かみなり

心臓に人工弁を、耳に補聴器をしている昭和23年生まれの団塊世代です。趣味は短歌です。日々のよしなしごとを綴っていきます。

「塔」10月号に選歌されていた歌群

2019-10-12 10:56:47 | ブログ記事
今日「塔」10月号が届きました。

7月に出詠した歌群を記事にして、選歌された歌も記事にしますと予告しましたので、
お約束通り、記事にします。

つまらぬ作品ばかりですが、短歌に関心のある方にご参考にしていただければと思います。

選歌してくださったのは栗木京子さんです。



①晩年の義母は苛めし嫁われを頼りにせしよ認知症になり

②嫌なこと嫌とはつきり言へるひと羨(とも)しみながら眺めし日々よ

③若嫁のころのわたしはなにゆゑにあれほど義母に気を使ひしか

④学校でよい子よい子と褒められて悪い子供になり損ねたり

⑤もう少し羽目を外せばよかりしと気づくは古希を超えてこの頃

⑥難あるもよきか聞こえぬ辛さにて仲良くなれる難聴われら

⑦聞き取りの悪しき辛さで繋がれるわれら弱くて強き繋がり

なお、出詠してあった歌は次の10首でした。

1、難聴も困るが認知症もつと 困ることのみ増えて夫婦は
2、晩年の義母は苛めし嫁われを頼りにせしよ認知症になり
3、嫌なこと嫌とはつきり言へるひと羨(とも)しみながら眺めし日々よ
4、若嫁のころのわたしはなにゆゑにあれほど義母に気を使ひしか
5、言ひつけを異常に守る子でありし己と思ふ子供のころは
6、学校でよい子よい子と褒められて悪い子供になり損ねたり
7、もう少し羽目を外せばよかりしと気づくは古希を超えてこのごろ
8、難あるもよきか聞こえぬ辛さにて仲良しとなる難聴われら
9、耳のよき人らにいくら話せども耳の聞こえぬ辛さ通じぬ
10、聞き取りの悪しき辛さで繋がれるわれら弱くて強き繋がり

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10 コメント

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Unknown (nase_daioh)
2019-10-12 14:04:16
こんにちは、やっほです。
素晴しい歌の数々、何度も詠み返しました。
外された3歌も甲乙付けがたい。
びこさんの辿った人生に労いを捧げます。
「お疲れ様」
これからは自分勝手な人生を存分に楽しんでください(^^♪
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Unknown (kaminaribiko)
2019-10-12 14:12:58
@nase_daioh やっほさん、ありがとうございます。

今月は選者が、昭和29年生まれの栗木さんだったから、まだたくさん選歌していただけています。若い選者に選歌されたら、自信作でも10首中4首しか選歌されなかったりするから、ほんと嫌になります。

でも、やっほさんのように言ってくださる方が一人でもいる間は短歌もやめないでおこうと思います。

ありがとうございました。
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Unknown (izy_56)
2019-10-12 22:18:28
短歌の事は良く分かりませんが
読んでいてイメージと共にその時の想いがすーと心に入ってきます
素敵な作品ですね。
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Unknown (ハイジ)
2019-10-12 22:52:06
塔は結社のメンバーも多く選歌されるだけでもエリートです。
びこさんは選ばれて当然ですね。20年のキャリア。才能。
ハイジは始めて3年。20年のキャリアになると80代半ば。
銀河は?
ライバルに打ち勝って有名歌人になってください。びこさんなら大丈夫。
ハイジは底辺でお茶を楽しみに歌会に参加していきます。
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Unknown (kaminaribiko)
2019-10-13 03:18:22
@izy_56 イジーさんへ

本当はこういう単刀直入な歌はよくないらしいのです。が、しかし、私は持って回った歌い方より、こういうふうに直截に歌う歌が好きだから、こういう歌い方を通しています。

イジーさんに、そういうふうに言っていただいて、とても嬉しく思いました。

ありがとうございました。
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Unknown (kaminaribiko)
2019-10-13 03:25:58
ハイジさんへ

いつも、ありがとうございます。

イジーさんへのコメント返しにも書きましたが、こういう直截な歌はあまり評価されないのです。が、私の場合は、こういうふうに歌うしかなく、こういうふうに歌います。短歌を始めたころは、もっといろいろ工夫していましたが、最近は年取ったせいか「それが何?」と思うようになって、もうこの歌い方でいこうと開き直っています。

難聴の私には、ほかに頑張れるものがないから今後も短歌一筋で行こうとも思っています。

ほかに趣味を選べる人は短歌にしがみつくこともないと思いますが、私の場合は、これが宿命だと思ってやっています。下手でも一人の理解者があればいいかなとも思いながら・・・。

ハイジさんもご謙遜しないで頑張ってください。人生100年の時代ですから、70歳はまだこれからです。
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Unknown (黒幕子)
2019-10-13 12:18:30
 私はこのところほとんど詠んでなくて欠詠が多いのですが
10月号では花山多佳子さんが4種採ってくださいました。
彼女は年齢もそこそこだし少し甘いからとってもらえたけど・・・
 ほんと新嘗祭が分からないような若い選者には拒否感がありますね。栗木京子さんは女性選者の中では一番好きだし実作も素晴らしい。男性なら永田和宏 吉川宏志さんに選んでもらえたら嬉しいです。若い人では永田淳 山下泉さんです。真中さんも重鎮ですが少しクセがあるようです。歌会では皆さんお目にかかりますのでその時の印象もあります。
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Unknown (kaminaribiko)
2019-10-13 14:41:39
黒幕子さんの歌集は大変おもしろく読ませていただきました。

これは、やはり年代が近いということもあるのかもしれませんね。

若い人たちの歌は、評判ほどいいと思えないことが多いのです。

そのことをインターネット歌会で言いますと、若い人に、自分がいったいどんな歌を詠んでいるのですかと逆に詰問されてしまいました。年取ると黙っているしかないですね。それで、いったんやめていたのですが、しかし短歌の同年配の友人たちがしきりに戻るように言ってくれるから戻りました。私自身、ほかには楽しみもありませんし・・・。黒幕子さんは、趣味がたくさんあって、よろしいですね。
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Unknown (ハイジ)
2019-10-19 22:59:02
19日ひこね文芸発表会に行きました。全体会 講演 休憩の後 分科会で短歌に参加しました。秋の行事の多い日でした。
難聴で講演は聞こえず レジメで内容を勝手に解釈。
短歌はハイジ以外すべて短歌の役員のみ。後片づけに協力できたので[先生は喜んでくださった]良しとすることにします。
ひこね文芸38号の自分の歌を詠んだ時は【順番に読んだ】頭は真っ白 だって順番に短歌を話し合うのですよ。後の人は全員先生です。気の毒に思ったのでしょう。良いところを探してくださいましたが。参加者わずか4名でした。忘れることにしました。
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Unknown (kaminaribiko)
2019-10-20 04:10:09
ハイジさんへ

私は短歌には巧拙はあまり関係ないと思っています。ということは、先生と呼ばれる人も短歌の初心者も対等ということです。

「塔」では選者のことも先生とは呼ばずに「さん」付けで呼びます。それは、「塔」を始めた高安先生のお考えによるものです。

確かに短歌を作り慣れた人はそれなりの作品を作りますが、私に言わせれば「それが何?」です。

歌を作り始めた人でもハッとする歌を作られることがあります。

それは短歌が心を詠うものだからでしょう。

ハイジさんも、そんなに臆されずに、堂々としていてください。
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