日時:3月2日
映画館:サロンシネマ
パンフレット:A4版880円。言うまでもなく、テキスト満載の盛りだくさんの内容。読むのに一週間かかる。
公開初日が「第16回マカロニ大会」と重なってしまい、更には直後にモリコーネのオスカー受賞。もう、テンションは上がる一方。ようやく観ることができました。
時間が長いうえ、ミステリー仕立ての内容、遅い公開日決定、R-18指定とプロモーション的には不利な条件ばかり。おまけにアカデミー賞と日本公開日が近いこともあって、関係者の来日プロモーションも無し。先に劇場へ行った人たちによれば、「面白かったが、劇場は人が少なかった」とのこと。
確かにタランティーノの新作映画にしては観客が少ない。マカロニ大会開催日に公開初日をぶつけてくるから、こんなことになるのだ。(負け惜しみ)
とは言え、映画そのものは非常に面白い!
一度はなくなりかけた企画、70ミリ、モリコーネの音楽、密室劇・・・と色んな話題があるのだが、全てがちゃんと機能している。3時間もじっくりと楽しめる。
余談だが、3時間もあるウエスタンはよっぽど楽しめるか、よっぽど退屈か、大きく振れるようだ。前者は「続・夕陽のガンマン」とか「ジェシー・ジェームズの暗殺」、後者は「ワイアット・アープ(コスナーのヤツ)」とか「天国の門」。
まず、オープニングの雪景色とそれにかぶる絶望的なモリコーネが素晴らしい。素晴らしい自然を写し取った映画はそれだけでスクリーンで観る価値があるというものだ。
「ジャンゴ/繋がれざる者」がバリバリにマカロニウエスタンっぽかったのに対し、同じ西部劇でも本作はマカロニっぽさはない。当然のことだが、モリコーネ音楽も焼き直しではない。(今回、モリコーネがオスカーを授賞したのは、映画史に残る美しい話だと思う。)
本作は元ネタとして、カーペンターの「遊星からの物体X」が引き合いに出されるが、個人的にはそこまで類似性を感じなかった。我らがカート・ラッセルが全然別人だし、密室でも犯人は人間だからまだ安心。2万7千時間で地球上全体が呑み込まれるわけじゃない。(そうは言っても、馬小屋までの誘導ロープとか、いきなりの急展開は「物体X」のミスディレクションを彷彿とさせるのだが。)
個性的なキャラ、はじける会話、時間軸の崩し方などいずれもタランティーノ映画の色合いを強く出しているが、物語の流れがこれまでになかったくらい、一本強いものを感じる。あんまり余計なところに脱線したりしないからだろうな。また、ラストに向かう一気呵成の畳みかけ方は見事なものだ。
配役の中では、ジェニファー・ジェイソン・リーが出色。開幕時とラストでは全然、別人。この映画の彼女と言えば、終幕の大演説しか思い出さないくらいだ。(偶然だろうが、タランティーノ映画やその周辺には2世女優がよく出る。「パルプ・フィクション」のアマンダ・プラマーとか「ジャッキー・ブラウン」のブリジット・フォンダとか、付き合っていたミラ・ソルヴィーノとか「ナチュラル・ボーン・キラーズ」のジュリエット・ルイスとか・・・)
あとはウォルトン・ゴギンズ。元々、クセの強い悪役が多いし、顔も悪党顔なのだが、最後に見せる男気はカッコよすぎる。
「イングロリアス・バスターズ」もそうだったが、仕掛けとオチが分かったら、もう一度見たくなる映画。いずれにしても、もう1回、必ず行くであろう。
ところで、話が急展開する銃撃はエンツォ・G・カステラッリ親方の得意技。ストーリー上、無理がある銃撃ではないのだが、タランティーノが親方映画を意識していないと言ったら嘘になるよな。
映画館:サロンシネマ
パンフレット:A4版880円。言うまでもなく、テキスト満載の盛りだくさんの内容。読むのに一週間かかる。
公開初日が「第16回マカロニ大会」と重なってしまい、更には直後にモリコーネのオスカー受賞。もう、テンションは上がる一方。ようやく観ることができました。
時間が長いうえ、ミステリー仕立ての内容、遅い公開日決定、R-18指定とプロモーション的には不利な条件ばかり。おまけにアカデミー賞と日本公開日が近いこともあって、関係者の来日プロモーションも無し。先に劇場へ行った人たちによれば、「面白かったが、劇場は人が少なかった」とのこと。
確かにタランティーノの新作映画にしては観客が少ない。マカロニ大会開催日に公開初日をぶつけてくるから、こんなことになるのだ。(負け惜しみ)
とは言え、映画そのものは非常に面白い!
一度はなくなりかけた企画、70ミリ、モリコーネの音楽、密室劇・・・と色んな話題があるのだが、全てがちゃんと機能している。3時間もじっくりと楽しめる。
余談だが、3時間もあるウエスタンはよっぽど楽しめるか、よっぽど退屈か、大きく振れるようだ。前者は「続・夕陽のガンマン」とか「ジェシー・ジェームズの暗殺」、後者は「ワイアット・アープ(コスナーのヤツ)」とか「天国の門」。
まず、オープニングの雪景色とそれにかぶる絶望的なモリコーネが素晴らしい。素晴らしい自然を写し取った映画はそれだけでスクリーンで観る価値があるというものだ。
「ジャンゴ/繋がれざる者」がバリバリにマカロニウエスタンっぽかったのに対し、同じ西部劇でも本作はマカロニっぽさはない。当然のことだが、モリコーネ音楽も焼き直しではない。(今回、モリコーネがオスカーを授賞したのは、映画史に残る美しい話だと思う。)
本作は元ネタとして、カーペンターの「遊星からの物体X」が引き合いに出されるが、個人的にはそこまで類似性を感じなかった。我らがカート・ラッセルが全然別人だし、密室でも犯人は人間だからまだ安心。2万7千時間で地球上全体が呑み込まれるわけじゃない。(そうは言っても、馬小屋までの誘導ロープとか、いきなりの急展開は「物体X」のミスディレクションを彷彿とさせるのだが。)
個性的なキャラ、はじける会話、時間軸の崩し方などいずれもタランティーノ映画の色合いを強く出しているが、物語の流れがこれまでになかったくらい、一本強いものを感じる。あんまり余計なところに脱線したりしないからだろうな。また、ラストに向かう一気呵成の畳みかけ方は見事なものだ。
配役の中では、ジェニファー・ジェイソン・リーが出色。開幕時とラストでは全然、別人。この映画の彼女と言えば、終幕の大演説しか思い出さないくらいだ。(偶然だろうが、タランティーノ映画やその周辺には2世女優がよく出る。「パルプ・フィクション」のアマンダ・プラマーとか「ジャッキー・ブラウン」のブリジット・フォンダとか、付き合っていたミラ・ソルヴィーノとか「ナチュラル・ボーン・キラーズ」のジュリエット・ルイスとか・・・)
あとはウォルトン・ゴギンズ。元々、クセの強い悪役が多いし、顔も悪党顔なのだが、最後に見せる男気はカッコよすぎる。
「イングロリアス・バスターズ」もそうだったが、仕掛けとオチが分かったら、もう一度見たくなる映画。いずれにしても、もう1回、必ず行くであろう。
ところで、話が急展開する銃撃はエンツォ・G・カステラッリ親方の得意技。ストーリー上、無理がある銃撃ではないのだが、タランティーノが親方映画を意識していないと言ったら嘘になるよな。
題名:ヘイトフル・エイト 原題:THE HATEFUL EIGHT 監督:クエンティン・タランティーノ 出演:サミュエル・L・ジャクソン、カート・ラッセル、ジェニファー・ジェイソン・リー、ウォルトン・ゴギンズ |
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