安倍首相と3人の慶應大学病院の主治医 外遊、自宅、スポーツジムにも往診 過去に「真っ赤な血が…」 〈週刊朝日〉
2020/8/29(土) 20:15配信 AERA dot.
安倍晋三首相は持病の潰瘍性大腸炎が6月に再発し、慶應大学病院(東京・新宿)へ8月、検査や治療で通院していた最中、辞任を決断した。現在、慶應病院ではかん箝口令が敷かれているが、病院関係者はこう話す。
「安倍さんの主治医は3人います。3人とも、安倍さんが若いころから世話になっている同医学部消化器内科元教授・日比紀文医師(現・北里大学病院炎症性腸疾患先進治療センター長)の愛弟子。彼らも日比教授時代から安倍さんの治療に加わっていました」
3人とも消化器内科、予防医学センター(人間ドッグ)などの幹部でクローン病や潰瘍性大腸炎研究チームのメンバーだという。
「安倍さんの病状が順調な時は秘書が慶應病院に薬を取りにくるのですが、悪化すると、3人のうち1人が自宅や六本木のスポーツジムへ往診に出向き、問診や薬を処方していた。安倍さんの外遊にも必ず、誰か1人が同行していた」(同前)
安倍首相が6月に体調を崩して以降、ガン化しやすい潰瘍性大腸炎の経過を主治医らは内視鏡検査などでチェックしていたという。
「安倍さんの体に内視鏡を入れているのは慶応で一番、腕がいいI医師。8月の再検査でもガン化はみられなかった。ただ潰瘍性大腸炎の悪化で従来の治療薬アサコールでは症状を抑えられず、点滴や献血に用いる針で片方の腕より血液を取り出し、特殊な筒を用いて炎症を引き起こしている血液成分(主に白血球)を取り除き,もう一方の腕から血液を戻すことで炎症を落ち着ける血球成分除去療法を受けている。この療法は1回90分程度は必要です」(同前)
安倍首相が8月17日、24日に2度、慶應病院を訪れたのは、この治療のためだったという。
「安倍さんはVIPなので検査は1時間もあれば、十分です。3から7時間滞在したのは、治療のため。この療法で寛解するためには週1、2回のペースで計10回は処置を受ける必要がある。当初は通院治療でしのぐことも検討したが、10月半ばまで毎週、通う必要がある上、国会対応などの激務は耐えられないと判断したんでしょう」(同前)
安倍首相が潰瘍性大腸炎による体調の異変を感じ始めたのは、じつに50年近く前、中学時代にまで遡る。日本消化器学会の市民向け広報誌「消化器のひろば」(2012年秋号)に、首相本人の秘話が掲載されたことがある。
前述した元主治医の日比医師との対談で、安倍氏は中学3年の時にお腹に異変を感じたと振り返っている。
<最初は病名のつかない時期があります。中学3年生の時、腹痛の後に下痢と血便が続き、便器が真っ赤に染まってびっくりしました。高校生になってからも年に1回くらい同じ症状が起こりました。今、思えば学期末試験を控えた、ストレスの多い時期に発症したように思います>
潰瘍性大腸炎は日本には22万人の患者がいるとされ、世界的に増加傾向にある。未だに原因が特定されておらず、厚生労働省は「難病」に指定。安倍首相は病気との闘いをこう振り返った。
<2回目(1996年)の選挙のほうで大変つらい思いをしました。たびたび強い便意が起こるのですが、選挙カーからおりるわけにはいかないので脂汗をかいて我慢していました。本当に苦しかったですね。最大の危機は1998年、自民党国会対策副委員長を務めていた時でした。点滴だけの生活が続き、体重は65キロから53キロに減りました。そこで政治家の進退をかけて慶應病院へ3カ月入院しました>(「消化器のひろば」より)
この頃のことを安倍夫妻のキューピット役を務めた元山口新聞東京支局長の濱岡博司氏はこう回想する。
「晋ちゃんは40代半ばの頃、虎ノ門病院に1カ月間くらい入院していたことがあるんです。一時は、余命数カ月と宣告されるほど悪化したと人づてに聞きました。母親の洋子さんや妻の昭恵さんもとても心配してね。同じ山口県出身の霊能者が『病室に毎日のように通い、晋ちゃんの体に手かざしをしている』と聞きました。安倍家は心酔している様子でしたね」
ワラにもすがる思いだったのだろうか。 辞任後は新しい治療が寛解することを祈るばかりだ。(上田耕司)
※週刊朝日 オンライン限定
最終更新:AERA dot.
◎上記事は[Yahoo!JAPAN ニュース]からの転載・引用です
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〈来栖の独白 2020.8.30 Sun〉
幾度も記事にさせて戴いた安倍首相のこと。重篤な状態下での長期政権。如何ばかりしんどかったことだろう。「投げ出し」などといった、メディア始め、心無い人々の言葉が躍る。痛ましくて胸が痛んでならない。
一国の総理、トップのみが抱く孤独、気概。・・・それにしても、安倍晋三という人、なんと誠実な人柄であることだろう。どうか、お休みください。感謝と共に、ご病気のご平癒を心からお祈りしています。
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* 安倍晋三、12年前の独占手記「わが告白 総理辞任の真相」後編 (「文藝春秋」 2008年2月号)
* 本人が初めて明かした「持病」の真相――安倍晋三、12年前の独占手記「わが告白 総理辞任の真相」前編 (「文藝春秋」2008年2月号)
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* 「どす黒いまでの孤独」私は耐えている・・・麻生太郎首相 しみじみ 2009/3/28
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