映画『純黒~』を観てきました。
感想ももちろん書きますが、我慢できずに書いたラストシーン後のコ哀。
というわけで以下は激しくネタバレです。未見の方はご注意を。
東都水族館の事件の翌日、コナンは蘭を伴って阿笠邸を訪れていた。観覧車の惨事を伝えるニュースの後、「少し疲れた」と地下室に降りていった哀を気遣かうように地下への階段に視線を送る阿笠に、軽く合図を送るとコナンは静かに立ち上がった。
リズムをつけて扉を叩くと哀の返事がした。拒否ではないことに安堵しながら中に入ると、哀がテーブルにコーヒーを置くところだった。まるで自分がくるのがわかってたかのように、コーヒーは二杯分たてられていたが、いつものように濃黒のコナンのカップに対して向かい側の哀のカップはブラウンだ。
「オメーがミルク入れるなんて珍しいな」
「………なんとなくブラックは嫌だったのよ」
そう言いながらカップに口をつけた哀が慣れない風味にか顔をしかめた。
「………それで?聞きたい事があるんじゃないの?」
テーブルにカップを戻して哀がこちらに視線を向けた。
「ん?何のことだ?」
「とぼけないで。だったら何のために探偵団のあの子達の相手をさせるために探偵事務所の彼女を連れてきたの?」
やはり蘭を連れてきた意図を哀には見抜かれていたようで、コナンは両手を上げて降参の意を示す。
「悪い。けどオメーから何かを聞き出そうってわけじゃねーんだ」
その言葉に不機嫌そうに眉根を寄せる哀。
「誤解すんなよ。オメーはキュラソーの顔も知らなかったし、それにどうせ組織のことは聞いても話す気なんてねーだろ?」
哀がコナンに組織の詳細を語るつもりがないことは今さらだし、それにコナンとしても哀に秘密を抱えていることは同様だ。互いの不可侵領域を破るのは今ではない事を暗に哀に伝える。
じっとコナンの表情を伺っていた哀が小さく肩をすくめた。
「で、何の話?」
「………キュラソーの最期を、話してくれねーか?」
その言葉に哀は一瞬泣きそうな表情を見せたが小さくうなづくと哀がゴンドラの中から見た一部始終を語り始めた。
「きっと彼女は自分が子供たちを守った事に満足して逝ったと思うわ」
そう、締めくくった哀の言葉にコナンは目を瞑り小さく息を吐いた。
しばらく沈黙が地下室を支配する。
膝の上で組んだ手を見つめる哀の表情はコナンからは見えない。
「なあ、灰原」
呼びかけると哀はゆっくりと顔を上げた。
「オメーは死ぬなよ」
「え?」
「オメーの記憶も思い出も絶対に消させねえ。………だからキュラソーに自分を重ねるな」
「工藤くん………」
コナンの意思を込めた視線を向けると哀は小さく苦笑した。
「確かに私と彼女は似てるわ。きっと私が彼女でも同じ行動をとったと思う。………けどね、あの時、私は死ぬことは考えなかったの。子供たちを守るために生きなきゃって思った。それがどういう意味を持つのか、自分でもわからないけど………でも今はその答えじゃダメかしら?」
「灰原………」
そう、困ったように微笑む哀にコナンは大きくうなづいたのだった。
感想ももちろん書きますが、我慢できずに書いたラストシーン後のコ哀。
というわけで以下は激しくネタバレです。未見の方はご注意を。
東都水族館の事件の翌日、コナンは蘭を伴って阿笠邸を訪れていた。観覧車の惨事を伝えるニュースの後、「少し疲れた」と地下室に降りていった哀を気遣かうように地下への階段に視線を送る阿笠に、軽く合図を送るとコナンは静かに立ち上がった。
リズムをつけて扉を叩くと哀の返事がした。拒否ではないことに安堵しながら中に入ると、哀がテーブルにコーヒーを置くところだった。まるで自分がくるのがわかってたかのように、コーヒーは二杯分たてられていたが、いつものように濃黒のコナンのカップに対して向かい側の哀のカップはブラウンだ。
「オメーがミルク入れるなんて珍しいな」
「………なんとなくブラックは嫌だったのよ」
そう言いながらカップに口をつけた哀が慣れない風味にか顔をしかめた。
「………それで?聞きたい事があるんじゃないの?」
テーブルにカップを戻して哀がこちらに視線を向けた。
「ん?何のことだ?」
「とぼけないで。だったら何のために探偵団のあの子達の相手をさせるために探偵事務所の彼女を連れてきたの?」
やはり蘭を連れてきた意図を哀には見抜かれていたようで、コナンは両手を上げて降参の意を示す。
「悪い。けどオメーから何かを聞き出そうってわけじゃねーんだ」
その言葉に不機嫌そうに眉根を寄せる哀。
「誤解すんなよ。オメーはキュラソーの顔も知らなかったし、それにどうせ組織のことは聞いても話す気なんてねーだろ?」
哀がコナンに組織の詳細を語るつもりがないことは今さらだし、それにコナンとしても哀に秘密を抱えていることは同様だ。互いの不可侵領域を破るのは今ではない事を暗に哀に伝える。
じっとコナンの表情を伺っていた哀が小さく肩をすくめた。
「で、何の話?」
「………キュラソーの最期を、話してくれねーか?」
その言葉に哀は一瞬泣きそうな表情を見せたが小さくうなづくと哀がゴンドラの中から見た一部始終を語り始めた。
「きっと彼女は自分が子供たちを守った事に満足して逝ったと思うわ」
そう、締めくくった哀の言葉にコナンは目を瞑り小さく息を吐いた。
しばらく沈黙が地下室を支配する。
膝の上で組んだ手を見つめる哀の表情はコナンからは見えない。
「なあ、灰原」
呼びかけると哀はゆっくりと顔を上げた。
「オメーは死ぬなよ」
「え?」
「オメーの記憶も思い出も絶対に消させねえ。………だからキュラソーに自分を重ねるな」
「工藤くん………」
コナンの意思を込めた視線を向けると哀は小さく苦笑した。
「確かに私と彼女は似てるわ。きっと私が彼女でも同じ行動をとったと思う。………けどね、あの時、私は死ぬことは考えなかったの。子供たちを守るために生きなきゃって思った。それがどういう意味を持つのか、自分でもわからないけど………でも今はその答えじゃダメかしら?」
「灰原………」
そう、困ったように微笑む哀にコナンは大きくうなづいたのだった。
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