2017.5.3 05:03更新
【産経抄】日本国憲法が70歳 平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して… 北の3代目が喜びそうな夢物語の美文だ 5月3日
江戸いろはかるたの一つに〈総領の甚六〉がある。手を掛けられて育った長男は、弟たちに比べてぼんやりしたもの-と世間知らずを笑った句だという。「総領」は跡取りで、「甚六」はお人よしの代名詞である。
▼人は70年も生きれば、世の変転に即して世過ぎのすべを身につける。この「甚六」はしかし、周りに気遣いを強いるだけ強いて、生まれてこの方守られてきた。西修・駒沢大名誉教授によると、制定は世界で古い方から14番目だという。日本国憲法が70歳を迎えた。
▼同じ敗戦国でも3歳若いドイツの憲法は2012年7月までに59回、延べ200条の改正が行われた(『憲法改正の論点』文春新書)。風雪にさらされた衣服は綻(ほころ)びる。現実と憲法の相関も同じで、わが子が物笑いの種とならぬよう身なりを整えるのが親心だろう。
▼太平洋上では、海上自衛隊の護衛艦が米艦を初めて防護した。米国から片務性をなじられてきた日米同盟は、ようやく新たな段階を迎えている。ただし、急迫する朝鮮半島の情勢を前にしても、現行の憲法では自衛隊による拉致被害者の救出も輸送もままならない。
▼「安倍晋三政権の下では…」と反対野党の声がする。遅々とした改憲議論は、国民の安全をはかりにのせた無責任な実験でしかない。憲法9条ではなく、自衛隊と日米安保が平和を支えてきたと多くの国民は気づいていても、積年の過保護のツケを払い続けている。
▼いろはかるたは〈京の夢大阪の夢〉で終わる。甚六だけの世なら、憲法前文も珍重されよう。〈平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して…〉。北の3代目が喜びそうな夢物語の美文である。世界の情勢が刻々と変化する中で、平和はそれこそ「今日の夢」で終わりかねない。
◎上記事は[産経新聞]からの転載・引用です *強調(太字)は来栖
――――――――――――――――――――――――
◇ わが国の「平和ボケ」病は膏肓に入り、世界の現実を認識できなくなっている。ある民進党議員は、テロ等準備罪が成立したら本気で国外亡命を考えると訴えていた。2017/4/22
◇ 湾岸戦争…多国籍軍に参加しなかった日本、「金は出しても汗はかかない」と国際社会から非難を浴びていた
◇ 「憲法9条が日本を守っている」という無知と現実逃避が、日本を危機にさらしている ケント・ギルバート
◇ [ めぐみさんを守れなかった平和憲法 ]阿比留瑠比の極言御免 2013.7.18
-----------------------------------------------
◇ 「憲法9条で平和が守られた。何国人が作ったものであろうと、よいものはよい」という錯誤、思考停止
「憲法9条で平和が守られた。何国人が作ったものであろうと、よいものはよい」という錯誤、思考停止
「憲法9条で平和が守られた。何国人が作ったものであろうと、よいものはよい」という錯誤、思考停止〈来栖の独白 2015/5/3 Sun. 〉 『憲法を変えて戦争へ行......
...............................................................