kamacci映画日記 VB-III

広島の映画館で観た映画ブログです。傾向としてイジワル型。美術展も観ています。

ファースト・マン 4DX版

2019年02月13日 | ★★★★☆
日時:2月11日
映画館:109シネマ広島

ニール・アームストロングの半生を映画化。
宇宙ネタ好きとしては、これは外せない。
しかもせっかくなので、4DXで鑑賞。

さて、のっけのX-15の飛行から4DXの実力を実感!このシーンだけで1000円の追加料金が惜しくない。

本作は宇宙開発ドラマではあるが再現ドラマではなく、アームストロングの人間ドラマに視点を置いている。本国の映画評でもあるように、たぶんここが評価の分かれるところだろう。(宇宙開発の実録ドラマをご覧になりたい方は「ライトスタッフ」や「アポロ13」「ムーン」などの秀作を御覧ください。)

【以下、全て史実とはいえネタバレあり】

主要な登場人物は最小限にとどめられ、アームストロング一家のほかはアポロ11号クルーやエド・ホワイト、ディーク・スレイトンなど。ジム・ラベルやガス・グリソム、ジョン・グレン、ジーン・クランツといった有名どころはほとんど登場しない。

ジェミニ・アポロで起きた様々な事件、事故についても、アームストロングが経験していないことはほとんど描かれない。クライマックスの月着陸ではフライトセンターすら登場しない。有名な1202アラームのくだりもイーグル側だけで解決する。
特例なのはアポロ1号の火災事故で、逆に全体の流れからすると若干違和感を覚える。
とはいえ、他にもジェミニ8号事故、月着陸船テスト事故と充分盛りだくさんなのだが。

主役のライアン・ゴズリングもほとんど顔をいじっておらず、アームストロングには全然似ていない。しかし、映画の本質が史実の再現でない以上、アームストロング本人の物静かさや生真面目さを全身全霊で演じており、顔立ちなどは気にならない。また、夫婦の絆や家族の優しさといった描写も印象的だ。

さらに、サターンロケットや月着陸船などメカニカルな再現も素晴らしい。手持ちカメラの映像ともあわせて、高い臨場感を生み出している。

で、4DXだ。先に触れた見せ場全てで4DXパワーをフル発揮なのだが、特にジェミニ8号の事故など宇宙船が回転するという元々の事故の性格に加え眼前の映像の力もあって、最高の映画体験となる。4DXバンザイ。乗り物酔いする人や三半規管が弱い人は絶対に体験してはいけない。

ただ、その一方で4DX演出のクドい部分もあり、そこでは却って気を削がれてしまう。夜の湖のほとりであえて風を出す必要などない。観客はそこまで想像力に乏しくない。
本作の場合、4DX効果は見せ場だけで充分に良さが伝わる。

ということで、チャンスがあればぜひ4DXで御覧ください。

ところで、この技術、往年の傑作戦争映画で使ってくれないだろうか。「戦争のはらわた」4DX版、「プライベート・ライアン」4DX版、「ブラックホーク・ダウン」4DX版、そして、「Uボートディレクターズカット」4DX版。想像するだけでワクワクしてくるぞ!






題名:ファースト・マン
原題:FIRST MAN
監督:デミアン・チャゼル
出演:ライアン・ゴズリング、クレア・フォイ、ジェイソン・クラーク

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 恐怖の報酬 オリジナル完全版 | トップ | グリーンブック »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

★★★★☆」カテゴリの最新記事