検察側が最高裁に特別抗告 死刑囚控訴取り下げ無効で
社会・くらし 2019/12/20 17:54
2015年8月に大阪府寝屋川市の中学1年の男女が殺害された事件で、一審で死刑判決を受けた山田浩二死刑囚(49)の控訴取り下げを無効とした大阪高裁決定を不服とし、大阪高検は20日、最高裁への特別抗告と、大阪高裁への異議申し立てをそれぞれ行った。
これらの不服申し立てを受け、最高裁と大阪高裁が無効決定の当否を判断する。不服申し立てがいずれも退けられ、無効の決定が確定すれば大阪高裁で山田死刑囚の控訴審が開かれる。 今月17日の無効決定で高裁の村山浩昭裁判長は、山田死刑囚が看守とのトラブルを巡り動揺し、控訴取り下げ書を提出した経緯を考慮。「死刑判決を受け入れる心情は全く見受けられず、あまりの軽率さだ」とした上で、死刑が究極の刑罰であることを重視し「(山田死刑囚の)判決に対する不服に耳を貸すことなく直ちに確定させることに強い違和感と深いちゅうちょを覚える」とした。
一審・大阪地裁の裁判員裁判で山田死刑囚は2人への殺意を否認。だが18年12月の地裁判決は2人への殺意を認定し求刑通り死刑を言い渡し、弁護側は即日控訴した。今年5月、山田死刑囚が控訴を取り下げたが、弁護人が取り下げを無効とするよう高裁に申し入れた。
一審判決によると、15年8月13日ごろ、大阪府またはその周辺で平田奈津美さん(当時13)の首を手などで圧迫し窒息死させた。星野凌斗さん(当時12)の首も何らかの方法で圧迫し窒息死させた。〔共同〕
◎上記事は[日本経済新聞]からの転載・引用です
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*寝屋川中1殺害事件 山田浩二死刑囚の控訴取り下げ無効 大阪高裁 村山浩昭裁判長 2019/12/17