◎ 史実に基づくってところが恐ろしい
◎ 実在の人物にあまり似ていないが、やっていることに説得力
◎ 笑える反面、スクリーンの外側で大量の死亡者
タイトルどおり、ソ連の偉大なる指導者スターリンが急逝。
跡目を巡って、No.2連中がえげつない内紛を繰り広げる。
ソ連史は詳しくないので、改めて調べてみたら、基本的な流れはほぼ映画通りだったらしい。
最終的に跡目争いに勝利したのは、スティーブン・ブシェミ扮するフルシチョフ。もちろん、ほとんど似ていない。彼に限らず、主要な顔ぶれはほとんど本人に似ていないが、「ウィンストン・チャーチル」のように特殊メイクをすることもなく、ほぼ素顔のまま、露助の政治家を英語で演じている。だがデフォルメされつつも彼らのキャラクターは「多分、あたらからずと遠からず」と思わせる説得力がある。
後継者レースの筆頭に躍り出るのは豪腕ベリヤ。NKVDのトップで映画全編を通して、逮捕・尋問・粛清を繰り広げ、強面の敵役を演じる。対抗するブシェミのフルシチョフは線も細く、見るからに頼りない。しかし、見た目のまんま鼠のように生き残りをかけて暗中飛躍する。
外務大臣モロトフを演じるのは、大好きなマイケル・ペリン。史実同様、活躍の場は少ないが、どっちつかずのレトリックを繰り広げるあたり、モンティ・パイソンの頃から変わっていなくて嬉しくなってしまう。
超武闘派のジューコフ元帥を演じるのは、これも大好きなジェイソン・アイザックス。いけ好かない権力者を演じさせたら天下一品だが、世界最強のソ連軍を手中にしてとても嬉しそう。後にその絶大な影響力が危険視されることになったのが読み取れる見事なキャスティング。(そうなのか?)
ロシア建築のロケがいい感じなのだが、なんとロケ地の一つはキエフ。シュワルツネッガーの「レッドブル」がモスクワロケというだけで話題だった頃から思うと、ほんと、ソ連は遠くになりにけり。
鑑賞後、原作のグラフィック・ノベルを読んだが、映画の方がかなりコミカルな描写を加え、映像的にメリハリが出ている。誰しもそう思うだろうが「博士の異常な愛情」な雰囲気が漂う。傍目にはオーバーなのが面白いのだが、自分たちが現実にこんな立場に置かれたら、同じように振舞っているんだろうな。
ただし、その笑いの反対側で現場の職員や大衆に結構な数の死亡者が出ているし、クライマックスは映画的に極端な展開になっているが、ゾッとするくらい恐ろしい。
こういう人がたくさん死ぬコメディ(もしくはポリティカルサスペンス)はやはり楽しい。
◎ 実在の人物にあまり似ていないが、やっていることに説得力
◎ 笑える反面、スクリーンの外側で大量の死亡者
タイトルどおり、ソ連の偉大なる指導者スターリンが急逝。
跡目を巡って、No.2連中がえげつない内紛を繰り広げる。
ソ連史は詳しくないので、改めて調べてみたら、基本的な流れはほぼ映画通りだったらしい。
最終的に跡目争いに勝利したのは、スティーブン・ブシェミ扮するフルシチョフ。もちろん、ほとんど似ていない。彼に限らず、主要な顔ぶれはほとんど本人に似ていないが、「ウィンストン・チャーチル」のように特殊メイクをすることもなく、ほぼ素顔のまま、露助の政治家を英語で演じている。だがデフォルメされつつも彼らのキャラクターは「多分、あたらからずと遠からず」と思わせる説得力がある。
後継者レースの筆頭に躍り出るのは豪腕ベリヤ。NKVDのトップで映画全編を通して、逮捕・尋問・粛清を繰り広げ、強面の敵役を演じる。対抗するブシェミのフルシチョフは線も細く、見るからに頼りない。しかし、見た目のまんま鼠のように生き残りをかけて暗中飛躍する。
外務大臣モロトフを演じるのは、大好きなマイケル・ペリン。史実同様、活躍の場は少ないが、どっちつかずのレトリックを繰り広げるあたり、モンティ・パイソンの頃から変わっていなくて嬉しくなってしまう。
超武闘派のジューコフ元帥を演じるのは、これも大好きなジェイソン・アイザックス。いけ好かない権力者を演じさせたら天下一品だが、世界最強のソ連軍を手中にしてとても嬉しそう。後にその絶大な影響力が危険視されることになったのが読み取れる見事なキャスティング。(そうなのか?)
ロシア建築のロケがいい感じなのだが、なんとロケ地の一つはキエフ。シュワルツネッガーの「レッドブル」がモスクワロケというだけで話題だった頃から思うと、ほんと、ソ連は遠くになりにけり。
鑑賞後、原作のグラフィック・ノベルを読んだが、映画の方がかなりコミカルな描写を加え、映像的にメリハリが出ている。誰しもそう思うだろうが「博士の異常な愛情」な雰囲気が漂う。傍目にはオーバーなのが面白いのだが、自分たちが現実にこんな立場に置かれたら、同じように振舞っているんだろうな。
ただし、その笑いの反対側で現場の職員や大衆に結構な数の死亡者が出ているし、クライマックスは映画的に極端な展開になっているが、ゾッとするくらい恐ろしい。
こういう人がたくさん死ぬコメディ(もしくはポリティカルサスペンス)はやはり楽しい。
題名:スターリンの葬送狂騒曲 原題:The Death of Stalin(imdb) 監督:アーマンド・イヌアッチ 出演:スティーブン・ブシェミ、サイモン・ラッセル・ビール、ジェフリー・タンバー、ジェイソン・アイザックス、オルガ・キュリレンコ |
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