手のひらを返したような岡田ジャパン礼賛の嵐 毀誉褒貶のジェットコースター

2010-07-01 | 相撲・野球・・・など

余録:岡田ジャパンの「元気」
 「この大会では二つの可能性がある。私のはげ頭にキスをしてもらえるのか、それともトマトをぶつけられるかだ」。かつてサッカーのイタリア代表監督をつとめたアリゴ・サッキ氏の言葉だ。称賛も非難も一身で引き受けるのが代表監督だ▲「(ゲーム内容を)覚えてないんだよね。いまだにビデオも見ていない。自分の中でトラウマになっているのかもしれない」。岡田武史日本代表監督は、1次リーグ3戦全敗で非難を浴びた98年ワールドカップ(W杯)フランス大会について7年前の対談で明かした▲それに先立つ予選では「負けたら日本にいられなくなる」と夫人に電話したこともあった岡田監督だ。その途方もない代表監督の重圧を知りながらあえて日本代表を率いた2度目のW杯挑戦は、チーム全員のみごとな敢闘をたたえる歓声と拍手のなかで終幕を迎えた▲何しろ今度の南アフリカ大会初戦のカメルーン戦の直前まで「負けなら大会途中でも監督解任すべし」との声すら聞かれた日本代表だ。それが今や「岡ちゃんごめん!」と手のひらを返したような岡田ジャパン礼賛の嵐だから、いやはや代表監督も本当に大変である▲この世評の激変に「これだけ変わるということは、また変わるということ。バッシングされても褒められても自分の道を進むだけ」とはご当人だ。フランス大会以来の毀誉褒貶(きよほうへん)のジェットコースターは十分に堪能したろう▲どうも縮こまりがちな自己評価でがんじがらめになった今日の日本人だが、「世間の評判」を実力によりひっくり返してみせた岡田ジャパンだった。分け与えてもらった「元気」は大切にしよう。
毎日新聞 2010年7月1日 0時14分

世界も認めた「岡ちゃん、ごめんね」 勝っても負けても偉業は消えない


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