死刑囚 初の裁判員裁判へ 矢野治被告 2018/11/12/初公判

2018-11-10 | 死刑/重刑/生命犯

死刑囚 初の裁判員裁判へ
2018年11月10日 10時23分 毎日新聞
東京地裁:死刑囚、初の裁判員裁判 12日に初公判
 死刑が確定した後に2件の殺人事件を告白し、殺人罪で起訴された指定暴力団住吉会系元会長、矢野治被告(69)の裁判員裁判が12日、東京地裁=楡(にれ)井英夫裁判長=で始まる。死刑囚が被告となった裁判員裁判は初めて。刑法は「死刑囚に他の刑は執行しない」と定めていることから、今回の判決は有罪となっても執行されない。初のケースに裁判員がどう向き合うか注目される。
 起訴内容などによると、矢野被告は1996年8月、住吉会系元幹部ら3人=いずれも容疑者死亡で不起訴=と共謀し、神奈川県伊勢原市の不動産業、津川静夫さん(当時60歳)を殺害したとされる。98年4月には、東京都新宿区の不動産会社社長、斎藤衛さん(同49歳)を単独で殺害したとされる。
 矢野被告は2003年に前橋市内のスナックで4人を射殺したとして殺人罪などに問われ、14年3月に最高裁で上告が棄却され、死刑が確定。その後2人の殺害への関与を認める上申書を相次いで警視庁に提出し、その内容に基づいて2人の白骨遺体が発見された。
 東京地検は17年5~7月、2事件で矢野被告を起訴。しかし、2事件とも起訴時点で「何らかの方法で首を圧迫した」とする以上の殺害方法や死因は明らかになっておらず、ある検察幹部は「共謀したとされる人物など多くの関係者が既に死亡しており、立証は容易ではない」と話す。
 矢野被告は2事件を告白した後に否認に転じたとされ、警視庁幹部は「矢野被告が死刑執行を先延ばししようとしている可能性がある」とも指摘する。公判での認否によって裁判員が難しい判断を迫られる可能性もある。
 死刑囚の審理に裁判員はどう向き合えばいいのか。元裁判官で裁判員制度に詳しい青木孝之・一橋大法科大学院教授(刑事法)は「2事件とも被害者と遺族がいる。仮に判決が刑に反映されないとしても、被告が罪に値する行為をしたのかどうか、事実を明らかにする必要がある。裁判官は裁判の意義をしっかりと裁判員に説明すべきだろう」と話している。【蒔田備憲】
■矢野治被告を巡る事件の経過
1996年8月 3人と共謀し、津川静夫さんを殺害か(今回の起訴内容)
  98年4月 斎藤衛さんを殺害か(同上)
2003年1月 前橋市のスナックで4人を殺害(確定判決)
  14年3月 前橋事件で最高裁が上告を棄却
     9月 警視庁に斎藤さん殺害への関与を告白する上申書を提出
  15年5月 警視庁に津川さん殺害への関与を告白する上申書を提出
  16年4月 神奈川県伊勢原市の山林で津川さんの遺体発見
     11月 埼玉県ときがわ町の山林で斎藤さんの遺体発見
  18年11月 東京地裁で津川さん、斎藤さん事件の初公判

 ◎上記事は[@niftyニュース]からの転載・引用です
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【裁判員制度のウソ、ムリ、拙速】 大久保太郎(元東京高裁部統括判事)  『文藝春秋』2007年11月号
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確定死刑囚初の裁判員裁判、「執行引き延ばし」の見方も
2018.11.10 19:35
 死刑が確定した後、別の2件の殺人事件への関与を告白し、殺人罪で起訴された指定暴力団住吉会系元会長、矢野治被告(69)の裁判員裁判が12日、東京地裁(楡井英夫裁判長)で始まる。確定死刑囚が被告となる裁判員裁判は初めて。刑法は「確定死刑囚に他の刑は執行しない」と規定しており、仮に今回の裁判で有罪となっても処遇に影響はない。「死刑執行の先延ばし目的」との見方もあるが、真相解明を求める遺族らの期待にどこまで応えられるか注目される。
 矢野被告は平成15年1月に前橋市のスナックで4人が死亡した拳銃乱射事件の首謀者として群馬県警に逮捕され、26年3月に死刑判決が確定した。
 その後、8年に不動産業の津川静夫さん=当時(60)、10年に会社役員の斎藤衛さん=当時(49)=の殺害に関与したと告白する文書を警視庁に送付。警視庁は矢野被告の供述などに基づき、神奈川県と埼玉県の山中でそれぞれの遺体を発見した。
 警視庁が逮捕に踏み切ったのは、矢野被告が事件への関与を告白しながら、その後の任意聴取に応じなくなったためだ。捜査関係者によると、現在は再び事件について自らの主張を述べており、事件への関与や告白の意図を法廷でどう語るかが焦点となる。
 刑法の規定により、2件の殺人罪で有罪となっても矢野被告の死刑囚という立場に変わりはないが、裁判が終結するまで死刑の執行はない。仮に最高裁まで争えば刑の確定まで3年程度かかる可能性もあることから、告白の目的を「死刑執行の先延ばし」とみる捜査関係者もいる。
 だが、ベテラン裁判官は「裁判では事実を認定し、どの程度の刑が相当かを裁判所が言い渡すことに意義がある」と強調。「事件発覚の経緯として前の判決に触れるかもしれないが、裁判員には個別の事件として量刑も含め判断してもらうことになるだろう」と話す。検察幹部は「すでに死刑が確定しているとはいえ、今回の事件の被害者2人には遺族がいる。裁判は粛々と行う」としている。

 ◎上記事は[産経新聞]からの転載・引用です
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死刑囚 矢野治被告(確定後に2件殺害告白)…無罪主張の方針 2018/11/12 東京地裁初公判
◇ 確定死刑囚の矢野治容疑者を殺人罪(斎藤衛さん殺害)で起訴 東京地検 2017/05/01
19年前の斎藤衛さん殺人容疑で、矢野治確定死刑囚(「檻に3日間監禁、殺した」と告白)を逮捕へ 警視庁
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◇ 永田町の黒幕を埋めた矢野治死刑囚の告白(10)警視庁が捜索を始めた死体遺棄場所『週刊新潮』2016/3/17号
永田町の黒幕を埋めた矢野治死刑囚の告白(9)カタギ「津川静夫」さん殺害の背景 『週刊新潮』2016/3/10号
永田町の黒幕を埋めた矢野治死刑囚の告白(8)10億円利権でカタギを手に掛けた 『週刊新潮』2016/3/10号
永田町の黒幕を埋めた矢野治死刑囚の告白(7) 遺族証言と一致 実行犯・秘密の暴露『週刊新潮』2016/3/3号
永田町の黒幕を埋めた矢野治死刑囚の告白(6)「斎藤衛」とは別の、もう一つの殺人『週刊新潮』2016/3/3号
永田町の黒幕「リュー一世(斉藤衛)」を埋めた矢野治死刑囚の告白(5)『週刊新潮』2016/3/3号
矢野治死刑囚の告白 (3)(4)結城実氏「リュー一世(斉藤衛)を遺棄した経緯」週刊新潮2016/2/25号
永田町の黒幕「リュー一世(斉藤衛)」を埋めた矢野治死刑囚の告白(1)(2) 週刊新潮2016/2/25号
「他の人物も殺害した」前橋スナック乱射事件の矢野治死刑囚が警視庁に文書提出 平成26/9/7付
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