あれもこれも

灰原中心二次創作サイトの創作人によるあれこれ日記。何かありましたら「拍手」からどうぞ。お礼は名探偵コナンの小ネタ三種類。

『劇場版魔法少/女まど/か☆マ/ギカ』新編:叛逆/の物/語を見ました。その1

2013-10-26 22:00:53 | 感想(その他)
 劇場版まどマギの「[新編]叛逆の~」を見ました。
 いつもどおり容赦なくネタバレしていますので、未見の方はご注意を。


 結局劇場で三回づつ計六回見たあの前後編映画から一年。ついに「新編:叛逆の~」の公開ということで行ってきました。実は26日は午後から出張でありまして、いつ見れるかなと思っていたら車で30分くらいの所の映画館が25時から県内最速上映をする、ということで行ってきました。
 途中普段と違う深夜の道に交差点を行きすぎたりしながら24時30分くらいについたらすでに物販ブースには長蛇の列ができてました。映画を見ずにグッズだけを買いに来た人もたくさんいたようです。うちのような田舎でこれということは都会のグッズ売り場はもっと壊滅的だったことでしょう。上映までまだ時間があったので並ぶこと15分。パンフと欲しかったグッズを購入し(一つだけすでに売り切れで買えなかったんですけどね)、公開特典の色紙を貰って席に着きました。さっそく色紙を開けてみたら私の好きなほむほむで「おお、これは幸先が良いじゃないか♪」などと浮かれていました。ええ、この時はまだ。
 映画の予告が始まり「かぐや姫の物語」が意外と面白そうだったり、ルパコナの予告が流れて「お~不二子ちゃんと哀ちゃん!」などと思いながらいよいよ本編の上映開始です。

 結論から言いますと映画が終わった瞬間は呆然でした。ちょっと抜け殻みたいになってましたよ。劇場を出る時売店で「一番くじの販売始めますよ~」という声がしてましたが、もう「一番くじなんて買えるような心境じゃない」というものです。「まさかこんな物語だったなんて何で?どうして?」とグルグル考えるんですが、でも一方で結末を否定できない自分もいるというそんな状態でした。まさしくいろんな意味で叛逆の物語でした。
 
 というわけで覚えているかぎり順を追って感想を書いていきたいと思います。

 「かつて一人の少女の犠牲によって世界が変えられた」と簡単に前作を説明するほむほむのプロローグがあってOPに突入するんですが、今思えばこのプロローグの時点から伏線だったわけですね。確かに前作の最後にまどかは「魔女を消し去る」という願いによって円環の理になります。
 まどかが願いを叶えようとする時にほむほむが泣きながら指摘するようにそれはまどかを犠牲にすることによって成り立つ世界です。その時にまどかは「これで良い」と納得した形で円環の理になるのですが、それは本当のハッピーエンドではないですし、何とも言えない後味の悪さを私たちに残しました。まどかの記憶をほむほむだけが残し、まどかのためにほむほむだけが終わりの無い戦いを続ける姿を見て「本当にそれで良いのか、それは結末として良かったのか」ということは前作を見た多くの人が持った感想だと思います。そして「でも二人にはこれしかなかったのかもしれない」と私も含めて多くの人が「大人の理屈」として受け入れたこの結末の、しかし一抹の後味の悪さを問い詰めたのが今回の物語だったと思います。
 前作の結末では多くの魔法少女は救われたけれどまどかとほむほむだけは救われてないということなんですよね。改めて考えるとこれはまどかの犠牲とほむほむの哀しみの上に成り立った世界の物語だったわけです。

 そんな伏線にはさっぱり気づかずOPを見ると今回の曲は「カラフル」ですよ。前編の「ルミナス」がまどか→ほむほむの曲、TV版の主題歌「コネクト」はほむほむ→まどかの曲、そして今回は魔法少女達の曲だったと思います。OPを聞きながらほむほむも含めた魔法少女五人の話なのかと、まどかだけじゃなくほむほむの周りにいる魔法少女の曲でありそして今回はそういう視点からのほむほむ救済の話なのかな~と思ってました。ええ、この時はまだそんな甘い事を考えてましたよ私はorz
 
 魔法少女が魔女っぽいもの(ナイトメアというものらしいです)を退治するシーンとお馴染みTV版や前編の冒頭のシーンが始まり、戸惑いながらも微妙に違う所があるので「ああ、ほむほむのループのうちの一つかな」と思いながら見ているんですが、どうもところどころに怪しい影が浮かびながらも平和な日常が描かれます。とはいえこれまでひとみがいたポジションに杏子がいて、さやかと杏子は親友になっていたり、さらにおかしいのがキュウべえがなんか可愛いペットみたいな生物になっている点ですよ!とにかくこいつがこんなのありえない!でもそんなことは無かったことのように物語は進んでいきます。
 そしていつもの転校のシーンでやってきたのは眼鏡ほむほむ。おおお、眼鏡ほむほむ可愛いなあ、と思いながらもやっぱりおかしい。マミさんをリーダーにした杏子、さやか、まどかの魔法少女グループに受け入れられるほむほむ。そしてマミさんの傍らにはあの衝撃のTV版第三話でマミさんをマミッたあのシャルロッテ(今回は「べべ」という名前が付いてました)がマスコットみたいに控えているわけですよ。しかもそれがなんか可愛い。それこそこんなの絶対おかしいよです。おかしな世界でしかし五人の魔法少女が連携してナイトメアという魔物を退治する世界、前作を見ているものからしたらどうしてこうならなかった!と幾度となく思った理想の物語が続いていきます。明らかにおかしいのにでもそこにあるのは夢のような世界…この冒頭の30分が幸せすぎてそれだけに見ている方としてはこの先が不安で不安で仕方ないんですよ。このシーンの一つづつがおかしい事だけが分かっているわけですし、敵の名前が「ナイトメア」ということから「たぶん夢なんだろうな」と思うんですが、それだけに不気味です。
 で、ここで出てくるのが最初の特報の時に出ていた「志筑仁美」のナイトメアです(今回、特報や予告の中に嘘は一切ありません。すべてが劇中の場面でそれがまたすごかったです)。この世界では京介はひとみちゃんと付き合ってるんですが、相変わらずもうどうしようもないヤツなわけですよ。きっとコナンが大人になったこういうやつになるな、という典型的なダメな彼氏でした。
 
 それはともかくそんな世界はやっぱりおかしいわけで、そこに気が付くほむほむ。ここから物語は一気に加速していきます。まず学生生活を楽しんでいるはずない杏子を呼び出して問いただすとやっぱりおかしい、そして異変を確かめるべく町の外に出ようとするもやはり出られない、この世界は閉じ込められている=ここは魔女の結界の中、ということで真相を確かめるためにもっとも特異な点であるマミさんの側の魔女シャルロッテことべべを締め上げに行きます。しかしこのべべは何ていったってマミさんのペット、あのマミさんが簡単に許すはずがありません。ということでほむほむVSマミさんになります。

 ここのバトルはすごかったです。現代銃器のほむほむとマスケット銃のマミさんの銃撃戦がこれが大迫力で動く動く。このシーンだけでも劇場で見る価値は十分にあると思うくらいのシーンでした。いやもう本当に凄まじかったです。マミさんの時間を止めて追い詰めたものの、どうしてもソウルジェムを撃てないほむほむ。苦手だと言いながらでも無限のループの中でマミさんと過ごしてきた時間を思ったのでしょうか?でも百戦錬磨のマミさんはそんな隙を逃がしません。そして追い詰められたほむほむがマミさんを嵌めるべく自分に向かって銃の引き金を引きます。これが特報第二段にあったほむほむ自決シーンですね。傷を負いながらその場を離れるとそこで待っていたのはさやか。さやかが魔女は全否定される存在じゃないんだとほむほむに語りかけます。
 ここもそうなんですが、ほむほむとまどか以外の魔法少女との交流がやっぱりキーワードになっているんです。こうやって何度もほむほむには違う分岐点もあったし、差し出される手も進める道もあったんですよ。そのために彼女は決して「ひとりぼっち」になってはいけなかったんだということが形を変えて描かれていきます。

 ついにほむほむが辿りついた結論はこの世界は魔女の結界でありそしてその魔女はほむほむ自身であるということでした。このあたりは重苦しかったですが、まあさすがに途中からは読めていたので「ああ、ほむほむ」と胸が痛いながらも耐えられました。最後にはアルティメットまどかが助けに来てくれるもんね、という期待もありましたし。ええ、この時はまだそんなことも思っていましたよ。

 そしておそらく今回のほむほむにとって最大のターニングポイントとなったまどかとのシーンが来ます。ほむほむがまどかに「怖い夢を見た」という形で、まどかが円環の理になること、全ての人から遠い存在になってしまって誰もまどかの存在を覚えていない事、そしてそれを覚えているのがほむほむだけでありその自分だけしか知らないという事実がとても怖くて苦しい事を泣きながら告白します。そのほむほむの言葉へのまどかの答えは「そんなのは嫌だ」ということ。真っ白な花畑の中で初めてまどかの本音を聞いてまどかを抱きしめるほむほむ。
 たぶんまどかがいなくなった世界でほむほむはずっと苦しかったんでしょうね。魔法少女に救済がもたらされた世界にあってまどかだけは救われないし誰もそのことを知らないことをほむほむはだけは知っていたし、まどかはそれで良いといって円環の理になったけれど、その誰からも愛され誰よりも愛した世界の中でまどかだけが幸せになれないことが苦しかったんだと思います。だからせめてまどかが愛した世界を守ろうとして魔法少女でありつづけたのがほむほむだったんですが、守れば守るほど当然その矛盾にも気づいていたことでしょう。そのほむほむがまどかの本音を聞いた時に、彼女の中でとるべき道は決まってしまったんでしょう。今から考えるとここはそういうシーンだったんだと思います。
 あとでほむほむが言ってましたがほむほむは「まどかの幸せのために」魔法少女になったのであって、他の目的なんて最初から無かったんですよね。

 ということで真相とともについに黒幕が明らかになります。そうです、やつですインキュベーター。これほどこいつが憎らしかったことはありません。本気で投げ飛ばしたい衝動に駆られましたとも。今思い出しても腹が立ちますよ。魔法少女として生を全うしたほむほむを結界に入れて円環の理に干渉できないようにした、とあの声とあの顔で滔々と話すQB。もうマジで踏みつけたいです。そしてその最終的な目的は円環の理のシステムを解析してまどかをインキュベーターの支配下に置くこと。この白い悪魔はもう本当にシバきたいですよ
 そんなことを当然ほむほむが許すはずはなく魔女具合をどんどん拗らせていきます。まどかを守るためには手段を択ばないほむほむですが、もうこの辺は痛々しくて見てられません。ああ、もうほむほむ!誰かほむほむを助けてあげてよ!!まどかあー!(泣)というものです。
 そしてここでついに事態が動きます。QBごときの策略は円環の理がお見通しですよ、ということで魔女化したほむほむを救うべくさやかと杏子とマミさんが共闘して魔女ほむほむと闘ってくれます。しかもさやかと杏子が和解しての共闘まであるというおまけつき。流れる挿入歌はKalafinaの新曲「misterioso」!!明るい無双ソングにのせて物語はクライマックスへ!!このあたりは圧巻でもう感動でスクリーンがにじんでました。ああようやくほむほむがまどかに会えるのか!と、ええ、信じてましたよ、この時はまだ。

 黒幕QBを撃破しざまあwな中、ついにほむほむのもとに円環の理がやってきます。ほむほむに救済の手を伸ばすまどか…そしてその手を掴むほむほむ…・
 はいいいいいいいい!???????
 え?ちょ!?ほむほむまさかの黒化!!!???えええ????何で?何で?とパニックな私を置いて物語は進んでいきます。魔法少女の願いが作り変えたまどかの世界を魔女の呪いでほむほむがさらに作り変えるという結末にはひたすら呆然です。最後の最後まで「嘘だあああ!」とさらなるどんでん返し期待しつつも目が離せないという展開。

 新たな世界でほむほむがしたことは円環の理から鹿目まどかのパーソナリティーを抜き取り、もう一度世界の中に復活させたということ。それに伴ってかつてまどかとともに世界を救済していた元魔女のさやかとシャルロッテことべべも人間として復活ということでした。まどかが望んだ幸せのために全ての呪いを一心に受けてまどかの敵となってまで実現する。それがほむほむの結論でした。その結果ほむほむ自身が人で無くなったとしても。
 
 この映画の中でいろんな形でほむほむは「一人になってはいけない」と言われます。しかし結局ほむほむは一人になることでまどかを救おうとしました。ほむほむはそれをまどかへの「愛」ゆえにだと言いますが、そんなほむほむの存在はただただ哀しいです。でもほむほむにとってはきっと最初から最後まで何の矛盾も無かったんでしょうね。まどかのためだけの魔法少女が辿りつくのは当然まどかのためだけの魔女です。最高の魔法少女と対になるのは最悪の魔女だと他ならぬQBが言っていたことですからね。すなわち円環の理という神のためには悪魔にならなければいけなったということでしょう。

 前作のラストシーンでほむほむは「悲しみと憎しみばかりを繰り返す、救いようのない世界」だと言っています。これがほむほむの本音だったんでしょうね。ほむほむにとって最初からまどか以外はどうでも良かった。そしてまどかが幸せになれない世界ならば要らない。だからたとえ見た目ハッピーエンドに見える世界であっても、本質的にそんな世界は間違っているんだから書き換える、そういう事なんだと思います。

 
 賛否両論だと言われ続けた作品です。叛逆とはほむほむへのまどかの叛逆であり、前作のラストを受け入れた全ての人々への叛逆だったんだんでしょう。
 こういう作品が視たかったわけじゃないです、でもこういう結論も否定できないというのが今の私の正直な感想です。ほむほむ視点から考えると全く矛盾がないだけに、複雑ながらやっぱり受け入れるしかない気もしています。
 
 少し時間を置いてまた見た時は違う感想があるのかもしれませんが、その時はまた改めて追記したいと思います。
 早速行ってきました。そして二周目の感想はその2に続きます。
 

 
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