舞鶴 高1女子殺害事件 中勝美被告に、18日 判決言い渡し 京都地裁(笹野明義裁判長)

2011-05-14 | 社会

舞鶴少女殺害18日判決 死刑求刑、被告は無罪主張
 2011年5月14日 16時26分
 京都府舞鶴市で08年、高校1年の小杉美穂さん=当時(15)=が殺害された事件で、殺人罪などに問われた無職中勝美被告(62)に京都地裁(笹野明義裁判長)は18日、判決を言い渡す。
 凶器や指紋など、中被告と事件を結び付ける直接証拠はなく、被告は一貫して無罪を主張。検察側は防犯カメラ画像などの状況証拠に基づき「合理的疑いを差し挟む余地はない」と死刑を求めており、裁判所の判断が注目される。
 裁判員裁判制度が施行される直前の09年4月の起訴だったため、昨年12月に始まった公判では裁判官3人が審理した。
 検察側が主張する状況証拠の一つが、トラック運転手2人の目撃証言。2人は法廷で「事件直前に中被告によく似た男と若い女性が一緒にいるのを見た」との証言をしたが、弁護側は「目撃者の捜査段階の供述に変遷がある」と証言の信用性を否定した。
 もう一つが現場付近の男女が写った防犯カメラ画像。検察側が鑑定を依頼した大学教授は、写っているのが「中被告である可能性が極めて高い」とし、小杉さんの母親(40)も写っている女性が「娘です」と証言。これに対し、弁護側証人として出廷した大学教授は「顔の特徴が判定できない」と疑問を示した。
 検察側はさらに、現場で見つかった小杉さんの所持品の色や形を中被告が捜査段階で詳細に供述したことが「秘密の暴露」に当たる、と主張。弁護側はこれについても「捜査官の誘導があった」と反論している。(共同)
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 【決断 舞鶴高1女子殺害事件】 (上)乏しい物証 動機も不明 
 4月7日22時25分配信 産経新聞
 「美穂ちゃんも(中勝美容疑者を)よく知っていたはずなのに、何でついて行ってしまったのだろう」
 殺害された小杉美穂さんと親しかった女子高校生(16)はつぶやいた。殺人と死体遺棄容疑で逮捕された中容疑者。「変わった人」。近隣住民からはそうした評判が聞こえた。日ごろから通行人に大声を上げるなどの言動が近辺ではよく知られていたという。
 舞鶴市出身。関係者などによると、地元の高校を中退後、京都や大阪で自動車整備工や警備員、飲食店員などとして働いていた。職を転々としながら、所帯を持った妻や子とも離別。1人暮らしの自宅には、自転車で近辺を回って集めた大型ゴミが山積みになっていた。
 だが、顔見知りなどの前では、別の一面ものぞかせている。
 事件当夜、中容疑者が訪れた2軒の飲食店。先に訪れた行きつけの店の女性店主(68)は「本当にあの人なのか、今でも信じられない。店の隅で静かに座っていたし、こんな事件を起こすなんて…」。後に訪れた店の関係者も「女の子とデュエットするなど、気さくで明るい性格。怒ったり暴れたりすることはなかった」と証言する。
 粗暴にふるまう半面、人とのかかわりを求めるようなそぶりも見せる。複雑な感情を抱えているとみられる中容疑者は40年近く前、ある事件を起こしていた。
 昭和48年9月、当時25歳だった中容疑者は、内縁の女性=当時(26)=との別れ話のもつれから、滋賀県草津市の路上で女性とその兄を刃物で刺して殺害。さらに近くの民家に押し入って住人の女性2人を人質に立てこもった。
 ただ、人質となった女性(61)は意外にも「話している最中もずっと包丁を握りしめてやけっぱちな感じだったが、弱いところのある人だとも思った」と振り返る。最初は興奮していた中容疑者は、落ち着いて対応する女性と話すうち、次第に家族のことなど身の上を語り始めたという。
 殺人罪などで実刑判決を受け、十数年間の服役後に舞鶴へ戻った。行きつけの店の店主は「店ではヤマモトと名乗っていた。前科があったから隠したかったのかな」と話す。
 美穂さん殺害事件では、物証の乏しさのほか、現時点では動機も判然としない。解明は、今後の捜査の大きな焦点の一つでもある。
 中容疑者が逮捕された7日は、美穂さんの11回目の月命日だった。
 【決断 舞鶴高1女子殺害事件】 (下)更生の見極め 地域に重い課題  
 2009.4.9 21:14
 この春、全国の警察本部に、女性や子供が被害者となる殺人や強姦などの凶悪犯罪を未然に防ぐため、前兆となる公然わいせつやつきまといといった事件を集中的に取り締まる部署が設置された。背景には、昨年9月に千葉県東金市で起きた女児殺害事件や、舞鶴高1女子殺害事件などが念頭にあったとされる。
 舞鶴の事件で逮捕された中勝美容疑者は、女性につきまとうなどの行為を繰り返しており、地元では「怖い人」として受け止められていた。「彼が難しい人間としてこの辺りで知られていたのは事実。地域として何とかしなければと思っていた」。地域でボランティア団体を主宰している防犯推進委員の四方筆樹さんは振り返る。
 四方さんは約3年前から、中容疑者に対し、ボランティア活動に加わるよう呼びかけるなど地道に接触を続けた。その結果、最近では草むしり活動に参加するなど、徐々に変化を見せ始めていたという。「心を開き始めているように感じていただけに、もし彼が犯人だとするなら、無念というほかない」。四方さんは唇をかんだ。
 地域社会が直面するさまざまな問題を研究している「地域安全学会」(東京)の守茂昭さんは「地域にとって難しい人物をどう位置づけるか。互いに常に気を配り『心遣いの連鎖』を築くことが必要だ」と話す。
 だが、今回のケースではもう一つ難しい問題が浮かんでいた。重大犯罪で服役後、更生を目指す人とどう向き合うのか。中容疑者は36年前に殺人事件を起こし、十数年の服役後、故郷の舞鶴市に戻った。しかし、平成3年には市内で若い女性に対する傷害事件を引き起こしたこともあった。
 「(再犯者による殺人事件の)遺族は怒り心頭だと思う。更生の余地があるのでしょうか」。京都犯罪被害者支援センター(京都市)の宮井久美子事務局長は厳しい言葉を投げかける。
 36年前の事件で、仮に中容疑者が無期懲役の刑を受けていれば、法的に出所後は軽微な犯罪でも収監されたことになる。「犯罪者にも人権があることは理解できるが、本当に更生しているかどうかを見極めるのは難しい」。宮井さんは指摘する。
 関係者によると、平成3年の傷害事件の被害女性は今も舞鶴市内で暮らしており、昨年ばったり市内で中容疑者と出くわした。女性は「向こうは覚えていないかもしれないが、私は忘れない」と話したという。
 「この事件は絶対に解決しなければならない」。府警は難しい捜査の末に、中容疑者逮捕を決断した。しかし、今回の事件は、容疑者逮捕後もなお、社会に重い課題を突き付けている。
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〈来栖のつぶやき〉2009-04-09 
 産経新聞【決断 舞鶴高1女子殺害事件】〈下〉になって、慌てて幕引き、トーンダウンした感じだ。〈上〉では、何とか真相を掘り起こそうとしているのかな、と思ったりしたが。問題の視点もずれてしまっている。人を先入観(色眼鏡)で観る、とりわけ過去のある人に対する偏見に私は強い恐れ・危惧を抱かないではいられない。こんな土壌では人は更生できない。人は、たった一人で更生するのではない。たった一人で生きてゆくのではない。人の中で生きてゆく。人との中で更生する。
“もし彼が犯人だとするなら、無念というほかない」。四方さんは唇をかんだ。”“「地域安全学会」”など、極めて不快だ。
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『芹沢一也・少年犯罪を考える~今でも日本はもっとも安全な国です』
【芹沢】 実際、防犯ボランティアをやっている人たちからは、「いままでバラバラだった地域が治安でまとまった」といった喜びの声が必ず聞かれます。防犯活動は地域住民にやりがいを与えているのです。「子供を犯罪から守るために、こういう効果が実際にある」という科学的な分析のもとになされているわけではありません。治安を守ること自体はもちろん悪くはありません。ただ、不安を打ち消すために防犯活動にいそしみ、治安管理に邁進しているところに問題があるのです。しかも、そのような治安管理の強化こそが、不安をさらに強めてしまっているという悪循環です。
Q.たしかに最近の防犯活動は過剰に感じます。ですが、そうはいっても実際に被害を受ける側となったら、周りにいないでほしいというのが心情だと思うのですが。
【芹沢】 そうした反応は、本書を書いたときにもありました。統計では少年犯罪や精神犯罪は減っているのはわかったけれど、でも「うちの子が殺されたらどうするのか」というロジックは必ず出てきます。
 少年犯罪の領域でも、数値的には少年法を改正するだけの現実はなかった。つまり、少年犯罪は凶悪化もしていないし、急増もしていない。統計的な事実としても根拠はないけれども、「少年に殺された私の息子の命はどうなる」という被害者側のロジックです。統計的な数字の議論は現在、命の危険性の前ではまったく説得力を持っていません。


舞鶴高1女子殺害 無罪 最高裁が示した有罪認定基準「被告が犯人でなければ説明がつかない事実」に立脚 2012-12-12 | 社会


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