滋賀・呼吸器事件「無罪が確実」 西山美香さん会見「早く終わって」 2019/10/23

2019-10-23 | 身体・生命犯 社会

呼吸器事件「無罪が確実」 西山さん会見「早く終わって」
 中日新聞 夕刊 2019年10月23日                         

  滋賀県東近江市の湖東記念病院で2003年、入院患者の男性=当時(72)=の人工呼吸器のチューブを外して殺害したとして懲役12年が確定し、再審公判が決まった「呼吸器事件」で、元看護助手西山美香さん(39)=同県彦根市=と弁護団が23日に大津市内で会見し、「無罪が確実な状況になった」と表明した。検察側がすでに実質的に有罪立証を断念する旨の意向を弁護団に示しており、即日結審で来年3月末までに判決を受ける見通し。
 弁護団は会見で、検察側から「再審公判の主張等について」と題する18日付の書面を受け取ったと説明。書面で検察側は、新たな有罪立証をしないことのほか、殺害に関する西山さんの自白調書を弁護側が証拠として採用しないよう求めている点については裁判所に一任し、排除決定がなされても異議を申し立てないとしている。公判は来年3月末までの一回結審による早期終結を求めるとした。
 書面を受けて弁護団は21日、一回結審に同意し、年度内の判決を求める旨の意見書を裁判所に提出した。
 弁護団長の井戸謙一弁護士は会見で、検察側は証人尋問は不要であるとしていることなどから「事実上、美香さんの無罪は確実な状況になった」と説明した。
 明るい表情で会見場に現れた西山さんは「早く終わってもらえれば、両親は安心して普通の老後生活が送れる」と語った一方で、「裁判所がどうしてくれるか不安な面はあります」と述べた。
 再審開始を認めた17年12月の大阪高裁決定は、弁護側の主張に基づき、男性は自然死した可能性があるとしており、ことし3月に最高裁が決定を確定させていた。再審公判に向けてことし4月に始まった裁判所、弁護団、検察側による三者協議で、検察側は当初、有罪立証をする方針を示していたが、9月に一転して、法医学者らの証人尋問の申請を撤回し、新たな有罪立証は行わない方針を示していた。
 <大津地検の高橋和人次席検事の話> 有罪のための新たな立証はせず、確定審などで取り調べられた証拠などに基づき、裁判所に適切な判断を求めることとした。

  ◎上記事は[中日新聞]からの転載・引用です


 再審無罪が確実の元看護助手、安堵の表情「両親が安心する」 滋賀・病院患者死亡
  2019/10/23(水) 11:02配信  毎日新聞 
 滋賀県東近江市の湖東記念病院で2003年、人工呼吸器を外して男性患者を殺害したとして殺人罪で服役後、再審での無罪が確実となった元看護助手、西山美香さん(39)=同県彦根市=が23日、大津市内で記者会見し「早く無罪が決まると両親が安心するので、ありがたい」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。再審公判で検察側は有罪立証しない方針を固めている。
  西山さんは03年5月に男性患者(当時72歳)の人工呼吸器のチューブを外して殺害したとして、懲役12年が確定した。12年に申し立てた第2次再審請求で大阪高裁は17年12月、有罪の根拠とされた自白調書は誘導で作成された恐れがあると指摘し、男性は自然死の可能性があるとして再審開始を決定。今年3月に最高裁も支持して再審が決まった。大津地裁での再審の進め方について地裁、検察、弁護側の3者協議が続いていたが検察側が有罪立証を断念する方針を固め、無罪となることが確実になった。
  西山さんは、検察側が大阪高裁決定を不服として最高裁に特別抗告したことを念頭に「今まで抗告してきたのは何なんだと思う」と憤った。検察、弁護側双方が初公判での結審と今年度内の判決を求める書面を地裁に提出していることから、西山さんは「(検察側も)1回で終わらせることには驚いたが、うれしい」と笑顔を見せた。ただ、無罪が最終的に確定していないこともあり「裁判所の判断が不安だ」と明かした。   再審公判を巡り、3者協議で検察側は当初、有罪立証をする考えを示していた。ところが、9月の協議で検察側は「新たな証拠立証をしない」と方針転換した。
  会見に同席した弁護団は、検察側が有罪立証を断念した理由について、検察側が提出した書面などから「殺害に関する西山さんの自白は信用性が足りないとした大阪高裁決定を覆す、新たな証拠の提出は困難と判断した」と説明。井戸謙一弁護団長は「無罪はほぼ確実になった。再審が申し立てられた段階で証拠を精査していれば、もっと早く結論が出たはずだ」と検察側を批判した。
  一方、大津地検は23日、「新たな立証はせず、(これまでの裁判で)取り調べられた証拠等に基づき、裁判所に適切な判断を求めることにした」とのコメントを出した。【諸隈美紗稀、礒野健一、小西雄介】

 ◇滋賀・湖東記念病院事件   湖東記念病院(滋賀県東近江市)で2003年5月、入院中の男性患者(当時72歳)が死亡。県警は04年7月、任意聴取に対して「人工呼吸器のチューブを外した」と自白した看護助手の西山美香さんを殺人容疑で逮捕した。西山さんは公判で否認に転じたが、捜査段階の自白調書が決め手となり、07年に最高裁で懲役12年が確定した。第1次再審請求は11年に棄却が確定。第2次再審請求は15年に大津地裁で棄却されたが大阪高裁が再審開始を決定し、最高裁で確定した。西山さんは高裁決定前の17年8月に和歌山刑務所を出所した。  最終更新:10/23(水) 12:00 毎日新聞

 ◎上記事は[Yahoo!JAPAN ニュース]からの転載・引用です 

【滋賀・呼吸器事件】検察が有罪立証を断念 2019/10/22 殺人罪で12年服役の元看護助手 西山美香さん 再審無罪へ 
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* 滋賀・呼吸器事件 西山美香さんの再審開始確定 最高裁2019/3/18付け
【滋賀・呼吸器事件 再審決定】西山美香さんの手紙2(1~8) 中日新聞2017/7/9~8/27
* 【滋賀・呼吸器事件 再審決定】西山美香受刑者の手紙(上・中・下) 中日新聞2017/5/14~28 
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