
〈来栖の独白 2018.10.6 Sat〉
本日、『散り椿』を鑑賞。岡田准一君と西島秀俊君。西島君は、岡田君とダブル主演と云ってもいいのではないか。
「花が散る」「散る花」に美を感じるのは、日本人特有の感性だろう。モントリオール世界映画祭・審査員特別賞を受賞ということだが、外国人に「散り椿」が十分に理解されうるか、甚だ疑問。岡田君も西島君も、日本的な役者さん。
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週末オススメ映画! 「散り椿」木村大作監督と岡田准一さんにインタビュー
中日新聞 2018年9月29日 11:00
今週は、新作映画のキャンペーンが5本もありあちこち飛び回っておりました。
台風が心配ですが、週末オススメ映画を紹介!
これぞ日本ならではのお家芸、まるで絵画のように美しい時代劇「散り椿」です。9月28日金曜日公開。絶賛公開中!
名キャメラマンにして映画監督、御年79歳の木村大作
木村大作監督が「劔岳 点の記」「春を背負って」に続く映画監督第3作として手がけた時代劇。
「雨あがる」などの監督・小泉堯史を脚本に迎え、直木賞作家・葉室麟の同名小説を実写映画化。
愛する女性のために命を賭けて戦う侍達の切なくも美しい人間愛を描いたラブストーリー。
監督の映画への想い、行動力そのパワーたるや毎度圧倒されます。2009年の剣岳〜の時はご自身の車に「剣岳」とペイントして全国自ら運転してキャンペーンを随行、道行く人にチラシを自ら配るなど、マスコミにたよらない「宣伝」というものを、今の若き映画会社の人々に衝撃を与えた方でもあります。
背も高くて背筋もしゃんとしていて、かっこいいんです。そんな木村監督が、時代劇小説150冊読み選んだのがこの散り椿なのです。
木村監督は主人公の新兵衛に岡田准一を指名。「追憶」という映画でキャメラマンと主演で一度タッグを組んでいますが、その以前から「散り椿」の主人公は岡田准一と決めていたそうです。
先日、公開直前に名古屋キャンペーンがあり、木村監督と岡田准一さんにインタビューしてきました。
*監督、Instagramにハマる
木村監督は、この映画のキャンペーンが始まってから「インスタ」を始めまして。79歳という高齢ですが、
新しいことはなんでも取り入れるという好奇心旺盛なのです。
岡田さんは、撮影時も伝統を軸にしつつも時代劇の決まり手を破りリアルな所作を追求したりと79歳の監督がつねに新しいことを求めている、頭が上がらない。とお話ししていました。
木村大作監督のInstagramにわたくしも載っておりますので、ぜひみてくださいませ。
「三重テレビアナウンサー」と書いてあるのは間違いですが(笑)
三重テレビ映画番組「シネマクルーズ」でのインタビューです。
木村監督のInstagramはこちらhttps://www.instagram.com/p/BoL5e_OhA1u/?hl=ja&taken-by=chiritsubaki.daisaku
ぜひフォローしてあげてくださいな。
*散り椿あらすじ
徳川吉宗江戸幕府将軍時代、主人公、瓜生新兵衛(岡田准一)は、かつては一刀流平山道場の「四天王」の武士の一人で、負け知らずの「鬼の新兵衛」と呼ばれるほどの剣豪でした。
扇野藩の勘定方で藩の不正を暴こうとして故郷を追われ妻の篠(麻生久美子)とともにひっそりと暮らしていました。
追放後、8年が経ち、連れ添い続けた妻の篠が病に倒れ、死を迎えようとしていた
篠は最期の願いを新兵衛に託します。
「藩に戻りて、榊原采女(うねめ)を助けてほしい」と。
新兵衛にとって采女は、かつては良き友でありよきライバルであり、しのを巡る恋敵でもあったのです。その采女は新兵衛の藩追放にも関わった大きな因縁をもつ二人。
妻の真意は?そもそも、なぜ故郷の藩を追われたの?
物語が進むにつれ、閉ざされていた過去。そして、人の思いというものは、どれほど深く生き続けるものなのか。次第に明かされていきます。
悲しくも、しかし凛とした強さを持った愛が、詩情豊かな映像とともに描かれる映画でもあるのです。新兵衛の妻の妹里美というのを黒木華さんが演じているのですが、里美はずっと独身なんです。彼女は新兵衛にずっと想いを寄せていたわけですよ。
彼女の思いに彼は気がついているというその切なさ。二人が同じスクリーンの中に映し出されるときの距離感というが素晴らしく。その彼女の心情に深く共感しました。日本の女性の奥ゆかしさがここにありました。
*岡田准一の斬新な殺陣
ラブストーリーが軸になっていますが、時代劇ですからチャンバラもあります!
とにかく岡田准一の殺陣が美しい。追われた身でありながらも未だに不意打ちにあう。その時の剣裁きも素晴らしいのですが、西島秀俊演じる采女との椿をバックにしての殺陣シーンは、今まで見たことがない殺陣のシーンでした。腰を落として、ヒザがついてしまうくらいのしゃがんだ体勢での剣さばき。岡田さんの案でこの低い体勢での殺陣がうまれたとのこと。
その理由として、監督は殺陣のシーンでカット割りをしない。芝居の空気を映すため、1シーン、1カットを複数のカメラで同時に撮影する。
そのため、木の高さに合わせて急遽考えたことだそうです。それで一枚でこのような美しい絵画のようなシーンができあがったのです。 (C)2018「散り椿」製作委員会
この命を賭けた斬り合い、剣豪アクションはこの映画の最大の見どころです。
「スピードに関して言ったら、三船敏郎、高倉健、仲代達矢、勝新太郎を上回るスピード」と監督も絶賛!
大雪や大雨が降る中での殺陣は、キャストの動きからするとよく見えない。
それに関して監督、「心で見るんだ。そうすれば自然に見えるようになる」とおっしゃってました。
*名古屋で舞台挨拶
このインタビューの夜には、
中日新聞主催の舞台挨拶がミッドランドスクエアシネマで開催されました。
わたしは、別の舞台挨拶の司会のためすこし遅くなってしまいましたが、インタビューでは聞けなかった
*後半の撮影秘話が面白かった。
岡田さんが富山ロケで「監督が撮影のために電柱をぬいたらしい」というと、木村監督は「抜いて移動させたんです。」そして「いまは電柱が映っても後で消したりできる時代なんですが、俳優さんになんだこんなところでやるのかと思われたら失敗なので、岡田さんが来る当日までには、電柱が影も形もなく、富山県に言って撤去してもらいました。」とおどろきの秘話が飛びだしました。岡田さんも「たいていは『あとから(CG処理)で消します』って言われる時代なのに、本物の場所、重要文化財の場所で撮っていて、僕が着ている着物も良い素材、良い仕立てで絶妙なものを作っています。こだわりの職人さんが作ってくれているのを感じてもらえらたら。」。
富山での時代劇の撮影について木村監督は「誰も時代劇を撮りにいったことのない富山で撮ったんです。新鮮さを感じると思います。僕が最初です。」と。時代劇と言えば京都、それは型にはまりすぎているし、以前撮影したことのある「富山」の風景に魅了されいつかは時代劇を撮りたいと思っていた。とインタビューの時も話されていました。
たまには、しっとりと詩情溢れる日本の美を描いた作品にぜひ触れてみてください。
公開劇場などは公式サイトをご覧ください。http://chiritsubaki.jp/
◎上記事は[中日新聞]からの転載・引用です
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* 岡田准一×木村大作監督「散り椿」がモントリオール世界映画祭で審査員特別賞 2018/9/4
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