kamacci映画日記 VB-III

広島の映画館で観た映画ブログです。傾向としてイジワル型。美術展も観ています。

周南市美術博物館特別展「ウルトラセブン展」

2014年08月26日 | 展覧会
「ウルトラセブン展」
会場:周南市美術博物館
会期:2014年8月1日~9月15日

「ウルトラマン天空大博覧会」の頃から、ほぼ毎年のようにウルトラマン関係の展覧会が開催されているように思う。対象も細切れになってこのまま行くと「ウルトラ怪獣・星人展覧会」とか「メカニック・円盤展」とか「ZAT・MAC博」とか開催されるんじゃないか。

先日も書いたように今や、公設美術館は夏は絵本・サブカル系展覧会というのが王道になるのだろう。

さて、誰しも大好きな(なはず)ウルトラセブンなのだが、先に結論を書くと展覧会の中身としてはがっかり・・・。

展示物が基本的な設定とか見たこともあるものばかりで入門編程度。立体版ウルトラ大百科というような内容。これくらいの内容ならすでに30年以上前に「別冊てれびくん ウルトラセブン」で学んだぞ。(ちなみにこの本は中身が良く出来ているので、今だに持っている。)


【この本】

これも止む得ないことなのだが、展示品の多くが「ウルトラセブン」撮影時のオリジナルではなく、「オリジナルからの複製品」「イベント時使用品」「ビデオ作品撮影時のもの」が大半を占めている。残存するオリジナル品を出してもかなり損傷が激しいのだろうが、美術館の展示として、これはちょっと複雑な心境。

また、前の「ウルトラマン創世記」展もそうだったのだが、デザイナー成田亨についてほとんど言及されていない。新書「ウルトラマンが泣いている」を読んだら、その辺の背景がよく分かったが、そういう大人の事情は勘弁してほしいよ。

博物館・美術館の役割として、「保存収集・展示・研究」の3本柱があったと思うのだが、この展覧会には研究成果として新しい発見というものが感じられない。う~ん。
ミュージアムショップのグッズ販売もイマイチだし、そもそも図録も作っていないのだから、推して知るべしか。

そんな中でも良かったのが、企画検討時のメモ書き。続編やリメイクが制作される時の鉄則「何かが一緒で何かが新しい」を考え込んだ形跡が見て取れるし、今なら当たり前に見えることでも当時は無から産み出すに等しかったこと、制作陣のこだわりを再認識させられる。マーチャンダイズ化した現在だとこのメモの中身も大きくことなることだろう。

美術館を出てからチラシを見直したら、見ていなかったコーナーと作品がある。美術館の順路が分かりづらかったので、見逃しただと思い踵を返すと

「すみません、これは展示がなくなったんです。」

オイオイ

ところで、この美術館では11月に「三沢厚彦展」が開催される。また、足を運ぶことになるだろう。
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