2017.3.12 05:03更新
【産経抄】「国民情緒」が法に優先する韓国のどこが民主国家なのか 3月12日
その昔、旅先の宿で隣室から朗々と謡曲が流れてきた。なかなかうまい。「止めてみせようか」と謡(うた)い始めたのは、時の観世大夫である。隣は水を打ったようにしんとなった。自分より秀でた腕前に驚いたらしい。
▼後日、別の宿に移ると、隣から下手な謡曲が聞こえてきた。止めてください。水を向ける弟子に、観世は首を振る。先日のは達人だった。今日の人は他人の巧拙がまだ分からない。うっかり謡い出そうものなら「負けん気を出して、声を張り上げるに違いない」と。
▼話術も同じ。独善は慎め。エッセー『話道の泉』でこの挿話に触れた徳川夢声が説いている。身につまされる話ですね、そう思いませんか…。熱情にのぼせる隣人の耳には、届かぬ説法だろう。「国民情緒」とはかくも人の理性を狂わすものかと鼻白む思いがする。
▼韓国・朴槿恵(パク・クネ)大統領の罷免は予見できたとして、憲法裁判所の裁判官全員が「弾劾妥当」と声をそろえたのは意外だった。世論の約8割が弾劾を支持し、「法より情」の圧力が国の左右を決める。異質な怪物が威張る隣国を、民主国家と呼ぶことに違和感を覚える。
▼隣人の変調に、北朝鮮は手をたたいていよう。対北融和と反日色の濃い左派系の有力者が支持率で抜き出ている。大統領選の行方しだいで、親北政権の誕生も、慰安婦問題の解決に向けた一昨年の日韓合意が白紙に戻る恐れもある。事は「わが国の危機」でもある。
▼韓国には声で敵を討つという意味の「声討」なる言葉があるらしい。感情に任せてがなり立てる街頭の声は、国のトップを討ち取った。理性の及ばぬ国情を前に「目を覚ませ」と道理を説くのか。観世流の静観を決め込むべきか。始末の悪い“隣の謡曲”に日本の応手が悩ましい。
*強調(太字)は来栖
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2017.3.11 21:42更新
「韓国の北朝鮮化が進む」 呉善花氏が福岡で講演「悪者は完全に潰すという国民性がある」
拓殖大の呉(オ)善(ソン)花(ファ)教授は11日、福岡市内で講演し、朴(パク)槿(ク)恵(ネ)氏を大統領から罷免した韓国について「韓国には『悪者は完全に潰す』という国民性がある。そのような国民情緒を前に、憲法裁判所も全員一致で罷免を決定した。今後、韓国の北朝鮮化が進むだろう」と語った。
呉氏は、朴氏の今後について「親族ではなく、本人が汚職に関わっているとされる。国民は、道徳国家・韓国として許してはいけない非道徳な悪人と見ている。失職の次は逮捕、拘束される姿を見たい、という国民感情があるだろう」とした。併せて「弾劾裁判が全員一致で罷免としたことも、国民情緒に乗った結果だろう。裁判官ですら、この情緒には逆らえない」と述べた。
次期大統領選では、朴氏弾劾を先導し、世論調査で先行する文(ムン)在(ジェ)寅(イン)氏が当選するとの見方を示した。その上で「親北朝鮮の姿勢は隠し、慰安婦や強制連行などで反日を強め、国民の情緒に訴えるだろう」と述べた。
また、韓国の内政が、北朝鮮と同じように、社会主義的な政策に傾くと指摘した。
呉氏は、その理由として「韓国では、貧富の格差が拡大し伝統的な韓国らしさを失ったと考えられている。一方、北朝鮮は民族の主体性を保っているとして親近感を持つ国民は多い」と指摘した。
北朝鮮の弾道ミサイル発射や、金(キム)正(ジョン)恩(ウン)朝鮮労働党委員長の異母兄、金正(ジョン)男(ナム)氏がマレーシアで殺害された事件もあったが、呉氏は「金正恩(委員長)は、韓国の北朝鮮への接近は後戻りしない、と自信を持っているだろう」と述べた。
国際情勢を勉強する「一月三舟」の会(代表世話人、松尾新吾九州電力相談役ら)で講演した。
◎上記事は[産経新聞]からの転載・引用です
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