小沢氏への力づよい支援 NET IB NEWS /豪腕ではなく憂国の士 小沢一郎/インタビュー・民主主義の危機

2012-11-17 | 政治/検察/裁判/小沢一郎/メディア

〈来栖の独白 2012/11/17 Sat.〉
 小沢氏については、起訴から、来たる12月16日の総選挙予想に至るまで、大手メディアは明らかな悪意をもって偏向報道を続けている。そういった(小沢氏を葬ろうとする)メディアの報道姿勢が政治を「劇場」にし、国益を著しく損なわせた。
 小沢氏裁判だが、来週19日にも検察官役の指定弁護士は上告断念、上訴権放棄を表明するという。中身のない、ただただ小沢氏を刑事被告人に縛り政治生命を断つだけのために行われた茶番であり、プロパガンダであった。
 そのような社会にあっても、真実を見極めようとし「実像」についてゆこうとするジャーナリストは必ずいる。九州発「NET IB NEWS」は、そういう一握の群像である。
 “わたしたちは知っているのです、苦難は忍耐を、忍耐は練達を、練達は希望を生むということを。希望はわたしたちを欺くことがありません”、この聖書〈ロマ書5章3-5)の言葉を実感する。立ち上がっていける。
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小沢一郎氏を直撃! 激変時代、政局の行方は?【動画】 2012-11-09 | 政治/検察/裁判/小沢一郎/メディア
  【動画】小沢一郎氏を直撃! 激変時代、政局の行方は?
  NET-IBニュースチャンネル 2012年11月 8日 17:40
 10月25日に東京で行なわれた結党記念パーティで4,200人もの参加者を集め、存在感を示した小沢一郎氏が代表を務める「国民の生活が第一」。同党は、衆議院の解散をめぐって与野党の攻防が続くなか、次期総選挙の公認候補予定者を次々と発表するなど、来るべき戦いに備えて着実に歩みを進めている。
 今回、NET-IBを運営する弊社(データ・マックス)は、代表取締役の児玉直が聞き手となり、小沢氏へ単独インタビューを行なった。民主党を離れ、新党で政治改革を目指す小沢氏の胸中はいかに――。

         

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◆ 豪腕ではなく憂国の士、小沢一郎(前)
 NET IB NEWS コダマの核心
 2012年11月8日10:13
石原慎太郎氏も恐れた政治家
 10月25日昼、東京で中国経済新聞の徐静波社長を取材した。午後2時を過ぎたところで大方の取材を終えた頃、徐社長が突然、「次の取材、記者会見があるから失礼する」と立ちあがった。「何の会見ですか?」と尋ねると「石原東京都知事が緊急記者会見をするようだ」という回答。「知事を辞めて新党立ち上げの発表するのでしょう」とこちらの見解を伝えた。「まさしく新党立ち上げの記者会見だ。コダマさん!!石原新党は影響を与えるまでに議席を取るだろうか?」と、徐社長は質問を投げかけてきた。尖閣諸島の問題もあり、中国関係者は、石原氏の存在に脅威を抱いているのであろう。
 一方で、私は別の見方をしていた。「今晩、〝国民の生活が第一〟の政治パーティが開催される。何もなければ、すべてのマスコミが記事で取り上げる。当初、翌26日に石原氏は新党の立ち上げ発表を予定していたはずだ。前日の〝国民の生活が第一〟の記事に霞んでしまうと判断し、急きょ1日早めて記者会見を強行した」と。中国に脅威の念をもたらす存在の石原氏だが、どうも小沢氏には劣等感を抱いているようだ。その意識は、自民党代議士時代に小沢氏の辣腕に屈していた負い目に起因しているのかもしれない。
名もなき組織なき4,200人が集まる
 夕方午後5時半にホテルニューオータニ東京の会場へ向かった。開会は午後6時。30分前から数多くの人たちが受付に群がっている。手続を済ませるのに15分かかった。そこから入場するのに10分要した。入口前では、代表・小沢一郎氏をはじめ、議員たちがズラリと並び、出席者一人ひとりに握手をして出迎えていた。どおりで会場内に到達するのに時間がかかるはずだ。小沢氏はにこやかに挨拶を交わしていたが、70歳を過ぎた老人の感じは微塵もない。闘志満々のオーラが伝わってきた。〝七転び八起き〟しながらも新たな闘いに向けて闘争精神を燃やしている。さすが、タダ者ではない。
 ようやく入場。会場内のスクリーンには、小沢氏が団長として行なった、反原発や自然再生エネルギーに関するドイツ視察の模様が映し出されていた。開会時の会場内は、立錐の余地もないほどの込み具合。目勘定で「3,000人は超えているな!!」と直感した。結果的に4,200人が参加していたという。「やはり政治家・小沢には根強いファンがいるのだな」と再認識した。
 また、再評価を余儀なくされた。この政治パーティで、来賓挨拶をした3人は強力な組織団体の要人ではなかった。ある小さい自治体の首長、農協長、若い母親と一般市民が挨拶をしたのである。故意の仕掛けかもしれない。既存の利権組織の存在を隠す意図があったにしても今の小沢氏の〝国民の生活が第一〟を公然と応援する奇特な団体は稀有だ。つまり、集まった4,200人は組織動員された人たちではなく、それぞれが個人の意思で集まった人なのである。その実態を目撃すれば、『政治家・小沢一郎』を再評価せざるを得ない。
 超満員の席上に立って挨拶した小沢氏は感激のあまり涙ぐむ場面も見せた。民主党と決別してからの激闘の苦労を振り返ればひと粒の涙が流れるのも当然だろう。小沢氏は今後の政治方針として『反消費税』に『反原発』を加えた2大政策で次の選挙に臨むことを表明した。これを聞いて「小沢という政治家は、国民に提示する選挙対抗軸の策定に関して天才だ」と感服した。しかし、翌日の新聞・テレビは、国民の生活が第一の政治パーティをまったく無視した。
豪腕ではなく憂国の士、小沢一郎(中)~志士少なき民主党
NET IB NEWS コダマの核心
2012年11月12日 10:28
国民のために体を張るのが政治家
 佐藤栄作政権以降の政治家たちで歴史に名を残すのは、中曽根康弘、田中角栄、小泉純一郎、小沢一郎の4名であろう。平成に入って24年間、日本政界はこの小沢一郎を中心に動いてきた。彼の強さは、国家権力の中枢にいながら、その権力のポストを平然と投げ捨てたことだ。小沢氏本人をインタビューした。
 小沢氏は、「1989年の幹事長の地位に執着していたらこんな苦労はしていなかった。しかし、権力中枢から日本の国を眺めると『この国はいずれ行き詰る。国民は不幸のどん底に陥るだろう』という予測が立った。そうとなれば政治体制の変革に挑まなければならない。そういう使命感がなければ政治家を辞めてしまうべきだ」と、淡々と語る。この言葉を耳にして赤面の思いに至る政治屋はゴロゴロいるはずだ。
 「衆議院で300議席以上の圧倒的な多数派を形成していた民主党政権が、崩壊寸前になったことについて、どう理解すれば良いのだろうか?」と質問を投げかけてみた。小沢氏は、「基礎的訓練がまったくできていなかったことと、心構えができていなかったからだろう」というコメントをくれた。要するに民主党に結集した政治屋たちは〝自民党政権を倒すこと〟だけが最終ゴールになってしまっていたのだ。〝与党=国家権力遂行者〟たる心得、立ち位置、運営に関してまるで準備不足、興味がなかったのである。
 「政治主導」と叫んでみても日本国家組織(官僚機構)を動かすノウハウは何も知らない。大臣の要職に就いた連中は、〝役人へ仕事の丸投げ〟を行なう。そうなると役人たちは民主党議員たちを馬鹿にするようになる。手抜き・足を引っ張る策略で狙われる破目になってしまう。
 しかしながら、どうであれ与党は居心地がよい。議員1人ひとりは既得権の誘惑に惹かれていく。変革の意識は劣化して自己保身に終始するようになる。「できるだけ解散を延ばしたい」という醜態をさらけだす始末だ。小沢氏の不屈の変革意志(政治家の使命)の爪の垢を煎じて飲め! この醜態が国民にどういう悪影響を与えたのか!! わかっているのか。
〝右翼バネが危険〟という認識
 民主党に期待し、裏切られた結果、国民の政治に対する関心の度合いは薄れてしまった。現在、大手を振るって闊歩しているのが自称民族派の右翼たちだ。ネットの世界では彼が声高々に騒いでいる。極端な連中は「中国との戦争を躊躇するな!!」と焚きつけている。
 小沢氏も、国民の政治不信が民族派に引き回されることを憂慮しているようだ。古今東西、中道市民派と目された政権が行き詰ると必ず過激な政治体制(ヒトラーなどの独裁政権)が誕生する。こういう危険な瀬戸際に立ったのは民主党のだらしのない政権運営に起因しているのだ。「民主党は解党すべきであろう!!」と提言する。
 小沢氏は度々、東日本大震災の被災地を訪問している。福島第一原発事故で福島県全体の3分の1が空白ゾーンになった事を知り驚愕したという。被災地で「国民の生活の安全を守らなくて何が政治だ」と叫んだのではないだろうか!! 「脱原発」の政治方針が定まった。「迫りくる解散総選挙に勝利しないと日本の行く末は闇になる」という認識のもと、政治家・小沢一郎は最終戦争に果敢に挑もとしているのだ。
豪腕ではなく憂国の士、小沢一郎(後)~最終決戦がやってきた
コダマの核心
NET IB NEWS 2012年11月13日 09:50
被告の身から解放
 12日、東京高裁において小沢一郎氏は、東京地裁の判決と同様に≪無罪の判決》を勝ち取った。最高裁への上告される可能性も多少は残っているが、まずは実質被告の身から解放された。
 やはり、政治公党の党首が≪被告の身≫であれば、世間の目も疑ってかかる。やはり活動も自己規制するきらいもあった。政敵、国家官僚組織、検察、マスコミ(一説でアメリカの策謀)――あらゆる権力が結束して、政治家・小沢一郎潰しに注力したが、失敗に終わった。本人の不屈の闘争精神には感服するとともに、運力も凄い。ほぼ年末に解散が確定されつつある衆議院選挙で、小沢氏自身が政治家として最終戦争に挑む体制がそろった。
 加えること、またまた強運を示したのが、7~9月の3カ月の経済成長率が年率3.7%マイナスになったことだ。不景気を茶化すのではない。小沢氏の先見性を称えているのである。「日本の軟弱な経済状況で消費税を上げる余裕があるのか!!消費税恐慌になるぞ!!」という指摘が的確であったということだ。これでは、消費税8~10%へのアップは難しくなった。【反消費税】の政治方針は、有効の証である。
『過半数を取らないと問題解決にならない』と呟く
 『国民の生活が第一』の選挙への政治公約は、【反消費税・反原発】である。この【反原発】を、もう少し具体化すべきである。『10年間で原発を完全にゼロにする』という主張は、素晴らしい提起だ。これをさらに発展させて、『一切の原子力発電所の再稼働は認めない』ということを明確に謳うべきである。この政策を世に問えば、新しい支持層を確保できる。応援活動家も馳せ参じるのではないか!!
 取材のなかで小沢党首は、「『国民の生活が第一』単独では、小選挙区には自前で100人立てる」従来の方針を述べた(各ブロックには別途立候補者を立てる予定)。「選挙は過半数を取らないと勝利したとは言えない。我が党が単独で過半数取れるわけでもないのだから、共同戦線の構築が重要だ。私はその礎、下働きをすればよいと考えている」との呟きを耳にして、凄みを感じた。
 「さすがだな!!小沢氏の頭には、第3極の統一戦線の構想が浮かび、各方面での仕掛けを開始しているのであろう。平成の24年間、この政治家こそが水面下であらゆる工作をしてきた実績を持っている第一人者だ。何かしでかすな」と直感した。 
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独占インタビュー・小沢一郎氏「民主主義の危機!」(1)~国民の審判
NET IB NEWS
2012年11月14日 10:43
 11月12日、資金管理団体「陸山会」の土地取引を巡る事件の第二審(東京高裁)で新党「国民の生活が第一」の小沢一郎代表に、一審の判決を支持し、無罪判決が言い渡された。
 先月25日には、「国民の生活が第一」の結党記念パーティーが都内のホテルで開かれ、会場には4,200人を超える支持者が参集した。その会場で小沢代表は、「国民との約束を守るために新党を作った」と語っている。
 来るべき総選挙を控え、超多忙の小沢代表に、弊社代表の児玉直が独占インタビューを敢行した。
<もう1度初めから構築、国民の審判を受ける!>
――国民の目には、一度権力をとった民主党は、現在は自己保身、いわば自分の「○○商店」を守ることだけに専念しているように見えます。1年でも長く議員でいたい。その考えには、主権者である国民が不在です。その点をどのように感じておられますか。
小沢一郎氏 (以下、小沢) 本当に困ったことになったと思っています。まさに、リーダーからしてその感覚なので、党員全員が影響を受けてしまっています。野田総理は小手先の戦術だけで、自民党や公明党と一緒の動きをされます。「何をしたいのか」、「どういう政策を考えているのか」が国民の目には、はっきりしません。何となく、権力だけにしがみついているように見えます。当然、本人も内閣も評判が悪くなるという悪循環が続いています。
 政治家にも、もちろん目先の利害は存在します。しかし、自分の政治家としての理念、国民の代表としての責任を忘れたら「政治家」とは言えません。巷でよく言われる「政治屋」になってしまいます。ただ「国会議員としての身分が欲しい」、「ポストが欲しい」、「1日でも長く国会議員を続けていたい」というのでは、いくらなんでも悲しいと思います。
――偉大な「政治家」はよく歴史上の人物となぞらえて話されることがあります。これまで辿ってこられた道のりは、歴史上のどの人物と似ていますか。
小沢 その答えはとても難しいです。私は、今走り続けている最中で、最終ゴールのテープを切っていません。実は、3年前の夏に、第1段階のゴールは迎えたと思ったことがあります。しかし、残念ながら、ゴールから逆戻りしてしまいました。国民が「これでは、自民党と同じどころか、自民党より悪い」というのが定説になってしまいました。
 私としては、新党「国民の生活が第一」を立ち上げ、民主党と別れることは、本当に断腸の思いでした。自分が選挙戦の最前線で陣頭指揮をして国民に訴え、審判を受け、その結果、民主党が300を超える議席を頂き、政権を任されたからです。野田総理、菅、鳩山元総理より、そして党員の誰よりも、民主党政権が上手くいくことを願っていたからです。この第1段階のステップが上手くいっていれば、第2段階のステップへすすむことができ、国民の生活が第一という当時の民主党のスローガンにより近づくことができたからです。
 この現在の状態はとても残念です。しかし、自分としては、もう一度初めから構築をし直し、再度国民の審判を受け、今度こそ国民の生活が第一の社会を作り上げるつもりです。【聞き手:児玉 直/文:金木 亮憲】
独占インタビュー・小沢一郎氏「民主主義の危機!」(2)~理念と信念
NET IB NEWS 2012年11月14日 16:16
<政治家としての揺るぎない「理念」&「信念」!>
――第1段階のゴールを迎えたと思ったのに、逆戻りしてしまった民主党の体質とはどういうものですか。一番の要因はなんですか。
小沢 やはり、「政治家」として、基礎的知識、基礎的訓練に欠けていたところだと思います。ここしばらく続いている状況を分かりやすく言えば、何の知識、何の経験、何の見識もなく、突然"ポーン"と総理大臣になったり、大臣になったりしていることです。突然、偉くなってしまうわけです。
 彼らは、そのポジションの「何たるか」という意味をまったく理解できていません。意味だけでなく、一番大切な心構えができていません。民主党の人たちは、当時「政権与党」になるという感覚を持っていなかったように思われます。よく言われることですが、万年野党であった旧社会党の感覚と似ています。国会議員であれば満足という感覚です。準備作業が全くできていなかったように思います。しかし、結果は300議席を超え、あっと言う間に政権与党になってしまったのです。自分の主張をどう実現していくのか、経済界とどの様に付き合っていくのか、官僚にはどのように対応すべきなのか、国会運営はどうしたらよいのかなど基礎的な知識がなく、訓練もできていませんでした。現在も同じです。
――「権力」を取るぞと言いながら、まったく訓練できていなかったとは、国民からみると不可解であるばかりでなく、怖いですね。今騒がれている「第3極」の方たちも「選挙」の準備ばかりが忙しく「政権与党」の訓練などとてもできているように思えませんが・・・。
小沢 民主党の場合は、多くの方が本当に政権与党になるとは信じていなかったよう思います。彼らの多くが、当然ですが、政権与党「権力」の中枢にいたことがないのでまったくわからないのです。私は、若くして自民党の幹事長をさせていただきましたので、「権力」の凄さ、怖さは充分認識しているつもりです。その私からみると、とても理解できないことも数多く起こるようになっていったのです。
 ただ、誰でも初めてはあるので、「政権与党」になったら、そのように自分の意識を変えればよかったのです。自分は政治家として、「何を実現したいのか」、「国民のためにどのように役に立ちたいのか」を真摯に考えることです。つまり、自分の政治家としての「理念」は何かに戻ることが大切です。人間ですから、100%思ったことが実現できることはありません。しかし、その目標は揺らぎないものである必要があり、その目標実現に、努力、邁進できなければと真の政治家には、絶対になれません。今でも民主党の人たちには、そのようなものをまったく見ることができませんし、感じることもできません。ただ、権力に1日でも長くしがみついていたいとしか思えないのです。
【聞き手:児玉 直/文:金木 亮憲】
独占インタビュー・小沢一郎氏「民主主義の危機!」(3)~結果責任
NET IB NEWS 2012年11月15日 07:00
<政治家が「方向性」を示し、「結果責任」を負う!>
――正直、国民は民主党に期待しました。その結果、300を超える議席が与えられたのだと思います。憲政史上、初めてといっていいほど、大きなできごとでした。今となっては裏切られた気持ちがありますが・・・。
小沢 300以上の議席を国民から「民主党」に与えられたわけですから、国民の生活が第一という当初の民主党のスローガンに基づき、税制改革、公務員改革、自治体の改革などすべてができたのです。しかし、それができなかった大きな原因は、政治家としての「結果責任」を負うことから逃げたことにあります。
 政治家は、自分のたちの思ったことをやり遂げるためには、自分たちで提案し、その「結果責任」を負う必要があります。それは、とても厳しいものです。民主党の人たちは、その「結果責任」を負うのを嫌いました。逃げたと言っても過言ではありません。責任をとりたくないので、役人に丸投げしました。
 ところが、役人も政治家が責任を取らないのであれば、手抜きして、いい加減な仕事しかしません。それは当たり前で、いざという時に、責任だけ押し付けられたら、たまったものではありません。
 私には官僚の率直な気持ちが耳に入ってくることも多いのですが、彼らは「政治家が方向を示し、結果責任を負ってくれるのであれば、我々はついていきます。本来、そういう職務・役目なのですから・・・」と言っているのです。政治主導と言いながら、民主党の実態は役人に丸投げです。役人は政治家ではないので責任をとれません。従って、現在の政府では、「結果責任」をとる人が誰もいないのです。
 私はもう一度、やり直す意味を強く込めて、「国民の生活が第一」という新党をつくりました。マニフェストがあってもなくても、我々が目指しているものは、党名に表れており、逃げも隠れもできません。国民の皆さんには、再度信じて頂き、我々に挽回のチャンスを頂きたいと思っているのです。
――ますますお元気そうでエンジン全開ですが、その国を想う「エネルギー」や「変革」の源泉はどこから湧いてくるのですか。
小沢 私は、「政治とは生活である」と常日頃から思っています。現代社会は複雑で、国際政治、国際経済、地球環境問題など政治の対象となるテーマがたくさんあります。しかし、それらの問題は枝葉であり、一生懸命考えなければいけないのは、「どうやってみんなが豊かに幸せに、そして安全に暮らせるようにするか」ということなのです。
 私はこれこそが、政治の原点と思っています。このことが、私のエンジンであり、エネルギーなのだと思います。目先の利益と妥協してしまっては、何のために政治家になったのかがわからなくなります。
 私は、これまでも、現在でもよく「お前がやれ」と言われることがあります。これはとてもありがたいことです。しかし、物事を成し遂げるには「己」を捨てなくてはいけません。みんなが、総理大臣になりたい、国務大臣になりたいと言っていたのでは、絶対に大きな仕事はできません。ポジションから逃げるのではなく、 「己」を捨てて、大きなことを、結果的に成就させることが私の使命と感じています。
 厳しいことですが、ぜひ成し遂げたいのです。私は、与党中枢にいて、日本国家の「変革」の必要性を肌で感じました。55年体制の時の社会党は「変革」と叫んでおりましたが、本音は全選挙区(中選挙区制)で1名ずつ、合計130名当選すればよいという感覚でした。与党になるとは考えていません。政権与党になった今の民主党のなかには、その「安住」を求める体質が根強く残っているのです。【聞き手:児玉 直/文:金木 亮憲】
独占インタビュー・小沢一郎氏「民主主義の危機!」(4)~脱原発、反消費増税 
日本国家"根源的変革"の処方箋シリーズ
NET IB NEWS 2012年11月16日 07:00
原発は「いのち」、消費増税は「くらし」の問題!
――現在、気がかりなことがあります。ネットを見ると、民族派とか右翼の書き込みが増えています。政権与党、政治家に失望した反動ですが、ここぞとばかりに、声高になってきています。どのようにお感じになりますか。吠えたほうが正しいという風潮さえ見られるのです。
小沢 わたしが一番心配していたのもそのことです。政治が混迷し、政治家も政党も信頼出来ないとなると「民主主義」の否定につながります。このような状況の際には、必ず右か左の極端に、日本の場合は右が多いのですが、振り子が振れます。今その兆候がすこしずつでてきています。
 これは、日本の「民主主義」にとって危機的状況です。真面目な民族主義は良いのですが、その風潮にのっかり、単にパフォーマンスだけで声高に叫んだり、扇動したりすることは危険なのです。
 どうしても、正しい勢力が、正しい政治を行ない、議会制「民主主義」を守って行く必要があります。
――民主党や政治家に対する失望感から、全国各地の投票率が下がっています。この点について如何ですか。
 小沢 正直、「民主主義」の危機を感じています。今「第3極」と言われているところも、右から左まで考え方はもちろん、政策もバラバラです。基本的な理念、政策で大きく異なるようでは勢力結集に展望は開けません。重要政策の違いを棚上げして、選挙で連携、協力しても上手くいくはずがありません。それは、今回の民主党の失敗例で、国民の多くが理解されているところだと思います。
 その意味で、議会制「民主主義」を守って行く、守ることができる政党が必要なのです。「国民の生活が第一」はそのために結成したのです。ぜひ、その任を果たしたいと思っています。
――「国民の生活が第一」の基本政策は実に明快ですね。(1)命を守る「原発ゼロ」へ!(2)生活を直撃する「消費増税」は廃止!(3)地域のことは地域が決める「地域が主役」の社会を!
 特に原発は、現在言われているところで、国民の反対は60%程度ですが、煮詰めていくとドイツと同じ80%近くになるとも聞いています。
小沢 原発問題は「いのち」、消費増税は「くらし」という、国民にとって直接、最も大切な問題です。今、大手のマスコミは消費増税賛成、原発推進という立場をとっています。その大手のマスコミの調査で、原発反対が60%を超えるのですから、実態はおっしゃる通り80%は大きく超えるのではないかと思っています。
 ですから私は、党員に対して草の根の活動をやりなさいと号令をかけているのです。必ず、理解いただけるという自信があります。先日の25日のパーティーも、野党になって、大会社、団体は離れ、動員をかけることができなかったにもかかわらず、沖縄から北海道まで4,200人を超える方々に参集いただきました。私も、とても感激しましたが、党員も皆元気になったと思います。
【聞き手:児玉 直/文:金木 亮憲 
独占インタビュー・小沢一郎氏「民主主義の危機!」(5・終)~次期総選挙
日本国家"根源的変革"の処方箋シリーズ
NET IB NEWS 2012年11月17日 07:00
<小選挙区で100以上、絶対に過半数をとる!>
――ドイツの原発視察は如何でしたか。反原発でなく、原発を使わない市民生活のあり方など、新しい生活を考えるヒントも多々あったと思いますが。
小沢 実は、ドイツ以上に日本は代替エネルギーが可能です。ドイツは、風力発電から太陽熱まであらゆる試みをしており、今年25%は賄えることになりましまた。しかし、原発を止めると電力不足になってしまうのです。日本の場合は、原発を止めても全く問題がありません。供給能力は充分にあります。
 なぜ、原発を導入したかというと、「安い、安全」なものと思われたからです。「安全」はまったくのデタラメであることが、国民のほとんどが福島原発事故で実体験しました。
 「安い」というのも、実はデタラメなのです。初期コストを耐用年数で割り算をして、安いという結論を導き出しています。しかし、ここには大きな落とし穴があります。
 1つは、事故が起こった場合のコストが入っていません。福島原発の場合は、その後処理に、今後50兆円~100兆円かかります。また40年後、50年後には、放射能・高レベルの廃棄物を処理しないといけません。ところが、世界のどの国においても現在まだその処理方法が見つかっておりません。このコストを電力会社はもちろん、国も入れていないのです。これらのコストに比べれば、代替エネルギーの開発など容易にできます。
 ドイツの方たちは、日本で10年後を目処に原発廃止を唱えている政党は「国民の生活が第一」だけと聞いて大変驚いていました。
 ドイツはチェルノブイリ原発事故で原発廃止の声があがり、今回の福島原発事故で全政党、全国民で、原発廃止を決めました。経済界(経団連)や商工会議所、電力事業者の団体にも行きましたが、全員が原発廃止に賛成でした。
 彼らから見ると、日本は当然、全政党、全国民が原発を反対しているという認識だったのだと思います。とても不思議そうな顔をしていました。
――「国民の生活が第一」としては、消費増税反対、原発廃止を中心に、愚直に、国民に訴えていく戦いを展開されると聞いています。ところで、選挙はいつごろになると予想されますか。
小沢 私たちは、絶対に過半数を取りたいと思っています。本当の改革をやるためです。国民の意識は、消費増税反対、原発反対になっていると思います。草の根の作戦で掘り起こせば、絶対に過半数をとれると信じています。小選挙区で100以上の議席を考えています。そして、さらに様々な連携を模索しているところです。
 選挙ですが、民主党の野田総理はやりたくないでしょう。これから、予算編成、予算審議があり、景気がますます悪くなるので、景気対策等々理屈をつければ、来年の4月ごろまでは延ばせると思います。しかし、そうなると、野田内閣に対する国民の支持、民主党への支持率はどんどん下がっていきます。国民からの信頼を全く失い、内閣としてやっていけなくなります。時期については、今は見守っているところです。 (了)
【聞き手:児玉 直/文:金木 亮憲】 
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