kamacci映画日記 VB-III

広島の映画館で観た映画ブログです。傾向としてイジワル型。美術展も観ています。

ラ・ラ・ランド

2017年03月18日 | ★★★★☆
日時:3月5日
映画館:八丁座

ワタシが最も理解できないジャンルがミュージカル。
突如として、歌を歌い出すという理屈が分からない・・・。
時々、劇団四季を観に行くこともあるが、こんな人間は観に行ってはいけない。

とは言え、賞レースをブッチギリで突っ走っていた本作。予告編にも心踊るものがあったので、何年かぶりのミュージカルとなった。

最初はいがみ合っていた成功を夢見る男女がやがて恋に落ち、そして・・・と、書いているのも恥ずかしいストーリー。

なのだが、だから、この映画が評価されているのはよく分かる。
誰が観ても、自分を投影できる人生のエッセンスがぎっしり詰まっている。
叶えたい夢、思いかなった夢、果たせない夢、もうひとつの人生、
特に賞レースで投票するような立場の人たちで、この映画に描かれているような人生を歩んでいない人はいないんじゃないだろうか。

そういった意味で、より映画通に訴えかける中身にもなっている。
場末の映画館での名作映画デートなんて、映画好きの夢じゃないか。

映画の中盤、二人の愛が順調に進むシーンで涙ぐむのだが、普段、映画を見慣れているとこの二人の恋愛が上手く行かないことが透けて見える。二人の人生の目標が叶い、恋愛も成就するハッピーエンドはクサすぎると経験上、知っているからだ。

なので、多くの観客が自分の人生と重ねあわせるエピローグではボロボロと泣いてしまう。
全くズルい構成だよ。

ミュージカルと言いながら、思ったほど歌う場面は多くないが、撮影・構成に凝りまくっていて、監督の力の入れようが分かろうというもの。ワンシーンワンカットの撮影も興味深いが、「ここで1回止めたな。」って勘ぐるあたり嫌な観客。

鑑賞後、感動にひたるとともに、あまりしゃべりたくなくなる最強に冷めるデートムービーだな






題名:ラ・ラ・ランド
原題:La La Land
監督:デミアン・チャゼル
出演:ライアン・ゴズリング、エマ・ストーン

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