水原容疑者が出廷 保釈金380万円納付―大谷選手「これで一区切り」・米連邦地裁
時事通信 運動部 配信
【ロサンゼルス時事】米大リーグ、ドジャースの大谷翔平選手の元通訳、水原一平容疑者が12日午後(日本時間13日午前)、ロサンゼルスの連邦地裁に出廷した。同地裁は保釈金を2万5000ドル(約380万円)に設定。水原容疑者は即日納付し、保釈された。次回の出廷は5月9日に決まり、罪状認否に臨む見通し。
水原容疑者には大谷選手への接近禁止命令が出された。許可なくロサンゼルス地域から離れることが禁じられた他、ギャンブル依存症の治療プログラムを受けることも義務付けられた。
同容疑者は12日午前、司法当局に出頭。一時身柄を拘束された。疑惑発覚後、公の場に姿を現したのは初めて。足かせをされた状態で法廷に入り、その後かせが外された。黒のスーツ、白いシャツを着用。裁判官に「イッペイ・ミズハラか」と名前を聞かれると、「イエス」と短く答えた。
閉廷後、代理人の弁護士と共に報道陣の取材に応じる予定だったが、対応せず地裁を後にした。弁護士は12日に声明を出し、同容疑者が大谷選手やドジャース、大リーグ機構への謝罪を望んでいると表明した。裁判で有罪となった場合、最大で禁錮30年を言い渡される可能性がある。
大谷選手は12日、ロサンゼルス・タイムズ(電子版)の取材に対し、「捜査に感謝している。個人としては、これで一区切りがつくので野球に集中したい」とコメントした。
連邦検察は11日、水原容疑者が違法賭博の借金返済に充てるため、大谷選手の銀行口座から1600万ドル(約24億5000万円)以上を胴元に不正送金したとして、銀行詐欺容疑で刑事訴追していた。球団は3月、違法賭博疑惑を受け水原容疑者を解雇していた。
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水原容疑者の裏切り、詳細に 借金取り立ての様子も
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大谷選手の専属通訳を務めてきた水原容疑者の裏切りの手口。公表された30ページ以上に及ぶ訴状に詳細に記されていた。
アクセスできるようにした大谷選手の口座を利用し、偽名で有名選手のベースボールカードを購入し、ドジャースのクラブハウスに届けていた。今年1~3月に32万5000ドル(約4970万円)が動いたとされ、転売目的とみられる。
捜査当局は、ソウルで行われたドジャースの今季開幕戦が終わった後の3月21日、ロサンゼルス空港に戻った水原容疑者から携帯電話を押収した。そこには生々しいやりとりが多数。一定額の損失を出すと賭けられなくなるため「限度額を上げてほしい。これが最後」と何度も懇願する様子が記録されていた。
借金取り立ての様子も明らかになった。2023年11月中旬、ブックメーカーから「一平、なぜ電話を折り返してこないんだ。(大谷が)犬と散歩しているのが見える。話し掛けて、どうやったら(水原容疑者と)連絡を取れるか、彼に聞いてもいい。すぐに返事を」という脅しのメッセージも。水原容疑者は3月20日ごろ、ブックメーカーに「彼の金を盗んだ。自分はもう終わりだ」と伝えている。
捜査当局は水原容疑者と大谷選手の日本語のメッセージのやりとり約9700件も調査。そこにスポーツ賭博などに関する記述は一切なく、大谷選手の潔白が証明される形となった。 (ロサンゼルス時事)
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