◆小沢一郎氏 初公判 全発言/『誰が小沢一郎を殺すのか?』2011-10-06
ただいまの指定弁護士の主張に対し、私の主張を申し上げます。
◆小沢氏 初公判 10月6日/大善文男裁判長=極めて保守的で予定調和的な判決ばかり出してきた2011-08-12
------------------------------------------------------------------------
陸山会事件:小沢元代表初公判 「虚偽記載ない」無罪主張
2011年10月6日 10時44分 更新:10時47分毎日新聞 ニュースセレクト
資金管理団体「陸山会」の土地購入を巡り、政治資金規正法違反(虚偽記載)で強制起訴された民主党元代表、小沢一郎被告(69)の初公判が6日、東京地裁(大善文男裁判長)で始まった。小沢元代表は起訴内容について「(検察官役の)指定弁護士が話されたような(虚偽記載に関与した)事実はありません」と否認し、無罪を主張。その後の意見陳述で、検察の捜査を「国家権力の乱用だ」と批判した。
元代表が陸山会に提供し、土地購入に充てた4億円を政治資金収支報告書に記載しなかったなどとして、9月26日に有罪判決を受けた同会元事務担当者の衆院議員、石川知裕被告(38)ら元秘書3人=全員が控訴中=と、元代表の間で共謀があったかが最大の争点。
検察官役の指定弁護士は、元代表の関与を認めた石川被告の捜査段階の供述調書などを基に「『4億円は表に出せない金』と考えた石川被告が銀行融資で土地を購入したように装うことなどを元代表に報告し、了解を得た」と、共謀の存在を立証する方針だ。
弁護側はこうした報告や了承の存在を否定。4億円提供は「石川議員に預けたもので陸山会への貸し付けには当たらず、収支報告書への記載は不要」として、虚偽記載の成立そのものを争う。
公判では元秘書や検事ら9人の証人尋問がある。来年1月に被告人質問、3月に結審の予定。
起訴状によると、元代表は元秘書3人と共謀し、陸山会が04年10月に元代表から借り入れた4億円で土地を買ったのに、04年分政治資金収支報告書に記載しなかったなどとされる。【和田武士】
==========================
小沢一郎裁判で問われる司法の独立――「推認」に込めた小沢流の皮肉
週刊金曜日2011年10月24日10:12AM
一〇月六日、政治資金規正法違反(虚偽記入)の罪で強制起訴された小沢一郎・民主党元代表の初公判が、東京地裁一〇四号法廷(大善文男裁判長)で開かれた。
傍聴席はわずか四九席。傍聴券抽選会場となった日比谷公園には、早朝から報道各社が動員したアルバイトを含む二一四六人が集結し、地裁裏手には生中継用の特設テントが設置されるなど、世間の高い注目が集まった。
この日の法廷で、小沢氏の弁護団は「全面無罪」を主張。小沢氏自身も法廷に立ち、自ら意見陳述を行なった。
「(検察官役の)指定弁護士の主張は、検察の不当、違法な捜査で得られた供述調書を唯一の根拠にした検察審査会の誤った判断に基づくものにすぎず、この裁判は直ちに打ち切るべきであると考えます。百歩譲って裁判を続けるにしても、私が罪に問われる理由はまったくありません」
小沢氏は閉廷後に衆議院第二議員会館で開かれた記者会見でもこの陳述書を読み上げ、改めて自身の潔白を主張した。
小沢氏は用意した陳述書の原稿をめくる際、何度か読むスピードを緩めた。しかし、それとは別に、明らかに自らの意志で大きく息を吸った部分がある。
「この捜査は、まさに検察という国家権力機関が、政治家・小沢一郎個人を標的に行なったものとしか考えようがありません。
私を政治的、社会的に抹殺するのが目的だったと、……『推認』できますが、明確な犯罪事実、その根拠が何もないにもかかわらず、特定の政治家を対象に強制捜査を行なったことは、明白な国家権力の濫用であり、民主主義国家、法治国家ではとうてい許されない暴力行為であります」
小沢氏が大きく息を吸ったのは、「推認」という言葉を発する直前のことだ。これは明らかに裁判所に対する皮肉だろう。
小沢氏の初公判に先立つ九月二六日、同じ東京地裁(登石郁朗裁判長)で小沢氏の元秘書三人はいずれも執行猶予付きの有罪判決を受けている(元秘書三人は翌日控訴)。その判決で多用された「推認」という言葉を、小沢氏はあえて盛り込んだのだ。
小沢氏の「怒り」と「皮肉」は記者との質疑応答でも見られた。
会見で『共同通信』の記者から「国会での説明責任」を問われると「君はどう考えているの? 司法の公判が進んでいる時、他の立法権やその他のことをいろいろと議論すべきだと思っているの、あんたは? あんたの見解は?」と顔色を変えて逆質問。記者が「司法手続きも国会での説明も重要だと思います」と答えると、「三権分立を君はどう考えているの? 司法は法と証拠に基づいて判断する場でしょ? それがいろいろな力や感情によって結果が左右されることになってはいけないから司法は司法で独立しているわけでしょ? もうちょっと勉強してからまた質問して下さい」と記者をたしなめている。
四億円の原資についても、「原資は私のお金です。詳しく聞きたければ検察に聞いて下さい」と、一年以上にわたる強制捜査の末に小沢氏を不起訴とした検察、そして検察からのリーク報道に頼ったマスコミを批判した。
この裁判の争点には、「検察審査会の議決による強制起訴の有効性」も含まれる。実際、検察審査会メンバーの平均年齢が二度にわたって訂正されるなど、不可解な「謎」は残されたままだ。
また、元秘書・石川知裕衆議院議員の公判では、石川氏が保釈後に受けた東京地検の取り調べの様子を録音した内容が書面で提出され、東京地裁が「取り調べに威圧、誘導があった」と判断し、検察官が作成した調書を証拠採用しなかった経緯もある。
一四日の公判では、ICレコーダーに録音された音声が法廷で再生される。これまで秘密のベールに包まれてきた検察の捜査が生々しく「可視化」される瞬間だ。
判決予定は来年の四月下旬。裁判所は「法と証拠」に基づき、どんな判断を下すのだろうか。要注目だ。
(畠山理仁・フリーランスライター、10月14日号)
============================
「陸山会事件」判決 記者生命をかけても私が言いたいこと
週刊現代2011年10月08日号 「ジャーナリストの目」魚住 昭
石川知裕著『悪党―小沢一郎に仕えて』(朝日新聞出版刊)が売れている。発売直後で9刷5万部だからベストセラーだ。
誰も知らなかった小沢一郎の実像が絶妙の距離感で描かれているから売れるのも当然だろう。数多の小沢本(大抵はヨイショ本か、暴露本だ)が皆駄作に思えてしまうほど良質な作品だ。
石川さんは陸山会事件で政治資金規正法違反の罪に問われている。この原稿が読者の目に触れるころには東京地裁の判決が言い渡されているだろう。(筆者注・この原稿は判決数日前に書きました)
判決内容がどうあれ、私は陸山会事件の取材者として伝えておきたい事実がある。この事件は「小沢潰し」のため仕組まれたものだ。断罪されるべきは検察の不当で低劣な捜査だ。
私がそう言い切る理由は以下の通りだ。もともと陸山会事件の本丸は水谷建設のヤミ献金だった。04年10月、岩手・胆沢ダム下請け工事受注の謝礼として水谷建設が小沢側に5千万円を渡したという疑惑である。
特捜部の調べに水谷建設の元社長は「六本木の全日空ホテルのロビーで石川秘書(当時)に5千万円入りの紙袋を渡した」と供述した。これが事実なら悪質犯罪だ。小沢本人も逮捕できると特捜部は色めき立った。
だが、このヤミ献金容疑は証拠が希薄すぎた。まず、元社長の供述を裏付ける現金授受の目撃者がいなかった。当日、元社長を全日空ホテルに運んだという水谷建設の運転手の供述も曖昧だった。さらには石川さんが受け取ったはずの5千万円の行方も特定できなかった。
18年前のゼネコン汚職で特捜部は自民党の梶山静六・元幹事長を逮捕しようとしたことがある。ゼネコン幹部が「1千万円を渡した」と供述したからだ。だが強制捜査は直前になって中止された。ゼネコン幹部がそのカネを自分の懐に入れていたことが判明したためだ。この例でわかるように業者の供述を裏付ける証拠もなしに現職代議士の石川さんを逮捕できなかった。
となると残る手段は別件逮捕しかない。そこで浮上したのが不動産購入をめぐる政治資金収支報告書の“虚偽記載”だ。ヤミ献金に比べるとカスみたいな「形式犯」だが、購入時期のズレや、小沢氏個人からの借入金の不記載といった外形的事実の立証は容易だった。これを入り口に石川さんらを逮捕し、ヤミ献金受領を自白させて小沢氏の逮捕に漕ぎ着ける―それが特捜部の描いたシナリオだった。
しかし石川さんは昨年1月15日に逮捕されてからヤミ献金受け取りを否認し続けた。
彼の獄中日記には「アリバイを証明して断固戦う」(1月20日)「副部長から水谷についても立証できると言われた。本当にとんでもないことだ。検察は事件を作るといわれているが、本当だ」(1月27日)「副部長は小沢事務所が何千万円もゼネコンからもらったと思い込んでいる。何を言っても無理だ」(2月1日)と調べの模様が克明に記されている。
結局石川さんの「自白」を得られず、特捜部は本丸のヤミ献金立件と小沢氏の起訴を断念せざるを得なかった。戦後検察史でも例のない大失態だった。
そのうえ裁判では水谷建設が胆沢ダムの下請けでメリットのあるスポンサー(幹事社)をとるのに失敗していて、小沢事務所に謝礼を払う理由がなかったことが分かった。水谷建設の元会長も「裏金を渡すとき必ず『見届人』を同席させて相手方への現金交付を確認させるのがウチのルールだが、それをしていないのが解せない」と元社長の私的流用を示唆した。
私の記者生命をかけて言うが、石川さんは嘘をついていない。5千万円のヤミ献金は検察が作り上げた幻だ。たとえ判決が有罪でも石川さんには政治家を続けてほしい。泥にまみれても不条理と闘い続ければ、共感の輪は大きく広がっていく。真実より強いものはないということがきっと証明されるはずだ。
==========================
◆日本を語ろう フツーの市民vs小沢一郎/最も国民の生命、財産、人権を守るべき裁判所/民主主義国家/2011-10-05 | 政治/検察/メディア/小沢一郎
◆私の面倒を見てくれた政権の座にある人物が1日中、椅子に座らされて、1人でいるのは耐えられなかった2011-10-04 | 政治/検察/メディア/小沢一郎
◆『誰が小沢一郎を殺すのか?』の著者カレル・ヴァン・ウォルフレン氏と小沢一郎氏が対談〈全文書き起こし〉2011-07-30 | 政治/検察/メディア/小沢一郎