産経ニュース 2015.1.23 12:56更新
【オウム公判】新実死刑囚、今も「麻原尊師」と呼称 VX計画「高橋被告もその場にいた」 高橋克也被告第6回公判で証言
地下鉄サリン事件など4事件に関わったとして殺人罪などに問われた元オウム真理教信者、高橋克也被告(56)の裁判員裁判の第6回公判が23日、東京地裁(中里智美裁判長)で開かれた。証人尋問で、VXガス事件の実行グループの一員だった元教団幹部の新実智光死刑囚(50)が出廷。事件直前に被害者にVXをかける計画が話し合われた際に「高橋被告もその場にいた」と証言し、検察側の主張に沿う内容となった。
新実死刑囚が死刑確定後に証人出廷するのは初めて。この日の法廷では、麻原彰晃(本名・松本智津夫)死刑囚(59)について「尊師」と教団内で最大限の敬意を込めた呼び方で話した。VX事件では実行役の補助などを務めた。
高橋被告はVX事件について、殺意と共謀を否認し無罪を主張している。被告がVXの危険性を認識していたかどうかをめぐり検察と弁護側が対立している。
新実死刑囚は教団の最古参信者の一人で、麻原死刑囚の警護役として「自治省」大臣を務めた。地下鉄、松本両サリン事件などに関与し、平成22年に死刑が確定。自身の裁判では麻原死刑囚への帰依の姿勢を示し、作務衣(さむえ)姿で法廷に現れたこともあった。
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新実死刑囚が証言「尊師が事前に『猛毒の兵器』と説明」
2015年1月23日21時35分 スポーツ報知
元オウム真理教信者高橋克也被告(56)の裁判員裁判が23日、東京地裁であり、刑の確定後初めて証人出廷した元教団幹部新実智光死刑囚(50)が猛毒VX襲撃事件について「尊師が事前に『猛毒の兵器』と被告同席の場で説明していた」と証言した。VXをかける実行役を補佐する役に指名され、被告は「俺しかない」と意欲を見せたとも明らかにした。
新実死刑囚は教団の「自治省」大臣で地下鉄サリン事件やVX事件などに関与し、2010年に死刑が確定した。「尊師」は敬意を込めて松本智津夫死刑囚(59)=教祖名麻原彰晃=を呼ぶ言葉で、最古参信者の新実死刑囚は自身の裁判でも使っていた。
ついたてがあり、傍聴席からは新実死刑囚の姿は見えなかった。VX事件で重傷を負い、被害者参加人として検察側の席に座った永岡弘行さん(76)によると、丸刈りで紺色の作務衣(さむえ)を着ていた。刑確定前に面会した時よりやせ、入退廷時には会釈した。
新実死刑囚は証言で、高橋被告は起訴された2事件の前に起きた別のVX事件直後、松本死刑囚への報告の場に同席し、猛毒の兵器を使ったと聞かされたと指摘。永岡さんを襲った事件では、永岡さんの視界を遮り実行役を隠すための傘を被告が自ら準備したと述べた。
一方、教団内で作っていたVXは開発途中で効果がないことがあったと説明。「襲撃相手にVX溶液をかければ、殺害できなくても成功と考えた」とし、被告に殺意がなかったとする弁護側の主張に沿う発言もした。
高橋被告はVX事件で無罪を主張。裁判ではVXの危険性を認識していたかどうかなどが争点となっている。今後はVX事件の審理が続き、来週半ばから公証役場事務長監禁致死事件の審理が始まる見通し。
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◇ オウム 高橋克也被告 第5回公判 2015.1.22 中川智正死刑囚証言「VX殺害計画、被告は分かっていた」 2015-01-22 | オウム真理教事件
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