【単刀直言】石原慎太郎・日本維新の会共同代表(下)「橋下君、辞めたら終わりだよ。人生を失うぞ」

2013-09-30 | 政治/石原慎太郎

    ■ 【単刀直言】石原慎太郎・日本維新の会共同代表(上) 「憲法改正、公明は足手まといになる」 の続き

【単刀直言】「橋下君、辞めたら終わりだよ」 石原慎太郎・日本維新の会共同代表(下)
 産経新聞2013.9.30 08:54
 23日、(「大阪維新の会」が擁立した)堺市長選の新人候補の応援に行って、日本維新の会の橋下徹共同代表と一緒だった。多くの人が会場に来てくれて、橋下君も非常に喜んでくれた。
 ところが、演説の後、2人で食事したときに、橋下君は「石原さん、戦況はかなり不利です。これ、やっぱり負けます」と言ってたな。それで「君ね、それは仕方ないだろ。昔から大義のためには負ける覚悟でやらなければならない戦もある。やらないわけにはいかなかっただろ? 君、たとえ負けても『辞める』なんて絶対に言うなよ」と言ったら、笑っていたね。
 彼の直情な性格からして共同代表を「辞める」と言いかねないので、絶対辞めさせないし、辞めたら、彼の一生は終わりだよ。大阪市長だって任期が2年残っているのにここで「辞める」なんて言ったら、政治に嫌気が差して辞めたとしか取られない。だから「絶対そんなこと言っちゃいけない。君、人生を失うことになるぞ」と言ったら、「分かりました」と言っていたけどね。
*勇気と情熱に好感
 7月の参院選は(慰安婦問題をめぐる)橋下発言なんかもあって、維新の会はかなり苦しいところへ追い込まれた。6月の東京都議選もはっきり言って惨敗だった。今さら発言を批判するつもりもないが、女性は決していい気はしまい。あの発言はかなり響いた。
 彼は現代の政治家の中では珍しく直情径行のところがあって、それが彼の素晴らしさだよな。
 僕は直情径行の政治家が好きなんだ。勇気があり、自分を捨てるところがある。ああいうパッショネート(情熱的)な政治家はいなくなったよね。演説も素晴らしくうまい。あれだけの演説をする人間っていうのは最近いないね。人間をどんどん掌握していく求心力がある。若かりしころ中曽根康弘元首相もそうだったが、中曽根さんよりもパッショネートだね。
 堺市長選では、相手の現職が「『大阪都』構想で堺はなくなる」とセンチメント(感傷)に訴えているようだが、大阪が強くなってくれないと日本は困るんだ。
 今は首都圏ばかりが大きくなっている。大阪市は人口で横浜市に抜かれてしまった。東京と大阪が対にならないと日本の国力にもかかわってくる。前輪駆動の車で前の片方がガタガタしたらまっすぐ走れないし、馬力も出てこないんだよ。
 たしかに、大阪都構想というのはわかりにくい話であるし、表現もよくない。しかし、政令指定都市みたいなものは全部廃止して、大阪は「大大阪」として一体になってもらいたい。
 それに、国を論じている政治家の中で、大きな自治体を預かって、何か新しいことをやろうとしても国の規制に邪魔をされ、嫌な思いをしてきたのは僕と橋下君しかいない。
*野党再編簡単じゃない
 だから、僕と橋下君は2人で維新の会を通じて国の仕組みを変えようとしているんだ。今後の維新は維新で独自の法案を作って、そのキャンペーンをします。次の衆院選は参院選と一緒になるだろうから、それが政党としての正念場になるとみている。
 安倍晋三政権とは、これまで通り是々非々でいくしかない。しかし、村議選に立候補した人も「末は大臣か総理」というんだから、維新は小さな政党であっても大きな志はありますよ。(今後政権運営に参加するかどうかは)事の成り行きでしょうね。そのきっかけが何になってくるかね。やっぱり憲法だと思いますよ。
 野党再編というのは、橋下君のような経験の浅い議員たちだけでできることじゃない。平沼赳夫国会議員団代表や園田博之国会議員団幹事長代理とか経験の長い連中の仕事だね。園田君は民主党といろいろなルート持っているから、これから先、どんな話し合いになってくるか分かりません。
 ただ、民主党は本当に影が薄くなってきた。労働組合に選挙を手伝ってもらっている人は、公明党(の支持団体)から票をもらった自民党と同じ麻薬に冒された手合いでね。そういう議員たちは自分の去就をはっきりできないだろう。野党再編は簡単じゃない。民主党が割れるしかない。民主党が割れたら面白くなるが。
 野党再編を掲げる議員には旧たちあがれ日本系を敬遠する向きがあるが、どうして気に入らないのか。そんなに存在感があった政党ではなかったのに。
 都知事のときは「首相になってほしい」というようないろいろな声がでたよ。ありがたい話だけどさ。(30日で)もう81歳ですよ。
 自民党に戻るつもりも毛頭ないので、言いたいことを言うつもりでいます。小さな政党でも一応党首だからね。余命いくばくもないんで、最後のご奉公で言いたいこと言っていくよ…。それしかないな。(今堀守通、坂井広志)
 *上記事の著作権は[産経新聞]に帰属します
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【維新敗北】開票0%の「敗北」 橋下氏頼み…退潮クッキリ  
 産経ニュース2013.9.29 21:54
 開票0%でメディアが速報した「敗北」に、大阪維新の会が揺れた。無所属現職の竹山修身(おさみ)氏(63)と維新新人の西林克敏氏(43)の一騎打ちとなり、29日に投開票された堺市長選。報道各社は投票締め切りからほどなく竹山氏の「当選確実」を伝えた。大阪の選挙で負け知らずだった維新代表の橋下徹大阪市長にとって屈辱の瞬間。橋下氏頼みの維新の退潮が鮮明になり、大阪府と大阪市で進める大阪都構想への影響も避けられない。「堺で終わるのか」。維新関係者はうめいた。
 午後8時、堺市堺区の西林氏の選挙事務所。テレビのテロップが流れた瞬間、スタッフは唇をかみ、重苦しい空気に。「全ては私の力不足。申し訳ありませんでした」。西林氏は会見で深々と頭を下げた。
 その後、橋下氏と維新幹事長の松井一郎大阪府知事が並んで会見。橋下氏は「竹山市政が評価されたのが第一。僕に対しての批判、反発が第二」と敗因を分析する一方、「(相手方が主張した)堺がなくなるというのは全く事実と違う」「いさぎよく負けは認められない」と悔しさをにじませた。
 橋下氏は敗戦の責任としての代表辞任の意思を問われると、「そんな辞めるなんて。また勝たないといけない」と語気を強めた。松井氏も「血みどろになってでも前に進んでいくのが、僕らに与えられた役割だ」と決意を語った。
 維新と国政政党の日本維新の会にとって、反維新・反都構想勢力と対峙(たいじ)する堺市長選は、絶対に落とせない戦いだった。党の顔である橋下氏が連日のように応援に入り、陣営内には楽観ムードもあった。だが、投票1週間前に「維新劣勢」の世論調査結果が相次いで出され、状況は一変。かつてない重圧の中で橋下氏と松井氏は声をからし、西林氏の体重は5キロ落ちた。
 維新府議らは29日も、西林氏の地元・南区の住宅街で「投票へ行こう」と書かれたのぼりを手に、「午後8時まで投票できます」と声を張り上げた。「投票率が上がれば奇跡は起きる」と自らに言い聞かせた。
 願いが届いたかのように投票率は前回を6・76ポイント上回る50・69%まで伸びた。しかし、堺市民の民意は維新に振り向かなかった。
 「維新に勝った!」。堺区の竹山氏の選挙事務所では、当確の一方とともに歓喜の声がわき上がった。事務所には、自民や民主、共産の国会議員や地方議員らが“呉越同舟”で詰めかけ、熱気に包まれた。
 「堺市民と維新との戦いだった。市民の勝利だ」。あいさつに立った竹山氏は興奮気味に絶叫し、「思想信条を越えて『堺は一つ』という大義のもとに集まれたのが勝因だ」と語った。
 竹山氏の勝利で、支援した反都構想勢力は勢いづく。自民の大阪市議は「(橋下維新は)堺市だけでなく、大阪の民意ですら離れている。(都構想の制度設計を行う)法定協議会で都構想の矛盾点をより鮮明に打ち出し、最後は葬り去る」と息巻く。
 維新と一定の協調路線をとってきた公明の関係者からも、風向きの変化を感じ取る声が上がる。「維新はやっぱり『ふわっとした民意』をつかんでいるだけだった。これからのことを考えたら自公でやらないと」
 橋下維新にとって、堺市長選は“原点”ともいえた。橋下氏は4年前の前回、大阪府幹部を辞めて出馬した竹山氏を知事として応援し、自民、民主、公明が事実上相乗りした当時の現職をねじ伏せた。その後、維新を立ち上げ、国政にも踏み出していった。
 原点で喫した敗北。「堺で始まり、堺で終わるのか」。維新の地方議員は、涙目で語った。
 *上記事の著作権は[産経ニュース]に帰属します 
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