加奈子のたららん うたレシピ♪

歌い手、声楽講師として活動中♪ 音楽のこと、日々のことをマイペースに綴っております。

懐かしの映画

2012-10-06 | 日記
昭和30年の日本映画“ここに泉あり”を久しぶりに見ました



第二次大戦直後の高崎の市民オーケストラが、群馬交響楽団(以下、群響と記す)へと成長する草創期の実話を舞台としたヒューマンドラマ。現代の大都市においても運営が難しい交響楽団を、終戦直後の衣食住にも困る時代に地方都市で立ち上げ、活動する事から当然のように押し寄せる困難な事態に、事務方、楽団員が苦しみながらも、山村の子どもにも演奏を届けていく事などで、市民と共に歩む社会運動と変貌していく姿が描かれている。(Wikipediaより抜粋)

この映画に出ている俳優さんたちの豪華な事と言ったらありません。
岸恵子や岡田英次、小林桂樹、沢村貞子、草笛光子、東野英治郎などなど、今や重鎮と言われるような方々ばかり。
錚々たる顔ぶれです。
そして、先日お亡くなりになった大滝秀治さんはこの映画でスクリーンデビューだったそうです。
ご冥福をお祈りいたします。

群響は、地方のアマチュアオケからプロオケになった稀なケースと言えると思います。
ストーリーがとても魅力的なのは言うまでもありませんが、キャストの中に多くの音楽家が本人役として出ていることも
この映画の魅力です。

作曲家の山田耕筰は、指揮者として出演。また現在もご活躍の、恐らく日本人最高齢ピアニストの室井摩耶子氏や東京交響楽団も出演。
この映画の音楽担当が團伊玖磨と言うのも、驚きです。
音楽の教科書に出てくる写真の人が、普通に映画の中で動いてしゃべっているのですから。

そもそも、私がこの映画のVTRを買った理由は、映画の最後の第九シーンにあります。
『苦しい時期を乗り越え、大きな演奏会を開けるようになったオーケストラが山田耕筰氏を指揮者に迎えて、ベートーヴェンの“第九”を演奏する』

このシーンに、わたしの恩師・伊藤亘行先生が出ていらっしゃるのです。
私が師事したときには既に藝大を退官され現役を退いてらっしゃいましたので、先生が舞台でお歌いになられている姿は
一度も拝見することが出来ませんでした。
音楽には人一倍厳しい先生ではありましたが、いつもとても穏やかで温かい先生でした。
私が学生の時に先生はお亡くなりになり、もう10年が経ちます。
しかし、こんな風に映像であっても先生のお声、お姿を拝見できるのは本当に嬉しいものです。

そんなわけで毎回、特別な思いで最後の第九シーンは見入ってしまいます


わたしには、特別な映画です。
が、音楽にはあまり詳しくない、よくわからない、クラシックには興味ない、と言う方にもオススメできる映画です。
ドキュメンタリー映画だと思って見ても、十分魅力溢れる映画だと思います。

ぜひ一度、ご覧下さい