中国国防予算、17兆円 米(63兆円)の約4分の1 日本(4兆9800億円)の約3.4倍 世界2位の規模

2015-03-04 | 国際/中国/アジア

中国国防予算、米に次ぐ世界2位の規模 15年「約10%増」
 日本経済新聞 2015/3/4 22:47
 【北京=島田学】中国の2015年の国防予算は引き続き米国に次ぐ世界2位となる見込みだ。全国人民代表大会(全人代、国会に相当)の傅瑩報道官は4日の記者会見で15年国防予算について「前年実績比の伸びは、だいたい10%前後」と述べ、過去最高を更新するとの見通しを示した。8890億元(約17兆円)規模となる計算だ。

   

 ドル換算では、5343億ドル(約63兆円)を計上した米国の16会計年度(15年10月~16年9月)の国防予算案(戦費除く)の約4分の1に相当する。円換算では、日本の15年度防衛予算案(約4兆9800億円)の約3.4倍の規模だ。2兆4672億ルピー(約4兆7800億円)としたインドの15年度国防予算案の約3.5倍にあたる。
 中国の国防予算の増額は、世界の軍拡を誘発する一因だ。最新の予算案では、日米印各国が中国への対応などを念頭に、それぞれ国防関連予算を前年から上乗せした。なかでも日印両国は過去最高額を計上した。対中脅威論が根強い東南アジアなど周辺国の軍拡につながる可能性がある。
 英国のシンクタンク、国際戦略研究所(IISS)によると、14年の世界全体の軍事費総額は前年比3.6%増えた。インフレ率などを加味した実質ベースで4年ぶりの増加に転じた。アジア全体での13年から14年にかけての軍事費増加額のうち63%を中国が占めるなど、中国の軍拡が突出していると指摘した。
 中国の15年国防予算の具体額は、李克強首相が5日の政府活動報告の中で発表する。昨年3月の全人代で発表した14年の国防予算は前年実績比で12.2%増の8082億元(約15兆4300億円)だった。今年も伸び率が10%以上なら5年連続の2けた増となる。
 傅氏は記者会見で「国家の安全を守るには軍隊の現代化が必要だ。我々の軍備は、まだ必要な水準に達していない」と主張。国防予算の増加傾向は今後も続くとの見方を示した。
 特に近隣国との海上での摩擦を背景に、海空両軍を中心に国防予算を毎年積み増しているようだ。アジア太平洋への回帰を掲げる米軍への対抗意識も強く、現在は中国初の国産の空母の建造に着手しているとされる。
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中国の国防費10%前後増 高い伸び率に
 NHK NEWS WEB 3月4日 17時18分
 中国のことしの予算案で、国防費は去年と比べて10%前後増え、引き続き高い伸び率となることが分かりました。
 これは全人代=全国人民代表大会が5日から始まるのを前に、傅瑩報道官が4日、記者会見して明らかにしたものです。
 この中で、記者から中国政府のことしの予算案に計上される国防費について「去年の国防費を上回るのか」と質問されたのに対し、傅報道官は、具体的な金額は5日明らかにするとしたうえで「増加幅は10%前後となる」と述べました。
 中国の国防費は、去年の予算案では8082億人民元余りと前の年の執行額に比べ12.2%増えるなど1989年以降、2010年を除いて、毎年2桁の伸び率で増え続けています。
 国防費の大幅な増加の理由について、傅報道官は「装備の研究開発は大部分は自国で行い、場合によっては、一から行わなければならない。また多くの将兵の生活保障も絶えず強化する必要がある」と話しています。
 そのうえで傅報道官は「中国の国防政策は防御的なものだ。われわれは今後も平和発展の道を歩み続ける」と強調しました。
 しかし、中国政府は国防費の内訳を公表しないほか、実際には軍が行う研究開発や宇宙開発にかかる費用などが公表される国防費とは別枠になっているとみられるなど、透明性は不十分だとして国際社会の懸念を引き起こしています。
*国防費増大の要因
 中国は、国家の発展に見合った強大な軍事力を持つことが、不可欠だとして、毎年、高い水準で国防費を増加させています。
 イギリスのシンクタンク、国際戦略研究所は、去年までの2年間にアジア全体で増えた軍事費のうち、中国が、63%余りを占めたと指摘しています。
 習近平指導部は、海洋権益やシーレーン=海上交通路の確保に向けて、とりわけ海軍と空軍の増強に力を入れています。
 アメリカの国家安全保障局の報告書などによりますと、中国は、最近、太平洋・インド洋に展開できる新型のミサイル駆逐艦を大量に建造し始めたとされるほか、南シナ海で、軍事拠点の建設を一層加速させています。
 また、ウクライナから購入して2012年に海軍に配備した中国初の空母「遼寧」は、実戦での運用を目指しているほか、初の国産空母の開発や建設も進められているとみられています。
 さらに、弾道ミサイルを搭載できる原子力潜水艦の建造や、レーダーで捉えにくいステルス戦闘機の開発にも力を入れているほか、宇宙やサイバー空間での軍事力の増強を、急ピッチで進めているとされます。
*各国の国防費との比較
 中国の国防費は、アメリカに次いで世界第2位の規模となっています。
 中国の国防費は、去年の予算案で8082億人民元余りで、ことしの予算案はこれをベースとして、仮に10%増加した場合、およそ8900億人民元、日本円で、およそ16兆9000億円となります。
 この金額は、2014年度の日本の防衛関連予算およそ4兆9000億円の3.5倍に当たります。
 日本の防衛省が、去年まとめた防衛白書によりますと、2014年度の世界各国の国防費のうち、アメリカは5933億ドル、日本円でおよそ70兆円と突出して多くなっていますが、中国が毎年10%以上の増額を続け、その差を急速に縮めています。
 このほか、主だった国としては、イギリスが343億ポンド、日本円でおよそ6兆3000億円、韓国が35兆7000億ウォン、日本円でおよそ3兆8000億円、オーストラリアが、293億オーストラリアドル、日本円で、およそ2兆7000億円などとなっています。
*官房長官「引き続き注視したい」
 菅官房長官は、午後の記者会見で、「中国の国防費は去年まで前の年に比べてほぼ二桁の伸びを示しており、透明性も不十分であることに政府としては留意している。
 まだ正式に発表されていないが、2015年の国防費を含め、関連の動向は引き続き注視していきたい」と述べました。
 そのうえで、菅官房長官は、「中国の国防費うんぬんではなく、日本を巡る地域の安全保障はさまざまな要因から厳しい状況にある。
 わが国自身の外交や防衛といった努力を積み重ねることに加え、アジア太平洋地域を重視するなかで、日米同盟の強化にしっかりと取り組み、この地域の平和と安定のために貢献していくことが極めて重要だ」と述べました。
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1 コメント

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2010年もほぼ2桁増 (抑制が戦争を遠ざける)
2015-09-04 12:46:05
>2010年を除いて2桁増

リーマン・ショック後の10年は6.3%といっても、大きな数字には変わりなく、四捨五入すれば2桁です。

しかも中国の軍事費は未公表分を含めば3~5割増しと言われており、仮に5割増しとすると、2010年も9.5%でほぼ2桁だったことになります。

未公表の軍事費があることにも、留意すべきです。
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