支持率上昇で世襲ラッシュ 自民党

2012-10-19 | 政治

〈Yahoo!みんなの政治 記事読みくらべ〉
支持率上昇で世襲ラッシュ 自民党のマニフェスト破り
 2012年10月19日 週刊文春
  衆院議員の任期も3年を越え、今期限りで引退を表明する自民党のベテラン議員が増えてきた。しかし、後継者は、「政治の私物化」批判もどこ吹く風の世襲のオンパレードである。
  福田康夫元首相、大野功統元防衛庁長官、武部勤元幹事長は長男、中川秀直元幹事長、田野瀬良太郎元総務会長は次男が後継に内定、もしくは有力視されている。
  いずれも党県連や選挙区支部が候補者公募を実施し、応募者の中から選考する段取りを踏んでいるが、ほとんどが出来レースなのが実態だ。
  自民党は、9月の総裁選でも立候補した5人がいずれも2世、3世で、安倍晋三総裁、高村正彦副総裁、石破茂幹事長以下3役も全員世襲議員。今や「世襲党」と言っても過言ではないが、3年前の衆院選では「配偶者と3親等内の親族が同一選挙区から立候補する場合は次回の総選挙から公認、推薦しない」という世襲制限方針がマニフェスト(政権公約)に明記されていた。
  これを適用すれば、親子のバトンタッチは許されないはず。なぜ明白なマニフェスト違反がまかり通っているのか。その秘密は前回衆院選後に行われた党改革にある。
  野党に転落した自民党は政権奪還に向けて、当時の谷垣禎一総裁らをメンバーとする政権構想会議をつくり、党の立て直し策をまとめた。この過程で世襲制限方針を白紙に戻していたのである。将来は息子に継がせたいと思っているベテラン勢が、小泉純一郎元首相の次男進次郎氏が圧勝したことなどを引き合いに「勝てる候補かどうかを最大の基準にすべきだ」と声高に白紙化を求め押し切ったという経緯だった。
  確かに個別選挙区だけ見れば、世襲は圧倒的に有利。前回衆院選で落選し、6月に引退を表明した自民党の深谷隆司元通産相は、世襲せず、公募で33歳の男性が後継者に選ばれたが、支援者からは、「長男を後継者に」という声が多数寄せられたという。
 「確かに名前を覚えてもらうのは、息子の方が有利。ただ、私は、政治家は1代限りであるべきという信念を貫かせてもらった。世襲だからダメだと一律に決めつけるつもりはないが、これだけ続くと自民党は変っていないというイメージを与えてしまうでしょう」
  民主党ばりの“マニフェスト破り”。支持率上昇に意気上がる自民党だが、行く先には落し穴もありそうだ。
※各媒体に掲載された記事を原文のまま掲載しています。


コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。