保障文書館(ナシヨナル・セキユリテイ・アーカイブ)」という、民間調査機関の上級アナリストを務めるウィリアム・バー。2005年10月のことだ。

その前年に、彼のドキュメンタリーがABCテレビ番組「機密解除・ニクソンの中国訪問」で放映され、エミー賞ニュース・ドキュメンタリー調査部門賞を受賞していた。

彼が日本を訪れ、赤坂で食事をした際に、「驚くべき文書を発見した」と明かしてくれた。

その機密文書は翌2006年5月、国家安全保障文書館のホームページにアップされた。

テーマは「ニクソン―フォード政権時代の秘密外交を詳述する2100件のキッシンジャー『会談録』文書」の一つだった。

今も、ネット上の同じページに掲載されている。

筆者をロッキード事件取材に駆り立てたこの文書は、1972年8月31日付で、「トップシークレット/センシティブ/特定アイズオンリー」と指定された「会談録」だ。

「アイズオンリー」とは、配布後に回収される文書で、機密度が非常に高い。

 

・キッシンジャーの激しい「怒り」


キッシンジャー大統領補佐官は、その中で、田中角栄とみられる日本人らを烈火の如く「ジャップは上前をはねやがった」と罵っている。

キッシンジャーはなぜ、そんなに怒っていたのか。

「上前をはねた」とは、一体どういう意味なのか。疑問が募った。

この文書こそ、まさにキッシンジャーの激しい「怒り」を示した文書だったのだ。

しかも、田中による日中国交正常化を厳しく非難した言葉だった。

この文書からスタートして、米国立公文書館やニクソン大統領図書館、フォード大統領図書館などで、田中首相在任中の米国の文書を渉猟した。

長年の取材で分かったのは、キッシンジャーとニクソン大統領が、政治家田中の外交政策を嫌悪していたことだった。

「日中国交正常化」だけではなかった。

第四次中東戦争に伴う石油ショックで、田中は日本外交の軸を「アラブ寄り」に転換し、さらに独自の日ソ外交を進めた。

日ソ外交で、田中は今も知られていない復讐をされていた。

興味深いのは、田中自身を含めて、日本政府側は当時も今も、こうした米側の思考と外交をほとんど認識していないことだ。

ただ、日本の「アラブ寄り外交」への転換について、田中とキッシンジャーは激論を闘わせており、田中も米側の意向を十分理解したに違いない。

三木清ではないが、キッシンジャーの怒りは度重なり、「復讐心」を持つほどのレベルに達していったのである。


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田中角栄はアメリカにハメられた…今明かされる「ロッキード事件」の真相
現代ビジネス 2020.11.15
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/77216


■ロッキード事件の「真の巨悪」は田中角栄ではなかった 米高官・CIAを後ろ盾に暗躍した「元戦犯容疑者」たちを徹底究明 クーリエ・ジャポン(講談社) 2020.10.31

2022-05-27 05:42:53 | 日記

 

■ロッキード事件の「真の巨悪」は田中角栄ではなかった

米高官・CIAを後ろ盾に暗躍した「元戦犯容疑者」たちを徹底究明

クーリエ・ジャポン(講談社) 2020.10.31

https://courrier.jp/news/archives/216989/


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日本人の心に、強烈な印象を残した田中角栄。

ロッキード事件で、逮捕・起訴され、一、二審で実刑判決を受けて政治生命を絶たれ、病にも倒れて、鬼籍に入った。

しかし、この事件には、未解明の重大な疑問が残されている。

当時、ほとんどの日本人は田中が現職の首相時代に犯した犯罪だから、田中が「巨悪」だと受け止めていた。

だが、本当の巨悪は他にいて、断罪されないままになっているのだ。

田中訴追に直接関係する証拠は米国司法省から東京地検特捜部に引き渡され、法の裁きを受けた。

しかし、巨悪解明につながる証拠は提供されなかった。

アメリカは、なおその証拠を秘匿している。

戦後最悪の国際的疑獄となった、この事件。

昭和から平成、さらに令和の時代を迎えた今も、真相を紡げないまま、歴史のかなたに葬ってしまっていいのか、と痛切に感じる。

田中角栄の逮捕から40年たった2016年、田中に関する書籍や記事、テレビ番組が相次ぎ、角栄ブームにもなった。

かつての政敵の一人、石原慎太郎(いしはらしんたろう)が著した小説『天才』(幻冬舎)やNHKスペシャルなど、ドキュメンタリー番組も話題になった。

その中で、朝日新聞編集委員の奥山俊宏(おくやまとしひろ)が書いた『秘密解除 ロッキード事件』(岩波書店)は、新しい取材に挑戦し、米国の公開文書を系統的に点検していた(1)。

この本が出版された時、私はひやっとした。

奥山は、ロッキード事件に関する米国政府機密文書を発見して、2010年から朝日新聞に何度かスクープ記事を書き、本と同じタイトルの特集記事もまとめていた。

正直に打ち明けると、私は同じテーマで、彼に先駆けて、2005年から取材を開始し、関係文書を大量に入手していた。

その中には、奥山に先に報道された文書もある。

だが、まだ私の取材は全部終わっていなかった。

先に出版されてしまえば、それまでの長年にわたる取材が無に帰してしまう、と恐れていた。

案の定、彼の本が先に出版された。親切にも彼は著書を贈ってくれたので、慌てて読んだ。
意外にも、私の心配は杞憂(きゆう)だった。

 

・キッシンジャーが角栄を嫌った理由を突き止めた


彼が、アメリカの公文書を取材した意義は大きい。

しかし、多くの未解明の疑問に対する答えを出していなかった。

この著書の副題「田中角栄はなぜアメリカに嫌われたのか」という問いは、疑問符のまま残されている。

「キッシンジャーは、政策ではなく、その人格の側面から田中を蛇蝎(だかつ)のごとく嫌っており、その意味で田中は米国の『虎の尾』を踏んでいたと言える」と奥山は書いている。

しかし、真相はそんなことではなかった。

田中がアメリカに嫌われた真の理由、それを初めて明らかにする。

ロッキード事件は、第一段階で田中首相在任時の日米関係、第二段階で事件発覚から捜査、裁判に至る経緯、と二つの段階から成り立っている。

これまで、二つの段階の間に重大な因果関係があったことを解き明かした著作はなかった。
それを解明することによって、初めて事件の真相が見えた。

つまり、田中が政治的に葬られた理由は彼の外交にあったのだ。

 

・Tanaka文書の経緯を逐一追う

 

次々と出版された類書から大幅に遅れながら、あえて拙著『ロッキード疑獄』を上梓(じょうし)したのは、ロッキード事件の新しい歴史を刻むことができたと考えたからだ。

事件解明の最大の壁は、事件が「アメリカ発」であり、米国政府から捜査資料を入手しなければ、捜査は不可能という現実だった。

捜査資料とは、全部で5万2000ページ以上、ロッキード社が保管していた秘密文書のことだ。

最終的に、東京地検特捜部が入手したのは、そのうち2860ページだった。

本書では、これらの文書が辿った複雑な道のりと関連の動きを、逐一、丹念に追うことによって真相を追究する手法を取った。

田中の運命を決したこれらの文書は、どのような経緯で東京地検特捜部にたどり着いたのか。

文書の中には、確かに「Tanaka」ないしは「PM」(Prime Minister=首相=の略)と明記した文書があった。

特捜部の捜査をリードした堀田力(ほったつとむ)も、そのことを認めている。

これらの文書は、田中や丸紅、全日空両社の首脳らの逮捕、起訴、裁判の過程で、活用された。

 

・巨悪の正体

 

しかし、アメリカは田中関係の文書とは対照的に、「巨悪」に関する情報の公開を阻んでいる。

「巨悪」は訴追を免れたが、その全体像は、ロッキード事件の三年後に発覚したダグラス・グラマン事件も含めた取材で、浮かび上がった。

その正体とは、どんな人たちなのか。

日本では、おぞましい人たちが姿を現した。

戦前・戦中は軍国主義を突き進み、終戦直後に「戦犯容疑者」として連合国軍総司令部(GHQ)に逮捕され、巣鴨(すがも)拘置所に勾留されたものの、起訴を免れ、釈放された「紳士」たちだ。

アメリカでは、彼らを生き返らせて、表舞台に復帰させた「フィクサー」らが暗躍した。

その後ろ盾に、米国の軍部と軍需産業から成る軍産複合体が控えていた。

東西冷戦の激化で、アメリカは日本を「反共の砦」として、経済的に繁栄させるため、これらの元戦犯容疑者たちを復活させた。

日米安全保障体制を強化するため、アメリカは1950年代以降、自衛隊に高価な米国製の武器・装備を導入させた。

その「利権」を分け合った日米の黒いネットワークが露呈したのが、ダグラス・グラマン事件であり、ロッキード事件だったのだ。

事件の主役は、日米安保関係の根幹に巣くう人脈であり、彼らを「巨悪」として訴追すれば、安保体制は大きく揺らぐところだった。

事件を表面化させたアメリカ上院外交委員会多国籍企業小委員会(チャーチ小委)のジェローム・レビンソン首席顧問は、事件が「インテリジェンスの分野に入ってしまったので、チャーチ小委の調査も終わってしまった」と筆者に語った。

この証言は、日米安保関係の秘密の部分に調査のメスを入れることができなかった事情を雄弁に語っている。

「巨悪」のグループには、米国の軍産複合体のほか、米中央情報局(CIA)も含まれている。

日本の元戦犯容疑者たちは、CIAの協力者としても暗躍したのである。

 

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■ロッキード事件の「真の巨悪」は田中角栄ではなかった
米高官・CIAを後ろ盾に暗躍した「元戦犯容疑者」たちを徹底究明
クーリエ・ジャポン(講談社) 2020.10.31
https://courrier.jp/news/archives/216989/


■CIAに支配され続けた日本政治の基本構造 「摘発される人・されない人」 植草一秀(2010年1月21日)

2022-05-26 04:35:11 | 日記

 

■CIAに支配され続けた日本政治の基本構造

「摘発される人・されない人」

植草一秀(2010年1月21日)

http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2010/01/cia-a85b.html

 

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拙著『知られざる真実-勾留地にて-』イプシロン出版企画

第一章「偽装」第7節「摘発される人・されない人」に日本の警察・検察の歪みを記述した。


田中真紀子氏、橋本龍太郎氏、青木幹雄氏、野中広務氏、村岡兼三氏、加藤紘一氏、鈴木宗男氏、辻元清美氏、西村眞悟氏などが検察勢力の毒牙にかけられたり、かけられようとした。


木村剛氏は日本振興銀行からの不正融資を指摘されたが、捜査の対象とされなかった。

森ビルは六本木ヒルズの回転ドアで多数の事故が発生していたにもかかわらず放置し、児童死亡事故を起こしたが、被疑者は逮捕もされなかった。


防衛医大教授は最高裁で逆転無罪とされた。

長銀粉飾決算事件で逆転無罪判決が示されたのは、同類の日債銀粉飾決算事件で大蔵省OBを無罪にすることを目的としたものであると考えられる。


私は拙著第一章第22節に小泉改革の本質を記述した。

小泉首相は「自民党をぶっこわす」と主張していたが、小泉氏が「ぶっこわした」のは、自民党の経世会支配の構造だった。


田中角栄元首相の派閥である旧田中派=平成研究会が支配する自民党の構造を破壊しようとしたのである。

旧田中派支配の構造を破壊して小泉元首相が構築したのは清和会による自民党支配だった。


岸信介氏の流れを汲む、自民党の保守本流が清和政策研究会=旧福田派である。


日本政治の対米隷属構造を確立したのは吉田茂元首相だが、その後、鳩山一郎内閣、石橋湛山内閣など、米国から一定の距離を置こうとした政権を排除し、対米隷属路線を日本政治に定着させたのが岸信介元首相であった。


山崎康彦氏の記事にも記されているように、米国はCIAを通じて日本の総選挙に介入し、選挙支援の資金提供を行ったことが明らかにされている。

明白な「内政干渉」である。


読売新聞の事実上の創設者である正力松太郎氏がCIAに操縦されていた事実も有馬哲夫氏などの研究によって明らかにされている。

名古屋大学教授の春名幹男氏は著書『秘密のファイル-CIAの対日工作-』でCIAの対日工作活動を詳細に解明された。必読の書である。

 

 

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■CIAに支配され続けた日本政治の基本構造
植草一秀(2010年1月21日)
http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2010/01/cia-a85b.html


■検察・警察はいつまで安倍政権への「忖度捜査」を続けるのか 週刊現代(講談社)2017.07.06

2022-05-26 04:34:52 | 日記

 

■検察・警察はいつまで安倍政権への「忖度捜査」を続けるのか

週刊現代(講談社)2017.07.06

https://gendai.ismedia.jp/articles/-/52209

 

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・「監視する存在」のはずなのに…


都議選史上、例のない自民党大敗北だった。


「風」によって結果が変わるのが昨今の選挙事情だが、公明党と並び、共産党にも追い上げられての23議席は、都民の安倍晋三政権への怒りの表明であり、国民感情もまったく同じだろう。

人は、「舐められた」と感じたら怒りを抱き、その屈辱感は忘れない。


国会で繰り返された安倍首相らの傲慢な態度と官僚らの誠意の欠片もない答弁、そして共謀罪などの強行採決に国民は呆れ、その右代表として都民は「反自民」を選択した。

安倍政権をここまで思い上がらせたのは、「官邸の力」である。


首相秘書官や官房長官以下のスタッフを、忠誠心を持つ“仲間”で固めたうえに、内閣人事局の持つ人事権で「霞ヶ関」を支配した。

さらに検察・警察を牛耳ることで、“身内”には恩を売り、逆らったものには容赦なく対処した。


その官邸と検察・警察の力関係を見せつけたのが、今年に入って始まった森友学園、加計学園、安倍氏が最も信頼するジャーナリストである山口敬之氏の準強姦事件だった。

いずれも検察・警察が、官邸に忖度して処理した。


検察・警察といった捜査権力と国税などの調査機関は、国民にとって怖い存在である。

嫌疑をかけられて冷静でいられる人間はない。


その怖さを知っているから、国民は公訴権を持つことで捜査・調査機関の上位に位置する検察に、政治家や官僚といった国民の税金で生かされなから権力を握る人間たちを「監視する存在」であって欲しいと願う。


だが、7年前の大阪地検事件以降、検察はその役割を放棄、ことに第二次安倍政権となって官邸の力が強まってからは、他の省庁同様、官邸を忖度する存在となった。

「法務・検察」のなかには、「赤レンガ派」と呼ばれる法務省のなかで出世を重ねるエリート集団と、地検特捜部などにいてコツコツと捜査力を磨く「現場派」が存在する。


「現場派のなかには、今も権力の監視役でいたいという意欲を持つ検事が少なくない」(司法記者)というものの、検察総体は政権との摩擦を望まず、それどころか起訴のハードルを上げ、警察、国税、公正取引委員会、証券取引等監視委員会などの捜査・調査機関の案件に消極的だ。


それが「永田町」の気の緩みを生み、政治家を甘やかす。国民にはその構図が読めるのであり、それが政権批判にもつながった。


森友学園の籠池泰典前理事長は、大阪地検特捜部の家宅捜索をテレビカメラを家に入れて出迎えたり、返済用の100万円を持って安倍昭恵夫人経営の居酒屋に出かけたり、都議選最終日の安倍首相の街頭演説に乱入したりと、最近、パフォーマンスに走り過ぎるきらいはあるが、「忖度捜査」を世に知らしめた効果は大きかった。


「昭恵夫人からの100万円寄付」を、口にした途端、それまで「民間人だから」と、国会招致を渋っていたのに、「偽証罪逮捕もありうる」と、証人喚問に切り替えた。

検察は官邸の意向を受けて、籠池氏を被告発人とする刑事告発が出されると、即時といっていいタイミングで受理して捜査宣言。


「国有地を8億円安く払い下げた」という財務官僚を被告発人とする告発状も受理しているが、こちらは捜査する素振りが見えない。


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■検察・警察はいつまで安倍政権への「忖度捜査」を続けるのか

週刊現代(講談社)2017.07.06

https://gendai.ismedia.jp/articles/-/52209


■背筋も凍る「警察官僚」600人の正体──安倍政権を護る「権力と情報の盾」 『特権キャリア警察官 日本を支配する600人の野望』(著:時任 兼作) 朝香裕(2018.06.19)

2022-05-26 04:34:26 | 日記

 

■背筋も凍る「警察官僚」600人の正体──安倍政権を護る「権力と情報の盾」

『特権キャリア警察官 日本を支配する600人の野望』(著:時任 兼作)

朝香裕(2018.06.19)

https://news.kodansha.co.jp/6212

 

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次々にスキャンダルが噴出しながら、安倍政権の支持率はなぜか急落しない。

倒れそうで倒れない。


それを支えているのは誰か──。

本書『特権キャリア警察官』は、警察庁のわずか600名のキャリア官僚=警察官僚が、その情報力と実行部隊によって安倍政権の「最重要官庁」となっている実態を明かす。


著者の時任氏はあるとき、旧知の警視庁捜査二課刑事からNHK会長M氏についての情報提供を求められた。

時任氏は警察取材歴が長く、この刑事と定期的に情報交換する関係を築いていたが、二課の刑事がなぜそんな情報収集をしているのか、不審に思ったという。

 
時任氏が尋ねると、刑事はさる警察庁大幹部の名前を挙げた。

「偉い筋からの特命ですから。これはやりますよ」


警察庁幹部からの「特命」だと明かしたのだ。
 
その後、M氏についての情報を求めていたのは、実は官邸中枢だったと判明した。


当時、M氏は問題発言を繰り返し、安倍政権の足を引っ張っていた。

その首をすげ替えるため、警視庁を動かしてM氏に関するネガティブ情報を集めていたのだ、と時任氏は書く。

 
警察の情報が、権力に直結しているのである。

警察が集めている情報はそれだけではない。


時任氏によると、政権批判で有名な女性新聞記者のプライベートや、週刊文春、週刊新潮記者の情報源まで収集しているという。


こうした情報がいったいどのように「利用」されているのか定かではないが、文部科学省の前次官のインタビューが週刊文春に掲載される直前、前次官が新宿の出会い系バーに通っていたと暴露されたことは記憶に新しい。

 
集められた膨大な情報のうち、明るみに出るのはごく一部だが、監視された当人にとっては恐怖以外の何物でもないだろう。

こんなことができるのは、全国47都道府県、30万人に及ぶ警察組織を握る警察官僚だけだ。

 
その総数は、わずか600人。毎年国家公務員総合職の難関を突破した東大、京大などのトップエリートが採用され、いまや財務省、経産省などをしのぐ人気官庁という。
 
入庁すると、ほぼ全員がいずれかの都道府県警のトップ=本部長に就任し、数千人、ときには4万6000人(警視庁)に号令する立場となる。


映画「踊る大捜査線」で柳葉敏郎が演じた室井慎次もそのひとりだが、特権を握るキャリア警察官は捜査一課や二課で刑事として働く実務はほとんど経験しない。

ただ「指示・命令」する存在として採用され、組織のなかで出世を重ねていく。


その過程で、政治との結びつきを強め、情報力を背景に影響力を強めていく。
 
現在、霞が関の高級官僚の頂点と言われる「内閣官房副長官」の座にある杉田和博氏も警察官僚。


安倍総理にもっとも数多く会っている男と言われる北村滋内閣情報官も然りだ。

いまや警察官僚の動向は、官界のみならず有力政治家の注目の的でもある。


しかしこれまで、その実態は謎につつまれてきた。
 
時任氏は、警察取材を中心に25年以上の取材歴を持つベテランジャーナリストで、警察組織の内部に知人も多い。


その時任氏が、あまりに肥大化し、強大な権力を握った「特権警察官」=警察官僚の実情をまとめたのが本書だ。

「日本を支配する600人」は、こんな面々だった。


読むと背筋が寒くなる。

 

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■背筋も凍る「警察官僚」600人の正体──安倍政権を護る「権力と情報の盾」
『特権キャリア警察官 日本を支配する600人の野望』(著:時任 兼作)
朝香裕(2018.06.19)
https://news.kodansha.co.jp/6212